闇の夜の記憶

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動

Wikisource:文学 < 『死刑宣告

本文[編集]

闇の夜の記憶
萩原恭次郎

———毎夜・・
 ●●●●肺嚢は蒼黒い内出血をした
闇の中へ!
  剣付鉄砲の兵士が直立してゐる
  ブリキ破片の肺臓が喘いでゐる

———手を上げた
   男の上を
 自動車はぐつと乗り上げて走り去つた
   バン! バ————ン・・・!!!

群集が
一度にワツと
———男をつかみ上げた!
血だらけな顔が
群集と共に
道路の上を引きづられてゆく————————

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。