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鐵道震害調査書/第一編/第三章/第二節/十二

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  十一 北條線第一瀨戸川橋梁

  構造概要  (附圖第七十六參照) 本橋梁は九重千倉間蘇我起點58哩76鎖81節4の第一瀨戶川に架設せる全長129呎,單線式E33の上路鋼鈑桁40呎3連より成り,大正八年七月起工,同十年五月の竣功に係る。橋梁上線路は直線にして1100勾配をなす,その方向は北10度23分東なり。而して本川は丘岡の間を通ずる溪流にして,河床深く地質は粘土層より成れり。

 橋臺,橋脚ともに基礎杭打混凝土工にして混凝土の調合割合はセメント1,砂3,砂利6,杭は末口6吋,長12呎乃至18呎なり。千葉方橋臺は高基礎上面より桁座面まで40呎,江見方橋臺は高25呎6吋餘にして共に全く築堤中に埋設せらる。又第一號.第二號兩橋脚は高基礎面より桁座面まで48呎にして,斷面圓形頂部半徑7呎,下部半徑11呎812吋なり。橋臺橋脚の軀體は混凝土にして,橋脚の表面は混凝土塊積とせり。混凝土の調合は何れもセメント1,砂3,砂利5の割合なり。

  被害狀況  (附圖第七十六並に寫眞第三百乃至第三百三參照) 千葉方橋臺はバラス止切斷して,その背後に墜落し,軀體は頂部に於て約3呎江見方に移動且傾斜せり。江見方橋臺は桁座面より下方約12呎の所にて水平の罅裂を生じ,その上部は千葉方に約10吋,線路の左方に約 7吋の移動をなしたり。

 第一號橋脚は上部より混凝土塊10段目(10呎8吋)及び19段目(20呎3吋)にて水平に切斷し,兩部分とも線路の右側に轉落せり。

 第二號橋脚は頂部より28段目(28呎6吋)にて水平に切斷し,千葉方に向て約5吋變位し,軀體表面に張りたる混凝土塊3段許(3呎餘)剝落せるを始めとし,これより上方數箇所に水平罅裂を生じ,最も上部に位せる罅裂線(桁座面より4呎の箇所)に沿ひて少許の移動をなしたり。尙この外上下に斜走せる龜裂を生ぜり。

 次に鈑桁に就て見るに,第一號鈑桁は略々線路の方向に移動し,一端は築堤法面上に墜落し,他端は約4呎千葉方臺橋上に乘上げたり。第二號鈑桁は線路の右方約10呎の箇所に於て線路に略々平行して墜落せり。而してこの兩鈑桁ともその上面には枕木及び步み板を取付けたるまゝ墜落し,獨り軌條のみ空中に吊架せり。尙第三號鈑桁は墜落を免れたり。

 この外橋臺前後の盛土は著しき沈下を生じ 且兩橋臺前面にありたる土留擁壁は悉く倒壞せり。

  應急工事  (附圖第七十六及び寫眞第三百四參照) 木造假橋臺及び橋脚を設け,中央に60呎1連,前後に40呎2連を架設し,尙前後に枕木組枠及び軌條桁を用ひて軌道を支持せり。第二號橋脚には電柱用丸太を建添へ,8番鐵線を卷付けて切斷箇所の滑出を防止せり。本工事は大正十二年九月十八日着手,同十月十五日完成せるものなり。