道路法 (1952年立法第40号)

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立法院の議決した道路法に署名し、ここにこれを公布する。

一九五二年九月二十九日

行政主席 比嘉 秀平

琉球政府立法院は、ここに次の通り定める。

第一章 総則[編集]

(道路の意義)

第一条 本法で「道路」とは、一般交通の用に供する道路にして、行政庁において第二章により認定したものをいう。

(道路の附属物)

第二条 左に掲げるものは、道路の附属物として本法の規定に従う。但し、規則で特別の定めをなすことができる。

一 道路に接続する橋りょう及び渡船場
二 道路に附属するみぞ、並木、支壁、さく、道路元標、里程表及びその他道路に関する諸標識
三 道路に接する道路修理用材料の常置場
四 前各号のほか規則をもって道路の附属物と定めたもの

(橋りょう、渡船場)

第三条 本法で橋りょう又は渡船場とは、前条第一号の橋りょう又は渡船場をいう。

2 本法で渡船場とは、渡船を含むものとする。

(他の工作物)

第四条 本法で「他の工作物」とは、堤防、せき、護岸その他規則をもって定める工作物をいう。

(道路に関する工事)

第五条 本法で「道路に関する工事」とは、道路の新設、改築及び修繕に関する工事をいう。

(私権の制限)

第六条 道路を構成する敷地その他の物件については、私権を行使することはできない。但し、所有権の移転又は抵当権の設定若しくは移転をするのはこの限りでない。

第二章 道路の種類等級及び路線の認定[編集]

(道路の種類)

第七条 道路を分けて、左の三種とする。

一 政府道
二 市道
三 町村道

(道路の等級) 第八条 道路の等級は、前条記載の順序による。

(政府道の路線の認定) 第九条 政府道の路線は左の路線にして、立法院の承認をへて行政主席がこれを定める。

一 琉球政府の所在地から市町村役所所在地に達する路線
二 琉球政府所在地から枢要の地又は港しんに達する路線
三 琉球列島枢要の地からこれと密接た関係のある枢要の地又は港しんに達する路線
四 数市町村を連結する重要な幹線にしてその沿線地方と密接な関係のある枢要の地又は港しんに達する路線
五 地方開発のため必要にして将来前各号の一に該当する路線

(市道の路線の認定)

第十条 市道の路線は市内の路線につき、市議会の承認をへて市長が定める。

(町村道の路線の認定)

第十一条 町村道の路線は町村内の路線につき、町村議会の承認をへて町村長が定める。

(市町村外路線の認定)

第十二条 市町村長は市町村のため特に必要ある場合に限り市町村外の路線につき、地元市町村長の意見を聞き路線の認定をなすことができる。

(路線の重複)

第十三条 上級の道路と下級の道路が重複する部分は、上級の道路とする。

第三章 道路の管理[編集]

(道路管理者)

第十四条 道路は、その路線の認定者をして管理者とする。

(境界道路の管理者)

第十五条 道路にして市町村の境界に係るものは、規則の定めるところにより前条の規定による管理者たる関係市町村長の一をもって管理者とすることがでぎる。

2 道路と他の工作物と効用を兼ねる場合においては、その道路及び工作物の管理につき前項の規定を準用する。但し、私人を管理者とたすことはできない。

(道路の区域)

第十六条 道路の区域は、管理者が定める。

(供用の開始の公示)

第十六条の二 管理者は、道路の供用を開始し、又は廃止しようとする場合においては、規則で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。但し、既存の道路について、その路線と重複して路線が認定され、又は変更された場合においては、その重複する道路の.部分については、既に供用の開始があったものとみなし、供用開始の公示をすることを要しない。

(道路新設等)

第十七条 道路の新設、改築、修繕及び維持は、管理者がしなければならない。

(他の工作物管理者の道路工事)

第十八条 道路と他の工作物と効用を兼ねる場合においては、管理者は、その工作物の管理者をして道路に関する工事を執行させ又は道路の維持をさせるこどができる。

(他の工事執行者の道路工事)

第十九条 他の工事又は行為のために必要を生じた道路に関する工事は、管理者がその工事の執行者又は行為者をして、これを執行させることができる。

(市町村及び私人の工事)

第二十条 前二条の規定によるほか特別の事由ある場合において行政主席は、市町村又は私人をして道路の修繕に関する工事を執行させ又は道路の維持をなさしめることができる。

(非管理者の任意的道路工事)

第二十一条 管理者でない者は、管理者の許可又は承認を得て道路に関する工事を執行し又は道路の維持をなすことができる。

(関係工事の執行)

第二十二条 道路に関する工事のため必要を生じた他の工事は、管理者が道路に関する工事と共にこれを執行することができる。

(非管理者の有料橋りょう等の設定)

第二十三条 管理者でない者は、管理者の許可又は承認を得て一定の期間橋銭又は渡銭を徴収する橋りょう又は渡船場を設けることができる。

2 前項の許可又は承認を得た者は、徴収期間内橋りょう又は渡船場の維持及び修繕をしなければならない。

(管理者の有料橋りょう等の設定)

第二十四条 管理者は、特別の事由ある場合に限り橋銭又は渡銭を徴収する橋りょう又は渡船場を設けることができる。

(道路占用の許可又は承認)

第二十五条 管理者は、交通を妨げない限度において道路の占用を許可又は承認することができる。

2 管理者は、道路の占用料を徴収することができる。

(公益事業の道路占用)

第二十六条 前条第一項の規定による占用が法令による土地を収用又は使用することができる公共の利益となる事業に係るものである場合において市町村長が正当の事由なくしてその許可若しくは承認を拒み又は不相当な占用料を定めたときは、行政主席は、事業老の申請により占用を許可若しくは承認し又は占用料を定めることができる。

(道路台帳)

第二十七条 行政主席及び市町村長は、その管理に属する道路の台帳を調製しなければならたい。

2 台帳に記載する事項は規則で定める。

(道路構造等の規定の規則委任) 第二十八条 道路の構造、維持、修繕及び工事執行方法については、規則で定める。

第四章 道路に関する費用及び義務[編集]

(道路費用の負担者)

第二十九条 道路に関する費用は政府又は市町村の負担とする。但し、市町村の境界に係る道路に関する費用の負担については、関係市町村長の協議による。協議ととなはないときは行政主席が決定する。

(政府の費用負担)

第三十条 特別の事由ある場合において市道並びに町村道の新設又は改築に要する費用については、政府より補助することができる。

(任意的工事の費用負担)

第三十一条 第二十一条に規定する道路に関する工事若しくは道路の維持に要する費用又は第二十三条の規定によって設ける橋りょう若しへは渡船場に関する費用は、許可又は承認を得た者の負担とする。

(原因者の負担)

第三十二条 第十八条の規定による工事の費用は、管理者が他の工事又は行為につき費用を負担する者に負担させることができる。

(市町村及び私人の負担)

第三十三条 特別の事由ある場合において第二十条の規定による道路の修繕に関する費用は、行政主席が市町村又は同条の私人にその全部又は一部を負担させることができる。

(受益者の負担)

第三十四条 道路に関する工事により著しく利益を受けるものがあるときは、管理者は、その者に利益を受ける限度において道路に関する工事の費用の一部を負担させることができる。

(損傷者の負担)

第三十五条 特に道路を損傷する原因とたる事業をする者に対して管理者はこれがために要する道路の維持又は修繕の費用の一部を負担させることができる。

(関係工事の費用負担)

第三十六条 第二十二条の規定による工事の費用は特別の事由ある場合他のエ事につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させる場合のほか道路の管理者が負担しなければならない。

(道路収益の収入)

第三十七条 道路の占用料その他道路から生ずる収益は管理者である行政庁の統轄する政府又は市町村の収入とする。但し、第二十三条の規定による収益は許可又は承認を得た者の収入とする。

(沿道地の公用使用)

第三十八条 道路に関する工事のため必要なる場合は、管理者は、沿道の土地に立入り又はその土地を一時材料置場として使用することができる。

2 前項の規定による立入又は使用の際はやむを得ない場合のほか、あらかじめ土地の占有者に通知しなければならない。

(非常災害時の使役使用及び収用)

第三十九条 非常災害のため必要あるときは、管理者は、道路附近に居住するものを使役し道路附近の土地を一時使用し又は土、石、竹、木その他物品を使用若しくは収用することができる。

(損失の補償)

第四十条 前二条の規定による立入、使役、使用又は収用に因って生じた損害は、立入、使役、使用又は収用後三ケ月以内に管理者が補償しなければならない。

(沿道者の損害予防施設義務)

第四十一条 沿道の土地、竹、木又は工作物の管理者は、その土地、竹、木又は工作物の道路に及ぽす損害を予防するため必要な施設をしなけれぼならない。

(道路の使用制限等に関する規定の規則委任)

第四十二条 道路の使用又は道路若しくはその交通の保全に関する規定は、規則をもってこれを定める。沿道の土地における工作物の建設その他の作為又は不作為の制限にして道路又はその交通の保全の目的をもってするものについても亦同様とする。

(沿道の区域)

第四十三条 沿道の区域は、管理者がこれを定める。

第五章 監督及ぴ罰則[編集]

(管理者の監督権) 第四十四条 左に掲げる場合において管理者は本法若しくは本法に基く規則によって許可又は承認を取り消し、効力を停止し、条件を変更し、道路に存する工作物その他を改築、除去させ、これによって生ずる損害を予防するため必.要な施設をなさしめ又は原状回復をさせることができる。

一 道路に関する法令の規定に違反したとき
二 道路に関する法令の規定による許可又は承認の条件に違反したとき
三 詐欺の手段で道路に関する法令の規定による許可を得たとき
四 道路に関する工事のため必要なとき
五 公益上必要であると認められたとき

2 前項第四号の場合において損害を受ける老があるとき、管理者は、その道路に関する工事の費用を負担するものに損害の一部又は全部を負担させることができる。

(行政主席の認可)

第四十五条 左に掲げる事項又はその変更、廃止若しくは取消は第一号にありては管理者においてその他にありては管理者において行政主席の許可を受けなければならない。

一 道路の認定をなすこと
二 道路の新設又は改築をなすこと
三 第十八条、第十九条又は第二十一条の規定により道路に関する工事を執行させ又は道路の維持をさせること
四 第二十二条の規定により他の工事を執行すること
五 第二十三条の規定により許可又は承認をたすこと
六 第二十四条の規定により橋銭又は渡銭を徴収する橋りょう又は渡船場を設けること
七 第二十五条の規定により道路の占用を許可若しくは承認し又は道路の占用料を徴収すること
八 第二十二条及ぴ第三十四条乃謂第三十六条の規定により費用を負担させること
九 前条の規定による処分をなすこと

(負担金等の強制徴収)

第四十六条 本法又は本法に基く規則によってなす処分による義務に属する負担金、占用料、橋銭、渡銭その他の費用に対しては、管理者は、税滞納処分の例によって徴収することができる。

(罰則)

第四十七条 左の各号の一に該当する者は五千円以下の罰金又は科料に処する。

一 許可又は承認を得ないで道路若しくはその附属物に関する工事を執行し又は道路若しくはその附属物を占用したもの
二 許可又は承認を得ないで橋りょう又は渡船場の使用に対し橋銭、渡銭その他の財物の交付を請求した者
三 道路の使用に対し路銭その他の財物の交付を請求した者
四 詐欺の手段で許可又は承認を得た者
五 正当の事由なぐ第三十九条の規定による管理者の命令に従はないもの
六 第四十一条又は第二条及び第四十一条の規定に違反して道路又はその附属物に及ぼす損害を予防するために必要な施設をしない者

(不用物件の管理及び処分)

第四十八条 道路の路線の認定の変更、廃止その他の場合において不用に帰した道路及びその附属物を構成している物件並びに材料、器具、機械類等の管理及び処分については、規則で特別の定めをなすことができる。

第六章 訴願及び訴訟[編集]

(訴願)

第四十九条 本法又は本法に基く規則に規定された事項について、行政主席又は管理者のなした処分に不服ある者は、訴願することができる。本法によって裁判所に出訴することができる場合においては、行政主席に訴願することはできない。

(行政訴訟)

第五十条 本法又は本法に基く規則に規定された事項について行政主席又は管理者のなした違法処分に因り権利をき損された者は、裁判所に出訴することができる。

(補償金請求訴訟)

第五十一条 第四十条の規定により補償を受ける者で同条に規定する期間内に、その決定の通知を受けた場合において、補償に不服あるときは、通知後六箇月以内に、同条に規定する期間内にその決定の通知を受けない場合において、その期間経過後六箇月以内に裁判所に出訴することができる。

(規則への委任)

第五十二条 本法の定めるものを除いて本法の実施のため必要な事項は、行政主席が規則で定めることができる。

この立法は、公布の日から施行する。

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