詩篇第3巻-第5巻(口語訳)

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『聖書 [口語]』日本聖書協会、1955年

旧約聖書

詩篇第3巻-第5巻 (第73篇-第150篇)


第73篇[編集]

73:1[編集]

神は正しい者にむかい、心の清い者にむかって、まことに恵みふかい。

73:2[編集]

しかし、わたしは、わたしの足がつまずくばかり、わたしの歩みがすべるばかりであった。

73:3[編集]

これはわたしが、悪しき者の栄えるのを見て、その高ぶる者をねたんだからである。

73:4[編集]

彼らには苦しみがなく、その身はすこやかで、つやがあり、

73:5[編集]

ほかの人々のように悩むことがなく、ほかの人々のように打たれることはない。

73:6[編集]

それゆえ高慢は彼らの首飾となり、暴力は衣のように彼らをおおっている。

73:7[編集]

彼らは肥え太って、その目はとびいで、その心は愚かな思いに満ちあふれている。

73:8[編集]

彼らはあざけり、悪意をもって語り、高ぶって、しえたげを語る。

73:9[編集]

彼らはその口を天にさからって置き、その舌は地をあるきまわる。

73:10[編集]

それゆえ民は心を変えて彼らをほめたたえ、彼らのうちにあやまちを認めない。

73:11[編集]

彼らは言う、「神はどうして知り得ようか、いと高き者に知識があろうか」と。

73:12[編集]

見よ、これらは悪しき者であるのに、常に安らかで、その富が増し加わる。

73:13[編集]

まことに、わたしはいたずらに心をきよめ、罪を犯すことなく手を洗った。

73:14[編集]

わたしはひねもす打たれ、朝ごとに懲らしめをうけた。

73:15[編集]

もしわたしが「このような事を語ろう」と言ったなら、わたしはあなたの子らの代を誤らせたであろう。

73:16[編集]

しかし、わたしがこれを知ろうと思いめぐらしたとき、これはわたしにめんどうな仕事のように思われた。

73:17[編集]

わたしが神の聖所に行って、彼らの最後を悟り得たまではそうであった。

73:18[編集]

まことにあなたは彼らをなめらかな所に置き、彼らを滅びに陥らせられる。

73:19[編集]

なんと彼らはまたたくまに滅ぼされ、恐れをもって全く一掃されたことであろう。

73:20[編集]

あなたが目をさまして彼らの影をかろしめられるとき、彼らは夢みた人の目をさました時のようである。

73:21[編集]

わたしの魂が痛み、わたしの心が刺されたとき、

73:22[編集]

わたしは愚かで悟りがなく、あなたに対しては獣のようであった。

73:23[編集]

けれどもわたしは常にあなたと共にあり、あなたはわたしの右の手を保たれる。

73:24[編集]

あなたはさとしをもってわたしを導き、その後わたしを受けて栄光にあずからせられる。

73:25[編集]

わたしはあなたのほかに、だれを天にもち得よう。地にはあなたのほかに慕うものはない。

73:26[編集]

わが身とわが心とは衰える。しかし神はとこしえにわが心の力、わが嗣業である。

73:27[編集]

見よ、あなたに遠い者は滅びる。あなたは、あなたにそむく者を滅ぼされる。

73:28[編集]

しかし神に近くあることはわたしに良いことである。わたしは主なる神をわが避け所として、あなたのもろもろのみわざを宣べ伝えるであろう。

第74篇[編集]

74:1[編集]

神よ、なぜ、われらをとこしえに捨てられるのですか。なぜ、あなたの牧の羊に怒りを燃やされるのですか。

74:2[編集]

昔あなたが手に入れられたあなたの公会、すなわち、あなたの嗣業の部族となすためにあがなわれたものを思い出してください。あなたが住まわれたシオンの山を思い出してください。

74:3[編集]

とこしえの滅びの跡に、あなたの足を向けてください。敵は聖所で、すべての物を破壊しました。

74:4[編集]

あなたのあだは聖所の中でほえさけび、彼らのしるしを立てて、しるしとしました。

74:5[編集]

彼らは上の入口では、おのをもって木の格子垣を切り倒しました。

74:6[編集]

また彼らは手おのと鎚とをもって聖所の彫り物をことごとく打ち落しました。

74:7[編集]

彼らはあなたの聖所に火をかけ、み名のすみかをけがして、地に倒しました。

74:8[編集]

彼らは心のうちに言いました、「われらはことごとくこれを滅ぼそう」と。彼らは国のうちの神の会堂をことごとく焼きました。

74:9[編集]

われらは自分たちのしるしを見ません。預言者も今はいません。そしていつまで続くのか、われらのうちには、知る者がありません。

74:10[編集]

神よ、あだはいつまであざけるでしょうか。敵はとこしえにあなたの名をののしるでしょうか。

74:11[編集]

なぜあなたは手を引かれるのですか。なぜあなたは右の手をふところに入れておかれるのですか。

74:12[編集]

神はいにしえからわたしの王であって、救を世の中に行われた。

74:13[編集]

あなたはみ力をもって海をわかち、水の上の龍の頭を砕かれた。

74:14[編集]

あなたはレビヤタンの頭をくだき、これを野の獣に与えてえじきとされた。

74:15[編集]

あなたは泉と流れとを開き、絶えず流れるもろもろの川をからされた。

74:16[編集]

昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは光と太陽とを設けられた。

74:17[編集]

あなたは地のもろもろの境を定め、夏と冬とを造られた。

74:18[編集]

主よ、敵はあなたをあざけり、愚かな民はあなたのみ名をののしります。この事を思い出してください。

74:19[編集]

どうかあなたのはとの魂を野の獣にわたさないでください。貧しい者のいのちをとこしえに忘れないでください。

74:20[編集]

あなたの契約をかえりみてください。地の暗い所は暴力のすまいで満ちています。

74:21[編集]

しえたげられる者を恥じさせないでください。貧しい者と乏しい者とにみ名をほめたたえさせてください。

74:22[編集]

神よ、起きてあなたの訴えをあげつらい、愚かな者のひねもすあなたをあざけるのをみこころにとめてください。

74:23[編集]

あなたのあだの叫びを忘れないでください。あなたの敵の絶えずあげる騒ぎを忘れないでください。

第75篇[編集]

75:1[編集]

神よ、われらはあなたに感謝します。われらは感謝します。われらはあなたのみ名を呼び、あなたのくすしきみわざを語ります。

75:2[編集]

定まった時が来れば、わたしは公平をもってさばく。

75:3[編集]

地とすべてこれに住むものがよろめくとき、わたしはその柱を堅くする。

75:4[編集]

わたしは、誇る者には「誇るな」と言い、悪しき者には「角をあげるな、

75:5[編集]

角を高くあげるな、高慢な態度をもって語るな」と言う。

75:6[編集]

上げることは東からでなく、西からでなく、また荒野からでもない。

75:7[編集]

それはさばきを行われる神であって、神はこれを下げ、かれを上げられる。

75:8[編集]

主の手には杯があって、よく混ぜた酒があわだっている。主がこれを注ぎ出されると、地のすべての悪しき者はこれを一滴も残さずに飲みつくすであろう。

75:9[編集]

しかしわたしはとこしえに喜び、ヤコブの神をほめうたいます。

75:10[編集]

悪しき者の角はことごとく切り離されるが正しい者の角はあげられるであろう。

第76篇[編集]

76:1[編集]

神はユダに知られ、そのみ名はイスラエルにおいて偉大である。

76:2[編集]

その幕屋はサレムにあり、そのすまいはシオンにある。

76:3[編集]

かしこで神は弓の火矢を折り、盾とつるぎと戦いの武器をこわされた。

76:4[編集]

あなたは永久の山々にまさって光栄あり、威厳がある。

76:5[編集]

雄々しい者はかすめられ、彼らは眠りに沈み、いくさびとは皆その手を施すことができなかった。

76:6[編集]

ヤコブの神よ、あなたのとがめによって、乗り手と馬とは深い眠りに陥った。

76:7[編集]

しかし、あなたこそは恐るべき方である。あなたが怒りを発せられるとき、だれがみ前に立つことができよう。

76:8[編集]

76:9[編集]

あなたは天からさばきを仰せられた。神が地のしえたげられた者を救うために、さばきに立たれたとき、地は恐れて、沈黙した。

76:10[編集]

まことに人の怒りはあなたをほめたたえる。怒りの余りをあなたは帯とされる。

76:11[編集]

あなたがたの神、主に誓いを立てて、それを償え。その周囲のすべての者は恐るべき主に贈り物をささげよ。

76:12[編集]

主はもろもろの君たちのいのちを断たれる。主は地の王たちの恐るべき者である。

第77篇[編集]

77:1[編集]

わたしは神にむかい声をあげて叫ぶ。わたしが神にむかって声をあげれば、神はわたしに聞かれる。

77:2[編集]

わたしは悩みの日に主をたずね求め、夜はわが手を伸べてたゆむことなく、わが魂は慰められるのを拒む。

77:3[編集]

わたしは神を思うとき、嘆き悲しみ、深く思うとき、わが魂は衰える。

77:4[編集]

あなたはわたしのまぶたをささえて閉じさせず、わたしは物言うこともできないほどに悩む。

77:5[編集]

わたしは昔の日を思い、いにしえの年を思う。

77:6[編集]

わたしは夜、わが心と親しく語り、深く思うてわが魂を探り、言う、

77:7[編集]

「主はとこしえにわれらを捨てられるであろうか。ふたたび、めぐみを施されないであろうか。

77:8[編集]

そのいつくしみはとこしえに絶え、その約束は世々ながくすたれるであろうか。

77:9[編集]

神は恵みを施すことを忘れ、怒りをもってそのあわれみを閉じられたであろうか」と。

77:10[編集]

その時わたしは言う、「わたしの悲しみはいと高き者の右の手が変ったことである」と。

77:11[編集]

わたしは主のみわざを思い起す。わたしは、いにしえからのあなたのくすしきみわざを思いいだす。

77:12[編集]

わたしは、あなたのすべてのみわざを思い、あなたの力あるみわざを深く思う。

77:13[編集]

神よ、あなたの道は聖である。われらの神のように大いなる神はだれか。

77:14[編集]

あなたは、くすしきみわざを行われる神である。あなたは、もろもろの民の間に、その大能をあらわし、

77:15[編集]

その腕をもっておのれの民をあがない、ヤコブとヨセフの子らをあがなわれた。

77:16[編集]

神よ、大水はあなたを見た。大水はあなたを見ておののき、淵もまた震えた。

77:17[編集]

雲は水を注ぎいだし、空は雷をとどろかし、あなたの矢は四方にきらめいた。

77:18[編集]

あなたの雷のとどろきは、つむじ風の中にあり、あなたのいなずまは世を照し、地は震い動いた。

77:19[編集]

あなたの大路は海の中にあり、あなたの道は大水の中にあり、あなたの足跡はたずねえなかった。

77:20[編集]

あなたは、その民をモーセとアロンの手によって羊の群れのように導かれた。

第78篇[編集]

78:1[編集]

わが民よ、わが教を聞き、わが口の言葉に耳を傾けよ。

78:2[編集]

わたしは口を開いて、たとえを語り、いにしえからの、なぞを語ろう。

78:3[編集]

これはわれらがさきに聞いて知ったこと、またわれらの先祖たちがわれらに語り伝えたことである。

78:4[編集]

われらはこれを子孫に隠さず、主の光栄あるみわざと、その力と、主のなされたくすしきみわざとをきたるべき代に告げるであろう。

78:5[編集]

主はあかしをヤコブのうちにたて、おきてをイスラエルのうちに定めて、その子孫に教うべきことをわれらの先祖たちに命じられた。

78:6[編集]

これは次の代に生れる子孫がこれを知り、みずから起って、そのまた子孫にこれを伝え、

78:7[編集]

彼らをして神に望みをおき、神のみわざを忘れず、その戒めを守らせるためである。

78:8[編集]

またその先祖たちのようにかたくなで、そむく者のやからとなり、その心が定まりなく、その魂が神に忠実でないやからとならないためである。

78:9[編集]

エフライムの人々は武装し、弓を携えたが、戦いの日に引き返した。

78:10[編集]

彼らは神の契約を守らず、そのおきてにしたがって歩むことを拒み、

78:11[編集]

神がなされた事と、彼らに示されたくすしきみわざとを忘れた。

78:12[編集]

神はエジプトの地と、ゾアンの野でくすしきみわざを彼らの先祖たちの前に行われた。

78:13[編集]

神は海を分けて彼らを通らせ、水を立たせて山のようにされた。

78:14[編集]

昼は雲をもって彼らを導き、夜は、よもすがら火の光をもって彼らを導かれた。

78:15[編集]

神は荒野で岩を裂き、淵から飲むように豊かに彼らに飲ませ、

78:16[編集]

また岩から流れを引いて、川のように水を流れさせられた。

78:17[編集]

ところが彼らはなお神にむかって罪をかさね、荒野でいと高き者にそむき、

78:18[編集]

おのが欲のために食物を求めて、その心のうちに神を試みた。

78:19[編集]

また彼らは神に逆らって言った、「神は荒野に宴を設けることができるだろうか。

78:20[編集]

見よ、神が岩を打たれると、水はほとばしりいで、流れがあふれた。神はまたパンを与えることができるだろうか。民のために肉を備えることができるだろうか」と。

78:21[編集]

それゆえ、主は聞いて憤られた。火はヤコブにむかって燃えあがり、怒りはイスラエルにむかって立ちのぼった。

78:22[編集]

これは彼らが神を信ぜず、その救の力を信用しなかったからである。

78:23[編集]

しかし神は上なる大空に命じて天の戸を開き、

78:24[編集]

彼らの上にマナを降らせて食べさせ、天の穀物を彼らに与えられた。

78:25[編集]

人は天使のパンを食べた。神は彼らに食物をおくって飽き足らせられた。

78:26[編集]

神は天に東風を吹かせ、み力をもって南風を導かれた。

78:27[編集]

神は彼らの上に肉をちりのように降らせ、翼ある鳥を海の砂のように降らせて、

78:28[編集]

その宿営のなか、そのすまいのまわりに落された。

78:29[編集]

こうして彼らは食べて、飽き足ることができた。神が彼らにその望んだものを与えられたからである。

78:30[編集]

ところが彼らがまだその欲を離れず、食物がなお口の中にあるうちに、

78:31[編集]

神の怒りが彼らにむかって立ちのぼり、彼らのうちの最も強い者を殺し、イスラエルのうちのえり抜きの者を打ち倒された。

78:32[編集]

すべてこれらの事があったにもかかわらず、彼らはなお罪を犯し、そのくすしきみわざを信じなかった。

78:33[編集]

それゆえ神は彼らの日を息のように消えさせ、彼らの年を恐れをもって過ごさせられた。

78:34[編集]

神が彼らを殺されたとき、彼らは神をたずね、悔いて神を熱心に求めた。

78:35[編集]

こうして彼らは、神は彼らの岩、いと高き神は彼らのあがないぬしであることを思い出した。

78:36[編集]

しかし彼らはその口をもって神にへつらい、その舌をもって神に偽りを言った。

78:37[編集]

彼らの心は神にむかって堅実でなく、神の契約に真実でなかった。

78:38[編集]

しかし神はあわれみに富まれるので、彼らの不義をゆるして滅ぼさず、しばしばその怒りをおさえて、その憤りをことごとくふり起されなかった。

78:39[編集]

また神は、彼らがただ肉であって、過ぎ去れば再び帰りこぬ風であることを思い出された。

78:40[編集]

幾たび彼らは野で神にそむき、荒野で神を悲しませたことであろうか。

78:41[編集]

彼らはかさねがさね神を試み、イスラエルの聖者を怒らせた。

78:42[編集]

彼らは神の力をも、神が彼らをあだからあがなわれた日をも思い出さなかった。

78:43[編集]

神はエジプトでもろもろのしるしをおこない、ゾアンの野でもろもろの奇跡をおこない、

78:44[編集]

彼らの川を血に変らせて、その流れを飲むことができないようにされた。

78:45[編集]

神ははえの群れを彼らのうちに送って彼らを食わせ、かえるを送って彼らを滅ぼされた。

78:46[編集]

また神は彼らの作物を青虫にわたし、彼らの勤労の実をいなごにわたされた。

78:47[編集]

神はひょうをもって彼らのぶどうの木を枯らし、霜をもって彼らのいちじく桑の木を枯らされた。

78:48[編集]

神は彼らの家畜をひょうにわたし、彼らの群れを燃えるいなずまにわたされた。

78:49[編集]

神は彼らの上に激しい怒りと、憤りと、恨みと、悩みと、滅ぼす天使の群れとを放たれた。

78:50[編集]

神はその怒りのために道を設け、彼らの魂を死から免れさせず、そのいのちを疫病にわたされた。

78:51[編集]

神はエジプトですべてのういごを撃ち、ハムの天幕で彼らの力の初めの子を撃たれた。

78:52[編集]

こうして神はおのれの民を羊のように引き出し、彼らを荒野で羊の群れのように導き、

78:53[編集]

彼らを安らかに導かれたので彼らは恐れることがなかった。しかし海は彼らの敵をのみつくした。

78:54[編集]

神は彼らをその聖地に伴い、その右の手をもって獲たこの山に伴いこられた。

78:55[編集]

神は彼らの前からもろもろの国民を追い出し、その地を分けて嗣業とし、イスラエルの諸族を彼らの天幕に住まわせられた。

78:56[編集]

しかし彼らはいと高き神を試み、これにそむいて、そのもろもろのあかしを守らず、

78:57[編集]

そむき去って、先祖たちのように真実を失い、狂った弓のようにねじれた。

78:58[編集]

彼らは高き所を設けて神を怒らせ、刻んだ像をもって神のねたみを起した。

78:59[編集]

神は聞いて大いに怒り、イスラエルを全くしりぞけられた。

78:60[編集]

神は人々のなかに設けた幕屋なるシロのすまいを捨て、

78:61[編集]

その力をとりことならせ、その栄光をあだの手にわたされた。

78:62[編集]

神はその民をつるぎにわたし、その嗣業にむかって大いなる怒りをもらされた。

78:63[編集]

火は彼らの若者たちを焼きつくし、彼らのおとめたちは婚姻の歌を失い、

78:64[編集]

彼らの祭司たちはつるぎによって倒れ、彼らのやもめたちは嘆き悲しむことさえしなかった。

78:65[編集]

そのとき主は眠った者のさめたように、勇士が酒によって叫ぶように目をさまして、

78:66[編集]

そのあだを撃ち退け、とこしえの恥を彼らに負わせられた。

78:67[編集]

神はヨセフの天幕をしりぞけ、エフライムの部族を選ばず、

78:68[編集]

ユダの部族を選び、神の愛するシオンの山を選ばれた。

78:69[編集]

神はその聖所を高い天のように建て、とこしえに基を定められた地のように建てられた。

78:70[編集]

神はそのしもべダビデを選んで、羊のおりから取り、

78:71[編集]

乳を与える雌羊の番をするところからつれて来て、その民ヤコブ、その嗣業イスラエルの牧者とされた。

78:72[編集]

こうして彼は直き心をもって彼らを牧し、巧みな手をもって彼らを導いた。

第79篇[編集]

79:1[編集]

神よ、もろもろの異邦人はあなたの嗣業の地を侵し、あなたの聖なる宮をけがし、エルサレムを荒塚としました。

79:2[編集]

彼らはあなたのしもべのしかばねを空の鳥に与えてえさとし、あなたの聖徒の肉を地の獣に与え、

79:3[編集]

その血をエルサレムのまわりに水のように流し、これを葬る人がありませんでした。

79:4[編集]

われらは隣り人にそしられ、まわりの人々に侮られ、あざけられる者となりました。

79:5[編集]

主よ、いつまでなのですか。とこしえにお怒りになられるのですか。あなたのねたみは火のように燃えるのですか。

79:6[編集]

どうか、あなたを知らない異邦人と、あなたの名を呼ばない国々の上にあなたの怒りを注いでください。

79:7[編集]

彼らはヤコブを滅ぼし、そのすみかを荒したからです。

79:8[編集]

われらの先祖たちの不義をみこころにとめられず、あわれみをもって、すみやかにわれらを迎えてください。われらは、はなはだしく低くされたからです。

79:9[編集]

われらの救の神よ、み名の栄光のためにわれらを助け、み名のためにわれらを救い、われらの罪をおゆるしください。

79:10[編集]

どうして異邦人は言うのでしょう、「彼らの神はどこにいるのか」と。あなたのしもべらの流された血の報いをわれらのまのあたりになして、異邦人に知らせてください。

79:11[編集]

捕われ人の嘆きをあなたのみ前にいたらせ、あなたの大いなる力により、死に定められた者を守りながらえさせてください。

79:12[編集]

主よ、われらの隣り人があなたをそしったそしりを七倍にして彼らのふところに報い返してください。

79:13[編集]

そうすれば、あなたの民、あなたの牧の羊は、とこしえにあなたに感謝し、世々あなたをほめたたえるでしょう。

第80篇[編集]

80:1[編集]

イスラエルの牧者よ、羊の群れのようにヨセフを導かれる者よ、耳を傾けてください。ケルビムの上に座せられる者よ、光を放ってください。

80:2[編集]

エフライム、ベニヤミン、マナセの前にあなたの力を振り起し、来て、われらをお救いください。

80:3[編集]

神よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。そうすればわれらは救をえるでしょう。

80:4[編集]

万軍の神、主よ、いつまで、その民の祈にむかってお怒りになるのですか。

80:5[編集]

あなたは涙のパンを彼らに食わせ、多くの涙を彼らに飲ませられました。

80:6[編集]

あなたはわれらを隣り人のあざけりとし、われらの敵はたがいにあざわらいました。

80:7[編集]

万軍の神よ、われらをもとに返し、われらの救われるため、み顔の光を照してください。

80:8[編集]

あなたは、ぶどうの木をエジプトから携え出し、もろもろの国民を追い出して、これを植えられました。

80:9[編集]

あなたはこれがために地を開かれたので、深く根ざして、国にはびこりました。

80:10[編集]

山々はその影でおおわれ、神の香柏はその枝でおおわれました。

80:11[編集]

これはその枝を海にまでのべ、その若枝を大川にまでのべました。

80:12[編集]

あなたは何ゆえ、そのかきをくずして道ゆくすべての人にその実を摘み取らせられるのですか。

80:13[編集]

林のいのししはこれを荒し、野のすべての獣はこれを食べます。

80:14[編集]

万軍の神よ、再び天から見おろして、このぶどうの木をかえりみてください。

80:15[編集]

あなたの右の手の植えられた幹と、みずからのために強くされた枝とをかえりみてください。

80:16[編集]

彼らは火をもってこれを焼き、これを切り倒しました。彼らをみ顔のとがめによって滅ぼしてください。

80:17[編集]

しかしあなたの手をその右の手の人の上におき、みずからのために強くされた人の子の上においてください。

80:18[編集]

そうすれば、われらはあなたを離れ退くことはありません。われらを生かしてください。われらはあなたのみ名を呼びます。

80:19[編集]

万軍の神、主よ、われらをもとに返し、み顔の光を照してください。そうすればわれらは救をえるでしょう。

第81篇[編集]

81:1[編集]

われらの力なる神にむかって高らかに歌え。ヤコブの神にむかって喜びの声をあげよ。

81:2[編集]

歌をうたい、鼓を打て。良い音の琴と立琴とをかきならせ。

81:3[編集]

新月と満月とわれらの祭の日とにラッパを吹きならせ。

81:4[編集]

これはイスラエルの定め、ヤコブの神のおきてである。

81:5[編集]

神が出てエジプトの国を攻められたとき、ヨセフのなかにこれを立てて、あかしとされた。わたしはかしこでまだ知らなかった言葉を聞いた、

81:6[編集]

「わたしはあなたの肩から重荷をのぞき、あなたの手をかごから免れさせた。

81:7[編集]

あなたが悩んだとき、呼ばわったのでわたしはあなたを救った。わたしは雷の隠れた所で、あなたに答え、メリバの水のほとりで、あなたを試みた。

81:8[編集]

わが民よ、聞け、わたしはあなたに勧告する。イスラエルよ、あなたがわたしに聞き従うことを望む。

81:9[編集]

あなたのうちに他の神があってはならない。あなたは外国の神を拝んではならない。

81:10[編集]

わたしはエジプトの国から、あなたをつれ出したあなたの神、主である。あなたの口を広くあけよ、わたしはそれを満たそう。

81:11[編集]

しかしわが民はわたしの声に聞き従わず、イスラエルはわたしを好まなかった。

81:12[編集]

それゆえ、わたしは彼らをそのかたくなな心にまかせ、その思いのままに行くにまかせた。

81:13[編集]

わたしはわが民のわたしに聞き従い、イスラエルのわが道に歩むことを欲する。

81:14[編集]

わたしはすみやかに彼らの敵を従え、わが手を彼らのあだに向けよう。

81:15[編集]

主を憎む者も彼らに恐れ従い、彼らの時はとこしえに続くであろう。

81:16[編集]

わたしは麦の最も良いものをもってあなたを養い、岩から出た蜜をもってあなたを飽かせるであろう」。

第82篇[編集]

82:1[編集]

神は神の会議のなかに立たれる。神は神々のなかで、さばきを行われる。

82:2[編集]

「あなたがたはいつまで不正なさばきをなし、悪しき者に好意を示すのか。

82:3[編集]

弱い者と、みなしごとを公平に扱い、苦しむ者と乏しい者の権利を擁護せよ。

82:4[編集]

弱い者と貧しい者を救い、彼らを悪しき者の手から助け出せ」。

82:5[編集]

彼らは知ることなく、悟ることもなくて、暗き中をさまよう。地のもろもろの基はゆり動いた。

82:6[編集]

わたしは言う、「あなたがたは神だ、あなたがたは皆いと高き者の子だ。

82:7[編集]

しかし、あなたがたは人のように死に、もろもろの君のひとりのように倒れるであろう」。

82:8[編集]

神よ、起きて、地をさばいてください。すべての国民はあなたのものだからです。

第83篇[編集]

83:1[編集]

神よ、沈黙を守らないでください。神よ、何も言わずに、黙っていないでください。

83:2[編集]

見よ、あなたの敵は騒ぎたち、あなたを憎む者は頭をあげました。

83:3[編集]

彼らはあなたの民にむかって巧みなはかりごとをめぐらし、あなたの保護される者にむかって相ともに計ります。

83:4[編集]

彼らは言います、「さあ、彼らを断ち滅ぼして国を立てさせず、イスラエルの名をふたたび思い出させないようにしよう」。

83:5[編集]

彼らは心をひとつにして共にはかり、あなたに逆らって契約を結びます。

83:6[編集]

すなわちエドムの天幕に住む者とイシマエルびと、モアブとハガルびと、

83:7[編集]

ゲバルとアンモンとアマレク、ペリシテとツロの住民などです。

83:8[編集]

アッスリヤもまた彼らにくみしました。彼らはロトの子孫を助けました。

83:9[編集]

あなたがミデアンにされたように、キション川でシセラとヤビンにされたように、彼らにしてください。

83:10[編集]

彼らはエンドルで滅ぼされ、地のために肥料となりました。

83:11[編集]

彼らの貴人をオレブとゼエブのように、そのすべての君たちをゼバとザルムンナのようにしてください。

83:12[編集]

彼らは言いました、「われらは神の牧場を獲て、われらの所有にしよう」と。

83:13[編集]

わが神よ、彼らを巻きあげられるちりのように、風の前のもみがらのようにしてください。

83:14[編集]

林を焼く火のように、山を燃やす炎のように、

83:15[編集]

あなたのはやてをもって彼らを追い、つむじかぜをもって彼らを恐れさせてください。

83:16[編集]

彼らの顔に恥を満たしてください。主よ、そうすれば彼らはあなたの名を求めるでしょう。

83:17[編集]

彼らをとこしえに恥じ恐れさせ、あわて惑って滅びうせさせてください。

83:18[編集]

主という名をおもちになるあなたのみ、全地をしろしめすいと高き者であることを彼らに知らせてください。

第84篇[編集]

84:1[編集]

万軍の主よ、あなたのすまいはいかに麗しいことでしょう。

84:2[編集]

わが魂は絶えいるばかりに主の大庭を慕い、わが心とわが身は生ける神にむかって喜び歌います。

84:3[編集]

すずめがすみかを得、つばめがそのひなをいれる巣を得るように、万軍の主、わが王、わが神よ、あなたの祭壇のかたわらにわがすまいを得させてください。

84:4[編集]

あなたの家に住み、常にあなたをほめたたえる人はさいわいです。

84:5[編集]

その力があなたにあり、その心がシオンの大路にある人はさいわいです。

84:6[編集]

彼らはバカの谷を通っても、そこを泉のある所とします。また前の雨は池をもってそこをおおいます。

84:7[編集]

彼らは力から力に進み、シオンにおいて神々の神にまみえるでしょう。

84:8[編集]

万軍の神、主よ、わが祈をおききください。ヤコブの神よ、耳を傾けてください。

84:9[編集]

神よ、われらの盾をみそなわし、あなたの油そそがれた者の顔をかえりみてください。

84:10[編集]

あなたの大庭にいる一日は、よそにいる千日にもまさるのです。わたしは悪の天幕にいるよりは、むしろ、わが神の家の門守となることを願います。

84:11[編集]

主なる神は日です、盾です。主は恵みと誉とを与え、直く歩む者に良い物を拒まれることはありません。

84:12[編集]

万軍の主よ、あなたに信頼する人はさいわいです。

第85篇[編集]

85:1[編集]

主よ、あなたはみ国にめぐみを示し、ヤコブの繁栄を回復されました。

85:2[編集]

あなたはその民の不義をゆるし、彼らの罪をことごとくおおわれました。

85:3[編集]

あなたはすべての怒りを捨て、激しい憤りを遠ざけられました。

85:4[編集]

われらの救の神よ、われらを回復し、われらに対するあなたの憤りをおやめください。

85:5[編集]

あなたはとこしえにわれらを怒り、よろずよまで、あなたの怒りを延ばされるのですか。

85:6[編集]

あなたの民が、あなたによって喜びを得るため、われらを再び生かされないのですか。

85:7[編集]

主よ、あなたのいつくしみをわれらに示し、あなたの救をわれらに与えてください。

85:8[編集]

わたしは主なる神の語られることを聞きましょう。主はその民、その聖徒、ならびにその心を主に向ける者に、平和を語られるからです。

85:9[編集]

まことに、その救は神を恐れる者に近く、その栄光はわれらの国にとどまるでしょう。

85:10[編集]

いつくしみと、まこととは共に会い、義と平和とは互に口づけし、

85:11[編集]

まことは地からはえ、義は天から見おろすでしょう。

85:12[編集]

主が良い物を与えられるので、われらの国はその産物を出し、

85:13[編集]

義は主のみ前に行き、その足跡を道とするでしょう。

第86篇[編集]

86:1[編集]

主よ、あなたの耳を傾けて、わたしにお答えください。わたしは苦しみかつ乏しいからです。

86:2[編集]

わたしのいのちをお守りください。わたしは神を敬う者だからです。あなたに信頼するあなたのしもべをお救いください。あなたはわたしの神です。

86:3[編集]

主よ、わたしをあわれんでください。わたしはひねもすあなたに呼ばわります。

86:4[編集]

あなたのしもべの魂を喜ばせてください。主よ、わが魂はあなたを仰ぎ望みます。

86:5[編集]

主よ、あなたは恵みふかく、寛容であって、あなたに呼ばわるすべての者にいつくしみを豊かに施されます。

86:6[編集]

主よ、わたしの祈に耳を傾け、わたしの願いの声をお聞きください。

86:7[編集]

わたしの悩みの日にわたしはあなたに呼ばわります。あなたはわたしに答えられるからです。

86:8[編集]

主よ、もろもろの神のうちにあなたに等しい者はなく、また、あなたのみわざに等しいものはありません。

86:9[編集]

主よ、あなたが造られたすべての国民はあなたの前に来て、伏し拝み、み名をあがめるでしょう。

86:10[編集]

あなたは大いなる神で、くすしきみわざをなされます。ただあなたのみ、神でいらせられます。

86:11[編集]

主よ、あなたの道をわたしに教えてください。わたしはあなたの真理に歩みます。心をひとつにしてみ名を恐れさせてください。

86:12[編集]

わが神、主よ、わたしは心をつくしてあなたに感謝し、とこしえに、み名をあがめるでしょう。

86:13[編集]

わたしに示されたあなたのいつくしみは大きく、わが魂を陰府の深い所から助け出されたからです。

86:14[編集]

神よ、高ぶる者はわたしに逆らって起り、荒ぶる者の群れはわたしのいのちを求め、彼らは自分の前にあなたを置くことをしません。

86:15[編集]

しかし主よ、あなたはあわれみと恵みに富み、怒りをおそくし、いつくしみと、まこととに豊かな神でいらせられます。

86:16[編集]

わたしをかえりみ、わたしをあわれみ、あなたのしもべにみ力を与え、あなたのはしための子をお救いください。

86:17[編集]

わたしに、あなたの恵みのしるしをあらわしてください。そうすれば、わたしを憎む者どもはわたしを見て恥じるでしょう。主よ、あなたはわたしを助け、わたしを慰められたからです。

第87篇[編集]

87:1[編集]

主が基をすえられた都は聖なる山の上に立つ。

87:2[編集]

主はヤコブのすべてのすまいにまさって、シオンのもろもろの門を愛される。

87:3[編集]

神の都よ、あなたについて、もろもろの栄光ある事が語られる。

87:4[編集]

わたしはラハブとバビロンをわたしを知る者のうちに挙げる。ペリシテ、ツロ、またエチオピヤを見よ。「この者はかしこに生れた」と言われる。

87:5[編集]

しかしシオンについては「この者も、かの者もその中に生れた」と言われる。いと高き者みずからシオンを堅く立てられるからである。

87:6[編集]

主がもろもろの民を登録されるとき、「この者はかしこに生れた」としるされる。

87:7[編集]

歌う者と踊る者はみな言う、「わがもろもろの泉はあなたのうちにある」と。

第88篇[編集]

88:1[編集]

わが神、主よ、わたしは昼、助けを呼び求め、夜、み前に叫び求めます。

88:2[編集]

わたしの祈をみ前にいたらせ、わたしの叫びに耳を傾けてください。

88:3[編集]

わたしの魂は悩みに満ち、わたしのいのちは陰府に近づきます。

88:4[編集]

わたしは穴に下る者のうちに数えられ、力のない人のようになりました。

88:5[編集]

すなわち死人のうちに捨てられた者のように、墓に横たわる殺された者のように、あなたが再び心にとめられない者のようになりました。彼らはあなたのみ手から断ち滅ぼされた者です。

88:6[編集]

あなたはわたしを深い穴、暗い所、深い淵に置かれました。

88:7[編集]

あなたの怒りはわたしの上に重く、あなたはもろもろの波をもってわたしを苦しめられました。

88:8[編集]

あなたはわが知り人をわたしから遠ざけ、わたしを彼らの忌みきらう者とされました。わたしは閉じこめられて、のがれることはできません。

88:9[編集]

わたしの目は悲しみによって衰えました。主よ、わたしは日ごとにあなたを呼び、あなたにむかってわが両手を伸べました。

88:10[編集]

あなたは死んだ者のために奇跡を行われるでしょうか。なき人のたましいは起きあがってあなたをほめたたえるでしょうか。

88:11[編集]

あなたのいつくしみは墓のなかに、あなたのまことは滅びのなかに、宣べ伝えられるでしょうか。

88:12[編集]

あなたの奇跡は暗やみに、あなたの義は忘れの国に知られるでしょうか。

88:13[編集]

しかし主よ、わたしはあなたに呼ばわります。あしたに、わが祈をあなたのみ前にささげます。

88:14[編集]

主よ、なぜ、あなたはわたしを捨てられるのですか。なぜ、わたしにみ顔を隠されるのですか。

88:15[編集]

わたしは若い時から苦しんで死ぬばかりです。あなたの脅かしにあって衰えはてました。

88:16[編集]

あなたの激しい怒りがわたしを襲い、あなたの恐ろしい脅かしがわたしを滅ぼしました。

88:17[編集]

これらの事がひねもす大水のようにわたしをめぐり、わたしを全く取り巻きました。

88:18[編集]

あなたは愛する者と友とをわたしから遠ざけ、わたしの知り人を暗やみにおかれました。

第89篇[編集]

89:1[編集]

主よ、わたしはとこしえにあなたのいつくしみを歌い、わたしの口をもってあなたのまことをよろずよに告げ知らせます。

89:2[編集]

あなたのいつくしみはとこしえに堅く立ち、あなたのまことは天のようにゆるぐことはありません。

89:3[編集]

あなたは言われました、「わたしはわたしの選んだ者と契約を結び、わたしのしもべダビデに誓った、

89:4[編集]

『わたしはあなたの子孫をとこしえに堅くし、あなたの王座を建てて、よろずよに至らせる』」。

89:5[編集]

主よ、もろもろの天にあなたのくすしきみわざをほめたたえさせ、聖なる者のつどいで、あなたのまことをほめたたえさせてください。

89:6[編集]

大空のうちに、だれか主と並ぶものがあるでしょうか。神の子らのうちに、だれか主のような者があるでしょうか。

89:7[編集]

主は聖なる者の会議において恐るべき神、そのまわりにあるすべての者にまさって大いなる恐るべき者です。

89:8[編集]

万軍の神、主よ、主よ、だれかあなたのように大能のある者があるでしょうか。あなたのまことは、あなたをめぐっています。

89:9[編集]

あなたは海の荒れるのを治め、その波の起るとき、これを静められます。

89:10[編集]

あなたはラハブを、殺された者のように打ち砕き、あなたの敵を力ある腕をもって散らされました。

89:11[編集]

もろもろの天はあなたのもの、地もまたあなたのもの、世界とその中にあるものとはあなたがその基をおかれたものです。

89:12[編集]

北と南はあなたがこれを造られました。タボルとヘルモンは、み名を喜び歌います。

89:13[編集]

あなたは大能の腕をもたれます。あなたの手は強く、あなたの右の手は高く、

89:14[編集]

義と公平はあなたのみくらの基、いつくしみと、まことはあなたの前に行きます。

89:15[編集]

祭の日の喜びの声を知る民はさいわいです。主よ、彼らはみ顔の光のなかを歩み、

89:16[編集]

ひねもす、み名によって喜び、あなたの義をほめたたえます。

89:17[編集]

あなたは彼らの力の栄光だからです。われらの角はあなたの恵みによって高くあげられるでしょう。

89:18[編集]

われらの盾は主に属し、われらの王はイスラエルの聖者に属します。

89:19[編集]

昔あなたは幻をもってあなたの聖徒に告げて言われました、「わたしは勇士に栄冠を授け、民の中から選ばれた者を高くあげた。

89:20[編集]

わたしはわがしもべダビデを得て、これにわが聖なる油をそそいだ。

89:21[編集]

わが手は常に彼と共にあり、わが腕はまた彼を強くする。

89:22[編集]

敵は彼をだますことなく、悪しき者は彼を卑しめることはない。

89:23[編集]

わたしは彼の前にもろもろのあだを打ち滅ぼし、彼を憎む者どもを打ち倒す。

89:24[編集]

わがまことと、わがいつくしみは彼と共にあり、わが名によって彼の角は高くあげられる。

89:25[編集]

わたしは彼の手を海の上におき、彼の右の手を川の上におく。

89:26[編集]

彼はわたしにむかい『あなたはわが父、わが神、わが救の岩』と呼ぶであろう。

89:27[編集]

わたしはまた彼をわがういごとし、地の王たちのうちの最も高い者とする。

89:28[編集]

わたしはとこしえに、わがいつくしみを彼のために保ち、わが契約は彼のために堅く立つ。

89:29[編集]

わたしは彼の家系をとこしえに堅く定め、その位を天の日数のようにながらえさせる。

89:30[編集]

もしその子孫がわがおきてを捨て、わがさばきに従って歩まないならば、

89:31[編集]

もし彼らがわが定めを犯し、わが戒めを守らないならば、

89:32[編集]

わたしはつえをもって彼らのとがを罰し、むちをもって彼らの不義を罰する。

89:33[編集]

しかし、わたしはわがいつくしみを彼から取り去ることなく、わがまことにそむくことはない。

89:34[編集]

わたしはわが契約を破ることなく、わがくちびるから出た言葉を変えることはない。

89:35[編集]

わたしはひとたびわが聖によって誓った。わたしはダビデに偽りを言わない。

89:36[編集]

彼の家系はとこしえに続き、彼の位は太陽のように常にわたしの前にある。

89:37[編集]

また月のようにとこしえに堅く定められ、大空の続くかぎり堅く立つ」。

89:38[編集]

しかしあなたは、あなたの油そそがれた者を捨ててしりぞけ、彼に対して激しく怒られました。

89:39[編集]

あなたはそのしもべとの契約を廃棄し、彼の冠を地になげうって、けがされました。

89:40[編集]

あなたはその城壁をことごとくこわし、そのとりでを荒れすたれさせられました。

89:41[編集]

そこを通り過ぎる者は皆彼をかすめ、彼はその隣り人のあざけりとなりました。

89:42[編集]

あなたは彼のあだの右の手を高くあげ、そのもろもろの敵を喜ばせられました。

89:43[編集]

まことに、あなたは彼のつるぎの刃をかえして、彼を戦いに立たせられなかったのです。

89:44[編集]

あなたは彼の手から王のつえを取り去り、その王座を地に投げすてられました。

89:45[編集]

あなたは彼の若き日をちぢめ、恥をもって彼をおおわれました。

89:46[編集]

主よ、いつまでなのですか。とこしえにお隠れになるのですか。あなたの怒りはいつまで火のように燃えるのですか。

89:47[編集]

主よ、人のいのちの、いかに短く、すべての人の子を、いかにはかなく造られたかを、みこころにとめてください。

89:48[編集]

だれか生きて死を見ず、その魂を陰府の力から救いうるものがあるでしょうか。

89:49[編集]

主よ、あなたがまことをもってダビデに誓われた昔のいつくしみはどこにありますか。

89:50[編集]

89:51[編集]

主よ、あなたのしもべがうけるはずかしめをみこころにとめてください。主よ、あなたのもろもろの敵はわたしをそしり、あなたの油そそがれた者の足跡をそしります。わたしはもろもろの民のそしりをわたしのふところにいだいているのです。

89:52[編集]

主はとこしえにほむべきかな。アァメン、アァメン。

第90篇[編集]

90:1[編集]

主よ、あなたは世々われらのすみかでいらせられる。

90:2[編集]

山がまだ生れず、あなたがまだ地と世界とを造られなかったとき、とこしえからとこしえまで、あなたは神でいらせられる。

90:3[編集]

あなたは人をちりに帰らせて言われます、「人の子よ、帰れ」と。

90:4[編集]

あなたの目の前には千年も過ぎ去ればきのうのごとく、夜の間のひと時のようです。

90:5[編集]

あなたは人を大水のように流れ去らせられます。彼らはひと夜の夢のごとく、あしたにもえでる青草のようです。

90:6[編集]

あしたにもえでて、栄えるが、夕べには、しおれて枯れるのです。

90:7[編集]

われらはあなたの怒りによって消えうせ、あなたの憤りによって滅び去るのです。

90:8[編集]

あなたはわれらの不義をみ前におき、われらの隠れた罪をみ顔の光のなかにおかれました。

90:9[編集]

われらのすべての日は、あなたの怒りによって過ぎ去り、われらの年の尽きるのは、ひと息のようです。

90:10[編集]

われらのよわいは七十年にすぎません。あるいは健やかであっても八十年でしょう。しかしその一生はただ、ほねおりと悩みであって、その過ぎゆくことは速く、われらは飛び去るのです。

90:11[編集]

だれがあなたの怒りの力を知るでしょうか。だれがあなたをおそれる恐れにしたがってあなたの憤りを知るでしょうか。

90:12[編集]

われらにおのが日を数えることを教えて、知恵の心を得させてください。

90:13[編集]

主よ、み心を変えてください。いつまでお怒りになるのですか。あなたのしもべをあわれんでください。

90:14[編集]

あしたに、あなたのいつくしみをもってわれらを飽き足らせ、世を終るまで喜び楽しませてください。

90:15[編集]

あなたがわれらを苦しめられた多くの日と、われらが災にあった多くの年とに比べて、われらを楽しませてください。

90:16[編集]

あなたのみわざを、あなたのしもべらに、あなたの栄光を、その子らにあらわしてください。

90:17[編集]

われらの神、主の恵みを、われらの上にくだし、われらの手のわざを、われらの上に栄えさせてください。われらの手のわざを栄えさせてください。

第91篇[編集]

91:1[編集]

いと高き者のもとにある隠れ場に住む人、全能者の陰にやどる人は

91:2[編集]

主に言うであろう、「わが避け所、わが城、わが信頼しまつるわが神」と。

91:3[編集]

主はあなたをかりゅうどのわなと、恐ろしい疫病から助け出されるからである。

91:4[編集]

主はその羽をもって、あなたをおおわれる。あなたはその翼の下に避け所を得るであろう。そのまことは大盾、また小盾である。

91:5[編集]

あなたは夜の恐ろしい物をも、昼に飛んでくる矢をも恐れることはない。

91:6[編集]

また暗やみに歩きまわる疫病をも、真昼に荒す滅びをも恐れることはない。

91:7[編集]

たとい千人はあなたのかたわらに倒れ、万人はあなたの右に倒れても、その災はあなたに近づくことはない。

91:8[編集]

あなたはただ、その目をもって見、悪しき者の報いを見るだけである。

91:9[編集]

あなたは主を避け所とし、いと高き者をすまいとしたので、

91:10[編集]

災はあなたに臨まず、悩みはあなたの天幕に近づくことはない。

91:11[編集]

これは主があなたのために天使たちに命じて、あなたの歩むすべての道であなたを守らせられるからである。

91:12[編集]

彼らはその手で、あなたをささえ、石に足を打ちつけることのないようにする。

91:13[編集]

あなたはししと、まむしとを踏み、若いししと、へびとを足の下に踏みにじるであろう。

91:14[編集]

彼はわたしを愛して離れないゆえに、わたしは彼を助けよう。彼はわが名を知るゆえに、わたしは彼を守る。

91:15[編集]

彼がわたしを呼ぶとき、わたしは彼に答える。わたしは彼の悩みのときに、共にいて、彼を救い、彼に光栄を与えよう。

91:16[編集]

わたしは長寿をもって彼を満ち足らせ、わが救を彼に示すであろう。

第92篇[編集]

92:1[編集]

いと高き者よ、主に感謝し、み名をほめたたえるのは、よいことです。

92:2[編集]

あしたに、あなたのいつくしみをあらわし、夜な夜な、あなたのまことをあらわすために、

92:3[編集]

十弦の楽器と立琴を用い、琴のたえなる調べを用いるのは、よいことです。

92:4[編集]

主よ、あなたはみわざをもってわたしを楽しませられました。わたしはあなたのみ手のわざを喜び歌います。

92:5[編集]

主よ、あなたのみわざはいかに大いなることでしょう。あなたのもろもろの思いは、いとも深く、

92:6[編集]

鈍い者は知ることができず、愚かな者はこれを悟ることができません。

92:7[編集]

たとい、悪しき者は草のようにもえいで、不義を行う者はことごとく栄えても、彼らはとこしえに滅びに定められているのです。

92:8[編集]

しかし、主よ、あなたはとこしえに高き所にいらせられます。

92:9[編集]

主よ、あなたの敵、あなたの敵は滅び、不義を行う者はことごとく散らされるでしょう。

92:10[編集]

しかし、あなたはわたしの角を野牛の角のように高くあげ、新しい油をわたしに注がれました。

92:11[編集]

わたしの目はわが敵の没落を見、わたしの耳はわたしを攻める悪者どもの破滅を聞きました。

92:12[編集]

正しい者はなつめやしの木のように栄え、レバノンの香柏のように育ちます。

92:13[編集]

彼らは主の家に植えられ、われらの神の大庭に栄えます。

92:14[編集]

彼らは年老いてなお実を結び、いつも生気に満ち、青々として、

92:15[編集]

主の正しいことを示すでしょう。主はわが岩です。主には少しの不義もありません。

第93篇[編集]

93:1[編集]

主は王となり、威光の衣をまとわれます。主は衣をまとい、力をもって帯とされます。まことに、世界は堅く立って、動かされることはありません。

93:2[編集]

あなたの位はいにしえより堅く立ち、あなたはとこしえよりいらせられます。

93:3[編集]

主よ、大水は声をあげました。大水はその声をあげました。大水はそのとどろく声をあげます。

93:4[編集]

主は高き所にいらせられて、その勢いは多くの水のとどろきにまさり、海の大波にまさって盛んです。

93:5[編集]

あなたのあかしはいとも確かです。主よ、聖なることはとこしえまでもあなたの家にふさわしいのです。

第94篇[編集]

94:1[編集]

あだを報いられる神、主よ、あだを報いられる神よ、光を放ってください。

94:2[編集]

地をさばかれる者よ、立って高ぶる者にその受くべき罰をお与えください。

94:3[編集]

主よ、悪しき者はいつまで、悪しき者はいつまで勝ち誇るでしょうか。

94:4[編集]

彼らは高慢な言葉を吐き散らし、すべて不義を行う者はみずから高ぶります。

94:5[編集]

主よ、彼らはあなたの民を打ち砕き、あなたの嗣業を苦しめます。

94:6[編集]

彼らはやもめと旅びとのいのちをうばい、みなしごを殺します。

94:7[編集]

彼らは言います、「主は見ない、ヤコブの神は悟らない」と。

94:8[編集]

民のうちの鈍き者よ、悟れ。愚かな者よ、いつ賢くなるだろうか。

94:9[編集]

耳を植えた者は聞くことをしないだろうか、目を造った者は見ることをしないだろうか。

94:10[編集]

もろもろの国民を懲らす者は罰することをしないだろうか、人を教える者は知識をもたないだろうか。

94:11[編集]

主は人の思いの、むなしいことを知られる。

94:12[編集]

主よ、あなたによって懲らされる人、あなたのおきてを教えられる人はさいわいです。

94:13[編集]

あなたはその人を災の日からのがれさせ、悪しき者のために穴が掘られるまでその人に平安を与えられます。

94:14[編集]

主はその民を捨てず、その嗣業を見捨てられないからです。

94:15[編集]

さばきは正義に帰り、すべて心の正しい者はそれに従うでしょう。

94:16[編集]

だれがわたしのために立ちあがって、悪しき者を責めるだろうか。だれがわたしのために立って、不義を行う者を責めるだろうか。

94:17[編集]

もしも主がわたしを助けられなかったならば、わが魂はとくに音なき所に住んだであろう。

94:18[編集]

しかし「わたしの足がすべる」と思ったとき、主よ、あなたのいつくしみはわたしをささえられました。

94:19[編集]

わたしのうちに思い煩いの満ちるとき、あなたの慰めはわが魂を喜ばせます。

94:20[編集]

定めをもって危害をたくらむ悪しき支配者はあなたと親しむことができるでしょうか。

94:21[編集]

彼らは相結んで正しい人の魂を責め、罪のない者に死を宣告します。

94:22[編集]

しかし主はわが高きやぐらとなり、わが神はわが避け所の岩となられました。

94:23[編集]

主は彼らの不義を彼らに報い、彼らをその悪のゆえに滅ぼされます。われらの神、主は彼らを滅ぼされます。

第95篇[編集]

95:1[編集]

さあ、われらは主にむかって歌い、われらの救の岩にむかって喜ばしい声をあげよう。

95:2[編集]

われらは感謝をもって、み前に行き、主にむかい、さんびの歌をもって、喜ばしい声をあげよう。

95:3[編集]

主は大いなる神、すべての神にまさって大いなる王だからである。

95:4[編集]

地の深い所は主のみ手にあり、山々の頂もまた主のものである。

95:5[編集]

海は主のもの、主はこれを造られた。またそのみ手はかわいた地を造られた。

95:6[編集]

さあ、われらは拝み、ひれ伏し、われらの造り主、主のみ前にひざまずこう。

95:7[編集]

主はわれらの神であり、われらはその牧の民、そのみ手の羊である。どうか、あなたがたは、きょう、そのみ声を聞くように。

95:8[編集]

あなたがたは、メリバにいた時のように、また荒野のマッサにいた日のように、心をかたくなにしてはならない。

95:9[編集]

あの時、あなたがたの先祖たちはわたしのわざを見たにもかかわらず、わたしを試み、わたしをためした。

95:10[編集]

わたしは四十年の間、その代をきらって言った、「彼らは心の誤っている民であって、わたしの道を知らない」と。

95:11[編集]

それゆえ、わたしは憤って、彼らはわが安息に入ることができないと誓った。

第96篇[編集]

96:1[編集]

新しい歌を主にむかってうたえ。全地よ、主にむかってうたえ。

96:2[編集]

主にむかって歌い、そのみ名をほめよ。日ごとにその救を宣べ伝えよ。

96:3[編集]

もろもろの国の中にその栄光をあらわし、もろもろの民の中にそのくすしきみわざをあらわせ。

96:4[編集]

主は大いなる神であって、いともほめたたうべきもの、もろもろの神にまさって恐るべき者である。

96:5[編集]

もろもろの民のすべての神はむなしい。しかし主はもろもろの天を造られた。

96:6[編集]

誉と、威厳とはそのみ前にあり、力と、うるわしさとはその聖所にある。

96:7[編集]

もろもろの民のやからよ、主に帰せよ、栄光と力とを主に帰せよ。

96:8[編集]

そのみ名にふさわしい栄光を主に帰せよ。供え物を携えてその大庭にきたれ。

96:9[編集]

聖なる装いをして主を拝め、全地よ、そのみ前におののけ。

96:10[編集]

もろもろの国民の中に言え、「主は王となられた。世界は堅く立って、動かされることはない。主は公平をもってもろもろの民をさばかれる」と。

96:11[編集]

天は喜び、地は楽しみ、海とその中に満ちるものとは鳴りどよめき、

96:12[編集]

田畑とその中のすべての物は大いに喜べ。そのとき、林のもろもろの木も主のみ前に喜び歌うであろう。

96:13[編集]

主は来られる、地をさばくために来られる。主は義をもって世界をさばき、まことをもってもろもろの民をさばかれる。

第97篇[編集]

97:1[編集]

主は王となられた。地は楽しみ、海に沿った多くの国々は喜べ。

97:2[編集]

雲と暗やみとはそのまわりにあり、義と正とはそのみくらの基である。

97:3[編集]

火はそのみ前に行き、そのまわりのあだを焼きつくす。

97:4[編集]

主のいなずまは世界を照し、地は見ておののく。

97:5[編集]

もろもろの山は主のみ前に、全地の主のみ前に、ろうのように溶けた。

97:6[編集]

もろもろの天はその義をあらわし、よろずの民はその栄光を見た。

97:7[編集]

すべて刻んだ像を拝む者、むなしい偶像をもってみずから誇る者ははずかしめをうける。もろもろの神は主のみ前にひれ伏す。

97:8[編集]

主よ、あなたのさばきのゆえに、シオンは聞いて喜び、ユダの娘たちは楽しむ。

97:9[編集]

主よ、あなたは全地の上にいまして、いと高く、もろもろの神にまさって大いにあがめられます。

97:10[編集]

主は悪を憎む者を愛し、その聖徒のいのちを守り、これを悪しき者の手から助け出される。

97:11[編集]

光は正しい人のために現れ、喜びは心の正しい者のためにあらわれる。

97:12[編集]

正しき人よ、主によって喜べ、その聖なるみ名に感謝せよ。

第98篇[編集]

98:1[編集]

新しき歌を主にむかってうたえ。主はくすしきみわざをなされたからである。その右の手と聖なる腕とは、おのれのために勝利を得られた。

98:2[編集]

主はその勝利を知らせ、その義をもろもろの国民の前にあらわされた。

98:3[編集]

主はそのいつくしみと、まこととをイスラエルの家にむかって覚えられた。地のもろもろのはては、われらの神の勝利を見た。

98:4[編集]

全地よ、主にむかって喜ばしき声をあげよ。声を放って喜び歌え、ほめうたえ。

98:5[編集]

琴をもって主をほめうたえ。琴と歌の声をもってほめうたえ。

98:6[編集]

ラッパと角笛の音をもって王なる主の前に喜ばしき声をあげよ。

98:7[編集]

海とその中に満ちるもの、世界とそのうちに住む者とは鳴りどよめけ。

98:8[編集]

大水はその手を打ち、もろもろの山は共に主のみ前に喜び歌え。

98:9[編集]

主は地をさばくために来られるからである。主は義をもって世界をさばき、公平をもってもろもろの民をさばかれる。

第99篇[編集]

99:1[編集]

主は王となられた。もろもろの民はおののけ。主はケルビムの上に座せられる。地は震えよ。

99:2[編集]

主はシオンにおられて大いなる神、主はもろもろの民の上に高くいらせられる。

99:3[編集]

彼らはあなたの大いなる恐るべきみ名をほめたたえるであろう。主は聖でいらせられる。

99:4[編集]

大能の王であり、公義を愛する者であるあなたは堅く公平を立て、ヤコブの中に正と義とを行われた。

99:5[編集]

われらの神、主をあがめ、その足台のもとで拝みまつれ。主は聖でいらせられる。

99:6[編集]

その祭司の中にモーセとアロンとがあった。そのみ名を呼ぶ者の中にサムエルもあった。彼らが主に呼ばわると、主は答えられた。

99:7[編集]

主は雲の柱のうちで彼らに語られた。彼らはそのあかしと、彼らに賜わった定めとを守った。

99:8[編集]

われらの神、主よ、あなたは彼らに答えられた。あなたは彼らにゆるしを与えられた神であったが、悪を行う者には報復された。

99:9[編集]

われらの神、主をあがめ、その聖なる山で拝みまつれ。われらの神、主は聖でいらせられるからである。

第100篇[編集]

100:1[編集]

全地よ、主にむかって喜ばしき声をあげよ。

100:2[編集]

喜びをもって主に仕えよ。歌いつつ、そのみ前にきたれ。

100:3[編集]

主こそ神であることを知れ。われらを造られたものは主であって、われらは主のものである。われらはその民、その牧の羊である。

100:4[編集]

感謝しつつ、その門に入り、ほめたたえつつ、その大庭に入れ。主に感謝し、そのみ名をほめまつれ。

100:5[編集]

主は恵みふかく、そのいつくしみはかぎりなく、そのまことはよろず代に及ぶからである。

第101篇[編集]

101:1[編集]

わたしはいつくしみと公義について歌います。主よ、わたしはあなたにむかって歌います。

101:2[編集]

わたしは全き道に心をとめます。あなたはいつ、わたしに来られるでしょうか。わたしは直き心をもって、わが家のうちを歩みます。

101:3[編集]

わたしは目の前に卑しい事を置きません。わたしはそむく者の行いを憎みます。それはわたしに付きまといません。

101:4[編集]

ひがんだ心はわたしを離れるでしょう。わたしは悪い事を知りません。

101:5[編集]

ひそかに、その隣り人をそしる者をわたしは滅ぼします。高ぶる目と高慢な心の人を耐え忍ぶ事はできません。

101:6[編集]

わたしは国のうちの忠信な者に好意を寄せ、わたしと共に住まわせます。全き道を歩む者はわたしに仕えるでしょう。

101:7[編集]

欺くことをする者はわが家のうちに住むことができません。偽りを言う者はわが目の前に立つことができません。

101:8[編集]

わたしは朝ごとに国の悪しき者をことごとく滅ぼし、不義を行う者をことごとく主の都から断ち除きます。

第102篇[編集]

102:1[編集]

主よ、わたしの祈をお聞きください。わたしの叫びをみ前に至らせてください。

102:2[編集]

わたしの悩みの日にみ顔を隠すことなく、あなたの耳をわたしに傾け、わが呼ばわる日に、すみやかにお答えください。

102:3[編集]

わたしの日は煙のように消え、わたしの骨は炉のように燃えるからです。

102:4[編集]

わたしの心は草のように撃たれて、しおれました。わたしはパンを食べることを忘れました。

102:5[編集]

わが嘆きの声によってわたしの骨はわたしの肉に着きます。

102:6[編集]

わたしは荒野のはげたかのごとく、荒れた跡のふくろうのようです。

102:7[編集]

わたしは眠らずに屋根にひとりいるすずめのようです。

102:8[編集]

わたしの敵はひねもす、わたしをそしり、わたしをあざける者はわが名によってのろいます。

102:9[編集]

わたしは灰をパンのように食べ、わたしの飲み物に涙を交えました。

102:10[編集]

これはあなたの憤りと怒りのゆえです。あなたはわたしをもたげて投げすてられました。

102:11[編集]

わたしのよわいは夕暮の日影のようです。わたしは草のようにしおれました。

102:12[編集]

しかし主よ、あなたはとこしえにみくらに座し、そのみ名はよろず代に及びます。

102:13[編集]

あなたは立ってシオンをあわれまれるでしょう。これはシオンを恵まれる時であり、定まった時が来たからです。

102:14[編集]

あなたのしもべはシオンの石をも喜び、そのちりをさえあわれむのです。

102:15[編集]

もろもろの国民は主のみ名を恐れ、地のもろもろの王はあなたの栄光を恐れるでしょう。

102:16[編集]

主はシオンを築き、その栄光をもって現れ、

102:17[編集]

乏しい者の祈をかえりみ、彼らの願いをかろしめられないからです。

102:18[編集]

きたるべき代のために、この事を書きしるしましょう。そうすれば新しく造られる民は、主をほめたたえるでしょう。

102:19[編集]

主はその聖なる高き所から見おろし、天から地を見られた。

102:20[編集]

これは捕われ人の嘆きを聞き、死に定められた者を解き放ち、

102:21[編集]

人々がシオンで主のみ名をあらわし、エルサレムでその誉をあらわすためです。

102:22[編集]

その時もろもろの民、もろもろの国はともに集まって、主に仕えるでしょう。

102:23[編集]

主はわたしの力を中途でくじき、わたしのよわいを短くされました。

102:24[編集]

わたしは言いました、「わが神よ、どうか、わたしのよわいの半ばでわたしを取り去らないでください。あなたのよわいはよろず代に及びます」と。

102:25[編集]

あなたはいにしえ、地の基をすえられました。天もまたあなたのみ手のわざです。

102:26[編集]

これらは滅びるでしょう。しかしあなたは長らえられます。これらはみな衣のように古びるでしょう。あなたがこれらを上着のように替えられると、これらは過ぎ去ります。

102:27[編集]

しかしあなたは変ることなく、あなたのよわいは終ることがありません。

102:28[編集]

あなたのしもべの子らは安らかに住み、その子孫はあなたの前に堅く立てられるでしょう。

第103篇[編集]

103:1[編集]

わがたましいよ、主をほめよ。わがうちなるすべてのものよ、その聖なるみ名をほめよ。

103:2[編集]

わがたましいよ、主をほめよ。そのすべてのめぐみを心にとめよ。

103:3[編集]

主はあなたのすべての不義をゆるし、あなたのすべての病をいやし、

103:4[編集]

あなたのいのちを墓からあがないいだし、いつくしみと、あわれみとをあなたにこうむらせ、

103:5[編集]

あなたの生きながらえるかぎり、良き物をもってあなたを飽き足らせられる。こうしてあなたは若返って、わしのように新たになる。

103:6[編集]

主はすべてしえたげられる者のために正義と公正とを行われる。

103:7[編集]

主はおのれの道をモーセに知らせ、おのれのしわざをイスラエルの人々に知らせられた。

103:8[編集]

主はあわれみに富み、めぐみふかく、怒ること遅く、いつくしみ豊かでいらせられる。

103:9[編集]

主は常に責めることをせず、また、とこしえに怒りをいだかれない。

103:10[編集]

主はわれらの罪にしたがってわれらをあしらわず、われらの不義にしたがって報いられない。

103:11[編集]

天が地よりも高いように、主がおのれを恐れる者に賜わるいつくしみは大きい、

103:12[編集]

東が西から遠いように、主はわれらのとがをわれらから遠ざけられる。

103:13[編集]

父がその子供をあわれむように、主はおのれを恐れる者をあわれまれる。

103:14[編集]

主はわれらの造られたさまを知り、われらのちりであることを覚えていられるからである。

103:15[編集]

人は、そのよわいは草のごとく、その栄えは野の花にひとしい。

103:16[編集]

風がその上を過ぎると、うせて跡なく、その場所にきいても、もはやそれを知らない。

103:17[編集]

しかし主のいつくしみは、とこしえからとこしえまで、主を恐れる者の上にあり、その義は子らの子に及び、

103:18[編集]

その契約を守り、その命令を心にとめて行う者にまで及ぶ。

103:19[編集]

主はその玉座を天に堅くすえられ、そのまつりごとはすべての物を統べ治める。

103:20[編集]

主の使たちよ、そのみ言葉の声を聞いて、これを行う勇士たちよ、主をほめまつれ。

103:21[編集]

そのすべての万軍よ、そのみこころを行うしもべたちよ、主をほめよ。

103:22[編集]

主が造られたすべての物よ、そのまつりごとの下にあるすべての所で、主をほめよ。わがたましいよ、主をほめよ。

第104篇[編集]

104:1[編集]

わがたましいよ、主をほめよ。わが神、主よ、あなたはいとも大いにして誉と威厳とを着、

104:2[編集]

光を衣のようにまとい、天を幕のように張り、

104:3[編集]

水の上におのが高殿のうつばりをおき、雲をおのれのいくさ車とし、風の翼に乗りあるき、

104:4[編集]

風をおのれの使者とし、火と炎をおのれのしもべとされる。

104:5[編集]

あなたは地をその基の上にすえて、とこしえに動くことのないようにされた。

104:6[編集]

あなたはこれを衣でおおうように大水でおおわれた。水はたたえて山々の上を越えた。

104:7[編集]

あなたのとがめによって水は退き、あなたの雷の声によって水は逃げ去った。

104:8[編集]

山は立ちあがり、谷はあなたが定められた所に沈んだ。

104:9[編集]

あなたは水に境を定めて、これを越えさせず、再び地をおおうことのないようにされた。

104:10[編集]

あなたは泉を谷にわき出させ、それを山々の間に流れさせ、

104:11[編集]

野のもろもろの獣に飲ませられる。野のろばもそのかわきをいやす。

104:12[編集]

空の鳥もそのほとりに住み、こずえの間にさえずり歌う。

104:13[編集]

あなたはその高殿からもろもろの山に水を注がれる。地はあなたのみわざの実をもって満たされる。

104:14[編集]

あなたは家畜のために草をはえさせ、また人のためにその栽培する植物を与えて、地から食物を出させられる。

104:15[編集]

すなわち人の心を喜ばすぶどう酒、その顔をつややかにする油、人の心を強くするパンなどである。

104:16[編集]

主の木と、主がお植えになったレバノンの香柏とは豊かに潤され、

104:17[編集]

鳥はその中に巣をつくり、こうのとりはもみの木をそのすまいとする。

104:18[編集]

高き山はやぎのすまい、岩は岩だぬきの隠れる所である。

104:19[編集]

あなたは月を造って季節を定められた。日はその入る時を知っている。

104:20[編集]

あなたは暗やみを造って夜とされた。その時、林の獣は皆忍び出る。

104:21[編集]

若きししはほえてえさを求め、神に食物を求める。

104:22[編集]

日が出ると退いて、その穴に寝る。

104:23[編集]

人は出てわざにつき、その勤労は夕べに及ぶ。

104:24[編集]

主よ、あなたのみわざはいかに多いことであろう。あなたはこれらをみな知恵をもって造られた。地はあなたの造られたもので満ちている。

104:25[編集]

かしこに大いなる広い海がある。その中に無数のもの、大小の生き物が満ちている。

104:26[編集]

そこに舟が走り、あなたが造られたレビヤタンはその中に戯れる。

104:27[編集]

彼らは皆あなたが時にしたがって食物をお与えになるのを期待している。

104:28[編集]

あなたがお与えになると、彼らはそれを集める。あなたが手を開かれると、彼らは良い物で満たされる。

104:29[編集]

あなたがみ顔を隠されると、彼らはあわてふためく。あなたが彼らの息を取り去られると、彼らは死んでちりに帰る。

104:30[編集]

あなたが霊を送られると、彼らは造られる。あなたは地のおもてを新たにされる。

104:31[編集]

どうか、主の栄光がとこしえにあるように。主がそのみわざを喜ばれるように。

104:32[編集]

主が地を見られると、地は震い、山に触れられると、煙をいだす。

104:33[編集]

わたしは生きるかぎり、主にむかって歌い、ながらえる間はわが神をほめ歌おう。

104:34[編集]

どうか、わたしの思いが主に喜ばれるように。わたしは主によって喜ぶ。

104:35[編集]

どうか、罪びとが地から断ち滅ぼされ、悪しき者が、もはや、いなくなるように。わがたましいよ、主をほめよ。主をほめたたえよ。

第105篇[編集]

105:1[編集]

主に感謝し、そのみ名を呼び、そのみわざをもろもろの民のなかに知らせよ。

105:2[編集]

主にむかって歌え、主をほめうたえ、そのすべてのくすしきみわざを語れ。

105:3[編集]

その聖なるみ名を誇れ。主を尋ね求める者の心を喜ばせよ。

105:4[編集]

主とそのみ力とを求めよ、つねにそのみ顔を尋ねよ。

105:5[編集]

105:6[編集]

そのしもべアブラハムの子孫よ、その選ばれた者であるヤコブの子らよ、主のなされたくすしきみわざと、その奇跡と、そのみ口のさばきとを心にとめよ。

105:7[編集]

彼はわれらの神、主でいらせられる。そのさばきは全地にある。

105:8[編集]

主はとこしえに、その契約をみこころにとめられる。これはよろず代に命じられたみ言葉であって、

105:9[編集]

アブラハムと結ばれた契約、イサクに誓われた約束である。

105:10[編集]

主はこれを堅く立てて、ヤコブのために定めとし、イスラエルのために、とこしえの契約として

105:11[編集]

言われた、「わたしはあなたにカナンの地を与えて、あなたがたの受ける嗣業の分け前とする」と。

105:12[編集]

このとき彼らの数は少なくて、数えるに足らず、その所で旅びととなり、

105:13[編集]

この国からかの国へ行き、この国から他の民へ行った。

105:14[編集]

主は人の彼らをしえたげるのをゆるさず、彼らのために王たちを懲らしめて、

105:15[編集]

言われた、「わが油そそがれた者たちにさわってはならない、わが預言者たちに害を加えてはならない」と。

105:16[編集]

主はききんを地に招き、人のつえとするパンをことごとく砕かれた。

105:17[編集]

また彼らの前にひとりをつかわされた。すなわち売られて奴隷となったヨセフである。

105:18[編集]

彼の足は足かせをもって痛められ、彼の首は鉄の首輪にはめられ、

105:19[編集]

彼の言葉の成る時まで、主のみ言葉が彼を試みた。

105:20[編集]

王は人をつかわして彼を解き放ち、民のつかさは彼に自由を与えた。

105:21[編集]

王はその家のつかさとしてその所有をことごとくつかさどらせ、

105:22[編集]

その心のままに君たちを教えさせ、長老たちに知恵を授けさせた。

105:23[編集]

その時イスラエルはエジプトにきたり、ヤコブはハムの地に寄留した。

105:24[編集]

主はその民を大いに増し加え、これをそのあだよりも強くされた。

105:25[編集]

主は人々の心をかえて、その民を憎ませ、そのしもべたちを悪賢く扱わせられた。

105:26[編集]

主はそのしもべモーセと、そのお選びになったアロンとをつかわされた。

105:27[編集]

彼らはハムの地で主のしるしと、奇跡とを彼らのうちにおこなった。

105:28[編集]

主は暗やみをつかわして地を暗くされた。しかし彼らはそのみ言葉に従わなかった。

105:29[編集]

主は彼らの水を血に変らせて、その魚を殺された。

105:30[編集]

彼らの国には、かえるが群がり、王の寝間にまではいった。

105:31[編集]

主が言われると、はえの群れがきたり、ぶよが国じゅうにあった。

105:32[編集]

主は雨にかえて、ひょうを彼らに与え、きらめくいなずまを彼らの国に放たれた。

105:33[編集]

主は彼らのぶどうの木と、いちじくの木とを撃ち、彼らの国のもろもろの木を折り砕かれた。

105:34[編集]

主が言われると、いなごがきたり、無数の若いいなごが来て、

105:35[編集]

彼らの国のすべての青物を食いつくし、その地の実を食いつくした。

105:36[編集]

主は彼らの国のすべてのういごを撃ち、彼らのすべての力の初めを撃たれた。

105:37[編集]

そして金銀を携えてイスラエルを出て行かせられた。その部族のうちに、ひとりの倒れる者もなかった。

105:38[編集]

エジプトは彼らの去るのを喜んだ。彼らに対する恐れが彼らに臨んだからである。

105:39[編集]

主は雲をひろげておおいとし、夜は火をもって照された。

105:40[編集]

また彼らの求めによって、うずらを飛びきたらせ、天から、かてを豊かに彼らに与えられた。

105:41[編集]

主が岩を開かれると、水がほとばしり出て、かわいた地に川のように流れた。

105:42[編集]

これは主がその聖なる約束と、そのしもべアブラハムを覚えられたからである。

105:43[編集]

こうして主はその民を導いて喜びつつ出て行かせ、その選ばれた民を導いて歌いつつ出て行かせられた。

105:44[編集]

主はもろもろの国びとの地を彼らに与えられたので、彼らはもろもろの民の勤労の実を自分のものとした。

105:45[編集]

これは彼らが主の定めを守り、そのおきてを行うためである。主をほめたたえよ。

第106篇[編集]

106:1[編集]

主をほめたたえよ。主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

106:2[編集]

だれが主の大能のみわざを語り、その誉をことごとく言いあらわすことができようか。

106:3[編集]

公正を守る人々、常に正義を行う人はさいわいである。

106:4[編集]

主よ、あなたがその民を恵まれるとき、わたしを覚えてください。あなたが彼らを救われるとき、わたしを助けてください。

106:5[編集]

そうすれば、わたしはあなたの選ばれた者の繁栄を見、あなたの国民の喜びをよろこび、あなたの嗣業と共に誇ることができるでしょう。

106:6[編集]

われらは先祖たちと同じく罪を犯した。われらは不義をなし、悪しきことを行った。

106:7[編集]

われらの先祖たちはエジプトにいたとき、あなたのくすしきみわざに心を留めず、あなたのいつくしみの豊かなのを思わず、紅海で、いと高き神にそむいた。

106:8[編集]

けれども主はその大能を知らせようと、み名のために彼らを救われた。

106:9[編集]

主は紅海をしかって、それをかわかし、彼らを導いて荒野を行くように、淵を通らせられた。

106:10[編集]

こうして主は彼らをあだの手から救い、敵の力からあがなわれた。

106:11[編集]

水が彼らのあだをおおったので、そのうち、ひとりも生き残った者はなかった。

106:12[編集]

このとき彼らはそのみ言葉を信じ、その誉を歌った。

106:13[編集]

しかし彼らはまもなくそのみわざを忘れ、その勧めを待たず、

106:14[編集]

野でわがままな欲望を起し、荒野で神を試みた。

106:15[編集]

主は彼らにその求めるものを与えられたが、彼らのうちに病気を送って、やせ衰えさせられた。

106:16[編集]

人々が宿営のうちでモーセをねたみ、主の聖者アロンをねたんだとき、

106:17[編集]

地が開けてダタンを飲み、アビラムの仲間をおおった。

106:18[編集]

火はまたこの仲間のうちに燃え起り、炎は悪しき者を焼きつくした。

106:19[編集]

彼らはホレブで子牛を造り、鋳物の像を拝んだ。

106:20[編集]

彼らは神の栄光を草を食う牛の像と取り替えた。

106:21[編集]

106:22[編集]

彼らは、エジプトで大いなる事をなし、ハムの地でくすしきみわざをなし、紅海のほとりで恐るべき事をなされた救主なる神を忘れた。

106:23[編集]

それゆえ、主は彼らを滅ぼそうと言われた。しかし主のお選びになったモーセは破れ口で主のみ前に立ち、み怒りを引きかえして、滅びを免れさせた。

106:24[編集]

彼らは麗しい地を侮り、主の約束を信ぜず、

106:25[編集]

またその天幕でつぶやき、主のみ声に聞き従わなかった。

106:26[編集]

それゆえ、主はみ手をあげて、彼らに誓い、彼らを荒野で倒れさせ、

106:27[編集]

またその子孫を、もろもろの国民のうちに追い散らし、もろもろの地に彼らをまき散らそうとされた。

106:28[編集]

また彼らはペオルのバアルを慕って、死んだ者にささげた、いけにえを食べた。

106:29[編集]

彼らはそのおこないをもって主を怒らせたので、彼らのうちに疫病が起った。

106:30[編集]

その時ピネハスが立って仲裁にはいったので、疫病はやんだ。

106:31[編集]

これによってピネハスはよろず代まで、とこしえに義とされた。

106:32[編集]

彼らはまたメリバの水のほとりで主を怒らせたので、モーセは彼らのために災にあった。

106:33[編集]

これは彼らが神の霊にそむいたとき、彼がそのくちびるで軽率なことを言ったからである。

106:34[編集]

彼らは主が命じられたもろもろの民を滅ぼさず、

106:35[編集]

かえってもろもろの国民とまじってそのわざにならい、

106:36[編集]

自分たちのわなとなった偶像に仕えた。

106:37[編集]

彼らはそのむすこ、娘たちを悪霊にささげ、

106:38[編集]

罪のない血、すなわちカナンの偶像にささげたそのむすこ、娘たちの血を流した。こうして国は血で汚された。

106:39[編集]

このように彼らはそのわざによっておのれを汚し、そのおこないによって姦淫をなした。

106:40[編集]

それゆえ、主の怒りがその民にむかって燃え、その嗣業を憎んで、

106:41[編集]

彼らをもろもろの国民の手にわたされた。彼らはおのれを憎む者に治められ、

106:42[編集]

その敵にしえたげられ、その力の下に征服された。

106:43[編集]

主はしばしば彼らを助けられたが、彼らははかりごとを設けてそむき、その不義によって低くされた。

106:44[編集]

それにもかかわらず、主は彼らの叫びを聞かれたとき、その悩みをかえりみ、

106:45[編集]

その契約を彼らのために思い出し、そのいつくしみの豊かなるにより、みこころを変えられ、

106:46[編集]

彼らをとりこにした者どもによって、あわれまれるようにされた。

106:47[編集]

われらの神、主よ、われらを救って、もろもろの国民のなかから集めてください。われらはあなたの聖なるみ名に感謝し、あなたの誉を誇るでしょう。

106:48[編集]

イスラエルの神、主はとこしえからとこしえまでほむべきかな。すべての民は「アァメン」ととなえよ。主をほめたたえよ。

第107篇[編集]

107:1[編集]

「主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と、

107:2[編集]

主にあがなわれた者は言え。主は彼らを悩みからあがない、

107:3[編集]

もろもろの国から、東、西、北、南から彼らを集められた。

107:4[編集]

彼らは人なき荒野にさまよい、住むべき町にいたる道を見いださなかった。

107:5[編集]

彼らは飢え、またかわき、その魂は彼らのうちに衰えた。

107:6[編集]

彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから助け出し、

107:7[編集]

住むべき町に行き着くまで、まっすぐな道に導かれた。

107:8[編集]

どうか、彼らが主のいつくしみと、人の子らになされたくすしきみわざとのために、主に感謝するように。

107:9[編集]

主はかわいた魂を満ち足らせ、飢えた魂を良き物で満たされるからである。

107:10[編集]

暗黒と深いやみの中にいる者、苦しみと、くろがねに縛られた者、

107:11[編集]

彼らは神の言葉にそむき、いと高き者の勧めを軽んじたので、

107:12[編集]

主は重い労働をもって彼らの心を低くされた。彼らはつまずき倒れても、助ける者がなかった。

107:13[編集]

彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから救い、

107:14[編集]

暗黒と深いやみから彼らを導き出して、そのかせをこわされた。

107:15[編集]

どうか、彼らが主のいつくしみと、人の子らになされたくすしきみわざとのために、主に感謝するように。

107:16[編集]

主は青銅のとびらをこわし、鉄の貫の木を断ち切られたからである。

107:17[編集]

ある者はその罪に汚れた行いによって病み、その不義のゆえに悩んだ。

107:18[編集]

彼らはすべての食物をきらって、死の門に近づいた。

107:19[編集]

彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから救い、

107:20[編集]

そのみ言葉をつかわして、彼らをいやし、彼らを滅びから助け出された。

107:21[編集]

どうか、彼らが主のいつくしみと、人の子らになされたくすしきみわざとのために、主に感謝するように。

107:22[編集]

彼らが感謝のいけにえをささげ、喜びの歌をもって、そのみわざを言いあらわすように。

107:23[編集]

舟で海にくだり、大海で商売をする者は、

107:24[編集]

主のみわざを見、また深い所でそのくすしきみわざを見た。

107:25[編集]

主が命じられると暴風が起って、海の波をあげた。

107:26[編集]

彼らは天にのぼり、淵にくだり、悩みによってその勇気は溶け去り、

107:27[編集]

酔った人のようによろめき、よろめいて途方にくれる。

107:28[編集]

彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから救い出された。

107:29[編集]

主があらしを静められると、海の波は穏やかになった。

107:30[編集]

こうして彼らは波の静まったのを喜び、主は彼らをその望む港へ導かれた。

107:31[編集]

どうか、彼らが主のいつくしみと、人の子らになされたくすしきみわざとのために、主に感謝するように。

107:32[編集]

彼らが民の集会で主をあがめ、長老の会合で主をほめたたえるように。

107:33[編集]

主は川を野に変らせ、泉をかわいた地に変らせ、

107:34[編集]

肥えた地をそれに住む者の悪のゆえに塩地に変らせられる。

107:35[編集]

主は野を池に変らせ、かわいた地を泉に変らせ、

107:36[編集]

飢えた者をそこに住まわせられる。こうして彼らはその住むべき町を建て、

107:37[編集]

畑に種をまき、ぶどう畑を設けて多くの収穫を得た。

107:38[編集]

主が彼らを祝福されたので彼らは大いにふえ、その家畜の減るのをゆるされなかった。

107:39[編集]

彼らがしえたげと、悩みと、悲しみとによって減り、かつ卑しめられたとき、

107:40[編集]

主はもろもろの君に侮りをそそぎ、道なき荒れ地にさまよわせられた。

107:41[編集]

しかし主は貧しい者を悩みのうちからあげて、その家族を羊の群れのようにされた。

107:42[編集]

正しい者はこれを見て喜び、もろもろの不義はその口を閉じた。

107:43[編集]

すべて賢い者はこれらの事に心をよせ、主のいつくしみをさとるようにせよ。

第108篇[編集]

108:1[編集]

神よ、わが心は定まりました。わが心は定まりました。わたしは歌い、かつほめたたえます。わが魂よ、さめよ。

108:2[編集]

立琴よ、琴よ、さめよ。わたしはしののめを呼びさまします。

108:3[編集]

主よ、わたしはもろもろの民の中であなたに感謝し、もろもろの国の中であなたをほめたたえます。

108:4[編集]

あなたのいつくしみは大きく、天にまでおよびあなたのまことは雲にまで及ぶ。

108:5[編集]

神よ、みずからを天よりも高くし、みさかえを全地の上にあげてください。

108:6[編集]

あなたの愛される者が助けを得るために、右のみ手をもって救をほどこし、わたしに答えてください。

108:7[編集]

神はその聖所で言われた、「わたしは大いなる喜びをもってシケムを分かち、スコテの谷を分かち与えよう。

108:8[編集]

ギレアデはわたしのもの、マナセもわたしのものである。エフライムはわたしのかぶと、ユダはわたしのつえである。

108:9[編集]

モアブはわたしの足だらい、エドムにはわたしのくつを投げる。ペリシテについては、かちどきをあげる」。

108:10[編集]

だれがわたしを堅固な町に至らせるであろうか。だれがわたしをエドムに導くであろうか。

108:11[編集]

神よ、あなたはわれらを捨てられたではありませんか。神よ、あなたはわれらの軍勢と共に出て行かれません。

108:12[編集]

われらに助けを与えて、あだにむかわせてください。人の助けはむなしいからです。

108:13[編集]

われらは神によって勇ましく働きます。われらのあだを踏みにじる者は神だからです。

第109篇[編集]

109:1[編集]

わたしのほめたたえる神よ、もださないでください。

109:2[編集]

彼らは悪しき口と欺きの口をあけて、わたしにむかい、偽りの舌をもってわたしに語り、

109:3[編集]

恨みの言葉をもってわたしを囲み、ゆえなくわたしを攻めるのです。

109:4[編集]

彼らはわが愛にむくいて、わたしを非難します。しかしわたしは彼らのために祈ります。

109:5[編集]

彼らは悪をもってわが善に報い、恨みをもってわが愛に報いるのです。

109:6[編集]

彼の上に悪しき人を立て、訴える者に彼を訴えさせてください。

109:7[編集]

彼がさばかれるとき、彼を罪ある者とし、その祈を罪に変えてください。

109:8[編集]

その日を少なくし、その財産をほかの人にとらせ、

109:9[編集]

その子らをみなしごにし、その妻をやもめにしてください。

109:10[編集]

その子らを放浪者として施しをこわせ、その荒れたすまいから追い出させてください。

109:11[編集]

彼が持っているすべての物を債主に奪わせ、その勤労の実をほかの人にかすめさせてください。

109:12[編集]

彼にいつくしみを施す者はひとりもなく、またそのみなしごをあわれむ者もなく、

109:13[編集]

その子孫を絶えさせ、その名を次の代に消し去ってください。

109:14[編集]

その父たちの不義は主のみ前に覚えられ、その母の罪を消し去らないでください。

109:15[編集]

それらを常に主のみ前に置き、彼の記憶を地から断ってください。

109:16[編集]

これは彼がいつくしみを施すことを思わず、かえって貧しい者、乏しい者を責め、心の痛める者を殺そうとしたからです。

109:17[編集]

彼はのろうことを好んだ。のろいを彼に臨ませてください。彼は恵むことを喜ばなかった。恵みを彼から遠ざけてください。

109:18[編集]

彼はのろいを衣のように着た。のろいを水のようにその身にしみこませ、油のようにその骨にしみこませてください。

109:19[編集]

またそれを自分の着る着物のようにならせ、常に締める帯のようにならせてください。

109:20[編集]

これがわたしを非難する者と、わたしに逆らって悪いことを言う者の主からうける報いとしてください。

109:21[編集]

しかし、わが主なる神よ、あなたはみ名のために、わたしを顧みてください。あなたのいつくしみの深きにより、わたしをお助けください。

109:22[編集]

わたしは貧しく、かつ乏しいのです。わたしの心はわがうちに傷ついています。

109:23[編集]

わたしは夕日の影のように去りゆき、いなごのように追い払われます。

109:24[編集]

わたしのひざは断食によってよろめき、わたしの肉はやせ衰え、

109:25[編集]

わたしは彼らにそしられる者となりました。彼らはわたしを見ると、頭を振ります。

109:26[編集]

わが神、主よ、わたしをお助けください。あなたのいつくしみにしたがって、わたしをお救いください。

109:27[編集]

主よ、これがあなたのみ手のわざであること、あなたがそれをなされたことを、彼らに知らせてください。

109:28[編集]

彼らはのろうけれども、あなたは祝福されます。わたしを攻める者をはずかしめ、あなたのしもべを喜ばせてください。

109:29[編集]

わたしを非難する者にはずかしめを着せ、おのが恥を上着のようにまとわせてください。

109:30[編集]

わたしはわが口をもって大いに主に感謝し、多くの人のなかで主をほめたたえます。

109:31[編集]

主は貧しい者の右に立って、死罪にさだめようとする者から彼を救われるからです。

第110篇[編集]

110:1[編集]

主はわが主に言われる、「わたしがあなたのもろもろの敵をあなたの足台とするまで、わたしの右に座せよ」と。

110:2[編集]

主はあなたの力あるつえをシオンから出される。あなたはもろもろの敵のなかで治めよ。

110:3[編集]

あなたの民は、あなたがその軍勢を聖なる山々に導く日に心から喜んでおのれをささげるであろう。あなたの若者は朝の胎から出る露のようにあなたに来るであろう。

110:4[編集]

主は誓いを立てて、み心を変えられることはない、「あなたはメルキゼデクの位にしたがってとこしえに祭司である」。

110:5[編集]

主はあなたの右におられて、その怒りの日に王たちを打ち破られる。

110:6[編集]

主はもろもろの国のなかでさばきを行い、しかばねをもって満たし、広い地を治める首領たちを打ち破られる。

110:7[編集]

彼は道のほとりの川からくんで飲み、それによって、そのこうべをあげるであろう。

第111篇[編集]

111:1[編集]

主をほめたたえよ。わたしは正しい者のつどい、および公会で、心をつくして主に感謝する。

111:2[編集]

主のみわざは偉大である。すべてそのみわざを喜ぶ者によって尋ね窮められる。

111:3[編集]

そのみわざは栄光と威厳とに満ち、その義はとこしえに、うせることがない。

111:4[編集]

主はそのくすしきみわざを記念させられた。主は恵みふかく、あわれみに満ちていられる。

111:5[編集]

主はおのれを恐れる者に食物を与え、その契約をとこしえに心にとめられる。

111:6[編集]

主はもろもろの国民の所領をその民に与えて、みわざの力をこれにあらわされた。

111:7[編集]

そのみ手のわざは真実かつ公正であり、すべてのさとしは確かである。

111:8[編集]

これらは世々かぎりなく堅く立ち、真実と正直とをもってなされた。

111:9[編集]

主はその民にあがないを施し、その契約をとこしえに立てられた。そのみ名は聖にして、おそれおおい。

111:10[編集]

主を恐れることは知恵のはじめである。これを行う者はみな良き悟りを得る。主の誉は、とこしえに、うせることはない。

第112篇[編集]

112:1[編集]

主をほめたたえよ。主をおそれて、そのもろもろの戒めを大いに喜ぶ人はさいわいである。

112:2[編集]

その子孫は地において強くなり、正しい者のやからは祝福を得る。

112:3[編集]

繁栄と富とはその家にあり、その義はとこしえに、うせることはない。

112:4[編集]

光は正しい者のために暗黒の中にもあらわれる。主は恵み深く、あわれみに満ち、正しくいらせられる。

112:5[編集]

恵みを施し、貸すことをなし、その事を正しく行う人はさいわいである。

112:6[編集]

正しい人は決して動かされることなく、とこしえに覚えられる。

112:7[編集]

彼は悪いおとずれを恐れず、その心は主に信頼してゆるがない。

112:8[編集]

その心は落ち着いて恐れることなく、ついにそのあだについての願いを見る。

112:9[編集]

彼は惜しげなく施し、貧しい者に与えた。その義はとこしえに、うせることはない。その角は誉を得てあげられる。

112:10[編集]

悪しき者はこれを見て怒り、歯をかみならして溶け去る。悪しき者の願いは滅びる。

第113篇[編集]

113:1[編集]

主をほめたたえよ。主のしもべたちよ、ほめたたえよ。主のみ名をほめたたえよ。

113:2[編集]

今より、とこしえに至るまで主のみ名はほむべきかな。

113:3[編集]

日のいずるところから日の入るところまで、主のみ名はほめたたえられる。

113:4[編集]

主はもろもろの国民の上に高くいらせられ、その栄光は天よりも高い。

113:5[編集]

われらの神、主にくらぶべき者はだれか。主は高き所に座し、

113:6[編集]

遠く天と地とを見おろされる。

113:7[編集]

主は貧しい者をちりからあげ、乏しい者をあくたからあげて、

113:8[編集]

もろもろの君たちと共にすわらせ、その民の君たちと共にすわらせられる。

113:9[編集]

また子を産まぬ女に家庭を与え、多くの子供たちの喜ばしい母とされる。主をほめたたえよ。

第114篇[編集]

114:1[編集]

イスラエルがエジプトをいで、ヤコブの家が異言の民を離れたとき、

114:2[編集]

ユダは主の聖所となり、イスラエルは主の所領となった。

114:3[編集]

海はこれを見て逃げ、ヨルダンはうしろに退き、

114:4[編集]

山は雄羊のように踊り、小山は小羊のように踊った。

114:5[編集]

海よ、おまえはどうして逃げるのか、ヨルダンよ、おまえはどうしてうしろに退くのか。

114:6[編集]

山よ、おまえたちはどうして雄羊のように踊るのか、小山よ、おまえたちはどうして小羊のように踊るのか。

114:7[編集]

地よ、主のみ前におののけ、ヤコブの神のみ前におののけ。

114:8[編集]

主は岩を池に変らせ、石を泉に変らせられた。

第115篇[編集]

115:1[編集]

主よ、栄光をわれらにではなく、われらにではなく、あなたのいつくしみと、まこととのゆえに、ただ、み名にのみ帰してください。

115:2[編集]

なにゆえ、もろもろの国民は言うのでしょう、「彼らの神はどこにいるのか」と。

115:3[編集]

われらの神は天にいらせられる。神はみこころにかなうすべての事を行われる。

115:4[編集]

彼らの偶像はしろがねと、こがねで、人の手のわざである。

115:5[編集]

それは口があっても語ることができない。目があっても見ることができない。

115:6[編集]

耳があっても聞くことができない。鼻があってもかぐことができない。

115:7[編集]

手があっても取ることができない。足があっても歩くことができない。また、のどから声を出すこともできない。

115:8[編集]

これを造る者と、これに信頼する者とはみな、これと等しい者になる。

115:9[編集]

イスラエルよ、主に信頼せよ。主は彼らの助け、また彼らの盾である。

115:10[編集]

アロンの家よ、主に信頼せよ。主は彼らの助け、また彼らの盾である。

115:11[編集]

主を恐れる者よ、主に信頼せよ。主は彼らの助け、また彼らの盾である。

115:12[編集]

主はわれらをみこころにとめられた。主はわれらを恵み、イスラエルの家を恵み、アロンの家を恵み、

115:13[編集]

また、小さい者も、大いなる者も、主を恐れる者を恵まれる。

115:14[編集]

どうか、主があなたがたを増し加え、あなたがたと、あなたがたの子孫とを増し加えられるように。

115:15[編集]

天地を造られた主によってあなたがたが恵まれるように。

115:16[編集]

天は主の天である。しかし地は人の子らに与えられた。

115:17[編集]

死んだ者も、音なき所に下る者も、主をほめたたえることはない。

115:18[編集]

しかし、われらは今より、とこしえに至るまで、主をほめまつるであろう。主をほめたたえよ。

第116篇[編集]

116:1[編集]

わたしは主を愛する。主はわが声と、わが願いとを聞かれたからである。

116:2[編集]

主はわたしに耳を傾けられたので、わたしは生きるかぎり主を呼びまつるであろう。

116:3[編集]

死の綱がわたしを取り巻き、陰府の苦しみがわたしを捕えた。わたしは悩みと悲しみにあった。

116:4[編集]

その時わたしは主のみ名を呼んだ。「主よ、どうぞわたしをお救いください」と。

116:5[編集]

主は恵みふかく、正しくいらせられ、われらの神はあわれみに富まれる。

116:6[編集]

主は無学な者を守られる。わたしが低くされたとき、主はわたしを救われた。

116:7[編集]

わが魂よ、おまえの平安に帰るがよい。主は豊かにおまえをあしらわれたからである。

116:8[編集]

あなたはわたしの魂を死から、わたしの目を涙から、わたしの足をつまずきから助け出されました。

116:9[編集]

わたしは生ける者の地で、主のみ前に歩みます。

116:10[編集]

「わたしは大いに悩んだ」と言った時にもなお信じた。

116:11[編集]

わたしは驚きあわてたときに言った、「すべての人は当にならぬ者である」と。

116:12[編集]

わたしに賜わったもろもろの恵みについて、どうして主に報いることができようか。

116:13[編集]

わたしは救の杯をあげて、主のみ名を呼ぶ。

116:14[編集]

わたしはすべての民の前で、主にわが誓いをつぐなおう。

116:15[編集]

主の聖徒の死はそのみ前において尊い。

116:16[編集]

主よ、わたしはあなたのしもべです。わたしはあなたのしもべ、あなたのはしための子です。あなたはわたしのなわめを解かれました。

116:17[編集]

わたしは感謝のいけにえをあなたにささげて、主のみ名を呼びます。

116:18[編集]

わたしはすべての民の前で主にわが誓いをつぐないます。

116:19[編集]

エルサレムよ、あなたの中で、主の家の大庭の中で、これをつぐないます。主をほめたたえよ。

第117篇[編集]

117:1[編集]

もろもろの国よ、主をほめたたえよ。もろもろの民よ、主をたたえまつれ。

117:2[編集]

われらに賜わるそのいつくしみは大きいからである。主のまことはとこしえに絶えることがない。主をほめたたえよ。

第118篇[編集]

118:1[編集]

主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

118:2[編集]

イスラエルは言え、「そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と。

118:3[編集]

アロンの家は言え、「そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と。

118:4[編集]

主をおそれる者は言え、「そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と。

118:5[編集]

わたしが悩みのなかから主を呼ぶと、主は答えて、わたしを広い所に置かれた。

118:6[編集]

主がわたしに味方されるので、恐れることはない。人はわたしに何をなし得ようか。

118:7[編集]

主はわたしに味方し、わたしを助けられるので、わたしを憎む者についての願いを見るであろう。

118:8[編集]

主に寄り頼むは人にたよるよりも良い。

118:9[編集]

主に寄り頼むはもろもろの君にたよるよりも良い。

118:10[編集]

もろもろの国民はわたしを囲んだ。わたしは主のみ名によって彼らを滅ぼす。

118:11[編集]

彼らはわたしを囲んだ、わたしを囲んだ。わたしは主のみ名によって彼らを滅ぼす。

118:12[編集]

彼らは蜂のようにわたしを囲み、いばらの火のように燃えたった。わたしは主のみ名によって彼らを滅ぼす。

118:13[編集]

わたしはひどく押されて倒れようとしたが、主はわたしを助けられた。

118:14[編集]

主はわが力、わが歌であって、わが救となられた。

118:15[編集]

聞け、勝利の喜ばしい歌が正しい者の天幕にある。「主の右の手は勇ましいはたらきをなし、

118:16[編集]

主の右の手は高くあがり、主の右の手は勇ましいはたらきをなす」。

118:17[編集]

わたしは死ぬことなく、生きながらえて、主のみわざを物語るであろう。

118:18[編集]

主はいたくわたしを懲らされたが、死にはわたされなかった。

118:19[編集]

わたしのために義の門を開け、わたしはその内にはいって、主に感謝しよう。

118:20[編集]

これは主の門である。正しい者はその内にはいるであろう。

118:21[編集]

わたしはあなたに感謝します。あなたがわたしに答えて、わが救となられたことを。

118:22[編集]

家造りらの捨てた石は隅のかしら石となった。

118:23[編集]

これは主のなされた事でわれらの目には驚くべき事である。

118:24[編集]

これは主が設けられた日であって、われらはこの日に喜び楽しむであろう。

118:25[編集]

主よ、どうぞわれらをお救いください。主よ、どうぞわれらを栄えさせてください。

118:26[編集]

主のみ名によってはいる者はさいわいである。われらは主の家からあなたをたたえます。

118:27[編集]

主は神であって、われらを照された。枝を携えて祭の行列を祭壇の角にまで進ませよ。

118:28[編集]

あなたはわが神、わたしはあなたに感謝します。あなたはわが神、わたしはあなたをあがめます。

118:29[編集]

主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

第119篇[編集]

119:1[編集]

おのが道を全くして、主のおきてに歩む者はさいわいです。

119:2[編集]

主のもろもろのあかしを守り心をつくして主を尋ね求め、

119:3[編集]

また悪を行わず、主の道に歩む者はさいわいです。

119:4[編集]

あなたはさとしを命じて、ねんごろに守らせられます。

119:5[編集]

どうかわたしの道を堅くして、あなたの定めを守らせてください。

119:6[編集]

わたしは、あなたのもろもろの戒めに目をとめる時、恥じることはありません。

119:7[編集]

わたしは、あなたの正しいおきてを学ぶとき、正しい心をもってあなたに感謝します。

119:8[編集]

わたしはあなたの定めを守ります。わたしを全くお捨てにならないでください。ベス

119:9[編集]

若い人はどうしておのが道を清く保つことができるでしょうか。み言葉にしたがって、それを守るよりほかにありません。

119:10[編集]

わたしは心をつくしてあなたを尋ね求めます。わたしをあなたの戒めから迷い出させないでください。

119:11[編集]

わたしはあなたにむかって罪を犯すことのないように、心のうちにみ言葉をたくわえました。

119:12[編集]

あなたはほむべきかな、主よ、あなたの定めをわたしに教えてください。

119:13[編集]

わたしはくちびるをもって、あなたの口から出るもろもろのおきてを言いあらわします。

119:14[編集]

わたしは、もろもろのたからを喜ぶように、あなたのあかしの道を喜びます。

119:15[編集]

わたしは、あなたのさとしを思い、あなたの道に目をとめます。

119:16[編集]

わたしはあなたの定めを喜び、あなたのみ言葉を忘れません。ギメル

119:17[編集]

あなたのしもべを豊かにあしらって、生きながらえさせ、み言葉を守らせてください。

119:18[編集]

わたしの目を開いて、あなたのおきてのうちのくすしき事を見させてください。

119:19[編集]

わたしはこの地にあっては寄留者です。あなたの戒めをわたしに隠さないでください。

119:20[編集]

わが魂はつねにあなたのおきてを慕って、絶えいるばかりです。

119:21[編集]

あなたは、あなたの戒めから迷い出る高ぶる者、のろわれた者を責められます。

119:22[編集]

わたしはあなたのあかしを守りました。彼らのそしりと侮りとをわたしから取り去ってください。

119:23[編集]

たといもろもろの君が座して、わたしをそこなおうと図っても、あなたのしもべは、あなたの定めを深く思います。

119:24[編集]

あなたのあかしは、わたしを喜ばせ、わたしを教えさとすものです。ダレス

119:25[編集]

わが魂はちりについています。み言葉に従って、わたしを生き返らせてください。

119:26[編集]

わたしが自分の歩んだ道を語ったとき、あなたはわたしに答えられました。あなたの定めをわたしに教えてください。

119:27[編集]

あなたのさとしの道をわたしにわきまえさせてください。わたしはあなたのくすしきみわざを深く思います。

119:28[編集]

わが魂は悲しみによって溶け去ります。み言葉に従って、わたしを強くしてください。

119:29[編集]

偽りの道をわたしから遠ざけ、あなたのおきてをねんごろに教えてください。

119:30[編集]

わたしは真実の道を選び、あなたのおきてをわたしの前に置きました。

119:31[編集]

主よ、わたしはあなたのあかしに堅く従っています。願わくは、わたしをはずかしめないでください。

119:32[編集]

あなたがわたしの心を広くされるとき、わたしはあなたの戒めの道を走ります。ヘ

119:33[編集]

主よ、あなたの定めの道をわたしに教えてください。わたしは終りまでこれを守ります。

119:34[編集]

わたしに知恵を与えてください。わたしはあなたのおきてを守り、心をつくしてこれに従います。

119:35[編集]

わたしをあなたの戒めの道に導いてください。わたしはそれを喜ぶからです。

119:36[編集]

わたしの心をあなたのあかしに傾けさせ、不正な利得に傾けさせないでください。

119:37[編集]

わたしの目をほかにむけて、むなしいものを見させず、あなたの道をもって、わたしを生かしてください。

119:38[編集]

あなたを恐れる者にかかわる約束をあなたのしもべに堅くしてください。

119:39[編集]

わたしの恐れるそしりを除いてください。あなたのおきては正しいからです。

119:40[編集]

見よ、わたしはあなたのさとしを慕います。あなたの義をもって、わたしを生かしてください。ワウ

119:41[編集]

主よ、あなたの約束にしたがって、あなたのいつくしみと、あなたの救をわたしに臨ませてください。

119:42[編集]

そうすれば、わたしをそしる者に、答えることができます。わたしはあなたのみ言葉に信頼するからです。

119:43[編集]

またわたしの口から真理の言葉をことごとく除かないでください。わたしの望みはあなたのおきてにあるからです。

119:44[編集]

わたしは絶えず、とこしえに、あなたのおきてを守ります。

119:45[編集]

わたしはあなたのさとしを求めたので、自由に歩むことができます。

119:46[編集]

わたしはまた王たちの前にあなたのあかしを語って恥じることはありません。

119:47[編集]

わたしは、わたしの愛するあなたの戒めに自分の喜びを見いだすからです。

119:48[編集]

わたしは、わたしの愛するあなたの戒めを尊び、あなたの定めを深く思います。ザイン

119:49[編集]

どうか、あなたのしもべに言われたみ言葉を思い出してください。あなたはわたしにそれを望ませられました。

119:50[編集]

あなたの約束はわたしを生かすので、わが悩みの時の慰めです。

119:51[編集]

高ぶる者は大いにわたしをあざ笑います。しかしわたしはあなたのおきてを離れません。

119:52[編集]

主よ、わたしはあなたの昔からのおきてを思い出して、みずから慰めます。

119:53[編集]

あなたのおきてを捨てる悪しき者のゆえに、わたしは激しい憤りを起します。

119:54[編集]

あなたの定めはわが旅の家で、わたしの歌となりました。

119:55[編集]

主よ、わたしは夜の間にあなたのみ名を思い出して、あなたのおきてを守ります。

119:56[編集]

わたしはあなたのさとしを守ったことによって、この祝福がわたしに臨みました。ヘス

119:57[編集]

主はわたしの受くべき分です。わたしはあなたのみ言葉を守ることを約束します。

119:58[編集]

わたしは心をつくして、あなたの恵みを請い求めます。あなたの約束にしたがって、わたしをお恵みください。

119:59[編集]

わたしは、あなたの道を思うとき、足をかえして、あなたのあかしに向かいます。

119:60[編集]

わたしはあなたの戒めを守るのに、すみやかで、ためらいません。

119:61[編集]

たとい、悪しき者のなわがわたしを捕えても、わたしはあなたのおきてを忘れません。

119:62[編集]

わたしはあなたの正しいおきてのゆえに夜半に起きて、あなたに感謝します。

119:63[編集]

わたしは、すべてあなたを恐れる者、またあなたのさとしを守る者の仲間です。

119:64[編集]

主よ、地はあなたのいつくしみで満ちています。あなたの定めをわたしに教えてください。テス

119:65[編集]

主よ、あなたはみ言葉にしたがってしもべをよくあしらわれました。

119:66[編集]

わたしに良い判断と知識とを教えてください。わたしはあなたの戒めを信じるからです。

119:67[編集]

わたしは苦しまない前には迷いました。しかし今はみ言葉を守ります。

119:68[編集]

あなたは善にして善を行われます。あなたの定めをわたしに教えてください。

119:69[編集]

高ぶる者は偽りをもってわたしをことごとくおおいます。しかしわたしは心をつくしてあなたのさとしを守ります。

119:70[編集]

彼らの心は肥え太って脂肪のようです。しかしわたしはあなたのおきてを喜びます。

119:71[編集]

苦しみにあったことは、わたしに良い事です。これによってわたしはあなたのおきてを学ぶことができました。

119:72[編集]

あなたの口のおきては、わたしのためには幾千の金銀貨幣にもまさるのです。ヨード

119:73[編集]

あなたのみ手はわたしを造り、わたしを形造りました。わたしに知恵を与えて、あなたの戒めを学ばせてください。

119:74[編集]

あなたを恐れる者はわたしを見て喜ぶでしょう。わたしはみ言葉によって望みをいだいたからです。

119:75[編集]

主よ、わたしはあなたのさばきの正しく、また、あなたが真実をもってわたしを苦しめられたことを知っています。

119:76[編集]

あなたがしもべに告げられた約束にしたがって、あなたのいつくしみをわが慰めとしてください。

119:77[編集]

あなたのあわれみをわたしに臨ませ、わたしを生かしてください。あなたのおきてはわが喜びだからです。

119:78[編集]

高ぶる者に恥をこうむらせてください。彼らは偽りをもって、わたしをくつがえしたからです。しかしわたしはあなたのさとしを深く思います。

119:79[編集]

あなたをおそれる者と、あなたのあかしを知る者とをわたしに帰らせてください。

119:80[編集]

わたしの心を全くして、あなたの定めを守らせてください。そうすればわたしは恥をこうむることがありません。カフ

119:81[編集]

わが魂はあなたの救を慕って絶えいるばかりです。わたしはみ言葉によって望みをいだきます。

119:82[編集]

わたしの目はあなたの約束を待つによって衰え、「いつ、あなたはわたしを慰められるのですか」と尋ねます。

119:83[編集]

わたしは煙の中の皮袋のようになりましたが、なお、あなたの定めを忘れませんでした。

119:84[編集]

あなたのしもべの日はどれほど続くでしょうか。いつあなたは、わたしを迫害する者をさばかれるでしょうか。

119:85[編集]

高ぶる者はわたしをおとしいれようと穴を掘りました。彼らはあなたのおきてに従わない人々です。

119:86[編集]

あなたの戒めはみな真実です。彼らは偽りをもってわたしを迫害します。わたしをお助けください。

119:87[編集]

彼らはこの地において、ほとんどわたしを滅ぼしました。しかし、わたしはあなたのさとしを捨てませんでした。

119:88[編集]

あなたのいつくしみにしたがってわたしを生かしてください。そうすればわたしはあなたの口から出るあかしを守ります。ラメド

119:89[編集]

主よ、あなたのみ言葉は天においてとこしえに堅く定まり、

119:90[編集]

あなたのまことはよろずよに及びます。あなたが地を定められたので、地は堅く立っています。

119:91[編集]

これらのものはあなたの仰せにより、堅く立って今日に至っています。よろずのものは皆あなたのしもべだからです。

119:92[編集]

あなたのおきてがわが喜びとならなかったならば、わたしはついに悩みのうちに滅びたでしょう。

119:93[編集]

わたしは常にあなたのさとしを忘れません。あなたはこれをもって、わたしを生かされたからです。

119:94[編集]

わたしはあなたのものです。わたしをお救いください。わたしはあなたのさとしを求めました。

119:95[編集]

悪しき者はわたしを滅ぼそうと待ち伏せています。しかし、わたしはあなたのあかしを思います。

119:96[編集]

わたしはすべての全きことに限りあることを見ました。しかしあなたの戒めは限りなく広いのです。メム

119:97[編集]

いかにわたしはあなたのおきてを愛することでしょう。わたしはひねもすこれを深く思います。

119:98[編集]

あなたの戒めは常にわたしと共にあるので、わたしをわが敵にまさって賢くします。

119:99[編集]

わたしはあなたのあかしを深く思うので、わがすべての師にまさって知恵があります。

119:100[編集]

わたしはあなたのさとしを守るので、老いた者にまさって事をわきまえます。

119:101[編集]

わたしはみ言葉を守るために、わが足をとどめて、すべての悪い道に行かせません。

119:102[編集]

あなたがわたしを教えられたので、わたしはあなたのおきてを離れません。

119:103[編集]

あなたのみ言葉はいかにわがあごに甘いことでしょう。蜜にまさってわが口に甘いのです。

119:104[編集]

わたしはあなたのさとしによって知恵を得ました。それゆえ、わたしは偽りのすべての道を憎みます。ヌン

119:105[編集]

あなたのみ言葉はわが足のともしび、わが道の光です。

119:106[編集]

わたしはあなたの正しいおきてを守ることを誓い、かつこれを実行しました。

119:107[編集]

わたしはいたく苦しみました。主よ、み言葉に従って、わたしを生かしてください。

119:108[編集]

主よ、わがさんびの供え物をうけて、あなたのおきてを教えてください。

119:109[編集]

わたしのいのちは常に危険にさらされています。しかし、わたしはあなたのおきてを忘れません。

119:110[編集]

悪しき者はわたしのためにわなを設けました。しかし、わたしはあなたのさとしから迷い出ません。

119:111[編集]

あなたのあかしはとこしえにわが嗣業です。まことに、そのあかしはわが心の喜びです。

119:112[編集]

わたしはあなたの定めを終りまで、とこしえに守ろうと心を傾けます。サメク

119:113[編集]

わたしは二心の者を憎みます。しかしあなたのおきてを愛します。

119:114[編集]

あなたはわが隠れ場、わが盾です。わたしはみ言葉によって望みをいだきます。

119:115[編集]

悪をなす者よ、わたしを離れ去れ、わたしはわが神の戒めを守るのです。

119:116[編集]

あなたの約束にしたがって、わたしをささえて、ながらえさせ、わが望みについて恥じることのないようにしてください。

119:117[編集]

わたしをささえてください。そうすれば、わたしは安らかで、常にあなたの定めに心をそそぎます。

119:118[編集]

すべてあなたの定めから迷い出る者をあなたは、かろしめられます。まことに、彼らの欺きはむなしいのです。

119:119[編集]

あなたは地のすべての悪しき者を、金かすのようにみなされます。それゆえ、わたしはあなたのあかしを愛します。

119:120[編集]

わが肉はあなたを恐れるので震えます。わたしはあなたのさばきを恐れます。アイン

119:121[編集]

わたしは正しく義にかなったことを行いました。わたしを捨てて、しえたげる者にゆだねないでください。

119:122[編集]

しもべのために保証人となって、高ぶる者にわたしを、しえたげさせないでください。

119:123[編集]

わが目はあなたの救と、あなたの正しい約束とを待ち望んで衰えます。

119:124[編集]

あなたのいつくしみにしたがって、しもべをあしらい、あなたの定めを教えてください。

119:125[編集]

わたしはあなたのしもべです。わたしに知恵を与えて、あなたのあかしを知らせてください。

119:126[編集]

彼らはあなたのおきてを破りました。今は主のはたらかれる時です。

119:127[編集]

それゆえ、わたしは金よりも、純金よりもまさってあなたの戒めを愛します。

119:128[編集]

それゆえ、わたしは、あなたのもろもろのさとしにしたがって、正しき道に歩み、すべての偽りの道を憎みます。ペ

119:129[編集]

あなたのあかしは驚くべきものです。それゆえ、わが魂はこれを守ります。

119:130[編集]

み言葉が開けると光を放って、無学な者に知恵を与えます。

119:131[編集]

わたしはあなたの戒めを慕うゆえに、口を広くあけてあえぎ求めました。

119:132[編集]

み名を愛する者に常にされるように、わたしをかえりみ、わたしをあわれんでください。

119:133[編集]

あなたの約束にしたがって、わが歩みを確かにし、すべての不義に支配されないようにしてください。

119:134[編集]

わたしを人のしえたげからあがなってください。そうすればわたしは、あなたのさとしを守ります。

119:135[編集]

み顔をしもべの上に照し、あなたの定めを教えてください。

119:136[編集]

人々があなたのおきてを守らないので、わが目の涙は川のように流れます。ツァデー

119:137[編集]

主よ、あなたは正しく、あなたのさばきは正しいのです。

119:138[編集]

あなたの正義と、この上ない真実とをもってあなたのあかしを命じられました。

119:139[編集]

わたしのあだが、あなたのみ言葉を忘れるので、わが熱心はわたしを滅ぼすのです。

119:140[編集]

あなたの約束はまことに確かです。あなたのしもべはこれを愛します。

119:141[編集]

わたしは取るにたらない者で、人に侮られるけれども、なお、あなたのさとしを忘れません。

119:142[編集]

あなたの義はとこしえに正しく、あなたのおきてはまことです。

119:143[編集]

悩みと苦しみがわたしに臨みました。しかしあなたの戒めはわたしの喜びです。

119:144[編集]

あなたのあかしはとこしえに正しいのです。わたしに知恵を与えて、生きながらえさせてください。コフ

119:145[編集]

わたしは心をつくして呼ばわります。主よ、お答えください。わたしはあなたの定めを守ります。

119:146[編集]

わたしはあなたに呼ばわります。わたしをお救いください。わたしはあなたのあかしを守ります。

119:147[編集]

わたしは朝早く起き出て呼ばわります。わたしはみ言葉によって望みをいだくのです。

119:148[編集]

わが目は夜警の交代する時に先だってさめ、あなたの約束を深く思います。

119:149[編集]

あなたのいつくしみにしたがって、わが声を聞いてください。主よ、あなたの公義にしたがって、わたしを生かしてください。

119:150[編集]

わたしをしえたげる者が悪いたくらみをもって近づいています。彼らはあなたのおきてを遠くはなれているのです。

119:151[編集]

しかし主よ、あなたは近くいらせられます。あなたのもろもろの戒めはまことです。

119:152[編集]

わたしは早くからあなたのあかしによって、あなたがこれをとこしえに立てられたことを知りました。レシ

119:153[編集]

わが悩みを見て、わたしをお救いください。わたしはあなたのおきてを忘れないからです。

119:154[編集]

わが訴えを弁護して、わたしをあがない、あなたの約束にしたがって、わたしを生かしてください。

119:155[編集]

救は悪しき者を遠く離れている。彼らはあなたの定めを求めないからです。

119:156[編集]

主よ、あなたのあわれみは大きい。あなたの公義に従って、わたしを生かしてください。

119:157[編集]

わたしをしえたげる者、わたしをあだする者は多い。しかしわたしは、あなたのあかしを離れません。

119:158[編集]

不信仰な者があなたのみ言葉を守らないので、わたしは彼らを見て、いとわしく思います。

119:159[編集]

わたしがいかにあなたのさとしを愛するかをお察しください。主よ、あなたのいつくしみにしたがって、わたしを生かしてください。

119:160[編集]

あなたのみ言葉の全体は真理です。あなたの正しいおきてのすべてはとこしえに絶えることはありません。シン

119:161[編集]

もろもろの君はゆえなくわたしをしえたげます。しかしわが心はみ言葉をおそれます。

119:162[編集]

わたしは大いなる獲物を得た者のようにあなたのみ言葉を喜びます。

119:163[編集]

わたしは偽りを憎み、忌みきらいます。しかしあなたのおきてを愛します。

119:164[編集]

わたしはあなたの正しいおきてのゆえに、一日に七たびあなたをほめたたえます。

119:165[編集]

あなたのおきてを愛する者には大いなる平安があり、何ものも彼らをつまずかすことはできません。

119:166[編集]

主よ、わたしはあなたの救を望み、あなたの戒めをおこないます。

119:167[編集]

わが魂は、あなたのあかしを守ります。わたしはいたくこれを愛します。

119:168[編集]

わがすべての道があなたのみ前にあるので、わたしはあなたのさとしと、あかしとを守ります。タウ

119:169[編集]

主よ、どうか、わが叫びをみ前にいたらせ、み言葉に従って、わたしに知恵をお与えください。

119:170[編集]

わが願いをみ前にいたらせ、み言葉にしたがって、わたしをお助けください。

119:171[編集]

あなたの定めをわたしに教えられるので、わがくちびるはさんびを唱えます。

119:172[編集]

あなたのすべての戒めは正しいので、わが舌はみ言葉を歌います。

119:173[編集]

わたしはあなたのさとしを選びました。あなたのみ手を、常にわが助けとしてください。

119:174[編集]

主よ、わたしはあなたの救を慕います。あなたのおきてはわたしの喜びです。

119:175[編集]

わたしを生かして、あなたをほめたたえさせ、あなたのおきてを、わが助けとしてください。

119:176[編集]

わたしは失われた羊のように迷い出ました。あなたのしもべを捜し出してください。わたしはあなたの戒めを忘れないからです。

第120篇[編集]

120:1[編集]

わたしが悩みのうちに、主に呼ばわると、主はわたしに答えられる。

120:2[編集]

「主よ、偽りのくちびるから、欺きの舌から、わたしを助け出してください」。

120:3[編集]

欺きの舌よ、おまえに何が与えられ、何が加えられるであろうか。

120:4[編集]

ますらおの鋭い矢と、えにしだの熱い炭とである。

120:5[編集]

わざわいなるかな、わたしはメセクにやどり、ケダルの天幕のなかに住んでいる。

120:6[編集]

わたしは久しく平安を憎む者のなかに住んでいた。

120:7[編集]

わたしは平安を願う、しかし、わたしが物言うとき、彼らは戦いを好む。

第121篇[編集]

121:1[編集]

わたしは山にむかって目をあげる。わが助けは、どこから来るであろうか。

121:2[編集]

わが助けは、天と地を造られた主から来る。

121:3[編集]

主はあなたの足の動かされるのをゆるされない。あなたを守る者はまどろむことがない。

121:4[編集]

見よ、イスラエルを守る者はまどろむこともなく、眠ることもない。

121:5[編集]

主はあなたを守る者、主はあなたの右の手をおおう陰である。

121:6[編集]

昼は太陽があなたを撃つことなく、夜は月があなたを撃つことはない。

121:7[編集]

主はあなたを守って、すべての災を免れさせ、またあなたの命を守られる。

121:8[編集]

主は今からとこしえに至るまで、あなたの出ると入るとを守られるであろう。

第122篇[編集]

122:1[編集]

人々がわたしにむかって「われらは主の家に行こう」と言ったとき、わたしは喜んだ。

122:2[編集]

エルサレムよ、われらの足はあなたの門のうちに立っている。

122:3[編集]

しげくつらなった町のように建てられているエルサレムよ、

122:4[編集]

もろもろの部族すなわち主の部族が、そこに上って来て主のみ名に感謝することは、イスラエルのおきてである。

122:5[編集]

そこにさばきの座、ダビデの家の王座が設けられてあった。

122:6[編集]

エルサレムのために平安を祈れ、「エルサレムを愛する者は栄え、

122:7[編集]

その城壁のうちに平安があり、もろもろの殿のうちに安全があるように」と。

122:8[編集]

わが兄弟および友のために、わたしは「エルサレムのうちに平安があるように」と言い、

122:9[編集]

われらの神、主の家のために、わたしはエルサレムのさいわいを求めるであろう。

第123篇[編集]

123:1[編集]

天に座しておられる者よ、わたしはあなたにむかって目をあげます。

123:2[編集]

見よ、しもべがその主人の手に目をそそぎ、はしためがその主婦の手に目をそそぐように、われらはわれらの神、主に目をそそいで、われらをあわれまれるのを待ちます。

123:3[編集]

主よ、われらをあわれんでください。われらをあわれんでください。われらに侮りが満ちあふれています。

123:4[編集]

思い煩いのない者のあざけりと、高ぶる者の侮りとは、われらの魂に満ちあふれています。

第124篇[編集]

124:1[編集]

今、イスラエルは言え、主がもしわれらの方におられなかったならば、

124:2[編集]

人々がわれらに逆らって立ちあがったとき、主がもしわれらの方におられなかったならば、

124:3[編集]

彼らの怒りがわれらにむかって燃えたったとき、彼らはわれらを生きているままで、のんだであろう。

124:4[編集]

また大水はわれらを押し流し、激流はわれらの上を越え、

124:5[編集]

さか巻く水はわれらの上を越えたであろう。

124:6[編集]

主はほむべきかな。主はわれらをえじきとして彼らの歯にわたされなかった。

124:7[編集]

われらは野鳥を捕えるわなをのがれる鳥のようにのがれた。わなは破れてわれらはのがれた。

124:8[編集]

われらの助けは天地を造られた主のみ名にある。

第125篇[編集]

125:1[編集]

主に信頼する者は、動かされることなくて、とこしえにあるシオンの山のようである。

125:2[編集]

山々がエルサレムを囲んでいるように、主は今からとこしえにその民を囲まれる。

125:3[編集]

これは悪しき者のつえが正しい者の所領にとどまることなく、正しい者がその手を不義に伸べることのないためである。

125:4[編集]

主よ、善良な人と、心の正しい人とに、さいわいを施してください。

125:5[編集]

しかし転じて自分の曲った道に入る者を主は、悪を行う者と共に去らせられる。イスラエルの上に平安があるように。

第126篇[編集]

126:1[編集]

主がシオンの繁栄を回復されたとき、われらは夢みる者のようであった。

126:2[編集]

その時われらの口は笑いで満たされ、われらの舌は喜びの声で満たされた。その時「主は彼らのために大いなる事をなされた」と言った者が、もろもろの国民の中にあった。

126:3[編集]

主はわれらのために大いなる事をなされたので、われらは喜んだ。

126:4[編集]

主よ、どうか、われらの繁栄を、ネゲブの川のように回復してください。

126:5[編集]

涙をもって種まく者は、喜びの声をもって刈り取る。

126:6[編集]

種を携え、涙を流して出て行く者は、束を携え、喜びの声をあげて帰ってくるであろう。

第127篇[編集]

127:1[編集]

主が家を建てられるのでなければ、建てる者の勤労はむなしい。主が町を守られるのでなければ、守る者のさめているのはむなしい。

127:2[編集]

あなたがたが早く起き、おそく休み、辛苦のかてを食べることは、むなしいことである。主はその愛する者に、眠っている時にも、なくてならぬものを与えられるからである。

127:3[編集]

見よ、子供たちは神から賜わった嗣業であり、胎の実は報いの賜物である。

127:4[編集]

壮年の時の子供は勇士の手にある矢のようだ。

127:5[編集]

矢の満ちた矢筒を持つ人はさいわいである。彼は門で敵と物言うとき恥じることはない。

第128篇[編集]

128:1[編集]

すべて主をおそれ、主の道に歩む者はさいわいである。

128:2[編集]

あなたは自分の手の勤労の実を食べ、幸福で、かつ安らかであろう。

128:3[編集]

あなたの妻は家の奥にいて多くの実を結ぶぶどうの木のようであり、あなたの子供たちは食卓を囲んでオリブの若木のようである。

128:4[編集]

見よ、主をおそれる人は、このように祝福を得る。

128:5[編集]

主はシオンからあなたを祝福されるように。あなたは世にあるかぎりエルサレムの繁栄を見、

128:6[編集]

またあなたの子らの子を見るであろう。どうぞ、イスラエルの上に平安があるように。

第129篇[編集]

129:1[編集]

今イスラエルは言え、「彼らはわたしの若い時から、ひどくわたしを悩ました。

129:2[編集]

彼らはわたしの若い時から、ひどくわたしを悩ました。しかしわたしに勝つことができなかった。

129:3[編集]

耕す者はわたしの背の上をたがやして、そのうねみぞを長くした」と。

129:4[編集]

主は正しくいらせられ、悪しき者のなわを断ち切られた。

129:5[編集]

シオンを憎む者はみな、恥を得て、退くように。

129:6[編集]

彼らを、育たないさきに枯れる屋根の草のようにしてください。

129:7[編集]

これを刈る者はその手に満たず、これをたばねる者はそのふところに満たない。

129:8[編集]

かたわらを過ぎる者は、「主の恵みがあなたの上にあるように。われらは主のみ名によってあなたがたを祝福する」と言わない。

第130篇[編集]

130:1[編集]

主よ、わたしは深い淵からあなたに呼ばわる。

130:2[編集]

主よ、どうか、わが声を聞き、あなたの耳をわが願いの声に傾けてください。

130:3[編集]

主よ、あなたがもし、もろもろの不義に目をとめられるならば、主よ、だれが立つことができましょうか。

130:4[編集]

しかしあなたには、ゆるしがあるので、人に恐れかしこまれるでしょう。

130:5[編集]

わたしは主を待ち望みます、わが魂は待ち望みます。そのみ言葉によって、わたしは望みをいだきます。

130:6[編集]

わが魂は夜回りが暁を待つにまさり、夜回りが暁を待つにまさって主を待ち望みます。

130:7[編集]

イスラエルよ、主によって望みをいだけ。主には、いつくしみがあり、また豊かなあがないがあるからです。

130:8[編集]

主はイスラエルをそのもろもろの不義からあがなわれます。

第131篇[編集]

131:1[編集]

主よ、わが心はおごらず、わが目は高ぶらず、わたしはわが力の及ばない大いなる事とくすしきわざとに関係いたしません。

131:2[編集]

かえって、乳離れしたみどりごが、その母のふところに安らかにあるように、わたしはわが魂を静め、かつ安らかにしました。わが魂は乳離れしたみどりごのように、安らかです。

131:3[編集]

イスラエルよ、今からとこしえに主によって望みをいだけ。

第132篇[編集]

132:1[編集]

主よ、ダビデのために、そのもろもろの辛苦をみこころにとめてください。

132:2[編集]

ダビデは主に誓い、ヤコブの全能者に誓いを立てて言いました、

132:3[編集]

132:4[編集]

132:5[編集]

「わたしは主のために所を捜し出し、ヤコブの全能者のためにすまいを求め得るまでは、わが家に入らず、わが寝台に上らず、わが目に眠りを与えず、わがまぶたにまどろみを与えません」。

132:6[編集]

見よ、われらはエフラタでそれを聞き、ヤアルの野でそれを見とめた。

132:7[編集]

「われらはそのすまいへ行って、その足台のもとにひれ伏そう」。

132:8[編集]

主よ、起きて、あなたの力のはこと共に、あなたの安息所におはいりください。

132:9[編集]

あなたの祭司たちに義をまとわせ、あなたの聖徒たちに喜び呼ばわらせてください。

132:10[編集]

あなたのしもべダビデのために、あなたの油そそがれた者の顔を、しりぞけないでください。

132:11[編集]

主はまことをもってダビデに誓われたので、それにそむくことはない。すなわち言われた、「わたしはあなたの身から出た子のひとりを、あなたの位につかせる。

132:12[編集]

もしあなたの子らがわたしの教える契約と、あかしとを守るならば、その子らもまた、とこしえにあなたの位に座するであろう」。

132:13[編集]

主はシオンを選び、それをご自分のすみかにしようと望んで言われた、

132:14[編集]

「これはとこしえにわが安息所である。わたしはこれを望んだゆえ、ここに住む。

132:15[編集]

わたしはシオンの糧食を豊かに祝福し、食物をもってその貧しい者を飽かせる。

132:16[編集]

またわたしはその祭司たちに救を着せる。その聖徒たちは声高らかに喜び呼ばわるであろう。

132:17[編集]

わたしはダビデのためにそこに一つの角をはえさせる。わたしはわが油そそがれた者のために一つのともしびを備えた。

132:18[編集]

わたしは彼の敵に恥を着せる。しかし彼の上にはその冠が輝くであろう」。

第133篇[編集]

133:1[編集]

見よ、兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことであろう。

133:2[編集]

それはこうべに注がれた尊い油がひげに流れ、アロンのひげに流れ、その衣のえりにまで流れくだるようだ。

133:3[編集]

またヘルモンの露がシオンの山に下るようだ。これは主がかしこに祝福を命じ、とこしえに命を与えられたからである。

第134篇[編集]

134:1[編集]

見よ、夜、主の家に立って主に仕えるすべてのしもべよ、主をほめよ。

134:2[編集]

聖所にむかってあなたがたの手をあげ、主をほめよ。

134:3[編集]

どうぞ主、天と地を造られた者、シオンからあなたを祝福されるように。

第135篇[編集]

135:1[編集]

主をほめたたえよ、主のみ名をほめたたえよ。主のしもべたちよ、ほめたたえよ。

135:2[編集]

主の家に立つ者、われらの神の家の大庭に立つ者よ、ほめたたえよ。

135:3[編集]

主は恵みふかい、主をほめたたえよ。主は情ぶかい、そのみ名をほめ歌え。

135:4[編集]

主はおのがためにヤコブを選び、イスラエルを選んで、おのれの所有とされた。

135:5[編集]

わたしは主の大いなることと、われらの主のすべての神にまさることとを知っている。

135:6[編集]

主はそのみこころにかなう事を、天にも地にも、海にもすべての淵にも行われる。

135:7[編集]

主は地のはてから雲をのぼらせ、雨のためにいなずまを造り、その倉から風を出される。

135:8[編集]

主は人から獣にいたるまで、エジプトのういごを撃たれた。

135:9[編集]

エジプトよ、主はおまえの中に、しるしと不思議とを送って、パロとそのすべてのしもべとに臨まれた。

135:10[編集]

主は多くの国民を撃ち、力ある王たちを殺された。

135:11[編集]

すなわちアモリびとの王シホン、バシャンの王オグ、ならびにカナンのすべての国々である。

135:12[編集]

主は彼らの地を嗣業とし、その民イスラエルに嗣業として与えられた。

135:13[編集]

主よ、あなたのみ名はとこしえに絶えることがない。主よ、あなたの名声はよろずよに及ぶ。

135:14[編集]

主はその民をさばき、そのしもべらにあわれみをかけられるからである。

135:15[編集]

もろもろの国民の偶像はしろがねと、こがねで、人の手のわざである。

135:16[編集]

それは口があっても語ることができない。目があっても見ることができない。

135:17[編集]

耳があっても聞くことができない。またその口には息がない。

135:18[編集]

これを造る者と、これに信頼する者とはみな、これと等しい者になる。

135:19[編集]

イスラエルの家よ、主をほめよ。アロンの家よ、主をほめよ。

135:20[編集]

レビの家よ、主をほめよ。主を恐れる者よ、主をほめまつれ。

135:21[編集]

エルサレムに住まわれる主は、シオンからほめたたえらるべきである。主をほめたたえよ。

第136篇[編集]

136:1[編集]

主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:2[編集]

もろもろの神の神に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:3[編集]

もろもろの主の主に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:4[編集]

ただひとり大いなるくすしきみわざをなされる者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:5[編集]

知恵をもって天を造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:6[編集]

地を水の上に敷かれた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:7[編集]

大いなる光を造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:8[編集]

昼をつかさどらすために日を造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:9[編集]

夜をつかさどらすために月と、もろもろの星とを造られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:10[編集]

エジプトのういごを撃たれた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:11[編集]

イスラエルをエジプトびとの中から導き出された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:12[編集]

強い手と伸ばした腕とをもって、これを救い出された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:13[編集]

紅海を二つに分けられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:14[編集]

イスラエルにその中を通らせられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:15[編集]

パロとその軍勢とを紅海で打ち敗られた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:16[編集]

その民を導いて荒野を通らせられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:17[編集]

大いなる王たちを撃たれた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:18[編集]

名ある王たちを殺された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:19[編集]

アモリびとの王シホンを殺された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:20[編集]

バシャンの王オグを殺された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:21[編集]

彼らの地を嗣業として与えられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:22[編集]

そのしもべイスラエルに嗣業としてこれを与えられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:23[編集]

われらが卑しかった時にわれらをみこころにとめられた者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:24[編集]

われらのあだからわれらを助け出された者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:25[編集]

すべての肉なる者に食物を与えられる者に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

136:26[編集]

天の神に感謝せよ、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。

第137篇[編集]

137:1[編集]

われらはバビロンの川のほとりにすわり、シオンを思い出して涙を流した。

137:2[編集]

われらはその中のやなぎにわれらの琴をかけた。

137:3[編集]

われらをとりこにした者が、われらに歌を求めたからである。われらを苦しめる者が楽しみにしようと、「われらにシオンの歌を一つうたえ」と言った。

137:4[編集]

われらは外国にあって、どうして主の歌をうたえようか。

137:5[編集]

エルサレムよ、もしわたしがあなたを忘れるならば、わが右の手を衰えさせてください。

137:6[編集]

もしわたしがあなたを思い出さないならば、もしわたしがエルサレムをわが最高の喜びとしないならば、わが舌をあごにつかせてください。

137:7[編集]

主よ、エドムの人々がエルサレムの日に、「これを破壊せよ、これを破壊せよ、その基までも破壊せよ」と言ったことを覚えてください。

137:8[編集]

破壊者であるバビロンの娘よ、あなたがわれらにしたことを、あなたに仕返しする人はさいわいである。

137:9[編集]

あなたのみどりごを取って岩になげうつ者はさいわいである。

第138篇[編集]

138:1[編集]

主よ、わたしは心をつくしてあなたに感謝し、もろもろの神の前であなたをほめ歌います。

138:2[編集]

わたしはあなたの聖なる宮にむかって伏し拝み、あなたのいつくしみと、まこととのゆえに、み名に感謝します。あなたはそのみ名と、み言葉をすべてのものにまさって高くされたからです。

138:3[編集]

あなたはわたしが呼ばわった日にわたしに答え、わが魂の力を増し加えられました。

138:4[編集]

主よ、地のすべての王はあなたに感謝するでしょう。彼らはあなたの口のもろもろの言葉を聞いたからです。

138:5[編集]

彼らは主のもろもろの道について歌うでしょう。主の栄光は大きいからです。

138:6[編集]

主は高くいらせられるが低い者をかえりみられる。しかし高ぶる者を遠くから知られる。

138:7[編集]

たといわたしが悩みのなかを歩いても、あなたはわたしを生かし、み手を伸ばしてわが敵の怒りを防ぎ、あなたの右の手はわたしを救われます。

138:8[編集]

主はわたしのために、みこころをなしとげられる。主よ、あなたのいつくしみはとこしえに絶えることはありません。あなたのみ手のわざを捨てないでください。

第139篇[編集]

139:1[編集]

主よ、あなたはわたしを探り、わたしを知りつくされました。

139:2[編集]

あなたはわがすわるをも、立つをも知り、遠くからわが思いをわきまえられます。

139:3[編集]

あなたはわが歩むをも、伏すをも探り出し、わがもろもろの道をことごとく知っておられます。

139:4[編集]

わたしの舌に一言もないのに、主よ、あなたはことごとくそれを知られます。

139:5[編集]

あなたは後から、前からわたしを囲み、わたしの上にみ手をおかれます。

139:6[編集]

このような知識はあまりに不思議で、わたしには思いも及びません。これは高くて達することはできません。

139:7[編集]

わたしはどこへ行って、あなたのみたまを離れましょうか。わたしはどこへ行って、あなたのみ前をのがれましょうか。

139:8[編集]

わたしが天にのぼっても、あなたはそこにおられます。わたしが陰府に床を設けても、あなたはそこにおられます。

139:9[編集]

わたしがあけぼのの翼をかって海のはてに住んでも、

139:10[編集]

あなたのみ手はその所でわたしを導き、あなたの右のみ手はわたしをささえられます。

139:11[編集]

「やみはわたしをおおい、わたしを囲む光は夜となれ」とわたしが言っても、

139:12[編集]

あなたには、やみも暗くはなく、夜も昼のように輝きます。あなたには、やみも光も異なることはありません。

139:13[編集]

あなたはわが内臓をつくり、わが母の胎内でわたしを組み立てられました。

139:14[編集]

わたしはあなたをほめたたえます。あなたは恐るべく、くすしき方だからです。あなたのみわざはくすしく、あなたは最もよくわたしを知っておられます。

139:15[編集]

わたしが隠れた所で造られ、地の深い所でつづり合わされたとき、わたしの骨はあなたに隠れることがなかった。

139:16[編集]

あなたの目は、まだできあがらないわたしのからだを見られた。わたしのためにつくられたわがよわいの日のまだ一日もなかったとき、その日はことごとくあなたの書にしるされた。

139:17[編集]

神よ、あなたのもろもろのみ思いは、なんとわたしに尊いことでしょう。その全体はなんと広大なことでしょう。

139:18[編集]

わたしがこれを数えようとすれば、その数は砂よりも多い。わたしが目ざめるとき、わたしはなおあなたと共にいます。

139:19[編集]

神よ、どうか悪しき者を殺してください。血を流す者をわたしから離れ去らせてください。

139:20[編集]

彼らは敵意をもってあなたをあなどり、あなたに逆らって高ぶり、悪を行う人々です。

139:21[編集]

主よ、わたしはあなたを憎む者を憎み、あなたに逆らって起り立つ者をいとうではありませんか。

139:22[編集]

わたしは全く彼らを憎み、彼らをわたしの敵と思います。

139:23[編集]

神よ、どうか、わたしを探って、わが心を知り、わたしを試みて、わがもろもろの思いを知ってください。

139:24[編集]

わたしに悪しき道のあるかないかを見て、わたしをとこしえの道に導いてください。

第140篇[編集]

140:1[編集]

主よ、悪しき人々からわたしを助け出し、わたしを守って、乱暴な人々からのがれさせてください。

140:2[編集]

彼らは心のうちに悪い事をはかり、絶えず戦いを起します。

140:3[編集]

彼らはへびのようにおのが舌を鋭くし、そのくちびるの下にはまむしの毒があります。

140:4[編集]

主よ、わたしを保って、悪しき人の手からのがれさせ、わたしを守って、わが足をつまずかせようとする乱暴な人々からのがれさせてください。

140:5[編集]

高ぶる者はわたしのためにわなを伏せ、綱をもって網を張り、道のほとりにわなを設けました。

140:6[編集]

わたしは主に言います、「あなたはわが神です。主よ、わが願いの声に耳を傾けてください。

140:7[編集]

わが救の力、主なる神よ、あなたは戦いの日に、わがこうべをおおわれました。

140:8[編集]

主よ、悪しき人の願いをゆるさないでください。その悪しき計画をとげさせないでください。

140:9[編集]

わたしを囲む者がそのこうべをあげるとき、そのくちびるの害悪で彼らをおおってください。

140:10[編集]

燃える炭を彼らの上に落してください。彼らを穴に投げ入れ、再び上がることのできないようにしてください。

140:11[編集]

悪口を言う者を世に立たせないでください。乱暴な人をすみやかに災に追い捕えさせてください」。

140:12[編集]

わたしは主が苦しむ者の訴えをたすけ、貧しい者のために正しいさばきを行われることを知っています。

140:13[編集]

正しい人は必ずみ名に感謝し、直き人はみ前に住むでしょう。

第141篇[編集]

141:1[編集]

主よ、わたしはあなたに呼ばわります。すみやかにわたしをお助けください。わたしがあなたに呼ばわるとき、わが声に耳を傾けてください。

141:2[編集]

わたしの祈を、み前にささげる薫香のようにみなし、わたしのあげる手を、夕べの供え物のようにみなしてください。

141:3[編集]

主よ、わが口に門守を置いて、わがくちびるの戸を守ってください。

141:4[編集]

悪しき事にわが心を傾けさせず、不義を行う人々と共に悪しきわざにあずからせないでください。また彼らのうまき物を食べさせないでください。

141:5[編集]

正しい者にいつくしみをもってわたしを打たせ、わたしを責めさせてください。しかし悪しき者の油をわがこうべにそそがせないでください。わが祈は絶えず彼らの悪しきわざに敵しているからです。

141:6[編集]

彼らはおのれを罪に定める者にわたされるとき、主のみ言葉のまことなることを学ぶでしょう。

141:7[編集]

人が岩を裂いて地の上に打ち砕くように、彼らの骨は陰府の口にまき散らされるでしょう。

141:8[編集]

しかし主なる神よ、わが目はあなたに向かっています。わたしはあなたに寄り頼みます。わたしを助けるものもないままに捨ておかないでください。

141:9[編集]

わたしを守って、彼らがわたしのために設けたわなと、悪を行う者のわなとをのがれさせてください。

141:10[編集]

わたしがのがれると同時に、悪しき者をおのれの網に陥らせてください。

第142篇[編集]

142:1[編集]

わたしは声を出して主に呼ばわり、声を出して主に願い求めます。

142:2[編集]

わたしはみ前にわが嘆きを注ぎ出し、み前にわが悩みをあらわします。

142:3[編集]

わが霊のわがうちに消えうせようとする時も、あなたはわが道を知られます。彼らはわたしを捕えようとわたしの行く道にわなを隠しました。

142:4[編集]

わたしは右の方に目を注いで見回したが、わたしに心をとめる者はひとりもありません。わたしには避け所がなく、わたしをかえりみる人はありません。

142:5[編集]

主よ、わたしはあなたに呼ばわります。わたしは言います、「あなたはわが避け所、生ける者の地でわたしの受くべき分です。

142:6[編集]

どうか、わが叫びにみこころをとめてください。わたしは、はなはだしく低くされています。わたしを責める者から助け出してください。彼らはわたしにまさって強いのです。

142:7[編集]

わたしをひとやから出し、み名に感謝させてください。あなたが豊かにわたしをあしらわれるので、正しい人々はわたしのまわりに集まるでしょう」。

第143篇[編集]

143:1[編集]

主よ、わが祈を聞き、わが願いに耳を傾けてください。あなたの真実と、あなたの正義とをもって、わたしにお答えください。

143:2[編集]

あなたのしもべのさばきにたずさわらないでください。生ける者はひとりもみ前に義とされないからです。

143:3[編集]

敵はわたしをせめ、わがいのちを地に踏みにじり、死んで久しく時を経た者のようにわたしを暗い所に住まわせました。

143:4[編集]

それゆえ、わが霊はわがうちに消えうせようとし、わが心はわがうちに荒れさびれています。

143:5[編集]

わたしはいにしえの日を思い出し、あなたが行われたすべての事を考え、あなたのみ手のわざを思います。

143:6[編集]

わたしはあなたにむかって手を伸べ、わが魂は、かわききった地のようにあなたを慕います。

143:7[編集]

主よ、すみやかにわたしにお答えください。わが霊は衰えます。わたしにみ顔を隠さないでください。さもないと、わたしは穴にくだる者のようになるでしょう。

143:8[編集]

あしたに、あなたのいつくしみを聞かせてください。わたしはあなたに信頼します。わが歩むべき道を教えてください。わが魂はあなたを仰ぎ望みます。

143:9[編集]

主よ、わたしをわが敵から助け出してください。わたしは避け所を得るためにあなたのもとにのがれました。

143:10[編集]

あなたのみむねを行うことを教えてください。あなたはわが神です。恵みふかい、みたまをもってわたしを平らかな道に導いてください。

143:11[編集]

主よ、み名のために、わたしを生かし、あなたの義によって、わたしを悩みから救い出してください。

143:12[編集]

また、あなたのいつくしみによって、わが敵を断ち、わがあだをことごとく滅ぼしてください。わたしはあなたのしもべです。

第144篇[編集]

144:1[編集]

わが岩なる主はほむべきかな。主は、いくさすることをわが手に教え、戦うことをわが指に教えられます。

144:2[編集]

主はわが岩、わが城、わが高きやぐら、わが救主、わが盾、わが寄り頼む者です。主はもろもろの民をおのれに従わせられます。

144:3[編集]

主よ、人は何ものなので、あなたはこれをかえりみ、人の子は何ものなので、これをみこころに、とめられるのですか。

144:4[編集]

人は息にひとしく、その日は過ぎゆく影にひとしいのです。

144:5[編集]

主よ、あなたの天を垂れてくだり、山に触れて煙を出させてください。

144:6[編集]

いなずまを放って彼らを散らし、矢を放って彼らを打ち敗ってください。

144:7[編集]

高い所からみ手を伸べて、わたしを救い、大水から、異邦人の手からわたしを助け出してください。

144:8[編集]

彼らの口は偽りを言い、その右の手は偽りの右の手です。

144:9[編集]

神よ、わたしは新しい歌をあなたにむかって歌い、十弦の立琴にあわせてあなたをほめ歌います。

144:10[編集]

あなたは王たちに勝利を与え、そのしもべダビデを救われます。

144:11[編集]

わたしを残忍なつるぎから救い、異邦人の手から助け出してください。彼らの口は偽りを言い、その右の手は偽りの右の手です。

144:12[編集]

われらのむすこたちはその若い時、よく育った草木のようです。われらの娘たちは宮の建物のために刻まれたすみの柱のようです。

144:13[編集]

われらの倉は満ちて様々の物を備え、われらの羊は野でちよろずの子を産み、

144:14[編集]

われらの家畜はみごもって子を産むに誤ることなく、われらのちまたには悩みの叫びがありません。

144:15[編集]

このような祝福をもつ民はさいわいです。主をおのが神とする民はさいわいです。

第145篇[編集]

145:1[編集]

わが神、王よ、わたしはあなたをあがめ、世々かぎりなくみ名をほめまつります。

145:2[編集]

わたしは日ごとにあなたをほめ、世々かぎりなくみ名をほめたたえます。

145:3[編集]

主は大いなる神で、大いにほめたたえらるべきです。その大いなることは測り知ることができません。

145:4[編集]

この代はかの代にむかってあなたのみわざをほめたたえ、あなたの大能のはたらきを宣べ伝えるでしょう。

145:5[編集]

わたしはあなたの威厳の光栄ある輝きと、あなたのくすしきみわざとを深く思います。

145:6[編集]

人々はあなたの恐るべきはたらきの勢いを語り、わたしはあなたの大いなることを宣べ伝えます。

145:7[編集]

彼らはあなたの豊かな恵みの思い出を言いあらわし、あなたの義を喜び歌うでしょう。

145:8[編集]

主は恵みふかく、あわれみに満ち、怒ることおそく、いつくしみ豊かです。

145:9[編集]

主はすべてのものに恵みがあり、そのあわれみはすべてのみわざの上にあります。

145:10[編集]

主よ、あなたのすべてのみわざはあなたに感謝し、あなたの聖徒はあなたをほめまつるでしょう。

145:11[編集]

彼らはみ国の栄光を語り、あなたのみ力を宣べ、

145:12[編集]

あなたの大能のはたらきと、み国の光栄ある輝きとを人の子に知らせるでしょう。

145:13[編集]

あなたの国はとこしえの国です。あなたのまつりごとはよろずよに絶えることはありません。

145:14[編集]

主はすべて倒れんとする者をささえ、すべてかがむ者を立たせられます。

145:15[編集]

よろずのものの目はあなたを待ち望んでいます。あなたは時にしたがって彼らに食物を与えられます。

145:16[編集]

あなたはみ手を開いて、すべての生けるものの願いを飽かせられます。

145:17[編集]

主はそのすべての道に正しく、そのすべてのみわざに恵みふかく、

145:18[編集]

すべて主を呼ぶ者、誠をもって主を呼ぶ者に主は近いのです。

145:19[編集]

主はおのれを恐れる者の願いを満たし、またその叫びを聞いてこれを救われます。

145:20[編集]

主はおのれを愛する者をすべて守られるが、悪しき者をことごとく滅ぼされます。

145:21[編集]

わが口は主の誉を語り、すべての肉なる者は世々かぎりなくその聖なるみ名をほめまつるでしょう。

第146篇[編集]

146:1[編集]

主をほめたたえよ。わが魂よ、主をほめたたえよ。

146:2[編集]

わたしは生けるかぎりは主をほめたたえ、ながらえる間は、わが神をほめうたおう。

146:3[編集]

もろもろの君に信頼してはならない。人の子に信頼してはならない。彼らには助けがない。

146:4[編集]

その息が出ていけば彼は土に帰る。その日には彼のもろもろの計画は滅びる。

146:5[編集]

ヤコブの神をおのが助けとし、その望みをおのが神、主におく人はさいわいである。

146:6[編集]

主は天と地と、海と、その中にあるあらゆるものを造り、とこしえに真実を守り、

146:7[編集]

しえたげられる者のためにさばきをおこない、飢えた者に食物を与えられる。主は捕われ人を解き放たれる。

146:8[編集]

主は盲人の目を開かれる。主はかがむ者を立たせられる。主は正しい者を愛される。

146:9[編集]

主は寄留の他国人を守り、みなしごと、やもめとをささえられる。しかし、悪しき者の道を滅びに至らせられる。

146:10[編集]

主はとこしえに統べ治められる。シオンよ、あなたの神はよろず代まで統べ治められる。主をほめたたえよ。

第147篇[編集]

147:1[編集]

主をほめたたえよ。われらの神をほめうたうことはよいことである。主は恵みふかい。さんびはふさわしいことである。

147:2[編集]

主はエルサレムを築き、イスラエルの追いやられた者を集められる。

147:3[編集]

主は心の打ち砕かれた者をいやし、その傷を包まれる。

147:4[編集]

主はもろもろの星の数を定め、すべてそれに名を与えられる。

147:5[編集]

われらの主は大いなる神、力も豊かであって、その知恵ははかりがたい。

147:6[編集]

主はしえたげられた者をささえ、悪しき者を地に投げ捨てられる。

147:7[編集]

主に感謝して歌え、琴にあわせてわれらの神をほめうたえ。

147:8[編集]

主は雲をもって天をおおい、地のために雨を備え、もろもろの山に草をはえさせ、

147:9[編集]

食物を獣に与え、また鳴く小がらすに与えられる。

147:10[編集]

主は馬の力を喜ばれず、人の足をよみせられない。

147:11[編集]

主はおのれを恐れる者とそのいつくしみを望む者とをよみせられる。

147:12[編集]

エルサレムよ、主をほめたたえよ。シオンよ、あなたの神をほめたたえよ。

147:13[編集]

主はあなたの門の貫の木を堅くし、あなたのうちにいる子らを祝福されるからである。

147:14[編集]

主はあなたの国境を安らかにし、最も良い麦をもってあなたを飽かせられる。

147:15[編集]

主はその戒めを地に下される。そのみ言葉はすみやかに走る。

147:16[編集]

主は雪を羊の毛のように降らせ、霜を灰のようにまかれる。

147:17[編集]

主は氷をパンくずのように投げうたれる。だれがその寒さに耐えることができましょうか。

147:18[編集]

主はみ言葉を下してこれを溶かし、その風を吹かせられると、もろもろの水は流れる。

147:19[編集]

主はそのみ言葉をヤコブに示し、そのもろもろの定めと、おきてとをイスラエルに示される。

147:20[編集]

主はいずれの国民をも、このようにはあしらわれなかった。彼らは主のもろもろのおきてを知らない。主をほめたたえよ。

第148篇[編集]

148:1[編集]

主をほめたたえよ。もろもろの天から主をほめたたえよ。もろもろの高き所で主をほめたたえよ。

148:2[編集]

その天使よ、みな主をほめたたえよ。その万軍よ、みな主をほめたたえよ。

148:3[編集]

日よ、月よ、主をほめたたえよ。輝く星よ、みな主をほめたたえよ。

148:4[編集]

いと高き天よ、天の上にある水よ、主をほめたたえよ。

148:5[編集]

これらのものに主のみ名をほめたたえさせよ、これらは主が命じられると造られたからである。

148:6[編集]

主はこれらをとこしえに堅く定め、越えることのできないその境を定められた。

148:7[編集]

海の獣よ、すべての淵よ、地から主をほめたたえよ。

148:8[編集]

火よ、あられよ、雪よ、霜よ、み言葉を行うあらしよ、

148:9[編集]

もろもろの山、すべての丘、実を結ぶ木、すべての香柏よ、

148:10[編集]

野の獣、すべての家畜、這うもの、翼ある鳥よ、

148:11[編集]

地の王たち、すべての民、君たち、地のすべてのつかさよ、

148:12[編集]

若い男子、若い女子、老いた人と幼い者よ、

148:13[編集]

彼らをして主のみ名をほめたたえさせよ。そのみ名は高く、たぐいなく、その栄光は地と天の上にあるからである。

148:14[編集]

主はその民のために一つの角をあげられた。これはすべての聖徒のほめたたえるもの、主に近いイスラエルの人々のほめたたえるものである。主をほめたたえよ。

第149篇[編集]

149:1[編集]

主をほめたたえよ。主にむかって新しい歌をうたえ。聖徒のつどいで、主の誉を歌え。

149:2[編集]

イスラエルにその造り主を喜ばせ、シオンの子らにその王を喜ばせよ。

149:3[編集]

彼らに踊りをもって主のみ名をほめたたえさせ、鼓と琴とをもって主をほめ歌わせよ。

149:4[編集]

主はおのが民を喜び、へりくだる者を勝利をもって飾られるからである。

149:5[編集]

聖徒を栄光によって喜ばせ、その床の上で喜び歌わせよ。

149:6[編集]

そののどには神をあがめる歌があり、その手にはもろ刃のつるぎがある。

149:7[編集]

これはもろもろの国にあだを返し、もろもろの民を懲らし、

149:8[編集]

彼らの王たちを鎖で縛り、彼らの貴人たちを鉄のかせで縛りつけ、

149:9[編集]

しるされたさばきを彼らに行うためである。これはそのすべての聖徒に与えられる誉である。主をほめたたえよ。

第150篇[編集]

150:1[編集]

主をほめたたえよ。その聖所で神をほめたたえよ。その力のあらわれる大空で主をほめたたえよ。

150:2[編集]

その大能のはたらきのゆえに主をほめたたえよ。そのすぐれて大いなることのゆえに主をほめたたえよ。

150:3[編集]

ラッパの声をもって主をほめたたえよ。立琴と琴とをもって主をほめたたえよ。

150:4[編集]

鼓と踊りとをもって主をほめたたえよ。緒琴と笛とをもって主をほめたたえよ。

150:5[編集]

音の高いシンバルをもって主をほめたたえよ。鳴りひびくシンバルをもって主をほめたたえよ。

150:6[編集]

息のあるすべてのものに主をほめたたえさせよ。主をほめたたえよ。