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蜂の書/第56章

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蜂の書

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第56章

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<< 死と魂の肉体からの離脱について >>


すべての善く尊いもの、神の賜物の偉大さ、神の真の愛、そして私たちが神の御前に至ることの根底にあるのは死です。人は五つの方法で死にます。自然死。ダビデがサウルに言及して「彼の日が来て死ぬまでは」と言ったように[1]。自発的死。サウルがペリシテ人との戦いで自殺したときのように。事故死。屋根からの転落やその他の致命的な事故。悪魔や人間、野獣、毒のある爬虫類による暴力。(神の)懲罰による死。ノアの時代の洪水、ソドムの人々に降りかかった火、その他これに類する出来事のように。しかし、これらすべての運命と並行して、被造物には理解できない神の統治の摂理が働いており、それは被造物に理解することのできないものであり、(被造物を)拘束すべきところでは拘束し、(解放すべきところでは)解放するのです。この統治は、この世では天使にも人間にも理解されませんが、来世においては理性あるすべての存在がそれを知るでしょう。アバ・イザヤが言うように、魂が肉体から離れるとき、天使たちがそれと共に行きます。すると闇の軍勢がそれを迎え撃ち、捕らえて調べようとします。もしそこに彼らの何かが隠れているなら。その時、天使たちは彼らと戦うのではなく、魂が行った行為がそれを守り、彼らが近づかないようにするのです。もしその行為が勝利すれば、天使たちは魂が喜びのうちに神に会うまで、その前で賛美の歌を歌います。その時、魂はこの世のすべての行為を忘れます。したがって、この世で(罪の)赦しを得ない者は、その日の試練の罰から逃れることはできません。復活の前に拷問や快楽や報いがあるというわけではありません。[p.132]魂は善悪を問わず、自分が行ったすべてのことを知っているのです。


魂が肉体を離れてから復活までどこに留まるかについては、ある者は魂は天、すなわち天の軍勢が住む霊の領域に連れて行かれると言います。またある者は、魂は楽園、すなわち神の啓示の奥義の善が豊かに備わっている場所に行くと言います。そして罪人の魂は楽園の外にあるエデンの深淵の暗闇の中に横たわっているとも言います。またある者は、魂は肉体と共に埋葬されると言います。つまり、洗礼のときに二人が神に埋葬されたように、今も復活の日まで神に住むのです。またある者は、魂は墓の口に立って救い主を待ち、つまり肉体の復活を知っていると言います。またある者は、時が短いため、まるで眠っているかのようだと言います。というのは、私たちにとって非常に長い時間と思われるものも、彼らにとってはその短さゆえに一瞬のうなずき(あるいはウィンク)に過ぎないと彼らは指摘しているからである1。そして、眠りに落ちた者がこの世の命を離れても絶対的な死には至らないように、彼らもまたこの世の知識よりも高い中間の知識の中にいるが、復活後の知識には至らない。自分たちは知識のない幼子のようなものだと言う者たちは、復活後に授けられるであろう真理の知識と比較すれば、真理の知識さえも無知と呼んでいることを示している。


義人の魂が祈り、そしてその祈りが共に避難する人々を助けることは、多くの人々、特に聖テクラに関するマル・テオドロスの記述から学ぶことができます。ですから、聖人を友人に持つ人々が、その人が天国の主のもとへ行くとき、喜ぶのは当然のことです。なぜなら、友人には祈りを通して彼らを助ける力があるからです。楽園の書に記されている聖人の一人の盲目の弟子のように、師が臨終の時、彼は激しく泣きながら「この哀れな盲人を誰に託すのですか?」と言いました。師は彼を励まし、「私は神を信じています。もし神の慈悲の心にかなうなら、一週間後には見えるようになるでしょう」と言いました。[p.133]そして数日後、彼は実際に見えるようになりました。義人の魂もまた、必要な理由によってそうするように促される神の許しと命令に従って、互いに霊的な対話を持ちます。肉体をもってこの世を去った者たちも、また、まだ肉体の衣服を着て聖なる生活を送っている者たちも、この交わりを妨げられることはありません。

脚注

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  1. サムエル記上 26:10
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 
翻訳文:

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