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聖パスハの奉事


聖パスハの主日及び全光明週間の規定カノン

讃詞トロパリハリストス死より復活し、死を以て死をほろぼし、墓に在る者に生命いのちたまへり。其他定則の如し。

聖務長規定を始む、ダマスクのイオアン師の作。イルモス四段に、讃詞トロパリ十二段に。後詠隊おのおのまたイルモスを歌ふ。おわりて両詠隊共に共頌カタワシャとして同イルモス「復活の日」。
其後讃詞トロパリハリストス死より復活し」、三次。(他の日には其定則に遵ふ)。

規定カノン。第一調。

第一歌頌
第二歌頌
第三歌頌

イルモス、きたりて、新しき飲料のみものを飲むべし、まざる石より奇蹟にてださるるに非ずして、我等のかためなるハリストスの、不朽のいづみかしし墓よりいださるる者を。


いま天と地と地獄とはみな光にたされたり、ゆえ萬物ばんぶつそのかためなるハリストスくるをいわふべし。


ハリストスよ、われ昨日きのうなんぢともほうむられ、今日きょうなんぢ復活せし者とともく。昨日きのう爾とともに十字架にくぎうたれたり、救世主よ、なんぢの国において、みづから我になんぢともに光栄を受けさせ給へ。


いさぎよものよ、なんぢより生れて、きょくに光をかがやかしししゅじんりてわれ今日こんにち不朽ふきゅう生命いのちいたる。


純潔じゅんけつ無玷むてんなる童貞女どうていじょよ、なんぢが身にて生みし神の、そのひし如く、死より起きたるを見て楽しめ、彼を神としてあがめよ。

連祷れんとう
応答歌イパコイ、第四調。

マリヤともりし女等おんなたち黎明よあけよりはかきたり、いしうつされたるをて、天使てんしよりけり、永遠えいえんひかりものなんひとごとしゃうちたづぬる、斂葬ほうむりころもて、いそぎて世界せかいつたへよ、しゅほろぼして復活ふくかつせり、人類じんるいすくふ神の子なればなり。

第四歌頌

イルモス、神の預言者よげんしゃアウワクムは我等と偕に神聖なる守望ものみちてしめすべし、光をはなてんあきらかものを、いますくいは世界にのぞめり、ハリストスは全能者として復活せしにる。


我が「パスハ」ハリストスは、童貞女どうていじょたいひらきし子として男性と現れ、くらふべき者としてこひつじと名づけられ、けがれあづからざる者としてきずなき者と呼ばれ、まことかみとして純全じゅんぜんなるものとなへられたり。


我等にあがめらるる栄冠たるハリストス期年ひととしこひつじごとく、衆人しゅうじんため潔浄きよめの「パスハ」としてあまんじてほふられ、またうるわしきとしてはかより我等にかがやたまへり。


神の先祖ダヴィドは、よろこびへずして、かげなる約櫃やくひつの前におどれり、我等神の聖なる民は、しょうかなへるを見て、神聖に楽しむべし、ハリストスは全能者として復活ふくかつせしにる。


いさぎよものよ、なんぢげんアダムつくりししゅなんぢりて造られ、おのれの死を以て今日こんにち棲処すまいやぶりて、復活の神聖なる光にて万有をてらし給へり。


おんなうち純潔じゅんけつ無玷むてんにしていとうるわしきものよ、なんぢみしハリストス今日こんにち衆人のすくいの為によりうるわしく輝きしをて、使徒しとともに喜びて、彼を讃栄さんえいせよ。

第五歌頌

イルモス、我等われら黎明よあけより起き、香料のかわりに讃歌を主宰に奉りて、義の日たるハリストス、衆人に生命いのちを輝かす者を見るべし。

ハリストスよ、地獄のなわめかかれる者はなんぢはかがたれんよろこばしく光に進みて、永遠えいえんの「パスハ」を讃栄さんえいせり。

第六歌頌
第七歌頌
第八歌頌
第九歌頌
イルモス、新なるイエルサリムよ、光り光れよ、主の光栄はなんぢに輝けばなり、シオンよ、今いわひて楽しめ、なんぢいさぎよ生神女しょうしんじょよ、爾が生みし主の復活を喜び給へ。

嗚呼あゝハリストスよ、なんぢことばは何ぞ神聖にして愛すべく、いとあまき、けだしなんぢいつわりなく我等とともに世の終末おわりまでいますを約し給へり、我等信者はこれ希望きぼうかためとして喜ぶ。


嗚呼あゝおおいにしてせいなる「パスハ」ハリストスよ、嗚呼あゝ智慧ちえかみことば能力ちからよ、なんぢくにれざるおいて、我等われらなおしたしくなんぢあづからしめたまへ。


童貞女どうていじょよ、我等われら信者しんじゃ同心どうしんなんぢ讃揚さんようす、しゅもんよ、よろこべ、ける城邑まちの者よ、よろこべ、いま我等になんぢよりうまれし者の死よりの復活の光の輝きし縁由ゆえんの者よ、よろこべ。


かみ恩寵おんちょうこうむれる女宰じょさい、光の神聖なる門よ、よろこびて楽しめ、けだしはかりしハリストスでて、よりもあきらかに輝きて、しゅう信者しんじゃてらたまへり。

差遣詞、自調。

おうおよしゅよ、なんぢにて死者の如くねて、三日みつか復活ふくかつし、アダム朽滅ほろびよりおこし、むなしくせり、きゅうの「パスハ」、すくいなり。三次。

讃揚歌の復活の讃頌スティヒラの後に「パスハ」の讃頌スティヒラを歌う、第五調。

句、かみき、そのあだるべし。

せいなる「パスハ」は今我等にあらわれたり、あらたなる「パスハ」、秘密ひみつの「パスハ」、いととうとき「パスハ」、「パスハ」ハリストス救世主きゅうせいしゅきずなき「パスハ」、おおいなる「パスハ」、信者しんじゃの「パスハ」、天堂てんどうもんを我等の為にひらく「パスハ」、すべての信者しんじゃせいにする「パスハ」なり。


句、煙の散るが如く、なんぢ彼等を散らしたまへ。

福音をつたふる婦女おんなたちきたりてたる事をシオンぐべし、ハリストスの復活の喜ばしき福音を我等より受けよ、イエルサリムよ、ハリストスおう新郎はなむこごとはかよりづるを見て、喜び祝い、楽しめよ。


句、悪人あくにんかみかんばせりてほろび、ただじんは楽しむべし。

香料こうりょうたづさふる婦女おんなたち朝早く生命いのちたまものはかきたりて、石にせる天使てんしへり、彼は斯く之にげてへり、なんぞ生ける者をしゃうちたづぬる、なんちざる者をつる者としてかなしむ、きてそのもんつたへよ。


句、主は此の日を作れり、我等之を以てよろこび楽しまん。

たのしき「パスハ」、「パスハ」は主の「パスハ」、いととうとき「パスハ」は我等われらかがやけり、「パスハ」に因りて喜びてたがいあいいだくべし。嗚呼あゝ「パスハ」、憂患うれいよりすくものや、けだしいまハリストスみやよりする如く墓よりひかで、婦女おんなたち欣喜よろこびててへり、使徒等しとらつたへよ。

光栄今も。

復活ふくかつの日、我等われら祝慶いわいてらされて、たがいあいいだくべし、我等をねたむ者にもふべし、兄弟きょうだいよ、復活にりてみなたがいゆるして、斯くうたはん、ハリストス死より復活し、死を以て死をほろぼし、墓に在る者に生命いのちたまへり。

次に「ハリストス死より復活し」三次。
且多次之を歌ひ、衆相接吻しておわるに至る。
次に聖務長は聖イオアン金口の説教を読む。
おわりて後讃詞トロパリを歌ふ、第八調「爾が口の恩寵は火の光の如く輝きて」。次に連祷、高声、その他。「神よ、我が今上皇帝」。並びに聖務長十字架を執りて、「ハリストス神よ、光栄は爾に帰す」に代へて歌ふ。

ハリストス死より復活し、死を以て死をほろぼし、

歌隊、墓に在る者に生命いのちを賜へり。

是に於て発放詞を誦す。後十字架を挙げて曰く、ハリストス復活せり。之を為すこと三次
衆毎次答へて曰く、実に復活せり。次に歌ふ、ハリストス死より復活し」
全讃詞三次。おわりて後左の結句を歌ふ、我等にも永遠の生命いのちを賜へり、主の三日目の復活を拝む。
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 
翻訳文:

この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。