羅馬書(明治元訳) 第十三章

提供:Wikisource

第十三章[編集]

1 かみありけんもてものすべ人々ひとびとしたがふべしそはかみよりいでざるけんなくおほよあるところのけんかみたてたまふところなればなり
2 このゆゑけんさかものかみさだめそむくなりそむくものみづかその審判さばきをうく(※1)べし
3 有司つかさびと善行よきわざおそれあら惡行あしきわざおそれなりなんぢけんおそれざることをねがただよきおこなされかれよりほまれ
4 かれなんぢえきせんためかみしもべなりあくなさおそれよかれいたづらにやいばとらかみしもべたればあくおこなものいかりをもてむくゆるものなり
5 ゆゑこれしたがただいかりよりてのみしたがは良心りやうしんよりしたがふべし
6 このゆゑ爾曹なんぢらみつぎをさめ彼等かれらかみ用人つかひびとにしてつねこのことつかさどれり
7 なんぢらうくべきところひとにはこれあたへみつぎうくべきものにはこれみつぎぜいうくべきものにはこれぜいおそるべきものにはおそたふとぶべきものこれたふと
8 なんぢらたがひあいおふのほかすべてことひとおふことなかそはひとあいするもの律法おきて完全まつたうすればなり
9 それ奸淫かんいんするなかころなかぬすなかいつはりあかしたつなかむさぼなかれといへこのほかなほいましめあるともおのれごとなんぢとなりあいすべしといへことばうちこもりたり
10 あいとなりそこなはずこのゆゑあい律法おきて完全まつたう
11 かくごとなすべし我儕われらときしれいまねぶりよりさむべきのときなりそは信仰しんかうはじめよりさら我儕われらすくひちか
12 すでにふけちかづけりゆゑ我儕われら暗昧くらきわざすて光明ひかりよろひきるべし
13 おこなひ端正ただしくしてひるあゆむごとくすべし饕餮たうてつ醉酒すゐしゆまた奸淫かんいん好色かうしよくまた爭鬪さうとう嫉妬しつとあゆむことなか
14 ただなんぢらしゆイエス・キリストを肉體にくたいよくおこなはんがためそのそなへをなすことなか

※1 明治14(1881)年版では「審判さばきをうく」→「つみさだめうく」。