細見嗚呼御江戸序
女衒女を見るに法あり一に目二に鼻すじ三に口四にはへきハ膚は凝る脂のことし歯は瓠犀のごとし家々の風好々の顔尻の見やう親指の口傳刀豆臭橘の秘術ありてこれを撰らむこと等閑ならねと牙あるものは角なく柳の装なるは華なく智あるは醜く美しきに馬花あり静なるははりなく賑なればきやんなり顔と心と風俗と三拍子揃ふもの中座となり立者と呼る人の中に人なく女郎の中に女郎まれなり貴かな得がたきかな或ハ骨太毛むくじやれ猪首獅子鼻棚尻虫喰栗のつゝくるみも引け四つの前後に至れは餘つて捨るは一人もなくひろいところかアゝ、お江戸なり
午のはつはる 福内鬼外戯作
(省略)
この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。
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