第四「カフィズマ」


第二十四聖詠[編集]

ダワィドえい

しゅよ、なんぢたましひぐ。

かみよ、なんぢたのむ、われ世世よよはぢなからしめよ、てきわれちてよろこばしむるなかれ。

およなんぢたのものにもはぢなからしめたまへ、みだりほうおかものねがはくははぢん。

しゅよ、われなんぢみちしめし、われなんぢみちをしへよ。

われなんぢしんみちびきて、われをしたまへ、けだしなんぢすくひかみなり、われ日日ひびなんぢたのめり。

しゅよ、なんぢ鴻恩めぐみなんぢ慈憐あはれみとをおくせよ、けだし永遠えいえんよりあるなり。

わかときつみあやまちとをおくするなかれ、しゅよ、なんぢ仁慈いつくしみり、なんぢ慈憐あはれみもつて、われおくせよ。

しゅじんなり、なり、ゆえ罪人ざいにんみちをししめす、

謙遜けんそんものみちびき、謙遜けんそんものおのれみちをしふ。

一〇 およしゅみち其約そのやくそのけいとをまもものりてれんなり、真実しんじつなり。

一一 しゅよ、なんぢりてつみゆるたまへ、そのおほいなるをもつてなり。

一二 たれしゅおそるるひとたる、しゅこれえらぶべきみちしめさん。

一三 かれたましひふくり、かれすゑがん。

一四 しゅおうかれおそるるものぞくし、かれ其約そのやくもつこれあらはす。

一五 つねしゅあふぐ、そのあしあみよりいだすにる。

一六 われかへりみ、われあはれめ、われひとりにしてくるしめらるるにる。

一七 こころうれひますおほし、なんよりわれいだせ、

一八 困苦くるしみ労瘁つかれかへりみ、もろつみゆるたまへ。

一九 てきよ、なんおほき、かれわれうらうらみなんはなはだしき。

二〇 たましひまもりてわれすくひ、なんぢけるたのみはぢなからしめたまへ。

二一 ねがはくはてんとはわれまもらん、われなんぢたのめばなり。

二二 かみよ、イズライリそのもろうれひよりすくたまへ。


第二十五聖詠[編集]

ダワィドえい

しゅよ、われさばたまへ、けだしわれきずなくしてけり、われしゅたのみてうごかざらん。

しゅよ、われこころみ、われためせ、はらこころとをとかたまへ。

けだしなんぢれんまへり、われなんぢ真実しんじつけり。

われいつはりなるものともせざりき、よこしまなるものともかざらん。

われあくはかくみにくめり、けんものともせざらん。

しゅよ、われざいもつあらひ、なんぢ祭壇さいだんめぐりて、

讃揚ほめあげこゑべ、なんぢことごとくのせきつたへん。

しゅよ、われなんぢところしつと、なんぢ光榮こうえい住所すまひところとをあいせり。

たましひ罪人ざいにんともに、生命いのちながものともほろぼなかれ、

一〇 かれ悪業あくぎょうあり、其右そのみぎわいにてつ。

一一 ただわれきずなくしてく、しゅよ、われすくひ、われあはれたまへ。

一二 あしなほみちつ、われ諸会しょかいうちしゅあがめん。


第二十六聖詠[編集]

ダワィドえい聖膏せいこうまへ

しゅひかりすくひなり、われたれをかおそれん、しゅ生命いのち防固かためなり、われたれをかおそれん。

われあだわれてきたる悪者あくしゃわれめて、くらはんとほつせば、かれみづかつまづきてたふれん。

軍隊ぐんたいぢんつらねてわれてきすとも、こころおそれざらん、いくさおこりてわれむとも、われなほたのみあり。

われいちしゅねがへり、われただこれもとむ、すなはちわれ生涯しょうがいしゅいへり、しゅうるはしきをあふぎ、その聖殿せいでんのぼるをん、

けだしかれ患難かんなんときおいて、あるひわれ其幕そのまくうちおほひ、われその住所すまひひそかなるところかくし、われいはうへげん。

其時そのときかうべわれめぐてきうへあがらん、われ其幕そのまくうち讃榮さんえいまつりささげて、しゅまへうたうたはん。

しゅよ、こゑけ、われあはれみ、われみみかたぶたまへ。

こころなんぢことばふ、なんぢかんばせたづねよと、しゅよ、われなんぢかんばせたづねん。

なんぢかんばせわれかくなかれ、いかりてなんぢぼく退しりぞくるなかれ。なんぢわれたすくるものたりき、かみ救主きゅうしゅよ、われつるなかれ、われのこなかれ、

一〇 けだしちちははわれのこせり、ただしゅわれれん。

一一 しゅよ、われなんぢみちをしへよ、てきゆえわれみちみちびたまへ。

一二 われてきわたしてそのまかなかれ、けだしいつはり証者しょうしゃちてわれめて、あくく。

一三 しかれどもわれしんず、しゅじんけるものるをんことを。

一四 しゅたのめ、いさめ、なんぢこころかたくなるべし、しゅたのめ。

光榮讃詞


第二十七聖詠[編集]

ダワィドえい

しゅよ、われなんぢぶ、われ防固かためよ、ためもだなかれ、おそらくはなんぢもださば、われはかくだものごとくならん。

なんぢび、げてなんぢ聖殿せいでんむかときいのりこゑたまへ。

われ悪者あくしゃおよ不義ふぎおこなものすなはちそのとなりへいかたり、そのこころあくいだものともほろぼなかれ。

かれ所爲しわざかれしきおこなひしたがひてこれむくい、かれところしたがひてこれむくい、かれくべきところもつこれあたへよ。

かれしゅおこなところと、しゅところとをかへりみざるによりて、しゅかれやぶり、かれてざらん。

しゅあがめらる、かれすでいのりこゑれたればなり。

しゅちからたてなり、こころかれたのみしに、かれわれたすけたり、こころよろこべり、われうたもつかれげん。

しゅ其民そのたみちからなり、そのあぶらつけられしものすくひまもりなり。

なんぢたみすくひ、なんぢぎょうふくくだし、これぼくし、これ世世よよたまへ。


第二十八聖詠[編集]

ダワィドえい。(まく瞻禮せんれいをはとき

かみしょよ、しゅけんぜよ、光榮こうえいそんとをしゅけんぜよ、

しゅその光榮こうえいけんぜよ、しゅそのうるはしき聖所せいしょ伏拝ふくはいせよ。

しゅこゑみづうへり、光榮こうえいかみとどろけり、しゅすいうへり。

しゅこゑつよく、しゅこゑおごそかなり。

しゅこゑ栢香木はくこうぼくくだき、しゅリワン栢香木はくこうぼくくだきて、

これこうしごとおどらせ、リワンシリヲンとをわかのうしごとおどらす。

しゅこゑほのほいだす。

しゅこゑひろふるはせ、しゅカデスひろふるはす。

しゅこゑ鹿しかませ、またはやしあらはす、しゅ殿でんうちにはその光榮こうえいつたへざるものなし。

一〇 しゅ洪水こうずいうへせり、しゅして世世よよおうたらん。

一一 しゅ其民そのたみちからたまひ、しゅ其民そのたみ平安へいあんふくくださん。


第二十九聖詠[編集]

ダワィドえい宮殿きゅうでん改造かいぞうせしときうた

しゅよ、われなんぢたふとあがめん、なんぢわれげて、てきわれちてよろこぶことをゆるさざりしにる。

しゅかみよ、われなんぢびしに、なんぢわれいやせり。

しゅよ、なんぢたましひごくよりいだし、われかして、われはかくだらしめざりき。

しゅ諸聖人しょせいじんよ、しゅうたへ、其聖そのせいねんして讃榮さんえいせよ、

けだしそのいかりまたたきあひだにして、そのめぐみ一生いつせいにあり、くれ涕泣ていきゅうきたれども、あしたにはよろこびいたる。

われ安寧あんねいときみづかへり、ながうごかざらん。

しゅよ、なんぢめぐみもつやまけんにせり、しかれどもなんぢかんばせかくしたれば、われおそまどへり。

しゅよ、其時そのときわれなんぢび、しゅいのりてへり、

一〇 われはかくだらば、なんえきかあらん、ちりなんぢ讃榮さんえいせんや、なんぢ真実しんじつべんや、

一一 しゅよ、きてわれあはれたまへ、しゅよ、われ佑助たすけとなりたまへと。

一二 なんぢなげきへてよろこびとなし、かなしみころもきて、われたのしみばしめたまへり、

一三 たましひなんぢ讃榮さんえいしてもださざらんためなり。しゅかみよ、われながなんぢ讃榮さんえいせん。

光榮讃詞


第三十聖詠[編集]

伶長れいちょううたはしむ。ダワィドえい。(擾亂じょうらんとき

しゅよ、なんぢたのむ、われ世世よよはぢなからしめよ、なんぢもつわれまぬかれしめたまへ。

なんぢみみわれかたぶけて、すみやかわれまぬかれしめよ、ため磐石いはほとなり、隠家かくれがとなりて、われすくたまへ、

けだしなんぢ石山いしやま石垣いしがきなり、なんぢりてわれみちびき、われをさたまへ。

ひそかためまうけたるあみよりわれいだたまへ、けだしなんぢわれかためなり。

しん゜をなんぢわたす、しゅしんかみよ、なんぢかつわれすくへり。

われむなしき偶像ぐうぞうたふとものにくみ、ただしゅたのむ。

われなんぢあはれみよろこたのしまん、けだしなんぢわざはひかへりみ、たましひうれひり、

われてきわたさず、あしひろところてたり。

一〇 しゅよ、われあはれたまへ、われ困狭くるしみればなり、うれひりてれたり、たましひはらまたしかり。

一一 生命いのちかなしみうちき、としなげきうちきたり、ちからつみりてよわり、ほねれたり。

一二 われ諸敵しょてきりてとなりにもはづかしめられ、知人しりびとにははばかられ、われちまたものわれく。

一三 われしゃごとひとこころわすれられたり、われやぶられたるうつはごとし、

一四 けだしわれにんそしりく、かれあひしてわれめ、たましひかんとはかるとき、四方よもおそれあり。

一五 しゅよ、ただわれなんぢたのむ、われふ、なんぢわれかみなり。

一六 なんぢり、われてきおよわれむるものよりまぬかれしめたまへ。

一七 なんぢひかかんばせなんぢぼくあらはし、なんぢあはれみもつわれすくたまへ。

一八 しゅよ、われなんぢぶにりて、はぢしむるなかれ、ねがはくはどうものはぢかうむりて、ごく沈黙ちんもくせん。

一九 ねがはくはおごりあなどりとをもつて、じんむかひて、あしきいつはりくちおふしとならん。

二〇 おほいなるかななんぢおんなんぢおそるるものためたくはへ、なんぢたのものために、ひとまへに、そなへたるものや。

二一 なんぢかれひとみだれよりなんぢおもてかげおほひ、かれしたあらそひよりまくうちかくす。

二二 しゅあがめらる、かれおのれたへなるあはれみわれけんなる城邑まちうちあらはしたればなり。

二三 まどへるときわれなんぢよりたれたりとおもへり、しかれどもなんぢびしときなんぢいのりこゑたまへり。

二四 しゅことごくのじんしゅあいせよ、しゅ忠信ちゅうしんものまもり、傲慢ごうまんものにはきびしくむくゆ。

二五 およしゅたのものいさめ、なんぢこころかたくなるべし。


第三十一聖詠[編集]

ダワィドえい教訓きょうくん

ほうゆるされ、つみおほはれたるひとさいはひなり。

しゅつみせず、そのしん゜にいつはりなきひとさいはひなり。

われもだししとき終日しゅうじつ呻吟さまよひりて、ほねふるびたり、

けだしなんぢ昼夜ちゅうやおもわれくははり、潤沢うるほひえしことなつひでりけるがごとし。

しかれどもわれつみなんぢあらはし、ほうかくさざりき、われへり、つみしゅ痛告つうこくすと、なんぢすなはつみとがわれよりのぞけり。

これりてもろじん便べんときおいなんぢいのらん、其時そのとき大水たいすいあふれかれおよばざらん。

なんぢわれ帡幪おほひなり、なんぢわれうれひよりまもり、われすくひよろこびにてめぐらす。

われなんぢをしへん、なんぢくべきみちしめさん、なんぢみちびかん、なんぢかへりみん。

なんぢは、たづなくつばみとをもつくちつかねてなんぢしたがはしむる、無知むちなるうまうさぎうまとのごとくなるなかれ。

一〇 悪者あくしゃにはうれひおほし、しゅたのものあはれみこれめぐる。

一一 じんよ、しゅためよろこたのしめ、こころなほものよ、みないはへ。

光榮讃詞