秋は隔離と番号とビラをまいてゐる

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本文[編集]

秋は隔離と番号とビラをまいてゐる
萩原恭次郎

昇降する市街●●●●爆音
婦人の顔面
交互に動揺するSSSTOPP+++GOOGG
乗合自動車●●<<ガソリン---急角度の顔!
ダアーフ!
G
空へ突入する屋根
動乱する窓――┐
寸断される風景│は傾斜して走る——————H
       └――広告旗!
「汽車の番号は何番?神戸急行よ!」
シヤツスウ!ツ——ム!カタカタ カタカタカタ----
●●●警官の挙手
---騎兵の一隊と葬儀
<<<二重に日光の動揺
彼の女は死んでしまつたのに———」
海・海・海・海・海・海
帆船
急角度の水平線
「何番?」
「何番?」
小説本とウヰスキー
P・RRRR・・・・BBBBWWWWW
電信局の窓
垂直した恋人の足先き
秋は隔離と番号とビラをふりまいてゐる
汽車の通過する速度
ねえ!まつたく
 わたしを忘れては嫌よ!」

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。