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  • る。男も女も、手拭の頬冠(ほおかむり)をして、着物の裾を片折(はしょ)って帯に挟(はさ)んでいる。襪(たび)はだしもあるが、多くは素足である。女で印袢纏(しるしばんてん)に三尺帯を締めて、股引(ももひき)を穿(は)かずにいるものもある。口々に口説(くどき)というものを歌って、「えとさっさ」と囃(はや…
    61キロバイト (12,116 語) - 2020年6月18日 (木) 15:57
  •      お蔭参りいたこぶし 「お蔭参りと皆なまめきて「思い〳〵の旅出立、拵へ立派に道連れの「しやれた御方を乗せなさる「さつても見事な施行駕籠、揃の袢纏華やかに、折々しがないお方でも、こつそり内をば抜けやうと、御受があるなら参らんせ。 「今日は日和も良い鹿島立ち「三条通や粟田口、はつと出たる日の岡を…
    85バイト (16,792 語) - 2024年3月24日 (日) 09:05
  • その席亭の主人(あるじ)というのは、町内の鳶頭(とびがしら)で、時々目暗縞(めくらじま)の腹掛に赤い筋(すじ)の入った印袢纏(しるしばんてん)を着て、突っかけ草履(ぞうり)か何かでよく表を歩いていた。そこにまた御藤(おふじ)さんという娘があって、その人の容色(きりょう)が…
    181キロバイト (35,520 語) - 2021年5月13日 (木) 16:06
  •  もう何処からか貧乏徳利が運ばれて、又、ざわざわと小屋の中が、一しきり賑やかになって来た。  黄ばんだ電灯の下に、がたがたの床を踏みならし、酔い痴れたピエロが踊り出すと、いつか印袢纏(しるしばんてん)の兄いが、シルクハットの紳士が、甘酸っぱい体臭を持った、肉襦袢の女たちが、思い思いに捻子(ねじ)をまかれた泥人形のように、がらっと…
    184キロバイト (33,562 語) - 2023年10月17日 (火) 13:53