海軍慰安所利用時の性病予防通知
性病予防ニ関スル件通知
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近ク慰安所開設セラルルニ就テハ性病患者発生ノ絶無ヲ期シ下記実施相成度
- 記
- 記
1. 性病予防講話(別紙参照)
2. 性病予防掲示教育(別紙掲載ニコト「ポスター」作製中)
3. 「サック」及消毒「クリーム」ノ交付
外出員ニ対シ慰安券ヲ交付スル場合ハ同時ニサック及消毒クリーム各1個宛交付シ之ガ使用ヲ励行セシメラレ度(「クリーム」容器「サック」ハ業者ヲシテ回収セシム
4. 早期需診
慰安所利用後局所ニ異常アルモノハ早期ニ需診セシメラレ度(別紙添付)
- (終)
- (終)
性病に就て
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性病には、淋病、梅毒、軟性下疳(横痃)等がある
- 淋病
急性症感染後2~3日間で尿道から膿が出て放尿の際耐え難い痛みがある膿は次第に多くなり疼痛も益々加わって来る
此の時期に受療すると以外に早く全治するが受診を怠り不養生をすると遂には慢性症となって一生苦しまねばならん
慢性症 尿道の外膀胱、節々等を侵され更に男子は×護線や睾丸等も侵されて子供が出来なくなる
淋菌が目に這入こみ膿漏眼になり盲目になることもある
又淋病は膿が出なくなっても病菌は当分体内に遺っている
何時でも他人に伝染する頗る危険なものである
・ 感染経路
主として不潔な性交において伝染する等の外病菌のついた指先、手拭、褌、腰巻、下着、寝具等からも感染する
- 梅毒
先天梅毒 親から血液の中の病毒を受けて生まれたもの
後天梅毒 無垢の健康体が他から病毒を受けて発病するもの の二つがある
・後天梅毒
・第1期 性交後2~3週間位で亀頭冠溝部に疳そうが出来次で堅い横痃が出来る
・第2期 第1期から1~2年間皮膚に色々な発疹が出来る
頭髪や眉毛が抜けてうすくなったり声が嗄れたりする
・第3期 病毒が段々内臓を冒し「骨がらみ」となって鼻が落ちたり頭に穴があいたりする
・第4期 受毒後10年以上経って脳や脊髄を冒してついには不治の精神病者や脊髄癆になる
・先天梅毒 親ばかりでなく「親の因果が子に報い」で子供に伝染して流産、死産の原因となり又生まれた子供は多くが病弱で身体も精神も満足でなく成長しても夭折の不具の廃疾病弱者になる等累を可愛い子孫に迄遺す恐ろしい病気である
・其の感染経路
主として生殖器から感染するが接吻、授乳、指先、食器、煙管等からでも感染する事がある
- 軟性下疳
性交後2~4日で局部に「毛切れ」又は浅い瘡が出来それがつぶれて段々大きく深くなる又梅毒と混合感染し横痃がふえる事もある
・その他の感染経路
梅毒に同じ
- 横痃
股のつけ根の所が次第に腫れて来るもので軟性下疳の初期に多く起り淋病でも時々出来る事がある亦
梅毒から来たものは堅いだけで痛みも化膿もしないが軟性下疳から来たものは痛があり紅く腫れて化膿する
- 性病予防法
1. 上陸時は必ず「クリーム」と「コンドーム」(サック)を携帯する事
2. 性交時は「コンドーム」(サック)を使用すること
3. 次いで消毒「クリーム」の1/3を尿道口へ押込み残り2/3を外側前面に塗り放尿時まで芥紙で包む
性交後は必ず放尿する事(手指で亀頭を軽く扣み腹圧でシュシュと放尿す)
4. 次で消毒水で洗浄する事(陰茎の外側を良く洗ひ尿道内を洗浄す)
5. 次いで消毒「クリーム」の1/3を尿道口え押込み残り2/3を外側前面に塗り次の放尿迄芥紙で包で置く事
6. 尿道から膿が出たり瘡が出来たら直ちに需診する事
上の注意を確実に実行すれば大体安全であるが必ずしも100%罹病しないとは言えない
- 絶対完全なる予防法
君子危なきに近よらず