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泥海古記

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にほんこうき
明治十四年巳歳

(1)

このよふのほんもとなるはどろのうみ
もとなるかみはつきひさまなり

(2)

それよりもつきさまさきにくにとこを
みさだめつけてひいさまにだんじ

(3)

それゆゑにくにとこだちのみことさま
このかみさまはもとのおやなり

(4)

これからはせかいこしらえにんげんを
こしらえようとそをだんきまり

(5)

にんげんをこしらえるにはそれ<の
どをぐひながたみだすもよふを

(6)

みすませばどろうみなかにみえてある
うをとみいとがまじりいるなり

(7)

このうをはかほはにんげんからだには
うろこなしなるにんげんのはだ

(8)

それゆへににんぎようといふうおなるぞ
みすますところひとすじなるの

(9)

こころみてしよちをさしてもらいうけ
これにしこむるどをぐなるのは

(10)

みすませばしやちほことてへんなるの
いきをいつよくこのせいをみて

(11)

もらいうけくてしもうてはこのものの
こころあじわいひきうけなして

(12)

おとこうのいちのどをぐにしこみあり
にんげんなるのほねのしゆうごう

(13)

このうをにくにとこだちがいりこんで
ふうふをはじめにんげんのたね

(14)

それゆへにかみなをつけてだいじんぐ
これなるかみはいざなぎのかみ

(15)

このかみはどこにいますとをもふなら
とうねんみいの十と六さい

(16)

ぞんめいでをわしますなりこのかみは
もとのやしきのいちのかみなり

(17)

みいさまわしろくちなとてはだあいは
にんげんなるのごとくなるなり

(18)

そのこころまつすぐなるをみさだめて
これをひきよせしよちをさして

(19)

まだほかをみすますればかめがゐる
このがめなるはかわつよくして

(20)

ふんばりもつよくてこけぬこのものを
しよちをさしてくてしもふなり

(21)

そのこころあじわいをみてをなごうの
いちのどをくにしこみたまいて

(22)

みいさまにひいさまこころいりこんで
ふうふをはじめにんげんなるの

(23)

なはしろにつかふたこれでいちのかみ
いざなみのかみいせではげくう

(24)

このかみはにんげんなるのもとのをや
このおやさまわどこにござると

(25)

おもふならとうねんみいの八十と
四さいにてこそやまべのこをり

(26)

しよやしきなかやまうじといふやしき
ぞんめいにてぞをわしますなり

(27)

あらわれておわしますなりこのをやは
このよふにいるにんげんのをや

(28)

またかめはにんげんのかわつなぎにも
つかうたどをぐこれにかみなを

(29)

くにさつちこのかみさまわをやさまの
たいないこもりだきしめござる

(30)

ことしから三十年たちたなら
なわたまひめもとのやしきへ

(31)

つれかへりそのうゑなるはいつまでも
よろずたすけのしゆごくださる

(32)

つきよみはしやちほこうなりこれなるは
にんげんほねのしゆごふのかみ

(33)

このかみはとうねんとつてみいの六十と
一さいにてぞあらはれござる

(34)

くもよみはうなぎなるなりこのかみは
にんげんくいのみしゆごのかみ

(35)

このかみはとうねんみいの五きいにて
ぞんめいにてぞおはしますなり

(36)

かしこねはかれいなるなりこのかみは
にんげにきのしゆごうのかみ

(37)

このかみはとうねんみいの八きいにて
ぞんめいにてぞおはしますなり

(38)

たいしよくてんのみことはふぐなるぞ
このものこころあじはいをみて

(39)

にんげんしにいきのときゑんをきる
これはこのよのはさみなるかみ

(40)

このかみはとをねんみいの三十と
二さいにてこそおはしますなり

(41)

おほとのべじきもつのかみこのかみは
くろぐちなとてひきだしのかみ

(42)

このかみはとをねんみいの十と六さい
ぞんめいにてぞをわしますなり

(43)

にんげんのたましいなるのはどろうみに
いたどじよふこのこころみて

(44)

みなのものしよちをさしてもらいうけ
くてそのこころあぢわいをみて

(45)

このやつつにんげんたましいどをぐなり
これにみなみなかみなをつけて

(46)

にんげんのこかずはくをくくまんにて
くせんくひやく九十九人や

(47)

このねんをたちさるならばいんねんの
もとのやしきゑつれかゑりてぞ

(48)

よふきなるゆさなそびをさせますと
つきひさまよりやくそくをなし

(49)

いまここでもとのかみがみにんげんで
みなぞんめいであらわれている

(50)

これまではこのをやさまのでるまでは
わがからだをばわがものなると

(51)

おもていたこころちがいやこのたびは
をやさまよりのをしゑをきいて

(52)

はつめいしてしんじつこころまことをと
おもふこころはかないのこらず

(53)

かりものはめへうるをいとぬくみと
かわつなぎとしんのほね

(54)

のみくいやでいりなるもいきなるも
これみなかみのかりものなるぞ

(55)

このことをうたがふものはさらになし
これうたがえばごりやくうすし

(56)

かりものをまことしんじつをもふなら
なにかなわんといふことはなし

(57)

このやしきにんげんはじめもとのじば
ここはこのよのをやざとなるぞ

(58)

このよふのもとのやしきのいんねんで
もとのどをぐをうまれござるで

(59)

それをばなみすましたまひ四十
五ねにぜんにあまくだりあり

(60)

にちにちにおはなしありたそのことを
くわしくふでにしるすものなり

(61)

にんげんのいちのどをぐはかめなると
しやちほことをこれみのうちゑ

(62)

これよりも九おく九まんと九せんにん
九ひやく九十九人こかずを

(63)

これぢばでみつかみよさにやどしこみ
さんねんみつきとどまりありて

(64)

これよりなやまとのくにのならはせの
ひちりのあいだなぬかかかりて

(65)

うみをろしのこるやまとはよつかにて
うみをろしありこれでかみがた

(66)

やましろふいがかわちへとさんがこく
十九にちにてうみをろしあり

(67)

そのあとは四十五日であとなるの
のこるくにぐにうみをろしあり

(68)

これゆへに七十五日おびやうち
うみをろしたるぢばはまやこふ

(69)

にんげんはごぶからうまれごぶごぶと
せいじんをしてさんずんにては

(70)

はてましていざなぎさまはこれにてぞ
をすぎましますこのあとなるは

(71)

いざなみのみことさまなりそのはらに
いちどをしゑたこのしゆごうにて

(72)

またをやにもとのにんじゆうやどりこみ
十つきたちたことなるならば

(73)

このにんもごぶからうまれごぶ<と
せいじんをしてさんずんごぶで

(74)

はてましてまたもやおなじたいないに
もとのにんずうさんどやどりた

(75)

このものもごぶからうまれだんだんと
四寸になりてまたはてました

(76)

そのときにいざなみさまもよろこんで
につこりわらふてもうこれからは

(77)

五しやくのひとにわなるとをぼしめし
おかくれましたそのねんげんは

(78)

このねんは九十九年のあいだなり
三どながらも九十九ねんや

(79)

二どめのうみをろしたるばしよふは
はかしよなりさんどめなるは

(80)

さんばらやそこで1みや2はかなり
さんどさんばらこれまいりしよ

(81)

これよりはとりけだものやちくるいに
八せんやたびうまれかわりて

(82)

それゆへにひとなるものはなになりと
まねをでけますことであるなり

(83)

このあいだたちたるならばそのあとは
つきひさまよりまたごしゆごうで

(84)

さるなるをいちにんのこりこれなるは
くにさつちさまこのはらにてぞ

(85)

にんげんをとこ五にのなごふを
五にんつごふ十人づつを

(86)

やどまりてこれもごぶからうまれでて
八寸のときみづつちわかり

(87)

一しやく八寸のときうみやまも
てんちぢつげつわかりかけたり

(88)

一しやく八寸まではひとはらに
十人づつうまれでるなり

(89)

これよりは三じやくまでは一とはらに
おとこひとりとおなごひとりと

(90)

ふたりづつうまれでたなりこのにんを
三じやくにてものをゆいかけ

(91)

それゆえにいまにんげんも三さいで
ものをいひかけちゑもでけます

(92)

これよりいまにおいてもひとはらに
一にんづつとさだまりなりし

(93)

このにんを五しやくなるにうみやまも
てんちせかいもみなでけました

(94)

みづなかをはなれまてしてちのうへに
あがりましたるそのときまでに

(95)

せいじんにおをじてじきもつりうけいも
ふじゆなきよふあたゑあるなり

(96)

だんだんとじきもつにてはくいまわり
からてんじくへあがりゆくなり

(97)

にんげんをさずけたかみのしよこには
おびやいちじよあらわれてある

(98)

このはなしやどりこむのもつきひさま
うまれでるのもつきひごくろふ

(99)

うむときのしゆごふくださるかみさまわ
たいしよくてんこれなるかみは

(100)

たいないのゑんきるかみでほうけきよ
おおとのべのかみさまなるは

(101)

うむときのひきだしのかみしんごんで
うみだしたあとしまひつなぎは

(102)

くにさつちのがみさまでぜんしゆで
このさんじんはあつけんみようをう

(103)

このみかみおびやいつさいごくろふで
おびやゆるしははらをびいらず

(104)

もたれもの七十五日このあいだ
どくいみいらずこのさんしきを

(105)

ゆるしありつねのからだでけがれなし
おびやゆるしはこのやしきにて

(106)

ゆるしだすこれはこのよのににげんを
はじめかけたるおやのやしきで

(107)

このやしきさんぜんせかいこのように
ほかにあるまいうまれこきよう

(108)

にんげんをやどしこみたるやしきなる
しよこあらわすたすけみちあけ

(109)

にんげんにやまいといふてなけれども
こころちがいのみちがあるゆゑ

(110)

このみちはぼんぶこころに八ッあり
ほしいおしいとかわいにくいと

(111)

うらめしとはらだちよくとこうまんと
これが八ッのこころちがいや

(112)

このちがいみのうちなるのあしきいの
たとゑはなしのむねのほこりや

(113)

このほこりつもりかさなるそれゆへに
やまいなやみもうれいさいなんも

(114)

なにもかもみのうちしゆごうかみさまの
こころなをしのいけんりつぶく

(115)

一れつにてんりさまをねんじるは
八ッのほこり十五さいより

(116)

いままでにほこりつけたとおもふこと
こころしんじつざんげをいたし

(117)

ほこりさへすきやかはろたことなれば
やまいのねえはきれてしもうで

(118)

ほかなるによろずたすけもうなじこと
かないのこらずこころすまして

(119)

ねがふならかないむつまじにんげんを
たがいにたすけるこころあるなら

(120)

このこころかみさまよりはみわけして
よろずたすけやごりやくふかく

(121)

このよふもにんげんなるもでけたのは
つきひさまよりごしゆごうなり

(122)

このもとをしりたるものはさらになし
てんはつきさまぢはひいさまや

(123)

このせかいてんちぢつげつおなじこと
ぢいとてんとはじつのおやなり

(124)

ちちはははといふのはてんちふうふや
なむといふのもおなじことなり

(125)

あとなるはどをぐしゆうなりにんげんの
ごたいのこらずかみのかりもの

(126)

かみさまのかりものなるはいちにがん
これはつきさまかりものなるで

(127)

このうちのぬくみいつさいひいさまの
かりものなるぞみれなむといふ

(128)

かわつなぎくにさつちなるかみさまの
かりものなるぞしんのほねは

(129)

つきよみのみことさまのかりものや
これであみなりのみくいでいり

(130)

くもよみのみことさまのかりものや
これで五りん五たいといふなり

(131)

いきふくはかしこねさまのかりものや
いきでものいふかぜでふきわけ

(132)

これこそはなむあみたふと6たいや
きるかみさまわたいしよくてん

(133)

あとなるはおほとのべのかみさまは
りうけひきだしひやくしようのかみ

(134)

このかみもよりあつまりでござるゆゑ
ほういはつぼうゆるしまします

(135)

このうちにひがし三じんおんながみ
にし三じんはおとこかみなり

(136)

たつみいはくにさつちさまぶつぼふの
ふげんぼさつにだるまべんてん

(137)

いぬいはつきよみのかみぶつぼうの
はちまんぼさつしよとくたいし

(138)

ひがしいはくもよみのかみぶつぼうの
もんじゆぼさつにりうをふしんのふ

(139)

やくしさまくすりのしゆごふいしやともに
しよもつももんじもらゑもごしゆごう

(140)

ひつじさるかしこねのかみぶつぼうの
だいにちさまにほうねんさま

(141)

うしとらはたいしよくてんぶつぼうの
こくぞぼさつみよけんさま

(142)

きしぼじんはしづめさまとしゆうらいと
あがたさまとはおなじことなり

(143)

にしとりはおおとのべさまぶつぼうの
ふどをみよおふこをぼをだいし

(144)

このやしきにんげんはじめもとのかみ
おはしますゆゑよろずたすけを

(145)

このよふをはじめてからにいままでは
このたすけをばできぬことから

(146)

これまではいしややくすりもにんげんの
しゆりこゑにてこしらゑありた

(147)

これからはいしやもくすりもまじないも
おがみきとうもいらんことやで

(148)

かみがみのおがみきとうやうらないや
これにんげんのおんのほをじば

(149)

かみさまのおはなしきいてしやんして
しんじつこころかのたことなら

(150)

なににてもかなわんことはなけれども
こころちがゑばくすりのむなり

(151)

にんげんはしにゆくなどといふけれど
しにゆくやないかりものかやす

(152)

かやすのはみのうちほこりつもるゆゑ
みのうちかみがしりぞきなさる

(153)

このことをきものにたとへはなしする
こころのよごれあらわぬものは

(154)

あらわねばきていることができぬから
なんぼおしてもぬぎすてるなり

(155)

きものでもなんぼよごれてあるとても
みずであらゑばきてきがよろし

(156)

にんげんもこころのよごれあろたなら
かみもよろこびしゆごうくださる

(157)

にんげんはしぬるといふはきものうを
ぬぎすてるのもおなじことなり

(158)

かみさまわおはなしばかりでにんげんの
こころのよごれをあらいなさるで

(159)

このはなしみずとかみとはおなじこと
よごれたるものあらいすまする

(160)

たすかるもこころしだいやいちれつに
はやすこころをすますことなり

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