明治元訳新約聖書 (大正4年)/馬可傳福音書

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[千七百三]
しんやくぜんしょマコでんふくいんしょ

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第一章[編集]

[1] これかみイエスキリストふくいんはじめなり
2 よげんしゃしるしてわれなんぢのかほのまへわがつかひつかはさんかれなんぢのまへそのみちまうくべし
3 よべひとこえありいはしゅみちそなそのみちすぢをなほくせよとあるごと
4 ヨハ子おいてバプテスマをほどこつみゆるしさせんがためくいあらためのバプテスマをのべつたへたり
5 ユダヤくにぢゅうおよびエルサレムひとゞゝかれにきたりておのゝゝそのつみいひあらハしヨルダンといふかはにてバプテスマをうく
6 ヨハ子らくだけごろもきこしかはおびをつかねいなごのみつくらへり
7 かれのべつたへけるはわれよりまされるものわがのちきたらんわれかゞみそのくつひもとくにもたら
8 われみづをもてなんぢらにバプテスマをほどこしゝがかれせいれいをもてバプテスマをほどこすべし
9 そのころイエスガリラヤナザレよりきたヨルダンにてバプテスマをうけ
10 やがみづよりあがれるときてんわかみたまはとごとそのうへくだるをたり
11 またてんよりこえありてふなんぢはあいしわがよろこところものなりと


12 かくみたまただちにイエスゆかしむ
13 かれしじふにちのをりサタンこゝろみられけものともにをれりてんつかひたちこれにつかへ


14 ヨハ子とらはれしのちイエスガリラヤいたかみくにふくいんつたへいひけるハ
15 ときみてかみくにちかづけりなんぢらくいあらためてふくいんしんぜよ


16 イエスガリラヤみづうみほとりあゆめときシモンそのきゃうだいアンデレみづうみあみうてるをかれらすなどりびとなり
17 イエスかれらいひけるはわれしたがわれなんぢらひとすなどものとせん
18 かれらたゞちにそのあみすてこれしたがへり
19 こゝよりすこすゝみゆきゼベダイヤコブとそのきゃうだいヨハ子ふねありあみつくろふを
20 たゞちかれらよびたまひしがばそのちちゼベダイやとひびとともふねのこしかれしたがへり


21 かれらカペナウ
[千七百四] いたイエスすなはあんそくにちくわいだういりをしへなししに
22 ひとゞゝそのをしへおどろあへそはがくしゃごとくならずけんゐもてものごとをしへたまへバなり
23 そのくわいだうけがれたるおにつかれたるひとありて
24 さけびいひけるはあゝナザレイエスわれらなんぢなんかゝはあらんやなんぢきたりてわれらほろぼすかわれなんぢハたれなるしるすなハちかみせいなるものなり
25 イエスこれせめいひけるはこえいだすことなかそこいで
26 けがれたるおにそのひとひきつけさせおほごえさけびてかれいでたり
27 ひとゞゝみなおどろあひとふいひけるはこれなにごとぞやこれいかなるあたらしきをしへぞやけんゐをもてめいじければしたがへり
28 こゝおいイエスきこえあまねガリラヤしはうひろがりぬ


29 かれらやがてくわいだういでヤコブおよヨハ子ともシモンアンデレいへいたりしに
30 シモンしうとめねつやみふしゐければあるひとたゞちにこれイエスつぐ
31 イエスゆきそのてをとりかれおこしければねつたちまちさりかくそのをんなかれらにつかへたり
32 ゆふかたいるときひとゞゝすべてのやまひわづらへるものおにつかれたるものイエスたづさきた
33 そのまちこぞりてもんあつまれり
34 イエスさまゞゝやまひわづらへるおほくひとゞゝいやまたおほくおにおいいだおにものいふことをゆるさゞりきそはおにかれをしりたるによりりてなり


35 よあけまへイエスはやおきひとなきところにゆきそこにていのりせり
36 シモンおよびかれともありものどもそのあとしたひゆき
37 かれあひいひけるハひとゞゝみななんぢたづ
38 イエスかれらいひけるはわれをしへのべつたふるためになんぢらとももよりむらゝゝゆかわれこれがためきたれバなり
39 イエスあまねガリラヤくにめぐりそのかいだうにてをしへのべかつおにおひいだせり


40 らいびょうのものひとりかれにきたりてひざまづねがいひけるハなんぢもしこゝろかなふときハわれきよなしうべし
41 イエスあはれみをのべかれつけわがこゝろかなへりきよくなれと
42 やいなたゞちらいびょうはなれそのひときよまれり
43-44 イエスきびしこれいましつゝし
[千七百五] てなにをもひとつぐなかただゆきておのさいしそのきよめられしためにモーセめいぜしところものささげかれらしょうこをなせといひさらしめたり
45 されどもかれいでゝまづこのことおほいにいひつたえへかたひろめければイエスこののちあらハにまちいりがたくたゞひとなきところゐたまひしがひとゞゝしはうよりかれきたれり


第二章[編集]

[1] すじつのちイエスまたカペナウンきたりしに
2 かれいへをることきこえけれバたゞちおほくひとゞゝつどひきたりもんたつべきばしょさへもなきほどなりきイエスかれらをしへのぶ
3 こゝちゅうぶやみたるものよにんかゝイエスきたれるものありしが
4 ぐんしゅうによりてちかづきがたかりけれバかれをるところのやねとりのぞちゅうぶひととこのまゝつりおろせり
5 イエスそのしんかうちゅうぶひといひけるはなんぢつみゆるされたり
6 すにんがくしゃこゝにをりしがこゝろのうちおもひけるハ
7 このひとなにゆゑかくあくこういふかみにあらずしてたれつみゆるすことを
8 イエスたゞちかれらこゝろのうちかくごとことろんずるをみづかそのこゝろしりかれらいひけるハなんぢらなんぞこゝろのうちかゝことろんずる
9 ちゅうぶひとなんぢつみゆるされたりといふおきなんぢとことりゆけいふいづやすき
10 それひとこちにてつみゆるすのけんゐあることをなんぢらしらせんとてつひちゅうぶひと
11 われなんぢにつぐおきてとことりなんぢのいへかへれといひけれバ
12 そのひとたゞちにおきとこをとりひとゞゝまへにいづひとゞゝみなおどろかみあがめていひけるハわれらいまだかくごときことをしことなし


13 イエスまたうみべゆきしにひとゞゝみなかれきたりければこれらをし
14 これよりすゝみアルパヨレビといふものみつぎとりやくしょけるをわれしたがへといひければかれたちてしたがへり


15 かくイエスそのいへにてしょくするときおほくのみつぎとりつみあるひとゞゝイエスおよびでしともせりこれらものおほくありてイエスしたがひぬ
16 がくしゃとパリサイのひとかれがみつぎとりおよび
[千七百六] つみあるひとともしょくするをそのでしいひけるハなにゆゑみつぎとりつみあるひとともくひのみする
17 イエスきゝかれらいひけるハすこやかなるものいしゃたすけもとめたゞやまひあるものこれをもとむわがきたりしハたゞしきひとまねくためにあらつみあるひとまねきくいあらためさせんがためなり


18 ヨハ子でしおよびパリサイのひとつねにだんじきすることありけれバかれらイエスきたりいひけるハヨハ子でしとパリサイのでしだんじきするになんぢでしなにゆゑだんじきせざる
19 イエスかれらいひけるハはなむこともだちそのはなむこともにをるうちだんじきすることをべきかれらはなむこともにをるうちだんじきすることを
20 のちかれらはなむことらるゝきたらんそのひにハだんじきすべきなり
21 あたらしききれふるきころもぬひつくるものあらじしかせバそのあらたおぎなへるものふるきほころバしてそのやぶれかへってあしくなるべし
22 またあたらしきさけふるかはぶくろにいるゝものあらじしかせばあたらしきさけそのふくろはりさきさけもれいでかはぶくろまたすたるべしあたらしきさけあたらしきかはぶくろいるべきものなり


23 さてイエスあんそくにちむぎはたけとほりしにそのでしあゆみつゝむぎつみはじめけれバ
24 パリサイのひとかれいひけるハかれらあんそくにちまじきことをするハなにゆゑ
25 イエスこたへけるハダビデおよともありものとぼしくしてうゑしときなしたることいまよまざる
26 すなはさいしをさアビアタルのときかみのいへいりたゞさいしほかくらふまじきそなへもののパンをくらひかつともありものにもあたへたり
27 またかれらいひけるはあんそくにちひとためまうけられたるものにしてひとあんそくにちためまうけられたるものあら
28 されひとあんそくにちにもしゅたるなり


第三章[編集]

[1] イエスまたくわいだういりしにかたてなへたるひとありけるが
2 ひとゞゝイエスうったへんとしてかれこのひとあんそくにちいやすやいなうかがへり
3 イエスてなへたるひといひけるハなかたて
4 またひとゞゝいひけるハ
[千七百七] あんそくにちにハよきなすあしきなすいけるをたすくころすといづれをかなすべきかれらもくねんたり
5 イエスいかりふくみみまわかれらこゝろかたくななるをうれてなへたるひとなんぢのべよといひけれバかれそののばしゝにすなはほかのごとくいえたり
6 パリサイのひといでゝいかにしてかイエスころさんとたゞちヘロデともがらあひはかりぬ


7 イエスそのでしともうみべしりぞきしにおほくひとゞゝガリラヤよりかれしたがへりまたユダヤ
8 エルサレムイドマヤヨルダンむかふまたツロシドンほとりよりおほくひとゞゝイエスなしこときゝかれむらがきた
10 これイエスあまたひとゞゝいやしゝによりすべやまひあるひとゞゝてにてかれさわらんとておしせまりしがゆゑなり
11 またけがれたるおにかれをそのまへひれふしさけびてなんぢかみなりといひしを
12 イエスかれらわれあらはすことなかれときびしいましめたり


13 イエスやまのぼりそのこゝろかなところものよびしかばきたりてかれつけ
14 こゝおいじふににんたておのれともおきまたをしへのべつたふためつかは
15 かつやまひいやおにおひいだすのけんゐさづ
16 すなはシモンペテロなづ
17 ゼベタイヤコブそのきゃうだいヨハ子このふたりボア子ルゲなづこれとけかみなりなり
18 またアンデレピリポバルトロマイマタイトマスアルパヨヤコブタッダイカナンシモン
19 またイスイカリオテノユダこれイエスわたしゝものなり
20 これらものいへいりしにおほくひとゞゝまたきたあつまりけれバしょくするいとまもなかりき
21 そのしんぞくきゝてかれきゃうきせりといひこれとらへんとてきた
22 またエルサレムよりくだれるがくしゃたちかれベルゼブルつかれたりかつおにかしらよりおにおいいだすなりといへ
23 イエスかれらたとへいひけるはサタンいかサタンおいいだんや
24 もしくにおのれにもとりわかれあらそハゞそのくにたつべからず
25
[千七百八] またいへおのれにもとりわかれあらそハゞそのいへたつべからず
26 もしサタンおのれもとたちわかれあらそハゞかれたつからずかへっをはるなるべし
27 たれにてもつよきものいへいりそのかぐうばはんとせバまづつよきものしばらざれバうばふことあたハじしばりてのちそのいへうばふべし
28 われまことなんぢらつげひとすべてつみけがところけがしゆるさるべけれど
29 せいれいけがものかぎりなくゆるさるからずかぎりなきけいばつあづからん
30 かくいへるはひとゞゝイエスあくきつかれたりといひしがゆゑなり


31 そのきゃうだいはゝきたりてそとにたちひとつかはしてイエスよばしむ
32 おほくひとゞゝイエスめぐりしたりしがかれいひけるハなんぢはゝきゃうだいそとありなんぢたづ
33 イエスこたへいひけるハわがはゝわがきゃうだいたれぞや
34 かくまはりするひとゞゝみまはしていひけるハわがはゝわがきゃうだい
35 それかみむねしたがものこれわがきゃうだいわがしまいわがはゝなり


第四章[編集]

[1] イエスまたうみべにてをしへはじめしにおほくひとゞゝかれにあつまりけれバかれふねのりすべてひとゞゝうみそふきしたて
2 かれたとへをもておほくことかれらをしをしへいひけるハ
3 きけたねまくものまかんとていづ
4 まけるときあるたねみちほとりおちしがそらとりきたりてこれくらへり
5 あるたねつちうすきいしぢおちしがつちふかからねバたゞちはえいでたれど
6 ひいでしかバやかなきがゆゑかれたり
7 あるたねいばらなかおちしがいばらそだちてこれふさぎけれバむすバざりき
8 またあるたねよきちおちしがそのなへはえいでゝはびこむすべることあるひさんじふばいあるひろくじふばいあるひはひゃくばいせり
9 またかれらいひけるハみゝありてきこゆるものきくべし


10 ひとゞゝをらざりしときイエスかたはらありものじふにでしこのたとへとひしかバ
11 イエスかれらいひけるハかみくにおくぎなんぢらにハしることをたまへどほかものにハすべたとへもってす
12 これかれらみるときてもきくとききゝてもさとらずこゝろあらためてそのつみざらんためなり
13 またかれら
[千七百九] にいひけるハなんぢらこのたとへしらざるかさらいかにしてすべてたとへしることをんや
14 それまくものをしへまくなり
15 ことばまかれてみちほとりおちしものハひとことばきゝしときたゞちサタンきたりそのこゝろまかれたることばうばひとるなり
16 またいしじまかれたるものハひとことばきくときたゞちよろこびてこれうく
17 されどもおのれなきがゆゑたゞしばしのみのちみちためくわんなんあるひハくるしみあふときハたちまつまづものなり
18 またいばらなかまかれたるものハひとことバをきけども
19 このよこゝろづかひたからまどひまたさまゞゝじゃうよくいりきたりてことばふさぐによりつひむすばざるものなり
20 よきちまかれたるものハひとことばきゝこれをうけあるひさんじふばいあるひハろくじふばいあるひハひゃくばいむすものなり


21 またかれらいひけるハともしびもちきたりますしたあるひハとこしたおくものあらんやこれしょくだいうへおくならず
22 かくれあきらかにならざるハなくつゝみあらはれざるものハなし
23 みゝありてきこゆるものきくべし
24 またかれらいひけるハきくところをつゝしめよなんぢらはかところはかりをもてなんぢらはからるべしきゝたるなんぢらにハなほくはへられん
25 それもてものハなほあたへられもたぬものもてものをもとらるゝなり


26 またいひけるハかみくにひとたねまくごと
27 にちやおきふしするうちたねはえいでゝそだてどもそのしかゆゑしら
28 それみづからむすぶものにしてはじめにハなへつぎにいでなかじゅくしたるこくむす
29 すでみのれかるときいたるによりたゞちかまいれさするなり


30 またいひけるハかみくにいかなぞらなにたとへこれたとへ
31 ひとつぶからしだねのごとしこれまくときハよろづたねよりちひさけれど
32 すでまきはえいづればよろづやさいよりハおほきくかつおほいなるえだいだしてそらとりそのかげすむほどになるなり


33 イエスかれらきゝうるところにしたがおほくかゝるたとへをもてをしへかれらかたれり
34 たとへあらざれバかれらかたらずイエスそのでしともをれるときかれらことゞゝこれとききかせり


35 さて
[千七百十] そのくれがたイエスかれらむかふきしわたれといひけれバ
36 でしたちひとゞゝかへらせイエスふねをりしをそのまゝこれともわたれりまたほかこぶねもともにゆけ
37 ときおほかぜおこりなみうちこみてほとんふねみつ
38 イエスとものかたにまくらしていねたりしがでしかれのさましていひけるハわれらおぼるゝをもかへりたまハざる
39 イエスおきかぜいましまたうみしづまりておだやかになれいひけれバかぜやみておほいなぎたり
40 かくかれらいひけるハなにゆゑかくおそるゝやなんぢらなんぞしんなき
41 かれらはなはだしくおそたがひいひけるハかぜうみさへもしたがこれたれなるぞ


第五章[編集]

[1] かれらうみわたりガダラびとつき
2 ふねよりイエスあがれるときあくきつかれたるひとたゞちにはかばよりいでかれあふ
3-4 このひとはかばすみかとせりしばゝゝあしがせくさりをもてつなげどもくさりをうちきりあしがせうちくだくによりこれつなぎうるものなくまたたれこれせいうるものなかりき
5 ひるつねやまはかばおいさけびまたいしをもておのきずつけぬ
6 かれはるかにイエスはしりよりこれはい
7 おほごゑよばゝりけるハいとたかきかみイエスわれなんぢとなにかゝはあらんやわれかみよりねがわれくるしむることなか
8 これイエスあくきひとよりいでよといひしによりてなり
9 イエスかれなんぢなにとひしにこたへけるハわれらおほきがゆゑわがなレギヨンいふ
10 しきりこのとちよりわれらおひいだなかれとイエスねがひたり
11 ここおほくぶたむれやまくさくひゐたりしが
12 すべてあくきかれにねがひわれらおくりぶたいらせよといひけれバ
13 イエスたゞちかれらゆるせりけがれたるおにそのひとよりいでぶたいりしかバおほよにせんびきほどのむれはげしくかけくだりがけよりうみおちうみおぼれ
14 かふものどもにげゆきてこのことまちまたむらゝゝつげけれバひとゞゝそのありしことんとていで
15 イエスきたりてあくきつかれたるものすなハちレギヨンもち
[千七百十一] りしひときものをつけたしかなるこゝろにてけるをおそれあへり
16 このことものどもあくきつかれたりしものことかれらつげけれバ
17 やがイエスそのさかひいでんことをねがひ
18 イエスふねのらんとせしときあくきつかれたりしものともにをらんことをねがひけれども
19 イエスゆるさずしてかれいひけるハなんぢいへかへしんぞくゆきしゅなんぢなしおほいなることなんぢあはれみしことつげ
20 かれゆきてイエスおのれなしたまへるおほいなることデカポリスいひふらしけれバひとゞゝみなおどろきあへり


21 イエスふねのりまたうみかなたわたりしにおほぜいひとゞゝかれあつまイエスうみちかくをれり
22 くわいだうつかさヤイロといふひときたりイエスそのあしもとふし
23 ひたすらねがひいひけるハわがいとけなきむすめしぬばかりになりぬこれすくはためきたりてかれおきたまへさらむすめいくべし
24 イエスかれともゆくときおほぜいひとゞゝかれしたがひておしあへり
25 こゝじふにねんちろうわづらひたるをんなあり
26 このをんなおほくのいしゃためはなはくるしめられそのしんだいをもことごとつひやしけれどもなにかひもなくかへっあしかりしが
27 イエスこときゝぐんじふなかよりかれうしろきたりそのころもさはれり
28 これそのころもにだにさはらバたすかるべしといへバなり
29 かくいづることたゞちにとまりすでやまひいえしとそのみおぼえたり
30 イエスみづかちからおのれよりいでたるをしりおほぜいのひとゞゝかへりみていひけるハわがころもさはりしものたれなる
31 でしかれにいひけるハぐんじふひとゞゝなんぢおしあふをわれさはりしものたれぞといひたまふ
32 イエスこのことなせをんなんとみまはしけれバ
33 をんなおそれおのゝきおのがにせられしことをしりきたりかれまへひれふしことゞゝくありのまゝつぐ
34 イエスかれいひけるハむすめなんぢしんなんぢをすくへあんぜんにしてゆけなんぢのやまひいゆべし


35 イエスこのこといひをるうちにくわいだうつかさいへよりひとゞゝきたりていひけるハなんぢむすめすでにしにたりなんわづらハす
36 イエスたゞち
[千七百十二] にそのつぐところことをきゝくわいだうつかさいひけるハおそるゝなかれたゞしんぜよ
37 イエスペテロヤコブおよびそのきゃうだいヨハ子ほかたれにもともゆくことをゆるさゞりき
38 すでくわいだうつかさいへきたりてひとゞゝさわぎいたくなきさけぶ
39 いりかれらいひけるハなんさわぎかつなくむすめしねるにあらずたゞいねたるのみ
40 かれらイエスあざわらイエスすべてひとゞゝいだむすめちゝはゝとそのしたがへるものどもひきつれむすめふしたるところいり
41 むすめとりこれいひけるハタリタクミこれとけむすめわれなんぢにめいおきよといふなり
42 たゞちむすめおきてあゆめりかれとしじふにさいなりかれらはなハだおどろきぬ
43 イエスこのことひとしらするなかれときびしいましまたむすめしょくもつあたへよとめいじたり

第六章[編集]

[1] イエスこゝさりふるさといたりしにそのでしかれしたがひぬ
2 あんそくにちおよびけれバくわいだうにてをしへをはじむひとゞゝこれをきゝあやしいひけるハいかにしてこのひとかくのごときことあるかたれよりこのちゑさづけられてかくふしぎなるわざをもそのてよりなす
3 かれたくみあらずやマリアヤコブヨセユダシモンきゃうだいにしてそのしまいこゝわれらともあるあらずやつひひとゞゝかれつまづけり
4 イエスかれらいひけるハよげんしゃそのふるさとそのしんせきそのいへほかおいてたふとバれざることなし
5 イエスかしこにてわづらふものつけたりかれたゞすにんいやしゝほかふしぎなるわざなすことあたはざりき
6 またかれらしんぜざるをあやしつひむらゝゝへめぐりをしへをなせり


7 イエスじふにでしよびかれらふたりづゝつかはさんとしてこれあくきおひいだけんゐさづ
8 またかれらにめいじけるハひとつつゑほかたびよういなにをももつなかれたびぶくろくひものまたかねをももた
9 たゞくつをはきふたつころもをきるなか
10 またかれらいひけるハいづこにてもひといへいらバそのところさるまでハそこをれ
11 すべなんぢらうけずなんぢらにきかざるものにハそこさるとき
[千七百十三] あかしのためあしのしたちりはらわれまことになんぢらつげさばきいたらバソドムゴモラこのまちよりもかへっやすかるべし
12 でしたちいでひとゞゝくひあらたべきことをのべつた
13 またおほくあくきおひいだまたおほくやめものあぶらつけいやしぬ


14 イエスなひろがりけれバヘロデわうこれをきゝいひけるハバプテスマをほどこしゝヨハ子よりよみがへれるゆゑふしぎなるわざをなすなり
15 あるひとこれエリアなりといひあるひいにしへよげんしゃごとよげんしゃなりといふ
16 ヘロデこれきゝいひけるハこれわがくびきりところヨハ子なりかれよりよみがへりたるなり
17 さきヘロデそのきゃうだいピリポつまヘロデヤことよりひとつかはヨハ子とらへひとやつなげりそはヘロデをんなめとりしを
18 ヨハ子いさめなんぢきゃうだいつまいるゝよろしからずといへるによりてなり
19 ヘロデヤかれうらみころささんとおもひしかどあたはざりき
20 ヘロデヨハ子たゞしくかつぜんなるひとしりかれうやまかれまもりかれにきゝおほくことおこなかつよろこびてかれきくことをせり
21 かくヘロデそのたんじゃうもろゝゝのだいじんせんにんかしらおよびガリラヤたふとひとゞゝふるまひをなせるをりよきいたりけれバ
22 ヘロデヤむすめきたりてまひをなしヘロデそのせきつらなれるひとゞゝたのしましむわうそのむすめいひけるハなににてもわれねがなんぢのぞむところのものわれなんぢにあたふべし
23 またかれおほよなんぢもとむるものハりゃうぶんなかばいたるともなんぢあたへんとちか
24 むすめいでゝそのはゝなにねがふべきいひけれバはゝすなはちバプテスマのヨハ子くびいへ
25 むすめたゞちにいそわうにきたりねがふてバプテスマのヨハ子くびぼんのせすみやかわれたまへといふ
26 わうはなはうれへけれどもすでちかひたるとどうせきものゆゑとをもてこれこばむことをこのま
27 わうたゞちにヨハ子くびもちきたれとめいじてへいそつつかはしけれバかれゆきてひとやおいこれきり
28 そのくびぼんにのせもちきたりてむすめあたむすめこれそのはゝあたへたり
29 ヨハ子でしたちこの
[千七百十四] こときゝきたそのしかばねとりはかはうむりぬ


30 しとたちイエスあつまりておこなへることをしへこととをことゞゝかれつぐ
31 イエスかれらいひけるハなんぢらひとゞゝさけわれともしばらさびしきところにゆきやすむべしこれゆききのものおほくしてしょくするひまなかりしがゆゑなり
32 かれらひとさけふねにてさびしきところにゆけ
33 そのゆくひとゞゝおほくイエスをしりむらゝゝよりかちにてはしかれらゆかんとするところさきだゆきイエスあつまれり


34 イエスいでおほくひとみるかれらかふものなきひつじごとものなるによりこれあはれさまゞゝことをしへはじめぬ
35 ときすでにくれがたになりけれバそのでしかれにきたりいひけるハこゝさびしきところにしてときはやおそ
36 ひとゞゝくらふべきものなきがゆゑそのみづかあたりむらざとゆきてパンをもとめんがためかれらさらしめたま
37 イエスこたへけるハなんぢらこれにしょくあたへでしかれにいひけるハわれらゆきてぎんにひゃくのパンをかひかれらにあたへくらはしむべき
38 イエスかれらいひけるハパンハいくつあるゆきかれらみてそのかずをしりいつゝのパンとふたつうをありとこた
39 イエスすべてひとくみゞゝにしてあをくさうへすわらしめよとめいじけれバ
40 あるひひゃくにんあるひごじふにんづゝならびざせり
41 イエスそのいつゝのパンとふたつうををとりてんあふしゃしてパンをわりでしあたへひとゞゝまへおかしむまたふたつうをひとゞゝわけあたへ
42 ひとゞゝみなくらひあき
43 そのパンとうをくづひろひしにじふにかごみちたり
44 パンをくらひたるをとこおよそごせんにんなりき


45 たゞちイエスそのでししひふねのせむかふのきしなるベテサイダまづわたらしめおのれひとゞゝかへらしむ
46 ひとゞゝかへしゝのちいのりためやまゆけ
47 ひくれふねうみなかありイエスひとおかをれ
48 かぜさからふによりでしたちふねこぐつかれたるをあかつきよじごろイエスうみうへあゆみきたりかれらすぎんとせしに
49 でしそのうみあゆめるをへんげものならんとおもさけびたり
50 そはでしみなこれ
[千七百十五] おそれしがゆゑなりイエスたゞちかれらかたりていひけるハこゝろやすかれわれなりおそるゝことなか

51 つひふねのぼりしかバかぜやみぬかれらこゝろうちおどろあやしめることはなはだし 52 これそのこゝろにぶきよりてパンのふしぎをもさとらざりしなり


53 すでわたりゲ子サレといふいたりふながゝりせり
54 かれらふねよりいでしにやがひとゞゝイエスしり
55 あまねそのあたりはせゆきやめものとこまゝにてになイエスいまところゞゝきゝいだしてこれつけ
56 おほよイエスいたるところあるひまちあるひハむらそのいちばやめものおきかれそのころもすそにだにさはらせたまへとねがへすなはさはるほどのものハみないえたり


第七章[編集]

[1] パリサイのひとあるがくしゃたちエルサレムよりきたりてイエスまへあつま
2 かれでしうちきよからざるてすなはあらはざるにてパンをしょくするものありしをこれとがめたり
3 そはパリサイのひとユダヤひとゞゝハみないにしへひとつたへまもりてそのてきよくあらハざれバしょくせず
4 いちよりかへりきたりてあらはざれバまたしょくせずこのほかさかづきわんなべおよびとこあらふなどさまゞゝつたへうけまもれり
5 こゝおいてパリサイのひとがくしゃたちイエスとひけるハなんぢなにゆゑいにしへひとつたへしたがハずしてあらはざるてパンをしょくする
6 イエスこたへかれらいひけるハイザヤぎぜんしゃなるなんぢらさしてよくよげんせりそのしるしゝことばこのたみくちびるにてわれうやまへどもそのこゝろわれとほざかり
7 ひといましめをしへなしいたづらにわれはいすといへ
8 それなんぢらハかみいましめすてひとつたへまもれりすなはなべさかづきあらひおほくかくごとことおこな
9 またかれらいひけるハなんぢらじつおのれつたへまもらんとてよくかみいましめすつものなり
10 モーセいひけるハなんぢちゝはゝうやままたちゝあるひハはゝのゝしものころさるべしと
11 されなんぢらいふもしひとちゝあるひハはゝむかひなんぢやしなふべきものハコルバンすなはそなへものなりといはつかへずともよし
12 しかしてひとそのちゝ
[千七百十六] あるひハはゝためなにをもすることなんぢらゆるさ
13 かくなんぢらハそのをしふところつたへをもてかみことばむなしうすまたおほくこのたぐひことおこな


14 イエスまたひとゞゝよびかれらいひけるハなんぢらみなわがことばきゝさと
15 そとよりひといるものハひとけがすことあたハずされひとよりいづるものハひとけがなり
16 きこゆるみゝあるものきくべし


17 イエスひとゞゝはなれていへいりしにそのでしたとへのこゝろとひければ
18 かれらいひけるハなんぢらもなほさとらざるかおほよそとよりひといるものゝひとけがあたハざることしらざる
19 そはそのこゝろいらはらいりかはやおつすなハちくらところのものきよまれり
20 またいひけるハひとよりいづるものハこれひとけが
21 ひとこゝろよりいづるものハあくねん、かんいん、こうがふ、きょうさつ
22 たうせつ、だんらん、あくとく、きけつ、かうしょく、しっと、はうとく、けうがう、きゃうぼうなり
23 これらあしきことハみなうちよりいでひとけがすものなり


24 イエスこゝさりツロシドンさかひにゆきいへいりひとしられざらんことねがひしがかくざりき
25 そハあくきつかれたるおさなむすめもてをんなイエスこときゝきたそのあしもとふしたるによりてなり
26 このをんなサイロピニケうまれしギリシャものなりしがあくきそのむすめよりおひいだたまハんことイエスねがへ
27 イエスかれいひけるハまづこどもあかしむべしこどものパンをとりいぬなぐるハよからず
28 をんなこたへていひけるハしゅしかりされどもいぬだいしたありこどもたべくづくらなり
29 イエスをんないひけるハこのことばよりかへあくきなんぢむすめよりいでたり
30 をんなそのいへかへりしにあくきすでいでとこむすめふしたるを


31 イエスツロシドンさりデカポリスすぎガリラヤうみいたれり
32 ひとゞゝつんぼどもるものイエスつれきたりてつけたまハんことねがひけれバ
33 イエスひとゞゝはなこれほかつれゆきゆびそのみゝにさしいれまたつばきしてそのしたさは
34 かつてんあふぎたんそのひとむかひてエッパタといふこれをとけひらけよとのなり
35 たゞちそのみゝひらけした
[千七百十七] のすぢゆるみてたゞしものいへり
36 イエスこれひとつぐなかれかれらいましむれバいましむるほどますゝゝいひふらしぬ
37 ひとゞゝはなハだしくおどろきていひけるハこのひとなしところことゞゝくよしあるひハつんぼきこえさせあるひおふしものいハしめたり


第八章[編集]

[1] そのころあつまれるひとゞゝはなはおほかりしがなにしょくもつあらざりけれバイエスそのでしよびいひけるハ
2 われこのおほくひとゞゝあはれすでみっかわれとともをりしゆゑいまなにもくらふものなし
3 もしうえしまゝそのいへかへさバみちにてなやまそのうちとほくよりきたれるものあれバなり
4 そのでしかれにこたへけるハこののにていづこよりパンをこのひとゞゝあかしめん
5 イエスかれらとひけるハパンいくつあるやなゝつこた
6 イエスひとゞゝめいじてせしめなゝつのパンをとりしゃこれをわりひとゞゝまへおかしめんがためそのでしあたへけれバすなはひとゞゝまへおけ
7 またちひさうをわづかばかりもてりこれをもしゅくしてひとゞゝまへおけいふ
8 ひとゞゝこれをくらひあきそのくづなゝつかごひろへ
9 これくらへものおほそしせんにんなりすなはイエスこれかへしぬ


10 イエスたゞちそのでしともふねのりダルマヌタかたゆきしに
11 パリサイのひといでゝかれこゝろみんがためてんよりのしるしもとめてなじりはじむ
12 イエスこゝろうちふかたんそくしていひけるハこのよひとなんぞしるしもとむるやまことわれなんぢらにつげしるしこのよひとかならあたへられじ
13 イエスかれらはなれてまたふねのりむかふのかたわたれり


14 さてでしパンをたづさふることをわすれたゞひとつのパンのみふねあり
15 イエスかれらいましめていひけるハこゝろしてパリサイのひとぱんだねヘロデぱんだねつゝしめよ
16 でしたがひにろんじていひけるハこれパンをたづさへざりしゆゑならん
17 イエスこれしりかれらいひけるハなんたがひにパンをたづさへざりしことろんずるやいまさとらざるかなんぢらこゝろなほにぶき
18
[千七百十八] りてみえざるかみゝありてきこえざるまたおぼえざる
19 われごせんにんいつゝのパンをわりあたへしときそのくづいくかごひろひしやこたへけるハじふになり
20 またしせんにんななつのパンをわりあたへしときそのくづいくかごひろひしやこたへけるハなゝつなり
21 イエスかれらいひけるハなんさとらざる


22 イエスベテサイダいたりけれバひとゞゝめしひつれきたりてこれつけたまハんことねがへ
23 イエスめしひとりむらそとつれいでそのつばきしてかれつけとひけるハなにみゆるや
24 めしひめあげいひけるハわれこのひとゞゝあるくみるごと
25 つひイエスまたりゃうてかれつけそのあげさせけれバすなはいえすべてのものあきらかにみえたり
26 イエスかれそのいへかへらせいひけるハこのむらいるなかれまたこのむらびとにもつぐなか


27 イエスそのでしともカイザリヤピリピむらゝゝへゆくみちにてそのでしとふいひけるハひとゞゝわれいひたれとする
28 こたへけるハあるひとハバプテスマのヨハ子あるひとエリヤあるひとよげんしゃひとりなりといへ
29 イエスかれらいひけるハなんぢらわれいふたれとするペテロこたへけるハなんぢキリストなり
30 イエスかれらいましめてわがことたれにもつぐなかれとめいじたり


31 またひとかならおほくくるしみをうけとしよりさいしをさがくしゃどもにすてられかつころされてみっかのちよみがへることをかれらしめはじめたまへり
32 あきらかこれしめたまひしかバペテロイエスひきいさめんとせしに
33 イエスふりかへりそのでしペテロいましいひけるハサタンわがうしろしりぞなんぢかみことおもはかへっひとことおも


34 ひとゞゝそのでしともよびかれらいひけるハわれしたがハんとおもものおのれすてそのじふじかおひわれしたが
35 そハいのちまったうせんとするものこれうしなわがためまたふくいんためいのちうしなものこれべけれバなり
36 もしひとせかいぢゅううるともそのいのちうしなハゞなにえきあらん
37 またひとなにをもてそのいのち
[千七百十九] かへんや
38 かんあくなるこのよおいわれわがことばはづものをバひとまたきよきつかひともちゝえいくわうをもてきたときこれはづべし


第九章[編集]

[1] イエスまたかれらいひけるハわれまことになんぢらつげこゝたつものゝうちかみくにけんゐをもてきたるをみるまでハしなざるものあり


2 さてむいかのちイエスペテロヤコブヨハネともなひとさけたかきやまのぼたまひしがかれらまへにてそのすがたかハり
3 そのころもかゞやきしろきことはなはだしくしてゆきのごとくよのなかぬのさらしかくしろくハなしあたハざるべし
4 エリヤモーセともかれらあらはれてイエスかたりをれり
5 ペテロこたへイエスいひけるハラビわれらこゝにをるよしわれらにみついほりつくらたまひとつしゅのためひとつモーセのためひとつエリヤためにせん
6 そのいふところをしらざりしなりかれらいたくおそれしによる
7 かくくもかれらおほこえくもよりいでいひけるハあいしなりこれきくべし
8 やがでしみまはしけれバイエスおのれほかひとりをもざりき


9 やまくだときイエスかれらめいじてひとよりよみがへまでなんぢらことひとつぐなかれといへ
10 でしたちこのことばまもりかつたがひろんいひけるハよりよみがへるといふなにこと
11 かれらイエスとふいひけるハエリヤさききたるべしとがくしゃいへるハなにぞや
12 イエスこたへいひけるハエリヤさききたりてばんじあらたむまたひとついてハそのさまゞゝくるしみうけかつかろしめらるゝことかきしるされたり
13 されわれなんぢらにつげエリヤすできたりしにかれついしるされたりしごとひとゞゝこゝろまゝこれあしらへり


14 イエスでしたちもとにきたりおほくひとゞゝかれらめぐりかこめるとがくしゃたちのかれらろんじをりしをたり
15 ひとゞゝたゞちにかれおどろはしりよりてれいをなせり
16 イエスがくしゃとひけるハでしなにごとろんずる
17 ひとゞゝのうちあるひとこたへ
[千七百二十] けるハわれものいハぬあくきつかれたるわがこなんぢつれきたれり
18 あくきつくときかれなげたふされあわをふきかみつかれはつるなりこれをおひいださんことをわれなんぢのでしこひしかどかれらあたはざりき
19 イエスかれらこたへいひけるハあゝしんなきなるかないつまでわれなんぢらとともあらんやいつまでわれなんぢらをしのばんやかれわれつれきた
20 かれらそのつれきたりしにあくきイエスたちまかれひきつけしむかれちたふこけまろびあわふき
21 イエスそのちゝとひけるハいつごろよりかくなりしやちゝいひけるハをさなきときよりなり
22 あくきしばゝゝこれなかあるひハみづなかなげいれころさんとせりなんぢもしなすことをわれらあはれみてたすけ
23 イエスかれいひけるハなんぢもししんずることしんずるものおいなしあたハざることなし
24 そのこちゝたゞちにこえをあげなみだながしていひけるハしゅわれしんしんなきをたすけたまへ
25 イエスひとゞゝはしりあつまるをあくきせめいひけるハおふしにしてつんぼなるあくきわれなんぢにめいいでふたゝこれいるなかれ
26 あくきさけびておほいかれひきつけしめていでしかバかれしにたるものごとくなりぬひとびとこれをすでしねりといふ
27 イエスそのとりおこしけれバかれたてり


28 イエスいへいりしにそのでしひそかにとひけるハわれらこれをおひいだすことあたはざりしハなにゆゑ
29 イエスかれらいひけるハこのたぐひいのりだんじきあらざれバおひいだすことあたはざるなり


30 かれらこゝをさりガリラヤすぐこのことイエスひとしるこのまざりき
31 そはそのでしをしへひとひとわたされかれらころされころされてのちみっかめよみがへるべしといひたまふがゆゑなり
32 そのときでしたちこのことばさとらずまたとふことをおそれたり


33 さてイエスカペナウンいたいへをりでしとひけるハなんぢらみちにてなにたがひろんぜし
34 でしもくねんたりこれみちにてたがひろんたれおほいならんとのあらそひありけれバなり
35 イエスしてそのじふによびかれらにいひ
[千七百二十一] けるハかしらたらんとおもものすべてひとしりへとなりまたすべてのひとつかはれびととならん
36 またをさなごとりかれらなかたてこれいだかれらいひけるハ
37 おほよわがなためかくのごときをさなごひとりうくものすなはわれうくるなりまたわれをうくものすなはわれうくるにあらわれつかはしゝものうくるなり
38 ヨハ子かれこたへいひけるハわれらしたがハざるものなんぢよりあくきおひいだせるをしがわれらしたがハざるゆゑこれをとゞめたり
39 イエスいひけるハそのひととゞむなかそはわがによりふしぎなるわざおこなひてかるゞゝしくわれそしりうものハあらじ
40 われらてきたハざるものわれらつくものなり
41 なんぢらキリストつくものとしてわがなためいっぱいみづにてもなんぢらのまするものわれまことになんぢらつげそのひとむくいうしなハざるなり
42 またおほよわれしんずるちひさきものひとりつまづかするものハそのくびひきうすかけられてうみなげいれられんかたそのひとためになほよかるべし
43 なんぢかたてなんぢをつまづかさバこれきりされりゃうてありてぢごくすなハちきえざるゆかんよりハかたはにていのちいるなんぢためよきことなり
44 かしこいるものゝうじつきずきえず
45 もしなんぢのかたあしなんぢをつまづかさバこれきりされりゃうあしありてぢごくすなハちきえざるなげいれられんよりハあしなへにていのちいるなんぢためよきなり
46 かしこいるものゝうじつきずきえず
47 もしなんぢかためなんぢをつまづかさバこれぬきいだせありてぢごくなげいれられんよりハかためにてかみくにいるなんぢためよきなり
48 かしこいるものゝうじつきずきえず
49 そはすべてのひとしほをつくるごともてせられすべてそなへものしほをもてしほつけらる
50 しほよきものなりされしほもしそのあぢうしなハゞなにをもてこれあぢつけんやなんぢらこゝろうちしほたもまたたがひにむつやはらぐべし


第十章[編集]

[1] イエスこゝさりヨルダンむかふユダヤさかひうちきたりしにおほくひとゞゝまたかれあつまりけれ
[千七百二十二] バつねごとかれらをしへなしたまへり
2 パリサイのひときたりかれこゝろとひけるハひとそのつまいだすハよき
3 こたへいひけるハモーセなんぢらなにめいぜし
4 かれらいひけるハモーセりえんじょうかきあたへてこれいだすことをゆるせり
5 イエスこたへかれらいひけるハモーセなんぢらこゝろつれなきによりこのおきてなしたるなり
6 されかいびゃくのはじめかみひとなんにょつくたまへり
7 このゆゑひとハそのちゝはゝはなれそのつまあい
8 ふたりのものいったいなるべしされふたつにハあらいったいなり
9 このゆゑかみそはたまへるものひとこれをはなすべからず


10 いへありでしたちまたこのこととひけれバ
11 イエスかれらいひけるハおほよそのつまいだしてほかをんなめとものそのつまたいしてかんいんおこなふなり
12 またをんなもしそのをっといだしてほかとつがバこのをんなかんいんおこなふなり


13 イエスさはられんがためひとゞゝをさなごつれきたりけれバでしたちそのつれきたれるものいましめたり
14 イエスこれいかりふくみかれらにいひけるハをさなごわれきたらせよかれらいましむなかかみくにをるものハかくごとものなり
15 まことわれなんぢらにつげおほよをさなごごとくにかみくにうけざるものこれいることをざるなり
16 すなはかれらいだきをそのうへのせこれをしゅくせり


17 イエスみちいでけるにひとりはしりきたりてひざまづとひけるハよきしわれかぎりなきいのちつぐためになになすべき
18 イエスかれいひけるハなんわれよきいふひとりほかよきものハなしすなはかみなり
19 いましめなんぢしるところなりかんいんするなかころすなかれぬすむなかれいつはりあかしたつなかあざむきとるなかれなんぢちゝはゝうやま
20 こたへいひけるハこれみないとけなきよりまもれるものなり
21 イエスかれいつくしいひけるハなんぢなほひとつかくゆきてそのもちものをうりまづしきものほどこさらてんおいたからあらんしかしてきたじふじかとりわれしたが
22 かれこのことばよりかなしうれへさりかれおほいなるさんげふもてものなれバなり
23 イエスみまわしてそのでしいひけるハ
[千七百二十三] たからもてものかみくにいるいかかたいかな
24 でしこのことばおどろけりイエスまたこたへてかれらいひけるハこどもたからたのものかみくにいるいかかたいかな
25 とめるものかみくにいるよりハらくだはりあなとほるハかへっやす
26 でしたちいたおどろたがひいひけるハさらたれすくひうくべき
27 イエスかれらいひけるハこれひとにはあたはざるところなれどかみおいてしからずかみあたはざるところなけれバなり
28 こゝおいペテロかれいひけるハわれらいっさいすてなんぢしたがへり
29 イエスこたへいひけるハまことなんぢらつげわれふくいんためいへあるひハきゃうだいあるひハしまいあるひハちゝあるひハはゝあるひハつまあるひハこどもあるひハたはたすつもの
30 このにてひゃくばひうけざるものなしすなはいへ、きゃうだい、しまい、はゝ、こども、たはたくるしみともうけまたのちにハかぎりなきいのちうけ
31 されおほくさきなるものあとになりあとなるものさきになるべし


32 さてかれらエルサレムのぼみちすがらイエスでしさきだゆきけれバかれらおどろきかつおそれてしたがへりイエスじふにともなひてまさおのれおよばんとすることかれらつげたまひけるハ
33 われらエルサレムのぼひとさいしをさがくしゃたちわたされんかれらこれをしざいさだいはうじんわた
34 またこれをてうろうむちうつばきかつこれをころさんかくみっかめよみがへるべし


35 ゼベダイヤコブヨハ子イエスきたりていひけるハわれらもとむことねがはくハわれらなしたまへ
36 かれらいひけるハなんぢらなになさことねがふや
37 かれらいひけるハなんぢさかえんときわれらひとりそのみぎひとりそのひだりせしめよ
38 イエスかれらいひけるハなんぢらねがところしらなんぢらわがのむところのさかづきのみわがうくところのバプテスマをうけうるや
39 かれらいひけるハよくすべしイエスかれらいひけるハなんぢらじつのむところのさかづきのみまたうくところのバプテスマをうくべし
40 されみぎひだりすることあたふべきにあらずたゞ
[千七百二十四] そなへられたるものあたへらるべし
41 じふにんでしこれをきゝヤコブヨハ子いきどほれり
42 イエスかれらよびいひけるハいはうじんきみみゆものそのたみをさめまたおほいなるものどもはかれらうへけんとるこれなんぢらしるところなり
43 されなんぢらうちにてはしかべからずなんぢらのうちおほいならんとおもものなんぢらつかはるゝものとならん
44 またなんぢらのうちかしらたらんとおもものすべてひとしもべとならん
45 そはひときたるもひとつかためあらかへっひとつかはれまたおほくのひとかはりそのいのちあたへあがなひとならんためなり


46 かくかれらエリコいたりイエスそのでしおほいなるぐんじふひとゞゝともエリコいづときテマイなるバルテマイといふめしひみちかたはらしてこひゐけるが
47 ナザレイエスなりときゝよばゝいひけるはダビデイエスわれあはれたま
48 おほくひとゞゝこれにしづまれいましめけれどいよゝゝよバゝりてダビデわれあはれたまへといひけれバ
49 イエスたちどまりてかれよべめいじけれバひとゞゝめしひよびかれいひけるはこゝろやすんぜよたてイエスなんぢよぶ
50 めしひそのうはぎすてたちてイエスきたれり
51 イエスこたへかれいひけるはなんぢわれになにせられんとねがふやめしひいひけるはしゅみえなんことねが
52 イエスかれいひけるはゆけなんぢのしんかうなんぢをすくへりたゞちかれみることをイエスしたがひてみちゆけ


第十一章[編集]

[1] かれらかんらんざんベテパゲベタニヤいたりエルサレムちかづけるときイエスふたりでしつかはさんとして
2 いひけるはなんぢらたいめんむらゆけかしこにいらやがひといまのらざるところつなげるろばみるべしそれときひききた
3 もしたれなんぢらなにゆゑしかするといふものあらバしゅようなりといへさらバたゞちそれこゝおくるべし
4 かれらゆきてもんそとちまたつなげるろばこれときけれバ
5 そこたてあるひとかれらにいひけるはこのろばときいかにする
6 [千七百二十五] イエスめいぜしごといひしかバつひゆるしたり
7 でしろばイエスひききたりておのころもそのうへおきければイエスこれにのれ
8 ひとゞゝおほくはそのころもみちしきあるひはえだきりみちしき
9 かつまへにゆきあとしたがひとゞゝよばはいひけるはホザナよしゅよりきたものさいはひなり
10 しゅよりきたわれらちゝなるダビデくにさいはひなりいとたかきところにホザナよ


11 イエスエルサレムいたみやいりことゞゝくみまハしときすでにくれおよびけれバじふにともベタニヤいでゆけ


12 あくるひかれらベタニヤよりいでときイエスうゑたり
13 はるかあるいちじくてそのなにあらんとてきたりしにほかなにもみえざりきこれいちじくのきときあらざれバなり
14 イエスこのむかひいまよりのちいつまでなんぢくらひとあらざれといふでしこれをきけ


15 かれらエルサレムいたイエスみやいりてそのうちにをるうりかひするものみやよりおひいだりゃうがへするものだいはとうるものこしかけたふ
16 かつうつはものみやとほることをゆるさず
17 またかれらをしへいひけるはわがいへばんこくひといのりいへとなへらるべしとしるされたるにあらずしかるになんぢらこれぬすびととなせり
18 がくしゃさいしをさこれをきゝいかにしてかイエスほろぼさんとはかりしがかれおそれたりそはひとゞゝみなそのをしへおどろきたればなり


19 くれてイエスみやこいでゆけ
20 あくるあさかれらいちじくすぐときそのよりことゞゝかれたるを
21 ペテロおもひいでイエスいひけるハラビのろひところいちじくかれたり
22 イエスこたへかれらいひけるハかみしんぜよ
23 まことわれなんぢらにつげたれにてもそのこゝろうたがことなくそのいふところことばかならなるべしとしんこのやまうつりうみいれといはゞそのことごとなるべし
24 このゆゑわれなんぢらにつげおほよいのりときそのねがところのものハかならべしとしんぜバかならべし
25 またなんぢらたちいのりするときもしひとうらむことあら
[千七百二十六] これそはてんいまなんぢらちゝなんぢらまたそのあやまちゆるされんためなり
26 もしなんぢらゆるさずバてんいまなんぢらちゝまたなんぢらのあやまちゆるたまハじ


27 かれらまたエルサレムいたイエスみやあるけるときさいしをさがくしゃおよびとしよりどもきたりて
28 かれいひけるハなにけんゐこのことなすこのことなすべきためなんぢこのけんゐあたへしや
29 イエスこたへかれらいひけるハわれひとことなんぢらにとはわれこたへさらわれなんぢらになにけんゐこれなすといふことつぐべし
30 ヨハ子のバプテスマハてんよりかひとよりかわれこたへ
31 かれらたがひにろんいひけるハてんよりといはさらなにゆゑかれしんぜざるかといは
32 もしひとよりといはかれらたみおそれたるなりそはたみみなヨハ子よげんしゃせしよる
33 つひこたへしらずといふイエスこたへいひけるハわれなにけんゐこれなすなんぢらかたらじ

第十二章[編集]

[1] イエスたとへをもてかれらかたれりあるひとぶどうばたけつくまがきめぐらさかぶねをほりものみをたてのうふかしほかくにゆきしが
2 ときいたりけれバぶどうばたけうけとらためしもべのうふもとつかはしけるに
3 のうふどもこれをとらうちたゝきてむなしかへらしめたり
4 またほかしもべかれらつかはしゝにのうふどもこれをいしにてうちかうべきずつけはづかしめてかへらしむ
5 またほかのものつかはしゝにこれをもころせりまたほかにおほつかはししにあるひうちあるひハころしぬ
6 こゝひとりあいしありけるがこのわがうやまふならんといひつひそのこつかはしゝに
7 のうふらたがひにいひけるハあとつぎなりいでこれをころさんさらさんげふわれらものとならん
8 すなはとらへてこれころぶどうばたけそとすてたり
9 しからぶどうばたけあるじなにをなすべきかかれきたりてのうふどもうちほろぼぶどうばたけほかひとあたふべし
10 いへつくりすてたるいしいへすみおやいしなれ
11 これしゅなしたまへることにしてわれらあやしとするところなりとしるされしをいまよまざる