明治元訳新約聖書 (大正4年)/羅馬人書

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[千九百五]
新約全書使徒しんやくぜんしょしとパウロロマびとおくれるふみ

第一章[編集]

イエス キリストしもべパウロめされて使徒しととなりかみ福音ふくいんためえらば
この福音ふくいん從前はやくより其預言者そのよげんしゃたちにより聖書せいしょちかたまへるものにて
其子そのこわれらのしゅイエス キリストさししめせりかれ肉體にくたいよれダビデすゑよりうま
聖善せいぜん靈性れいせいよれよみがへりしことによりてあきらかにかみたることあらはれたり
われらかれより恩惠めぐみ使徒しとつとめうくこれ其名そのなため萬國ばんこく人々ひとゞゝをして信仰しんかうみちしたがハせんとなり
爾曹なんぢら其人々そのひとゞゝうちありイエス キリストめしうけものなり
われすべてロマをるところのかみいつくしまれめしかうむ聖徒せいとなれものにまでふみおく爾曹願なんぢらねがはくは我儕われらちゝなるかみおよびしゅイエス キリストより恩惠めぐみ平康やすきうけ


まづなんぢらの信仰しんかうこぞりて傳揚いひひろめたるがゆゑイエス キリストより爾曹衆人なんぢらひとゞゝつきわがかみ感謝かんしゃ
われその福音ふくいんおいこゝろつかふところかみ不斷たえずなんぢらをおも其證そのあかしなり
われ祈禱いのりごとにつひにハかみ旨意みこゝろかなひて平坦やすらかなるみちをえすみやかに爾曹なんぢらいたらんことをもと
十一 われ爾曹なんぢらんことをふかねがふ爾曹なんぢら堅固かたうせんためれいたまものあたへんとおもへバなり
十二 すなはわれなんぢらのうちあらたがひ信仰しんかうによりて相共あひとも安慰なぐさめべし
十三 兄弟きゃうだいわれしバゝゞこゝろざしたてなんぢらにいたほか邦人くにびとうちあるごとく爾曹なんぢらうちよりもんとせしかどもいまいたりて尚阻なほさまたげらる爾曹なんぢらしらざるをこのまず
十四 われギリシャ人及びとおよ異邦人いはうじんまた智者かしこきひとおよび愚人おろかなるひとにもおへところあり
十五 是故このゆゑ我力われちからつくして福音ふくいん爾曹なんぢらロマにある人々ひとゞゝにもつたへんことをねが
十六 われ福音ふくいんはぢとせず此福音このふくいんユダヤびとはじめギリシャびとすべてしんずるものすくはんとのかみ大能ちからたれバなり
十七 かみこれあらはれて信仰しんかうより信仰しんかういたれりしるして義人ぎじん信仰しんかう
[千九百六]
よりいくべしとあるごと


十八 それかみいかり不義ふぎをもて眞理まことおさふ人々ひとゞゝすべて不虔不義ふけんふぎむかひてんよりあらは
十九 蓋人そはひとしるべきところかみ事情ことがらひと顯明あきらかにしてすでかみこれをひとあらはたまへバなり
二十
それひとみることをざるかみ永 能がぎりなきちから其 神 性そのかみなることとはつくられたるものにより創世よのはじめより以來このかたさとりあきらかにみるべし是故このゆゑ人々推諉いひのがるべきやうなし
二一 すでかみしりなほこれをかみあがめず亦謝またしゃすることをせずかえっ其思念そのおもひみだ其愚そのおろかなる心蒙昧こゝろくらくなれり
二二 みづかさとしとなへて愚魯おろかなるものとなり
二三 朽壞くちはてざるかみ栄光えいくわうかへ朽壞くちはつべきひとおよび禽獣とりけもの昆蟲はふものかたち
二四 是故このゆゑかみ彼等かれら其心そのこゝろよく縦肆ほしいまゝにするにまかせてたがひ其身そのみはずかしむる汚穢けがれわたせり
二五 彼等かれらかみまことかへいつはりとなし造 物 主ものをつくりしかみよりも受 造 物つくられしもの崇奉あがめまつりてこれつかかみ永 遠かぎりなく頌美ほむべきものなりアメン
二六 これよりかみ彼等かれらはずべきよくをなすにまかたまへり其婦女そのをんなさへも順性じゅんせいようかへ逆性ぎゃくせいようとなす
二七 かくごと男子をとこ亦婦女またをんな順性じゅんせいようすてたがひ嗜慾しよくこゝろもやをとこをとこはずることをなして其悖戻そのよこしまあたるべきむくいおのうけたり
二八 かれらこゝろかみとむることをこのまざればかみ彼等かれら邪僻よこしまなるこゝろいだきまじきことをなすまかたまへり
二九 すべて不義ふぎ惡慝あくとく貪婪だんらん暴很ばうこんみたものまた妬忌とき凶殺きゃうさつ爭鬪さうとう詭譎きけつ刻薄こくはくみたもの
三十 また讒害ざんがい毀謗きばうをなしかみうらもの狎侮かうぶ傲慢がうまん矜夸きょうくわ譏詐きそ父母ふぼ不孝ふかう
三一 頑梗ぐわんかう背約はいやく不情ふじゃう不慈ふじなるもの
三二 すべ此等これらおこなもの死罪しざいあたるべきかみ判定さだめしりてなほみづかおこなふのみならず亦之またこれおこなものをもよろこべり


第二章[編集]

是故このゆゑおよひと審判さばところひと爾推諉なんぢいひのがるべきなし爾他人なんぢひと審判さばくはまさしおのれつみさだむなりそは審判さばところなんぢおなじこれおこなへばなり
かくごとおこなものつみするかみ審判さばき眞理しんりかなへりと我儕われら
[千九百七]
しる
此等これらことおこなもの審判さばきおなじこれおこなひと爾神なんぢかみ審判さばきのがれんとおも
なんぢかみ豐厚ゆたかなる仁慈めぐみ寛容ゆるやかなると恒忍しのびたまふとを藐視なみするその仁慈めぐみなんぢ悔 改くいあらためみちびくなるをしら
剛愎かたくなにしてくいなきのこゝろしたがおのれためかみいかりつみ其 義 鞫そのただしきさばきあらはれん震怒いかりおよぶなり
かみひとおこなひしたがひて各人おのゝゝ其報そのむくいなすべし
耐忍たへしのびぜんおこな榮光さかえ尊貴たふとき不朽壞くちざるとをもとむものには永 生かぎりなきいのちをもてむくい
八 九 しかれども爭鬪あらそひをなし眞理まことしたがはず不義ふぎにつくものにはむくゆるに忿いきどほりいかり艱難くわんなん辛苦しんくとをもってすユダヤびとはじめギリシャ人凡びとすべあくおこなひとおよぶなり
ユダヤびとはじめギリシャびとすべてぜんおこなひとには榮光さかえ尊貴たふとき平康やすきとをむくゆべし
十一 これかみには偏視かたよりなければなり
十二 およ律法おきてなくしてつみをかせるひと律法おきてなくしてほろ律法おきてありてつみをかせるひと律法おきてより審判さばきうくべし
十三 かみまへせらるゝは律法おきてをきくものあらせらるゝは律法おきてまもものなり
十四 それ律法おきてなきの異邦人いはうじんもし本性うまれつきのまゝ律法おきてのせたるところまもらバ律法おきてなしといへどおのれ律法おきてたるなり
十五 彼等かれらそのこゝろしるされたる律法おきてはたらき表彰あらは其良心そのりゃうしんこれがあかしをなして其思念そのおもひたがひにあるひせめあるひはほむることをなせ
十六 それ審判さばき福音ふくいんいへごとかみイエス キリストをもてひと隱微かくれたることさばかんなるべし


十七 なんぢもしユダヤびととな律法おきてたのかみあるをほこ
十八 そのむねをしり律法おきてならひ是非よしあしわきま
十九 みづか瞽者めしひ相黑暗てびきくらきにをるものひかり
二十 おろかなるもの師童蒙しわらべかしづきおも又律法またおきておい眞理まことしるべきこととののりたりとせば
二一 なにゆゑひとをしへ自己みづからをしへざるなんぢひとぬすなかれとすゝめみづかぬすみする
二二 なんぢひと姦淫かんいんするなかれとさとしてみづか姦淫かんいんするなんぢ偶像ぐうざうにくみみづか殿みやものをか
二三 なんぢ律法おきてほこりみづか律法おきてをかかみかろしむる
[千九百八]

ニ四 かみなんぢより異邦人いはうじんうち謗讟けがされたりとしるされしがごと
二五 なんぢもし律法おきておこなはゞ割禮かつれいえきあり律法おきてをかさばなんぢ割禮かつれい割禮かつれいなきがごとくなるべし
二六 是故このゆゑ割禮かつれいなきもの律法おきてまもらば其割禮そのかつれいなきも割禮かつれいせりといはざるを
二七 それ本性うまれつきのまゝ割禮かつれいなくして律法おきてまももの儀文ぎぶん割禮かつれいをもて尚割禮なほかつれいをかなんぢ審判さばかん
二八 あらはユダヤびとなるもまことユダヤびとあらあらは割禮かつれいあるもまこと割禮かつれいあら
二九 かへっひそかユダヤびとたるものまことユダヤびとたり又割禮またかつれいれいあり儀文ぎぶんあらこゝろ割禮かつれいまことなり其譽そのほまれひとよらかみよれ

第三章[編集]

しからばユダヤびと長 處すぐるゝところなにまた割禮かつれいえきするところなに
そはすべてことおいえきおほし先第一まずだいいちかみさとしをもて彼等かれらゆだたまへることなり
こゝしんぜざるものあれど如何いかんその不信ふしんかみしんすつべき
しからすべてひといつはりとするもかみまこととすべしなんぢつぐことばとせられなんぢさばかるゝときかちんとしるされたるごと
我儕われら不義ふぎもしかみあらはすとせバ我何われなにいふべきかいかりくはふるかみ不義ふぎなるやハそれひとよりいふのみ
さることあらさることあら神如何かみいかにしてさばかん
もしかみまことわがいつはりよりあらは其榮光そのさかえいやまさ我如何われいかでなほ罪人つみびとせられん
如此かくあらば我儕われらそしらるゝごとぜんきたらせんとてあくなすよからずや我儕われらことばいへものありかゝひとつみせらるべきうべなり
しからバ如何いかにわれらまされるかきはめてなしそはわれらすでユダヤびとギリシャびと皆罪みなつみしたあることをあかしせり
しるして義人ぎじんなし一人ひとりあるなしとあるがごと
十一 明達者さとれるものなくかみもとむものなし
十二 みなまがりまったよこしまとなれりぜんなすものなし一人ひとりあるなし
十三 そののどやぶれしはかそのした詭詐いつはりをなし其 唇そのくちびるにハまむしどくもて
十四 そのくちのろいにがきとにて滿みち
十五 その
[千九百九]
あしながさんがためはや
十六 殘害やぶれ苦難わざはひ其道そのみちのこれり
十七 彼等かれら平康おだやかなるみちしら
十八 そのまへかみおそるるのおそれあることなし
十九 それ律法おきていふところハ其下そのしたにあるものしめすと我儕われらしるこハ各人おのゝゝ口塞くちふさが又世またよひとこぞりてかみまへつみあるものさだまらんためなり
二十 是故このゆゑ律法おきておこなひよりかみまへせらるゝもの一人ひとりだにあることなし蓋律法そはおきてよりつみしらるゝなり


二一 今律法いまおきてほかかみひととしたまふことハあらはれて律法おきて預言者よげんしゃ其證そのあかしをせり
二二 すなはイエス キリストしんずるにより其義そのぎかみすべて信者しんじゃたまふて區別へだてなし
二三 そハひとみなすでつみをかしたれバかみよりさかえうくるにたら
二四 ただキリスト イエスあがなひよりかみめぐみをうけいさほしなくしてとせらるゝなり
二五 二六 かみ其血そのちによりてイエスたてしんずるもの挽回なだめ祭物そなへもの爲給したまへり蓋神忍そはかみしのび已 往すぎこしかたつみ寛容ゆるやか爲給したまひしことにつきて今其義いまそのぎあらはさんためすなはイエスしんずるものとしなほみづからたらんがためなり
二七 されほこるところいづこあるあることなしなにはふをもてなしとするかおこなひはふしから信仰しんかうはふなり
二八 ゆゑわれおもふにひととせらるゝハ信仰しんかうより律法おきておこなひよら
二九 かみたゞユダヤびとのみのかみなるまた異邦人いはうじんかみならずやしかりまた異邦人いはうじんかみなり
三十 それ割禮かつれいせしものをも信仰しんかうよりとし亦割禮またかつれいなきものをも信仰しんかうよりとするかみ一位ひとはしらなればしか
三一 さらば我儕信仰われらしんかうをもて律法おきてすつるやしからずかえっ律法おきて堅固かたうするなり


第四章[編集]

さら我儕われら先祖せんぞアブラハム肉體にくたいについてなにところありといは
もしアブラハムおこなひよりせられたらんにはほこるべきところありされかみまへにはあることなし
そは聖書せいしょなにいへるかアブラハムかみしんかれその信仰しんかうせられたり
はたらきなすものゝあたひめぐみいはうくべきものなり

[千九百十]
されはたらきなきもの不義ふぎなるものとするかみしんじて其信仰そのしんかうせられたり
はたらきなくかみとせらるゝものさいはひなることはまさダビデいへごと
いはくその不法ふはうゆるされ其罪そのつみおほはるゝものさいはひなり
しゅつみおはせざるひとさいはひなりと
このさいはひ割禮かつれいものにあるや割禮かつれいなきものにあるやそもゝゝわれらアブラハム其信仰そのしんかうせられたりといへ
され如何いかせられしや割禮かつれいうけのちなるまた割禮かつれいうけざるさきなるか割禮かつれいうけのちならず割禮かつれいうけざるさきにあり
十一 かつ割禮かつれいしるしうけしはいま割禮かつれいうけざるさき信仰しんかうよりせられたる印證あかしなり割禮かつれいうけざるすべて信者しんじゃちゝにして彼等かれらとせられんためなり
十二 また割禮かつれいうくものちゝとなれり唯割禮たゞかつれいにのみよら我儕われらちゝアブラハム割禮かつれいうけざりしとき信仰しんかうあとふむものゝためなり
十三 そはアブラハム其子孫そのしそんとに世界せかい嗣子よつぎたることをさせんとのかみ約束やくそく律法おきてよるあら信仰しんかうよれ
十四 もしそれ律法おきてよるもの嗣子よつぎたることを信仰しんかうむなし約束やくそく亦廢またすたるべし
十五 そはいかりきたらするものは律法おきてなり律法おきてなくばをかすこともあるなし
十六 是故このゆゑ信仰しんかうよりさせたまふはめぐみよらせて其約束そのやくそくアブラハムすべて子孫しそん堅固かたうせんがためなりたゞ律法おきてもてもののみならずまたアブラハム信仰しんかうならものおよべり
十七 われなんぢをたておほく國民くにびとちゝなせりとしるされたるごとアブラハム其信そのしんずるところかみすなはちしにものいかなきものをありごととなふるかみまへおい我儕衆人われらすべてのものちゝたるなり
十八 かれのぞむべくもあらぬときになほのぞみおほく國民くにびとちゝならんことをしんそはなんぢの子孫しそんかくのごとくならんといひたまひしによりてなり
十九 かれその信仰淺しんかうあさからざればよはひおほよそ百歳ひゃくさいにしておのすでしぬるがごときとサラたいしぬるがごときをもかへりみず
二十 不信ふしんをもてかみ約束やくそくうたがふことなくかえっ其信仰そのしんかう
[千九百十一]
あつくしてかみあが
二一 かみ其約束そのやくそくたまところかなら成得なしうべしとこゝろさだ
二二 是故このゆゑ其信仰義そのしんかうぎせられたり
二三 それ信仰しんかうよりとせられたりとしるされしはたゞかれのためのみならずまたわれらのためしるされしなり
二四 我儕われらもし我主わがしゅイエスよりよみがへらしゝかみしんぜばおなじとせらるゝことべし
二五 イエス我儕われらつみためわたされまたわれらがられんためよみがへらされたり

第五章[編集]

是故このゆゑ我儕信仰われらしんかうよりとせられたればかみやはらぐことをたり我主わがしゅイエス キリストよりてなり
またわれらかれにより信仰しんかうによりて今居いまをるところのめぐみいることをかつかみさかえのぞみ欣喜よろこびをなす
たゞこれのみならず患難くわんなんにも欣喜よろこびをなせり蓋患難そはくわんなん忍耐にんたいしゃう
忍耐にんたい練達れんたつしゃう練達れんたつ希望きぼうしゃう
希望きぼうはぢきたらせざるをしるこは我儕われらたまところ聖靈せいれいよりかみあいわれらのこゝろ灌漑そゝげばなり
我儕われらなほよわかりしときキリストさだまりたるおよび罪人つみびとのためにしにたまへり
それ義人ぎじんためしぬるものほとんまれなり仁者じんしゃためにはしぬることをいとはざるものもやあら
されキリスト我儕われらのなほ罪人つみびとたるときわれらのためしにたまへりかみこれによりて其愛そのあいあらはたま
いまそのより我儕義われらぎとせられたればましかれよりいかりよりすくはるゝことなからん
もしわれらてきたりしとき其子そのこによりてかみやはらぐことをざらん
十一 たゞ此耳これのみならず我儕われらやはらぎさせたまひし我主わがしゅイエス キリストより亦神またかみよろこべり
十二 され是一人これひとりよりつみにいりつみよりきたひとみなつみをかせばすべてひとおよびたるがごと
十三 律法おきてたてられしときよりさきつみあり律法おきてなくばつみひとすることなし
十四 しかれどもアダムよりモーセいたるまでアダムの罪とひとしつみをかさざりしものにもこれわう
[千九百十二]
アダムすなはきたらんとするものかたなり
十五 されつみこと恩賜おんちょうのことのごときにあら一人ひとりつみよりしぬるものおほからバましかみめぐみ一人ひとりイエス キリストよれめぐみたまものとハおほくひとあふれざらん
十六 たまもの一人ひとりよりきたつみごときにあら蓋審判そはさばきひとつつみよりつみせられたまものおほくつみよりとせらるゝなり
十七 もし一人ひとりつみをかしゝによりこの一人ひとりよりわうたらんにハましあふるゝのめぐみたまものうくもの一人ひとりイエス キリストによりいのちありおうたらざらん
十八 是故このゆゑひとつつみよりつみせらるゝことのすべてひとおよびしがごとひとつよりとせられ生命いのちうることもすべてひとおよべり
十九 それ一人ひとりぎゃくよりおほ罪人つみびととせられしごと一人ひとりじゅんよりおほとせらるべし
二十 律法おきてたつるハつみまさためなりされどもつみますところにハめぐみ愈増いやませ
二一 これつみをもてつかさどれるごとめぐみ我儕われらしゅイエス キリストより永 生かぎりなきいのちいたらせんがためをもてつかさどれり


第六章[編集]

しからバ我儕何われらなにいはんやめぐみまさためつみをるべき
しから我儕罪われらつみおいしにものなるにいかでなほ其中そのうちおいいきんや
イエス キリストあはんとてバプテスマをうけものすなは其死そのしあはんとてこれうけしなるを爾曹知なんぢらしらざる
ゆゑ我儕われらそのあふバプテスマによりかれともほうむらるゝハキリストちゝさかえよりよりよみがへされしごと我儕われらあたらしき生命いのちあゆむべきためなり
もしわれらかれさまひとしからばまたかれの復生よみがへりにもひとしかるべし
我儕われら舊人ふるきひとかれととも十字架じふじかつけらるゝハつみ身滅みすたりいまよりつみつかへざるがためなるを我儕われらしる</ref>
そはしにものつみよりゆるさるれバなり
我儕われらもしキリストともしなバまたかれともいきんことをしん
キリストよりよみがへりてまたしなずもまたかれしゅとならざるをしれ
これそのしにしハつみについて一次死ひとたびしにしなりそのいくるハかみについていくるなり
[千九百十三]
十一 如此かくなんぢらも我儕われらしゅイエス キリストによりつみついてハみづかしねものまたかみついてハいけものなりとおもふべし
十二 是故このゆゑ爾曹罪なんぢらつみしぬべき肉體からだわうたらしめて其慾そのよくしたがなか
十三 また爾曹なんぢら肢體したい不義ふぎうつはとなしてつみさゝぐることなかよりよみがへりしものごとおのれかみさゝげまた肢體したいうつはとなしてかみつかふべし
十四 そはなんぢらめぐみしたあり律法おきてしたあらざれバつみ爾曹なんぢらしゅとなることなけれバなり
十五 しからば如何いかんわれらめぐみしたあり律法おきてしたあらざるがゆゑつみをかすべきかしから
十六 なんぢらさゝしもべとなりたれしたがふとも其從そのしたがところしもべたるをしらざるかあるひつみしもべとならばおよあるひじゅんしもべとならばおよばん
十七 しかれども我神われかみ感謝かんしゃ爾曹なんぢら素罪もとつみしもべたりしかどいますでさづけられしところをしへのりこゝろよりしたがひて
十八 つみよりゆるされしもべとなればなり
十九 われいまひとことかりいへるは爾曹なんぢら肉體にくたいよわきゆゑなり爾曹なんぢらその肢體したいさゝげ汚穢けがれあくしもべとなりあくいたりしごといままた其肢體そのしたいをさゝげしもべとなりて聖潔きよきいたるべし
二十 そはなんぢらつみしもべなりしときにはつかへざればなり
二一 爾曹なんぢらいまはづところのことをおこなひしそのときなにたりしや此等これらのことのはてなり
二二 され今罪いまつみよりゆるされてかみしもべとなりたれば聖潔きよきいたるのたりかつそのはて永 生かぎりなきいのちなり
二三 つみあたひなりかみたまもの我儕われらしゅイエス キリストおいたまはる永 生かぎりなきいのちなり


第七章[編集]

兄弟きゃうだいわれいま律法おきてしれものいは律法おきてひと畢 生いのちのかぎりそのしゅたるをしらざる
おっとあるをんな律法おきてためおっといけうちはそれにつながるれどおっとしなば其律法そのおきてよりゆるさる
されおっといけうちほかひとゆか淫婦いんぷとなふべしおっとしなば其律法そのおきてよりゆるさるゝがゆゑひとゆくとも淫婦いんぷにはあら

しかれば我兄弟わがきゃうだい爾曹なんぢらキリストにより律法おきてついころされしものなりこれ別人ほかのものすなはち
[千九百四]
よみがへされたまひしものゆきかみためむすばんとなり
われらにくありとき律法おきてよれつみよくわれらの肉體にくたいはたらきてためむすべり
されどもいまわれらをつなげものおいしにたれば律法おきてよりゆるされ儀文ぎぶん舊様ふるきよらかみ新様あたらしさよりつか


しからば我儕何われらなにいふべきか律法おきてつみなるやしから律法おきてよらざれば我罪われつみつみたるをしることなし夫律法それおきてむさぼなかれといはざれば我貪慾われむさぼりつみたるをしらざるなり
しかしてつみいましめをりのり我中わがうち各様さまゞゝ貪慾むさぼりおこせり律法おきてなければつみしぬるものなり
われむか律法おきてなくしていきたれど誡命いましめきたりてつみいきかへりわれしね
かくひといかさんためいましめかえっこれわれをしなしむるものとなれり
十一 いかにとなればつみいましめをりのりわれまどは其 誡そのいましめをもてわれころせり
十二 それ律法おきてきよいましめきよ公義たゞしくかつぜんなり


十三 さらぜんなるものわれをしなしむるかしからしなしむるものつみなりつみなりつみぜんなるものをもてわれしなしむれバ其罪そのつみたることあらハれ亦誡またいましめよりつみはなはだしきことハあらはるゝなり
十四 それ律法おきてれいなるもの我儕われらしるされどわれにくなるものにしてつみしたうられたり
十五 そはわがおこなところものわれこれよしとせずねがところのものわれこれをなさにくところのものわれこれをなせバなり
十六 もしわれねがはざるところものおこなとき律法おきてぜんとす
十七 しからバいまよりこれおこなものわれあらわれをるところのつみなり
十八 ぜんなるものわれすなはち我肉わがにくをらざるをしるそはねがところわれにあれどもぜんおこなふことをざれバなり
十九 われねがところぜんこれおこなはずかえっねがはざるところあくこれおこなへり
二十 もしわれねがはざるところおこなふときはこれおこなものわれあらわれをるところのつみなり
二一 是故このゆゑ我善われぜんおこなはんとおもふときに此一このひとつのりあるをおぼ
二二 そはわれうちなるひとついてはかみ律法おきてたのしめども
二三 わが肢體したいほかのりありて我心わがこゝろのりたゝかわれとりこにして
[千九百十五]
たいうちにをるつみのりしたがはするをさとれり
二四 あゝわれ困苦人なやめるひとなるかなこのからだよりわれすくはんものたれぞや
二五 これわれらのしゅイエス キリストなるがゆゑに[新世:ただ]かみ感謝かんしゃされわれみづからこゝろにてハかみのりしたがにくにてはつみのりしたがふなり


第八章[編集]

是故このゆゑイエス キリストあるものはつみせらるゝことなし
そハいかれいのりイエス キリストよりつみのりよりわれゆるせバなり
それ律法おきてにくより荏弱よわくそのあたはざるところかみなしたまへりすなはおのれつみにくかたちとなしてつみのためにつかはにくおいつみばっしぬ
それ律法おきてにくしたがはでれいしたがふておこな我儕われら成就じゃうじゅせんがためなり
にくしたがものにくことおもれいしたがものれいことおも
にくことおもふはなりれいことおもふはいのちなりやすきなり
そはにくことおもふはかみもとるがゆゑなり是神これかみ律法おきてしたがはず又服またしたがふことあたはざるよる
しかしてにくにをるものかみこゝろかなふことあたはず
もしかみれいなんぢらにすま爾曹なんぢらにくをられいをらおほよキリストれいなきものキリストつかざるものなり
もしキリスト爾曹なんぢらをら肉體からだつみより死靈魂しにたましひよりいき
十一 もしイエスよりよみがへらしゝもの靈爾曹れいなんぢらすまキリストよりよみがへらしゝものそのなんぢらにすむところのれい爾曹なんぢらしぬべき身體からだをもいかすべし
十二 是故このゆゑ兄弟きゃうだい我儕肉われらにくためおふところありにくしたがつかふものあら
十三 もしにくしたがつかへなばしぬべしれいより身體からだ行爲はたらきころさばいくべし
十四 およかみれいみちびかるゝものこれすなはちかみなり
十五 爾曹なんぢらうけれいしもべたるものごとふたゝおそれいだれいあらずアバちゝよとよぶたるものれいなり
十六 聖靈せいれいみづから我儕われられいとも我儕われらかみたるをあかし
十七 我儕われらもしたらば又後嗣またよつぎたらんすなはかみ後嗣よつぎにしてキリストとも後嗣よつぎ
[千九百十六]
ものなり我儕われらもしかれともくるしみうけなばかれともさかえをもうくべし
十八 われおもふに今 時いまのときくるしみ我儕われらあらはれんさかえくらぶべきにあら
十九 それ受造者つくられしもの切 望ふかきのぞみかみ諸子こたちあらはれんことをまてるなり
二十 そは受造者つくられしもの虛空むなしさかへらせらるゝは其願そのねがところあらすなはこれかへらするものよれ
二一 また受造者つくられしものみづから敗壞やぶれしもべたることをのがかみ諸子こたちさかえなる自由じゆういらんことをゆるされんとののぞみたもたされたり
二二
よろず受造者つくられしものいまいたるまでともなげとも勞苦くるしむことあるを我儕われらしる
二三 たゞ此等これらのもののみならず聖靈せいれいはじめむすべるもて我儕われらみづかこゝろうちなげきならんことすなは我儕われら身體からだすくはれんことをまつ
二四 我儕われらすくひうるのぞみによれりされのぞみ亦望またのぞみなしすでみるところのものいかなほこれをのぞまんや
二五 もしわれらいまざるもののぞまばしのびてこれをまつべし
二六 聖靈せいれいまたわれらの荏弱よわきたす我儕われらいのるべきところしらざれども聖靈せいれいみづからいひがたきの漑歎なげき我儕われらためいのり
二七 ひとこゝろたまふもの聖靈せいれいこゝろをもしれ蓋神そはかみこゝろしたがひて聖徒せいとためいのればなり
二八 またすべてことかみむねよりまねかれたるかみあいするものためことゞゝはたらきてえきをなすを我儕われらしれ
二九 それかみあらかじめしりたまふところもの其子そのこかたちならはせんとあらかじめこれさだ其子そのこおほく兄弟きゃうだいうち嫡子ちゃくしたらせんがためなり
三十 またあらかじめさだめたるところものこれまねまねきたるものこれとしとしたるものこれさかえたまへり
三一 さら此等これらことおいなにをかいはかみわれらをまもらばたれ我儕われらてきせん
三二 おのれおしまずして我儕衆われらすべてためこれわたせるものなどかかれにそへ萬物ばんもつをも我儕われらたまはざらん
三三 かみえらびたるものうったへものたれぞやとするかみなる
三四 つみさだむものたれぞやしにまたよみがへりかみみぎあり我儕われらため禱告とりなたまキリストなる
三五 キリストいつくしみより我儕われらはならせんものたれぞや
[千九百十七]
患難なやみなるかあるひ困苦くるしみ迫害せめ飢餓うゑ裸裎はだか危険あやふき刀劍つるぎなる
三六 これわれら終日ひねもすなんぢのためわたされほふられんとするひつじごとくせらるゝなりしるされたるがごと
三七 されども我儕われらいつくしめるものよりすべて此等これらこと勝得かちえあまりあり
三八 そはあるひあるひは天 使てんのつかひあるひは執政つかさあるひは有 能ちからあるものあるひはいまあるものあるひはのちあらんもの
三九 あるひたかあるひふかきまたほか受造者つくられしもの我儕われら我主わがしゅイエス キリストよれかみいつくしみよりはならすることあたはざるものなるをわれしんぜり

第九章[編集]

われキリストつけものなればことまことにしていつはりなしかつわが良心聖靈りゃうしんせいれいかんじて
われおほいなるうれひあることこゝろたへざるのいたみあることとをあかし
もしわが兄弟きゃうだいわが骨肉こつにくためにならんにはあるひキリストよりはな沈淪ほろびいたらんもまたわがねがひなり
彼等かれらイスラエルひとなりかみなることまた榮光えいこうまた誓約ちかひまた律法おきてたてられしことまた祭儀まつりのゝりまた約束やくそくみなかれらにつけ
列祖せんぞたちこれかれらが先祖せんぞなり肉體にくたいよりいへキリスト亦彼等またかれらよりいづかれは萬物ばんもつうへあり世々よゝ讃美ほまれべきかみなりアメン


いまいへるところかみことばすたれりといふにはあらそはイスラエルよりいづものことごとくイスラエルあら
またアブラハム苗裔すゑなればとてことゞゝ其子そのこたるにあらたゞイサクよりいづものなんぢの苗裔すゑとなへらるべしとしるされたり
すなはにくよりたるものこれらはかみたるにあら惟約束たゞやくそくよりたるもの其苗裔そのすゑとせらるゝなり
ときいたらば我來われきたらんサラ男子なんしあるべしと是約束これやくそくことばなり
此耳これのみならずまたリベカ我儕われら先祖せんぞイサク一人ひとりしたがひて二子ふたごはらみしとき
十一 其子そのこいまだうまれず亦善惡またよしあしなさざれどかみえらびたまひし聖旨みこゝろかはることなくおこなひよらめしよるあらはさんとて
十二 長子あに幼子おとうとつかへんとリベカいひたまへり
十三 しるしてわれヤコブあいエサウにくめり
[千九百十八]
あるごと
十四 しからバ我儕われらなにをいはんやかみ不義ふぎなるところあるやあることなし
十五 かみモーセいふわれ衿恤めぐまんとおももの衿恤めぐみわれ憐憫あはれまんとおももの憐憫あはれむ
十六 されねがものにもはしものにもよらたゞめぐむところかみよれ
十七 聖書せいしょうちかみパロわれなんぢをたつるはことなんぢをもて權能ちからあらはまたわがあまね世界せかいつたへんがためなりとしめたまへり
十八 されかみ憐憫あはれまんとおもものをあはれみ剛愎かたくなにせんとおももの剛愎かたくなにせんと
十九 されなんぢわれにいは神何かみなんぞなほひととがむるやたれ其旨そのむねさからふことをんと
二十 嗟人あゝひと爾何人なんぢなにびとなれバかみ言逆いひさからふやつくられしものつくりものむかひ爾何故なんぢなにゆゑわれ如此かくつくりしといふべけん
二一 陶人すゑものしおなつちくれをもてひとつうつはたふとひとつうつはいやしつくるのけんあるにあらずや
二二 もし神怒かみいかりあらは其能力そのちからしめさんため滅亡ほろびそなはれるうつはなが耐 忍たへしのぶことをなし
二三 また榮光さかえあらかじめそなへ衿恤めぐみうつは其榮そのさかえ豐盛ゆたかなるをしめさんとせバ我儕何われらなにいふことあらんや
二四 この衿恤めぐみ器即うつはすなは我儕召われらめされしところものたゞユダヤびとのみならず亦異邦人またことくにびとうちよりもめされたり
二五 かみホセヤふみわれ我民わがたみならざりしもの我民わがたみとなあいせざりしものあいするものとなへ
二六 またなんぢら我民わがたみならずといはれたりし其處そのところ彼等かれら活神いけるかみとなへらるべし
二七 イザヤイスラエルついよばはいひけるはイスラエルかずうみすなごとくなれどもすくはるゝものハたゞ僅々わづかならん
二八 かみをもて其言そのことば断之さだめこれ成竟なしをはるべしそはさだめたまかみこと主速しゅすみやかに此地このちおこなふべけれバなり
二九 またさきイザヤいひ若萬軍もしばんぐんしゅわれらにたねのこさざりしならバ我儕われらすでソドムごとくならんまたゴモラおなじからんとあるごと
三十 さら我儕何われらなにとかいは追求おいもとめざる異邦人ことくにびとたりこれすなはち信仰しんかうよるところのなり
三一 され律法おきて追求おいもとめしイスラエル律法おきて追及おいしかざりき
三二 如何いか
[千九百十九]
なるゆゑ彼等かれら信仰しんかうよらおこなひより追求おいもとめんとせしほどに躓石つまづくいしつまづきたれバなり
三三 よわれ躓石つまづくいしまた礙磐さまたぐるいはシオンおかすべこれしんずるものはずかしめられじとしるされたるがごと


第十章[編集]

兄弟きゃうだい我心われこゝろねがところかみいのところイスラエルすくはれんことなり
彼等かれらかみ熱心ねっしんなることは我證われあかしされども其熱心そのねっしん智識ちしきよるあら
彼等かれらかみしらおのれたてんことをもとめかみしたがはざるなり
すべしんずるものとせられんためキリスト律法おきてをはりとなれり
モーセ律法おきてよれさしてはこれおこなものこれによりいのちべしとしるしたり
され信仰しんかうよれ如此かくいへり爾心なんぢこゝろキリストいざなくだらんためたれてんのぼらんといふことなか
またキリストしにものうちよりいざなかへらんためたれ陰府よみぢくだらんといふことなか
さらなにいへるぞみちなんぢちかなんぢくちにありなんぢこゝろにありとこれすなはち我儕われらのぶところ信仰しんかうみちなり
そはもし爾口なんぢくちにてしゅイエスいひあらはしまたなんぢこゝろにてかみかれよりよみがへらしゝをしんぜばすくはるべし
それひとこゝろしんじてとせられくちいひあらはしてすくはるゝなり
十一 聖書せいしょすべかれしんずるものはずかしめられじといへ
十二 ユダヤびとギリシャびとへだてなしそはすべてのものしゅ惟一たゞいつなればなりおほよこれ龥求よびもとむものにはめぐみ豐盛ゆたかにし
十三 すべしゅ龥求よびもとむものすくはるべし
十四 されいましんぜざるものいか龥求よびもとむることをんやいまきかざるものいかしんずることをんやいまのぶものあらずばいかきくことをんや
十五 もしつかはされずばいかのぶることをんやしるして和平おだやかなることのべまた善事よきことのぶもの其足そのあしうるはしきかなとあるがごと
十六 されことゞゝ福音ふくいん聴從きゝうけしにあらイザヤかつしゅ我儕われらのぶところしんぜしものたれいへ
十七 しかれば信仰しんかうきくよりいできくところはかみことばよれるなり
十八 われとは彼等かれらいまきかざりし
[千九百二十]
きけ其聲そのこゑあまね世界せかいいでそのことばはてにまでおよべり
十九 われまたとはイスラエルしらざりしかしれさきモーセいふわれたみあらざるものをもて爾曹なんぢら嫉妬ねたません又愚またおろかなるたみをもて爾曹なんぢらいからせんと
二十 イザヤはばかることなくいひけるはわれたづねざりしものわれあへりとはざりしものわれあらはれぬ
二一
またイスラエルついては我終日手われひねもすてあげもとしたがはざるたみむかへりといひなり


第十一章[編集]

さらわれいはんかみ其民そのたみすてしやきはめしからずいかにとなればわれまたイスラエルひとアブラハムすゑベニヤミン支派わかれなり
かみ其預そのあらかじめ知給しりたまふところのたみすてざりき爾曹なんぢらエリヤについて聖書せいしょのせたることしらざるかかれイスラエルかみうったへいひけるは
しゅ彼等かれらなんぢ預言者よげんしゃころなんぢ祭壇だんこぼてりたゞわれのこされしにまたわがいのちをももとめんとするなり
しかるになにかみ答給こたへたまひしわれ自己みづからためバアルひざまづかざる者七千人ものしちせんにんのこせりと
かくごといまもなおなほめぐみえらびよりのこれるものあり
もしめぐみよらおこなひにはよらざるなりしからざればめぐみめぐみたらずおこなひよらめぐみあらしからざればおこなひおこなひたらざるなり
さらなにいはイスラエル其求そのもとむところえらまれしものこれのこされしものにぶくせられたり
かみ今日こんにちいたるまで彼等かれらにぶこゝろみえざる目聞めきこえざるみゝあたふとしるされしがごと
またダビデいひけるは彼等かれら筵席むしろかはりて機檻わなとなれ網羅あみとなれ礙物つまづくものとなれ其報そのむくいとなれ
彼等かれらくらくしてみえしめず其背そのせつねかゞましめよ
十一 さらわれいはん彼等かれらつまづきたふれおよびしやしからずかえっ彼等かれら錯失あやまちによりすくひ異邦人いはうじんおよべりこれイスラエルはげまさせんがためなり
十二
もしかれらの錯失世あやまちよとみとなり其衰そのおとろへ異邦人いはうじんとみとならんにはまし彼等かれらさかんなるにおいてをや
十三
われなんぢら異邦人ことくにびといはわれ異邦人いはうじん使徒しとなるがゆゑ我職わがつとめ敬重おもんぜり
十四 これわが骨肉こつにくものいか
[千九百二十一]
してかはげま其中そのうちより數人すにんすくはんがためなり
十五 もしかれらのすてらるゝこと復和やはらぎとならば其収納そのうけもどさるゝはしにたるものうちよりいくるにおなじからず
十六 もし薦新はつほのパンきよからばすべてのパンも亦潔またきよくもしきよからばえだ亦潔またきよかるべし
十七 もし幾數いくばくえだをられたるに爾野なんぢの橄欖かんらんなるそれを其中そのうちつがとも其汁漿そのうるほひうくるならば
十八 もとえだむかひてほこなか假令たとひほこるともなんぢたもたなんぢたもてり
十九 さら爾枝なんぢえだをられたるはつがれんためなりといは
二十 され彼等かれらをられたるは不信仰ふしんかうによりなんぢたてるは信仰しんかうよるなればほこることなかれたゞ戒懼おそれ
二一 蓋神そはかみもし原樹もときえだをさへをしまずばおそらくはなんぢをもおしまじ
二二 されかみいつくしみおごそかなるとを其嚴そのおごそかなることは躓 者たふれしものあらはれぬ爾 慈なんぢいつくしみをら其 慈そのいつくしみなんぢあらしからざればまたなんぢも斫離きりはなさるべし
二三 もし不信仰ふしんかうをらずば彼等かれら亦接またつがれんかみよくこれを接得つぎうればなり
二四 なんぢもしもとうまれつきたる橄欖かんらんよりきら其生稟そのうまれつきもとり嘉橄欖よきかんらんつがれたらんにはまし原樹もときえだおの其橄欖そのかんらんつがれざらん
二五 兄弟きゃうだい我爾曹われなんぢら自己みづからかしこしとする事無ことなからんため此奥義このおくぎしらざるをこのまずすなは幾分いくばくイスラエル頑梗にぶき異邦人いはうじん數盈かずみつるにいたらんときまでなり
二六 しかしイスラエル人悉ひとことゞゝすくはるるをしるして救者すくひてシオンよりいでヤコブ不虔ふけん取除とりのぞかん
二七 またそのつみゆるときわれかれらにたてところちかひ此也これなりあるごと
二八 福音ふくいんついては爾曹なんぢらえきため彼等かれらにくまれ選擇えらびついては先祖せんぞゆゑによりて彼等かれらあいせらるゝなり
二九 そはかみたまものまねきかはることなきによる
三十 もとなんぢらはかみそむきしが今彼等いまかれらそむけるにより爾曹衿恤なんぢらあはれみうけたるがごと
三一 いまかれらのそむけるは爾曹なんぢら衿恤あはれみうくるにより亦衿恤またあはれみうけんためなり
三二 それかみ衆人すべてのひとあはれまんがためみなこれを不服そむきうちいれかこめり
三三 あゝかみしきとみ
[千九百二十二]
ふかいかな其審判そのさばきはかがた其踪跡そのみちたづがた
三四 たれしゅこゝろしりたれかれともはかることをしや
三五 たれまづかれにあたへ其報そのむくいうけんや
三六 そは萬物よろずのものかれよりいでかれによりかれにかへればなりねがはくは世々よゝ榮神ほまれかみにあれアメン


第十二章[編集]

され兄弟きゃうだい我神われかみ諸々慈悲もろゝゝのじひをもて爾曹なんぢらすゝむそのかみこゝろかなきよいけ祭物そなへものとなしてかみささげ是常然これなすべきまつり
またこのならなか爾曹神なんぢらかみまったくかつぜんにしてよろこぶべきむねしらんがためこゝろかへあらたにせよ
われうくるところめぐみより爾曹なんぢら各人おのゝゝつげこゝろたかぶおもひすごすことなかかみ各人おのゝゝたまはりたる信仰しんかうはかりしたがひて公平たひらか思念おもふべし
すなは我儕一體われらひとつからだおほくえだあれどもみなそのつとめおなじうせざるがごと
各人おのゝゝキリストおい一體ひとつからだたればまたたがひに其枝そのえだたるなり
されたまはところめぐみより各 賜おのゝゝたまものことにせりあるひ預言よげんあらば信仰しんかうはかりしたがひて預言よげんをなし
あるひ役事つとめあらば其役事そのつとめをなしあるひ教誨をしへをなすもの其教誨そのをしへをなし
勸慰すゝめをなすもの其勸慰そのすゝめをなし賙濟ほどこしをなすものをしみなくほどこし理治をさめをなすものおこたらずをさ衿恤あはれみをなすものよろこびてあはれむべし
あいいつはることなかあくにくぜんしたし
兄弟きゃうだいあいをもてたがひあい禮義れいぎ相讓あひゆづ
十一 つとめおこたらずこゝろあつくしてしゅつか
十二 のぞみよろこ患難なやみたへ祈禱いのりつねにし
十三 聖徒せいと匱乏ともしき賑恤にぎは遠人たびゞと慇懃ねんごろにせよ
十四
爾曹なんぢらそこなものしゅくこれしゅくしてのろふべからず
十五 よろこものともによろこびかなしものともかなしむべし
十六 相互あいたがひこゝろおなじうし尊大志たかきおもひをなさずかへっ卑微ひくきつけ又自己またみづからさとしとするなか
十七 あくをもてあくむくゆなか衆人ひとゞゝよしとするところこゝろとめこれをなし
十八 行得なしうべきところちからつくして人々ひとゞゝ睦親むつみしたしむべし
十九
わがあいするもの其仇そのあだむくゆるなかれ退しりぞきてしゅいかりまてそはしるしてしゅ曰給いひたまひけるはあだかへすは
[千九百二十三]
われありわれかならこれむくいんとあれバなり
二十 是故このゆゑなんぢあだもしうゑなばこれくらはせかわかばこれのませよ爾如此なんぢかくするは熱炭あつきひかれかうべつむなり
二一 なんぢあくかたるゝなかぜんをもてあくかつべし

第十三章[編集]

かみありけんもてものすべ人々服ひとゞゝしたがふべし蓋神そはかみよりいでざるけんなくおよあるところのけんかみたてたまふところなればなり
是故このゆゑけんさかものかみさだめそむくなり逆者そむくものみづか其審判そのさばきうくるべし
有司つかさびと善行よきわざおそれあら悪行あしきわざおそれなり爾權なんぢけんおそれざることをねがたゞよきおこなされかれよりほまれ
かれなんぢえきせんためかみしもべなりあくなさおそれよかれいたづらにやいばとらかみしもべたればあくおこなものいかりをもてむくゆるものなり
ゆゑこれしたが惟怒たゞいかりよりてのみしたがはず良心りょうしんよりしたがふべし
是故このゆゑ爾曹貢なんぢらみつぎをさめ彼等かれらかみ用人つかひびとにしてつね此事このことつかさどれり
なんぢらうくべきところひとにはこれあたへみつぎうくべきものにハこれみつぎぜいうくべきものにはこれぜいおそるべきものにはおそたふとむべきものこれたふと
なんぢらたがひあいおふのほかすべてことひとおふことなか蓋人そはひとあいするもの律法おきて完全まったふすればなり
それ奸淫かんいんするなかころなかぬすなかいつはりあかしたつなかむさぼなかれといへ此餘このほかなほいましめあるともおのれごとなんぢとなりあいすべしといへことばうちこもりたり
あいとなりそこなハず是故このゆゑあい律法おきて完全まったう
十一 かくごとなすべし我儕われらときしれいまねぶりよりさむべきのときなり蓋信仰そはしんかうはじめよりさら我儕われらすくひちか
十二 すでにふけ日近ひちかづけりゆゑ我儕われら暗昧くらきわざすて光明ひかりよろひきるべし
十三 おこなひ端正ただしくしてひるあゆむごとくすべし饕餮たうてつ醉酒すいしゅまた奸淫かんいん好色かうしょくまた爭鬪さうとう嫉妬しっとあゆむことなか
十四
[千九百二十四]
たゞなんぢらしゅイエス キリスト肉體にくたいよくおこなはんがため其備そのそなへをなすことなか


第十四章[編集]

信仰しんかうよわものうけされ其意そのおもところなじなか
或人あるひとすべてものくらふべしとしん或人あるひとよわくして只野菜たゞやさいくらへり
くらものくらはざるもの藐視かろしむることなかくらはざるものくらもの審判さばきするなかかみこれをうくれバなり
なんぢ何人なにびとなれバ他人ひとしもべ審判さばきするかかれあるひたちあるひはたふるることは其主そのしゅよれかれまたかならたてられんかみよくこれを立得たてうればなり
或人あるひと此日このひ彼日かのひまされりとし或人あるひと諸日いづれのひもみなおなじとす各人おのゝゝみづからさだめ其心そのこゝろかたくすべし
まもものしゅためまもまもらざるものしゅためまもらずくらものしゅためくらへり蓋神そはかみしゃすることをすればなりくらハざるものしゅためくらはずこれまたかみしゃすることをせり
我儕われらのうちおのれためいきあるひはしぬものなし
そはわれらいくるもしゅためにいきしぬるもしゅためしぬこのゆゑあるひいきあるひはしぬるも我儕われらはみなしゅのものなり
それキリストしに復生またいきしはすなは生者いけるもの死者しねるものしゅとならんためなり
なんぢなんぞ其兄弟そのきゃうだい審判さばきするやなん其兄弟そのきゃうだい藐視かろんずるや我儕われらみなキリスト臺前だいぜんたつべきものなり
十一 しるしてしゅいひたまへるはわれいけかみすべてのひざまへかがますべてしたわれ讃美さんびすべしとあるごと
十二 是故このゆゑ我儕われらおのゝゝおのれことかみうったふべし
十三 され我儕われらたがひに審判さばきすることなかむし兄弟きゃうだいまへ絆 跌つまづくものあるひは防 礙さまたぐるものおかざらんことをさだむべし
十四 われしゅイエスよりすべて物潔ものきよからざるなきをしりかつこれしんされひともし不潔きよからずおもはゞ其人そのひとおいてはすなはきよからざるなり
十五 なんぢもし食物しょくもつため兄弟きゃうだいうれへしめば其行そのおこなふところあいみちかなはずキリストかれのために死給しにたまひたれば爾食物なんぢしょくもつよりかれほろぼすことなか
十六 爾曹なんぢらぜんひとそしらるゝことをするなかれ
十七 そはかみくに飮食いんしょく
[千九百二十五]
あら惟義たゞぎくは聖靈せいれいよれ歡樂よろこびにあり
十八 かくごとくしてキリストつかふものかみこゝろかなひまたひとぜんとせらるゝなり
十九 是故このゆゑ我儕人われらひと和睦わぼくせんことゝ相互あいたがひとくたてんことゝを追求おいもとむべし
二十 食物しょくもつよりかみなせところこぼつことなかすべてものみなきよしかれどもこれくらふてひとつまづかするものにはあくとならん
二一 にくくらさけをのむ何事なにごとよらなんぢ兄弟きゃうだいたふあるひ懦弱よわくするはよからざるなり
二二 なんぢしんあるかおのれこれをかみまへまも其許そのよしとするところみづから審判さばきすることなきものさいはひなり
二三
疑者うたがふものもしくらはゞつみさだめらる是信仰これしんかうよりくらはざればなりすべて信仰しんかうよりてせざるものつみなり


第十五章[編集]

され我儕われらつよからざるもの懦弱よわきおいおのれこゝろよろこばざるをもなすべきことなり
我儕われらおのゝゝとなりとくたてんためにぜんをもてこれよろこばすべし
キリストすらなほおのれをよろこばすことをせざりきそはなんぢをそしもの毀謗そしりわれおよべりとしるされしごと
從前はやくよりしるされたるところみなわれらにをしへ聖書せいしょ忍耐しのび安慰なぐさめとのことよりのぞみさせんためしるせるなり
忍耐しのび安慰なぐさめあたふるかみ爾曹なんぢらイエス キリストならひたがひにこゝろおなじうすることあたへ
爾曹なんぢらをしてこゝろひとつにしくちひとつにしかみすなはち我儕われらしゅイエス キリストちゝ讃美さんびあがめしめたまはんことをねがへり
是故このゆゑキリストかみあがめため我儕われらうくるがごと爾曹なんぢらたがひうくべし
われいはんかみ眞理まことためイエス キリスト割禮かつれいつかひとなり先祖せんぞ約束やくそくたまひしことを堅固かたうせり
また異邦人いはうじん其衿恤そのあはれみよりかみあがしるして是故このゆゑ我異邦人われいはうじんうちありなんぢあがめまたなんぢ讃美さんびすべしとあるごと

また異邦人いはうじんしゅたみともよろこぶことをよといへ
十一 萬邦よろずのくにしゅいはふべし萬民よろずのたみしゅせついはふべしといへ
十二 またイザヤいへらくエッサイめざし異邦人いはうじんをさめんとするものおこらんとす
[千九百二十六]
邦人はうじんみなこれよらんと
十三 のぞみあたふるかみ爾曹なんぢらをして聖靈せいれいちからよりそののぞみおほいにせんがため爾曹なんぢら信仰しんかうよりおこすべて喜樂よろこび平康やすきみたしめたまはんことをねがへり
十四 わが兄弟きゃうだいわれなんぢらが仁慈なさけ滿みちすべてのみちたがひ勸得すゝめうることをしん
十五 しかれども兄弟きゃうだいわれなほ爾曹なんぢら憶起おもひおこさせんがためはゞからずしてほゞなんぢらにかきおくれり是神これかみわれたまところめぐみよるなり
十六 すなは異邦人いはうじんためイエス キリストつかひとなりてかみ福音ふくいんまつりをなしさゝぐところ異邦人いはうじん聖靈せいれいよりきよまらしめかみ意旨みこゝろかなはせんためなり
十七 是故このゆゑ我神われかみことついてはイエス キリストよりほこところあり
十八 十九 いかにとなればキリストわれたすけ異邦人いはうじん順從したがはしめんため休徴しるし奇跡ことなるわざちからかみみたまちからあらはことばおこなひとをエルサレムよりあまねイルリコいたるまで其福音そのふくいんつたへさせたまひしことのほかひとつことをも我敢われあへいはざるなり
二十 かつわれつゝしみて他人たにんおき土基どだいたてじとイエスいまとなへられざるところ福音ふくいん宣傳のべつたへたり
二一 いまかれついつたへざるものみるべくいまきくことをざるものさとるべしとしるされたるがごと
二二 是故このゆゑしばしさまたげられてわれなんぢらにいたることをざりき
二三 いまこのつたふべきところなし我年來われとしごろなんぢらにゆかんことをねがへゆゑ
二四 イスパニヤおもむかんついで爾曹なんぢらいたるべし蓋經過そはすぐるときに爾曹なんぢらあひほゞこゝろ滿足みつることをまたなんぢらにおくられんことをのぞめなり
二五 されいまわれ聖徒せいとたすけためエルサレムゆかんとす
二六 マケドニヤアカヤ人々ひとゞゝエルサレムまづし聖徒せいとため供給たすけをすることを喜悦よろこびとせり
二七 彼等悦かれらよろこびてこれをなすは其負そのおふところるがゆゑなり蓋異邦人そはいはうじんもしれいつくものをうけたらんにはつくものをてまた彼等かれらつかふべきなり
二八 是故このゆゑわれこのことをはり此果このみわたしゝのちなんぢらによりイスパニヤゆか
二九 われ爾曹なんぢら往時ゆくときキリスト福音ふくいん滿みち
[千九百二十七]
めぐみ爾曹なんぢらいたらんことをしれ
三十 兄弟きゃうだい我儕われらしゅイエス キリストにより聖靈せいれいあいより爾曹なんぢらすゝねがはくはわれともちからつくしてわがためにかみいのることを
三一 そはわがユダヤにある不信者ふしんじゃよりたすかりまたエルサレムおもむ供事つとめ聖徒せいとこゝろかなは
三二 またかみむねしたがよろこびて爾曹なんぢらいた安慰なぐさめんがためなり
三三 平安へいあんかみなんぢら衆 人すべてのものともいまさんことをねがふアメン

第十六章[編集]

われケンクレアにある教會けうくわい執事しつじなる我儕われら姉妹しまいフイベ爾曹なんぢらすゝ
なんぢら聖徒せいとなすべきごとしゅよりかれうけそのもとむところこれたすけかれもとおほくのひとたすけまたわれをもたす

こふプリスキラアクラやすきとへかれらはイエス キリストついわれともつとむものなり
またわがいのちためおのれくびつるぎしたおけたゞわれ而已のみならず異邦人いはうじんすべて教會けうくわいもまた彼等かれら感謝かんしゃせり

またそのいへにある教會けうくわいにもやすきとへまたあいするところエパイ子トやすきとへかれはアジアおいキリストはじめむすべるなり
我儕われらためおほく苦労くらうをせしマリアやすきとへ
またわれとも囚人めしうどとなりし親戚しんせきなるアンデロニコジュニヤやすきとへかれら使徒等しとたちうち名聲きこえあるものなりわれさきだちてキリストをりものなり
キリストありあいするアンピリアトやすきとへ
キリストつい我儕われらともつとむウルバノまたわがあいするスタクやすきとへ
キリストおい鍜錬たんれんなるアペレやすきとへアリストブロいへものやすきとへ
十一 わが親戚しんせきなるヘロデオナやすきとへナルキソいへなるしゅにをる者等ものどもやすきとへ
十二 テルパイナテルポサやすきをとへ彼等かれらしゅおい苦労くらうせしおんななり又愛またあいせらるゝペルシーやすきとへかれはしゅをりおほ苦労くらうせしおんななり
十三 しゅえらばれしルポ其母そのはゝとにやすきとへかれがはゝすなは我母わがはゝなり
十四 アスキリトピリゴンヘレマトロパヘレメ
[千九百二十八]
また彼等かれらともにある兄弟きゃうだいやすきとへ
十五 ピロロジュリナ子リオ其姉妹そのしまいまたオルンパおよ彼等かれらともなるすべて聖徒せいとやすきとへ
十六 爾曹なんぢらきよき接吻くちつけをもてたがひやすきとへキリストすべて教會けうくわいなんぢらにやすきとへ
十七 兄弟きゃうだいわれなんぢらにすゝおゝよ爾曹なんぢらまなべところをしへそむきてあらそわかたせ又躓またつまづかするものとめてこれさけ
十八 かくごともの我儕われらしゅイエス キリストつかへおのれはらにつかふるものなり又言またことたくみにし媚諂こびへつらひて質扑しつぼくなるものこゝろあざむくなり
十九 され爾曹なんぢら順從したがへること衆 人すべてのひと傳揚ひろがりたればわれなんぢらのためよろこべりわれなんぢらがぜんかしこあくおろかならんことをねが
二十 平安へいあん神爾曹かみなんぢら足下あしのしたおいサタンすみやかくだくべし我儕われらしゅイエス キリストめぐみなんぢらとともあらんことをねが
二一 われともつとむテモテ親戚しんせきルキヤソンソシパテロより爾曹なんぢらやすきとへ
二二 此書このふみかけテリテオわれキリストおい爾曹なんぢらやすきとふ
二三 われ全會ぜんくわい寓主あるじガヨス爾曹なんぢらやすきとへまち庫司くらづかさエラストまた兄弟きゃうだいクワルト爾曹なんぢらやすきとへ
二四 我儕われらしゅイエス キリストめぐみなんぢらとともあらんことをねがふアメン
二五 二六 ならざりしまへより隱藏かくれたりしかど萬國ばんこくたみをしてしんしたがはしめんがためいまかぎりなきかみめいかな預言者よげんしゃふみよりあらはれし其奥義そのおくぎしたがひてわがつたふる福音ふくいんおよびとくところのイエス キリスト教訓をしへてら爾曹なんぢら堅固かたうすることをうるもの
二七 すなは獨一叡智神ひとりのかしこきかみ榮光窮えいこうかぎりなくイエス キリストよりあらんことをねがふアメン


新約全書羅馬書  終