新聞紙印行條例
表示
書下文
新聞紙印行條例(2年2月8日、布告第135号)
一、各箇の新聞紙は、宜しく各箇の表題あるべし。
一、標題を以て開版免許の上は、毎号検印を受くるを要せず。只、出版即日二部を官に納むべし。
一、各号毎に、出版の所、年月日、編集人若くは出版者の姓名及び各号の号数とを載すべし。
一、凡、記載する事件に付て吟味すべき事有時は、編集人其弁解をなすべし。若し弁解無き者は罰金を出さしむ。
一、一切天変地異物価商法政法(不許妄加批評)、軍事(其説錯誤而不政治者有責)、火災、嫁娶、生死、学芸、遊宴会、衣服、飲食、諸種官報、洋書訳文、海外雑話、凡事無害者は皆記載すべし。
一、贈答書籍或は各人作る所の文、若くは雑説等、其姓名を註す(只だ歌詞の内、作者不詳者は此例にあらず)。
一、新聞紙中、人罪を評告する事、厳禁なり。
一、妄りに教法を説くことを許さず。
別紙附録
一、官権の新聞紙は、開成学校の関する所に非ず。
一、各府県にて出版の新聞紙は、其府県裁判所にて検閲すべし。
一、外国人国字を以て出版する者は、各地運上所にて之を監し、毎事必ず裁判所に報知すべし。裁判所は皆、新に定めたる条例に拠て齟齬すべからず。
一、開成学校に於ては、専ら東京中出版の者を監す。
一、東京出版の新聞紙若し條例に背く者ある時は、開成学校より之を東京裁判所に告げ、同所にて出版願人を糾問し、罪に従って科断す。