新撰和歌序

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昔延喜御宇、屬世之無一レ爲、因人之有一レ慶、令萬葉集外、古今和歌一千篇。更降 勅命其勝矣。傅勅者執金吾藤納言、奉 詔者草莽臣紀貫之。貫之未抽撰。分憂赴任。政務餘景漸以撰定。

抑夫上代之篇、義漸幽而猶質。下流之作、文偏巧而義漸疎。故抽弘仁于延長詞人之作、花實相兼而已。今之所撰玄又玄也。非唯春霞秋月潤艷流於言泉、花色鳥聲鮮浮藻於詞露。皆是以動天地神祇、厚人倫存敬、上以風化下、下以諷刺上。雖誠假文於綺靡之下、然復取義於教戒之中者也。爰以春篇配[1]秋篇、以夏什冬什。各相鬪文兩々雙書焉。慶賀哀傷、離別羈旅、戀歌雜歌之流、各又對偶。惣三百六十首、分爲四軸。蓋取三百六十日於四時耳。

貫之秩罷歸日、將 上獻之。橋山晚松、秋雲之影已結、湘濱秋竹、悲風之聲急幽。傳 勅納言亦已薨去。空貯妙辭於箱中。獨屑落淚于襟上。若貫之逝去、歌亦散逸。恨使絶艷之草、復混鄙野之篇。故聊記本源以傳末代爾。

 右以本朝文粹本書寫而以元祿八年版本其他校訂畢、昭和十五年四月。

脚注[編集]

  1. 底本、己を巳に作る

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