数字詩

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白文 書き下し文 訳文
二十樹下三十客 二十の樹ハリケヤキの樹の下 三十悲しい 二十の樹スムナム[1]の下 三十ソルン[2]悲しいソロウン[3])旅人に
四十家中五十食 四十けしからん家中 五十の食すえた飯 四十のマフン[4]けしからんマンハル[5])家では饐えたシュイン[6][補足 2]飯をくれるのな
人間豈有七十事 人間 七十こんな事 有らんや 人がどうして七十イルン[7]こんなイロン[8])事をされるのだ[補足 3]
不如歸家三十食 家に帰るに如かず 三十食生煮えの飯 家に帰って行って三十ソルン[9]生煮えのソリグン[10])飯を食うよりも仕方が無い

訳注[編集]

  1. 「二十の」は韓国語で「스무(スム)」、「樹」は「나무(ナム)」だが、「스무나무(スムナム)」でハリケヤキ Hemiptelea davidii という意味になるので、「二十樹下」は「ハリケヤキの下」という意味になる。
  2. 「三十」は“서른(ソルン)”
  3. 「悲しい」は“서러운(ソロウン)”
  4. 「四十」は“마흔(マフン)”
  5. 「けしからん」は“망할(マンハ”、「くたばりぞこないの」「見苦しい」という意味もある。語源的には「死ぬべき(“亡할”)」(「死ぬ」「亡びる」を意味する“亡하다”の未来連体形)という意味。
  6. 韓国語で「五十」と「えた」は共に「(シュイン)」で同音。
  7. 「七十」は“일흔”(イルン)
  8. 「こんな」は“이런(イロン)”
  9. 再び「三十」、“서른(ソルン)”
  10. 「生煮えの」は“설익은(ソリグン)”

補足[編集]

  1. 金炳淵の代表作の一つで、崔碩義 編訳注 『金笠詩選』 平凡社東洋文庫〉、2003年、14頁。ISBN 4582807143によれば、「ほとんどの『金笠詩集』は冒頭にこの詩を掲げている」という。「二十樹下」という題でもよく知られている。
    • 例えば、『朝鮮ユーモア文学傑作選 笑いの三千里』 金学烈・高演義 編、白水社〈白水Uブックス〉、1992年、336-337頁。ISBN 4560070970。「「二十樹下」と呼ばれている漢詩であるが、ここでは詩中の数字を訓読みにして、それぞれことばの意味を変えて歌っている。けっきょく詩の意味は「はりけやきスムナム(二十樹)の下に座った悲しいソルン(三十)旅人(放浪の詩人自身)に下道者マンハルノム(四十)の家ではすえたシン(五十)ご飯をくれる。人間にどうしてこんなイルン(七十)事が有りえるのだろうか。家に帰り半なまのソルン(三十)ご飯を食べる方がましだ」ということである」
  2. える」とは、飲食物が傷んで酸っぱい臭気を発したり、酸っぱくなったりするようになること。または飲食物が腐って臭いや味が酸っぱくなること。饐える - w:コトバンクも参照。
  3. 「人間」を「人の世」「世の中」「この世」と解して、「世の中にどうしてこんな事があるのか?(w:反語)」または「世の中にこんな事があって良いものか!」と訳す事も可能。

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