我は海の子
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『尋常小学読本唱歌』(1910年)
[編集]我 は海 の子 (卷十一、第六課)
我 は海 の子 白浪 の
さわぐいそべの松原 に煙 たなびくとまやこそ我 がなつかしき住家 なれ。生 まれてしほに浴 して浪 を子守 の歌 と聞 き千里 寄 せくる海 の氣 を吸 ひてわらべとなりにけり。高 く鼻 つくいその香 に不斷 の花 のかをりあり。
なぎさの松 に吹 く風 を
いみじき樂 と我 は聞 く。丈餘 のろかい操 りて行手 定 めぬ浪 まくら百尋 千尋 海 の底 遊 びなれたる庭 廣 し。幾年 こゝにきたへたる鐵 より堅 きかひなあり。吹 く鹽風 に黑 みたる
はだは赤銅 さながらに。浪 にたゞよふ氷山 も來 らば來 れ恐 れんや。海 まき上 ぐるたつまきも起 らば起 れ驚 かじ。- いで
大船 を乘 出 して我 は拾 はん海 の富 。
いで軍艦 に乘 組 みて我 は護 らん海 の國 。
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