愛は悲哀の薔薇なり

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本文[編集]

愛は悲哀の薔薇なり
萩原恭次郎

——君—  ——酔つた脳漿に
——君—  ——不均整な建築が
——君—  ——建つてゐる

A——凍死する夜が何あんだい
B——死んだら骨が菓子になるよ
C——美しい墓場の下は遊園地だ

  コノヨトオナヂサカバモアツタラ
  カツプヲタタキツケアツテ
  ホヱヨウヨ——ホヱヨウヨ——

今 オレは神聖な少女に薔薇を貰つて来た
酒場はウヰスキーのやうにふるえて
怒りつぽい度怯が跳ね上つてゐる

●●●ぴあのも●タンバリンも●女優も
 ~~~~~~~~~~~~~~赤い色は薔薇と心臓だけだ!
  金貨も………酒も………抱擁も………暗い花だ

A「何んでもないよ女子大学生」
B「みんな彼奴等若い身空で死ぬんだとさ」
C「すつぽりマントを冠つて接吻したつて」

   ●――闇ヂヤ紳士ダツテ
    悪魔一緒ヂヤナイカ

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。最終聯の

「 ――
   」

は原文においては2行×4文字にわたり、その頂点において「●」と接する折れ線である。