心臓をアルコールに漬けて

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本文[編集]

心臓をアルコールに漬けて
萩原恭次郎

心臓をアルコールに漬けて
瓶の中に入れとくと

みんな歓喜となつてしもふ
幾度も 幾度も 振つてからのぞくと

瓶一杯 つらい日の記憶となつてしもふ
杯についで飲まふとする時

真赤な哄笑が
腹をよつて悲しい怒りになつてしもふ

臍のあたりに 涙の乾ついた重点が
自分の顔を釘づけにしてゐる

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。