廻転する生命

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本文[編集]

廻転する生命
萩原恭次郎

緑黄ばみかゝつたプラタナの鋪道
朝を———未だ冷い
  短帽
    青黒い長外套
  堅牢なる長靴
偉軀を運ぶ————数人の軽い快達

直線
  直角
凄い目————すばやい視線
 爽快な口笛
勇敢な黒色
  目ぶちの蒼い透明な理智
只 静かに確然と歩く
指は太く火薬臭い
胸は強く火を持つ
  彼らは何処へ?
  何処の煙りと炎の中に?

見よ!
  聞け!
突如!
変光と暗号の交合
必死的最後の単色
激変し
   廻転した生命
焦死———(ピストルと死体)
======骨

彼等は行く静かに
確然と

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。