安里屋ユンタ

提供:Wikisource

安里屋ユンタ[編集]

  1. サァ 安里屋(あさどや)ぬ クヤマによ サァ ユイユイ
     あん美(ちゅ)らさうん 生(ま)りばしよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  2. サァ 目差主(みざししゅ)ぬ 請(く)うだらよ サァ ユイユイ
     与(あた)る親(や)ぬ 望(ぬず)むたよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  3. サァ 目差主(みざししゅ)や 吾(ば)なんばよ サァ ユイユイ
     与(あた)る親(や)や 此(く)りゃおいすよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  4. サァ 否(んば)でから みしゃさみよ サァ ユイユイ
     嫌(べる)でから 良(ゆ)くさみよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  5. サァ 否(んば)で者(す)の 見(み)る目(み)いよ サァ ユイユイ
     嫌(べる)で者(す)ぬ 聞(し)く耳(みん)よ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  6. サァ 仲筋(なかすじ)に 走(ば)りおりよ サァ ユイユイ
     組角(ふんかど)に 飛(と)びやおり マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  7. サァ 村繰(むらく)りし 見(み)りばどぅ サァ ユイユイ
     道廻(みちく)りし 聞(し)きばどぅ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  8. サァ 女童(みやらび)ぬ いかゆてぃ サァ ユイユイ
     美(あふぁ)り子(ふぁ)ぬ 通(とぅ)りゃゆてい マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  9. サァ 誰(たる)が子(ふぁ)で 名(な)問(とぅ)たらよ サァ ユイユイ
     何(じ)りが子(ふぁ)で 名(な)聞(し)くたらよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  10. サァ 兼間子(かねまふぁ)ぬ イスケマよ サァ ユイユイ
     蒲戸子(かまどふぁ)ぬ 女童(みやらび)よ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  11. サァ 兼間家(かねまや)に 走(ば)りおりよ サァ ユイユイ
     蒲戸家(かまどや)に 飛(と)ばしおりよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  12. サァ 兼間子(かねまふぁ)や 吾(ば)ぬん呉(ひ)りよ サァ ユイユイ
     蒲戸子(かまどふぁ)や くりゃおいしよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  13. サァ 欲(ふ)しやでから さりおりよ サァ ユイユイ
     望(ぬず)むから まきおりよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  14. サァ あまぬさにしゃん 抱(か)いだぎばりきゃんゆ サァ ユイユイ
     どぅくぬ愛(んぞ)さんや地(じい)よ ちょんかむさなよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  15. サァ ンブフル 道(みち)からよ サァ ユイユイ
     石(いし)ふだぎ 道(みち)からよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  16. サァ 玻座間村(はざまむら) さりおりよ サァ ユイユイ
     親村(うやむら)に 抱(か)ぎおりよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  17. サァ ういか家(や)ぬ 浦座(うらざ)によ サァ ユイユイ
     目差家(みざしや)ぬ 座敷(ざしき)によ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  18. サァ 台(だい)取(と)らし 見(み)りばとよ サァ ユイユイ
     酌(さふ)取(と)らし 見(み)りばとよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  19. サァ 台(だい)取(と)りぬ 美(かい)しやぬよ サァ ユイユイ
     酌(さふ)取(と)りぬ 美(ちゅ)らさぬよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  20. サァ 八折屏風(やうりべぶ)ぬ なかなんが サァ ユイユイ
     絵描屏風(えかきべぶ)ぬ 内(うち)なんが マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  21. サァ 腕(うで)やらし 寝(に)びどぅしょうる サァ ユイユイ
     股(また)やらし ゆくいどぅしょうる マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  22. サァ 男(ひふ)な子(ふぁ)ん くぬみどぅしょうる サァ ユイユイ
     女(みどぅ)な子(ふぁ)ん 作(つく)りどぅしょうる マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  23. サァ 男(ひふ)な子(ふぁ)や 島持(しまも)ち生(ま)りばし サァ ユイユイ
    女(みどぅ)な子(ふぁ)や 家持(やも)ち生(ま)りばし マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ

上記の文章化なされている「安里屋ユンタ」の歌唱法は「石垣市字登野城(石垣島)など」の歌唱方のようになっておりますが、歌詞の読み方や発音の面でかなりの竹富島方言や他の八重山諸島の方言と異なった誤記載や誤読が多数含まれていると思われます。

例として、八重山地方の数箇所の集落での謡い方を1番のみ記載します。

竹富町竹富公民館(竹富島): ヒヤ 安里屋ぬくやまにヨー サーユイユイ 目差主ぬ 乞ようたらヨー ハーリヌ チンダラチンダラヨー マタハーリヌ チンダラチンダラヨー

石垣市登野城(石垣島): サー 安里屋ぬくやまにヨー サーユイユイ あん美らさ 生りばしヨー マタハーリヌ チヰンダラカヌシャーマヨー

石垣市石垣(石垣島): ヤー 安里屋ぬくやまにヨー サーユイユイ あん美らさ 生りばしヨー マタハーリヌ ツィンダラカヌシャーマヨー

石垣市白保(石垣島): サー 安里屋ぬくやまにヨー サーユイユイ あん美らしゃ 生りばしヨー マタハーリヌ チンダラカヌシャーマヨー

上記4つは各地の字ごとに保存されているものを並べてみました。

このソースの冒頭から記載されている歌唱に於ける歌詞や囃子の形式は「石垣島の字登野城」のものと「竹富島の竹富公民館」で保存されている「竹富島の仲筋村、玻座間村」のものが混同されて記載されている可能性が考えられます。 尚、他にも八重山地方各地に「安里屋ユンタ」は「ユンタ」や「ジラバ(ジラマ)」などとして広範囲に分布し、字や村落ごとに保存継承されており、発祥地である「竹富島」を根拠とするならば、「竹富島に伝承されている歌唱の形態」を根本的ソースとすべきであり、「石垣島などでの発展形」は第二のソースとすべきだと考えられます。 八重山地方での各字にて保存されている「安里屋ユンタの類の古謡の歌詞」などに関しては、以下の自治体の教育委員会に問い合わせの上、各地で保存活動を行っている自治会や保存会の担当の方を紹介していただくのが妥当かと思われます。

:石垣市教育委員会 :竹富町教育委員会

安里屋節(竹富島外)[編集]

  • 竹富島外で歌われている歌詞。
  1. サァ 安里屋(あさどや)ぬ クヤマによ サァ ユイユイ
     あん美(ちゅ)らさうん 生(ま)りばしよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  2. サァ 幼(いみ)しゃから あ子(ふぁ)り生(ま)りばし サァ ユイユイ
     くゆさから 白(しろ)さ生(ま)りばし マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  3. サァ 目差主(みざししゅ)ぬ 請(く)うだらよ サァ ユイユイ
     与(あた)る親(や)ぬ 望(ぬず)むたよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  4. サァ 目差主(みざししゅ)や 吾(ば)なんばよ サァ ユイユイ
     与(あた)る親(や)や 此(く)りれゆむよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  5. サァ なゆりゃどぅ 否(んば)ですよ サァ ユイユイ
     如何(いか)やりゃどぅ ゆむですよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ
  6. サァ 島(しま)ぬ夫(おっと) 持(も)つぁばどぅよ サァ ユイユイ
     ふんぬ里(さと) かむばどぅよ マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ

*上記の歌詞の形態は、明らかに「石垣島の安里屋ユンタ」が誤って記載されていると考えられます。

「安里屋節」の歌詞を「竹富島」と「八重山古典民謡として通常謡われる形式」の2パターンを掲載します。

竹富島:  安里屋ぬ くやまにヨー 当りょう親ぬ 望みょうたヨー ウヤキ ヨーヌ ユバナウレ

八重山古典民謡:  安里屋ぬ くやまにヨー あん美らさ(しゃ) 生りばしヨー ウヤキ ヨーヌ ユバナヲレ