大陸棚の地下及び海底の天然資源に関する合衆国の政策

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宣言[編集]

アメリカ合衆国政府は、石油その他の鉱物の新たな供給源の長期的・世界的な必要性に鑑み、これらの資源の新たな供給源を発見・活用する努力を促進すべきであるとの見解を持っている。また、

国内の有能な専門家の見解によれば、こうした資源はアメリカ合衆国沖の大陸棚の至る所に眠っており、現代の技術の進歩をもってすれば、これらは既に利用可能であり、あるいは早晩利用可能になるという。また、

これらの資源の開発に乗り出すことになれば、保全及び賢明な活用をするためにも、当該資源に対する管轄権を認める必要が生じる。また、

アメリカ合衆国政府の見解では、大陸棚の地下及び海底の天然資源について、これに隣接する国が管轄権を行使するのは、妥当かつ当然である。何故なら、これらの資源を活用または保全する措置の有効性は沿岸からの協力と保護に左右されるからであり、大陸棚は沿岸国陸地の延長と見做され、従って必然的に同国に属するからであり、これらの資源は往々にして、領土内に横たわる油田層または鉱床の沖合への拡張をなしているからであり、また、沿岸国は自己防衛のため、これらの資源を活用する上で本質的に必要な行為、即ち沖合での活動の厳重監視を行わねばならないからである。

故に、私ことアメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンは、大陸棚の地下及び海底の天然資源に関するアメリカ合衆国の以下の政策を、ここに宣言する。

天然資源の保全及び賢明な活用の緊急性に鑑み、アメリカ合衆国政府は、公海下にあるがアメリカ合衆国の海岸に接続している大陸棚の地下及び海底の天然資源について、アメリカ合衆国に属し管轄権と管理に服するものと見做す。大陸棚が他国の沿岸に及び、または隣国と共有される場合、境界線はアメリカ合衆国と関係国とにより衡平の原則に従って画定される。大陸棚の上部水域の公海としての性格、及び公海を自由に制限なく航行する権利は、決してこのことによる影響を受けるものではない。

以上の証として、私はこの文書に署名し、アメリカ合衆国の国璽を押した。

アメリカ合衆国独立170周年に当たる西暦1945年9月28日ワシントン市にて署名。(国璽)

大統領による署名

ディーン・アチソン

国務長官代理

底本[編集]

訳者

  • 初版投稿者(利用者:Lombroso)

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