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大斎第一週間奉事式略 2

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大斎第一週間奉事式

第一週間火曜日晩堂大課式

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始より「大規定」に至るまで月曜日と同じ、第百四十三頁より第百四十五頁までを看よ、
大規定ダイカノン
我が聖神父クリト島の大主教アンドレイの作。

第一歌頌「イルモス」

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第六の調

たすまもものあらわれて、すくいれり、彼はかみなり、われ彼をげん、彼はちちかみなり、われ彼をとうとうたはん、彼おごそか光栄こうえいあらわしたればなり。

しょう 神よ、我をあわれみ、我をあわれみ給へ。

われカイン殺害せつがいへたり、けだしわれ自由じゆうにして罪悪ざいあく肉体にくたいかし。悪業あくぎょうもつたましいちて、これころものとなれり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

イイススよ、われアヴェリ義徳ぎとくならはず、なんぢ何時いつも、れらるべき献物ささげものをも、かみよろこばすおこないをも、いさぎよまつりをも、無玷むてん生命いのちをもけんぜざりき。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

わざわいなるたましいよ、我等われらカインごと萬有ばんゆう造物主ぞうぶつしゅ罪悪ざいあくまつりすなわち不潔ふけつおこない不当ふとう生命いのちとをささげたり、ゆえ我等われら定罪ていざいせられたり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

なんぢ陶工すえものしごとつちかたちづくりて、われにくほね呼吸いき生命いのちたまへり、造物主ぞうぶつしゅ贖罪主しょくざいおよ審判者しんぱんしゃよ、われ痛悔つうかいするものたまへ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、われおこなひし諸罪しょざいおよ殺害せつがいす、心中しんちゅうおもい盗賊とうぞくごとわれわせしたましいからだとのきずなんぢまえあらわす。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、われつみおかせりといえども、なんぢひとあいするものなるをる、なんぢ慈憐じれんもつばつし、熱愛ねつあいもつあわれみ、ものかえりみ、ちちごとはしりて放蕩ほうとうものす。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

永久えいきゅう三者さんしゃ一性いつせいおい伏拝ふくはいせらるるものよ、つみおもわれよりおろして、慈憐じれんなるにりて、われ感涙かんるいあたたまへ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

生神女しょうしんじょよ、なんぢうたもの憑恃たのみおよ轉達てんたつよ、つみおもわれよりおろして、いさぎよ女宰じょさいたるにりて、われゆるものたまへ。


第二歌頌「イルモス」

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てんよ、け、われつたへて童貞女どうていじょよりりてきたりしハリストスうたはん。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

つみわれよりかみさきりしころもぎて、ためかわごろもひたり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われ無花果いちじくごとくにはぢころもて、ほしいままなる諸慾しょよくしるしせり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われ邪侈じゃしにして快楽かいらくなる度生どせい不潔ふけつもつけがされ、かつまみれたるづべきころもたり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われ諸慾しょよくくるしみ物体ぶつたいやぶれとにしたがへり、ゆえいまてきわれむ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、われ世物せぶつこのみ、たからむさぼることを無慾むよくよりおもんじて、いまおもあつせらる。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われけがれたるおもいいろどれるころももつ肉体にくたい偶像ぐうぞうかざれり、ゆえ定罪ていざいせらる。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われただ外面がいめんかざりこころつくして、かみかたちりてつくられたる内幕ないまくかろんぜり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、われはじめかたちうるわしきを諸慾しょよくうちめたり、なんぢの「ダラフマ」のごとく、たづねてこれよ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われ淫婦いんぷごとなんぢぶ、われつみおかせり、われひとりなんぢまえつみおかせり、救世主きゅうせいしゅよ、われよりも香膏においあぶらごとなみだたまへ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われ税吏ぜいりごとなんぢぶ、救世主きゅうせいしゅよ、われあわれみ、われあわれたまへ、けだしアダム子孫しそんうち何人なんびとわれごとなんぢまえつみおかししものなし。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

われなんぢ三位さんいにして惟一ゆいいちなる萬有ばんゆうかみちち聖神せいしんうたふ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

じょうなる生神しょうしん童貞女どうていじょひとり衆人しゅうじん讃頌さんしょうせらるるものよ、我等われらすくいんことをせついのたまへ。

第三歌頌「イルモス」

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しゅよ、なんぢいましめいしうごけるこころかたたまへ、なんぢひとりせいにしてしゅなればなり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

われなんぢほろぼぼすものうち生命いのちいづみて、おわりさきだちて、中心ちゅうしんよりなんぢぶ、われつみおかせり、われあわれみてすくたまへ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

しゅよ、われつみおかせり、なんぢまえつみおかせり、われあわれたまへ、けだしひとうちには罪過ざいかもつえざりし罪人ざいにんなし。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、われノイとき放蕩ほうとうものならひて、彼等かれら洪水こうずいおぼるる定罪ていざいぎたり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢ殺父者ちちころしハムならひて、おもてけてとなり裸体らたいおおふことをせざりき。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、つみほのおロトごとけよ、ソドムゴモラけよ、およ無智むちのぞみけよ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

しゅよ、われなんぢぶ、われあわれなんぢ天使てんしともきたりて、衆人しゅうじんそのおこないしたがひてむくいんときわれあわれたまへ。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

単一たんいつにしてつくられざる三者さんしゃ無原むげんにして三位さんいうたはるるせいよ、我等われらしんもつなんぢ権柄けんぺい伏拝ふくはいするものすくたまへ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

かみははよ、なんぢときほかちちよりうまれしときうちおっとなくしてめり、ことなるかな奇跡きせきや、ちちもつやしなひて、童貞女どうていじょとどまれり。


第四歌頌「イルモス」

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しゅよ、預言者よげんしゃなんぢ降臨こうりんことき、なんぢ童貞女どうていじょよりうまれ、人々ひとびとあらわれんとほつするをおそれたり、しゅよ、光栄こうえいなんぢちからす。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、儆醒けいせいせよ、いにしえ太祖たいそおおいなるものごといさめ、しからばなんぢおこない智慧ちえとをかみ知識ちしきり、明悟さとりもつちかづきがた闇冥くらやみつらぬき、おおいなるたからけん。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、太祖たいそおおいなるもの十二じゅうに太祖たいそみて、なんぢためおこないもつのぼるべきかけはし奥密おうみつあらわして、もつ階級かいきゅうしるし、おのれ階級かいきゅうあゆみもつうえのぼるをしるせり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

わざわいなるたましいよ、なんぢにくむべきイサフならひて、ちょうぎょうすなわちはじめうるわしきもつなんぢ誘惑者ゆうわくしゃあたへて、ちち祝福しゅくふくうしなひ、おこない智慧ちえとをもつふたたつまづけり、ゆえいま痛悔つうかいせよ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

イサフ恋愛れんあいふけるにり、「エドム」とづけられたり、かれつね快楽かいらくかれ、邪慾じゃよくけがされて、「エドム」ととなへられたり、これけばつみこのたましいゆるなり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢ塵芥ちりあくたうちしてとせられしイオフこときて、かれいさみならわざりき、およなんぢところところこころみるところおい堅固けんごなるむねまもらずして、忍耐にんたいなきをあらわせり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

さき宝座ほうざりしものいま塵芥ちりあくたうちし、裸体らたいにして全身ぜんしん瘡痍かさこうむれり、おおくのたもち、あらわれしものにわかなくいえなきものれり、かれ塵芥ちりあくたそのみやし、瘡痍かさ宝石ほうせきせり。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

われなんぢどうおうにして同座どうざたる、三位さんいにして惟一ゆいいちなる神性しんせいせいおいわかれず、おい混合こんごうせざるものめ、なんぢおおいなるうたいとたか居所すまい三次みたびとなへらるるものうたふ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

なんぢむにも、童貞どうていまもるにも、二つながら天性てんせい童貞女どうていじょなり、なんぢよりまれしもの天性てんせいほうあらため、まざるはらむ、かみほつするところには天性てんせい順序じゅんじょえらる、かれほつすることをおこなへばなり。


第五歌頌「イルモス」

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ひとあいするしゅよ、いのる、よるよりむるものてらし、われをもなんじいましめみちびき、救世主きゅうせいしゅよ、われなんぢむねおこなふをおしたまへ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢむかしモイセイかれたるはこみやごとかわなみただよはされて、ファラオンはかりごとかなしむべきあとのがれしをけり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

不当ふとうなるたましいよ、なんぢむかし貞潔ていけつれいたる新生しんせい男子なんしころしし産婆さんばこときしならば、いまおおいなるモイセイごと智慧ちえものれ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

不当ふとうなるたましいよ、なんぢエギペトじんち、たおししおおいなるモイセイごとくに「エギペト」の智慧ちえころさざりき、しからばふべし、なんぢ如何いかんよくのがれて、痛悔つうかいもつるをん。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

おおいなるモイセイりき、たましいよ、なんぢきてかれ度生どせいならへ、なんぢいばらうちかみあらわるるをためなり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢうみちてふちかたむるモイセイつえおもへ、神聖しんせいなる十字架じゅうじかしるしたりき、これもつなんぢおおいなることおこなふをべし。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

アアロンきよくしてまじりなきかみささげたり、しかれどもオフニおよフィネエスは、たましいよ、なんぢごとかみうと不潔ふけつなる度生どせいささげたり。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

三者さんしゃよ、我等われらなんぢ惟一ゆいいちかみ讃詠さんえいす、せいせいせいなるかななんぢちち聖神せいしん単一たんいつせい永遠えいえん伏拝ふくはいせらるる惟一者ゆいいちしゃや。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

無玷むてんにしておっとらざるはは童貞女どうていじょよ、世々よよつくりし、かみなんぢうちおい霊体れいたいて、人性じんせいおのれあわたまへり。


第六歌頌「イルモス」

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われこころつくして仁慈じんじなるかみべり、かれいとふか地獄ぢごくよりぶをき、生命いのち亡滅ほろびよりたすたまへり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、諸罪しょざいなみくれないうみなみごとてんじてにわかわれおおへり、むかしエギペトじんその騎兵きへいとをおおひしがごとし。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢのぞみいにしえイズライリごとくに無智むちなり、けだしなんぢおろかにして、諸慾しょよく快楽かいらくくことを神聖しんせいなる「マンナ」よりおもんぜり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢハナネィおもいいどいづみあるいしよりおもんぜり、いづみよりづる智慧ちえかわうつわごと神学しんがくながれそそぐ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢぶたにくかまエギペトかてとをてんかてよりおもんぜり、いにしえ無智むちなるたみるがごとし。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

救世主きゅうせいしゅよ、なんぢぼくモイセイつえもついしちて奥密おうみつなんぢ生命いのちほどこわきかたどれり、我等われらみなこれより生命いのち飲料のみものむ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、イイスス ナウィンごと約地やくちさぐその如何いかなるをて、ほうかなおこないもつうち住所すまいさだめよ。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

われ単一たんいつにしてわかれざる三者さんしゃおいわかれたるものなり、またわれ惟一者ゆいいちしゃせいおい合一ごういつなるものなり、ちち聖神せいしんこれふ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

生神女しょうしんじょよ、なんぢはら我等われらためかたちけしかみめり、その万有ばんゆう造物主ぞうぶつしゅなるをもつて、かれいのたまへ、我等われらなんぢ祈祷きとうりてとせらるるをためなり。

しゅあわれめよ。 三次みたび

光栄こうえいちち聖神せいしんす、今も何時いつ世世よよに、「アミン」。

小讃詞コンダク 第六の調

たましいよ、たましいよ、きよ、なんねむる、おわりちかづく、なんぢみだれん、ゆえめよ、らざるところなくたざるところなきハリストスかみなんぢなだめんためなり。


第七歌頌「イルモス」

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列祖れっそかみよ、我等われらつみおかし、不法ふほうおこなひ、不義ふぎなんぢまえし、なんぢ我等われらいましめしことをまもらざりき、おこなわざりき、しかれどもおわりいたるまで我等われらつるなかれ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

約匱やくひつくるまかれて、牛路うしみちうしなひしときオザただこれるるにりてかみいかりこうむれり、たましいよ、なんぢかれつつしみなきをけて、ただしく神聖しんせいなることうやまへ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢアヴェサロム如何いかにして天性てんせいそむきしをけり、なんぢそのみにくおこないすなわちかれ如何いかにしてちちダヴィドとこけがししをる、しかれどもなんぢみづかかれ邪慾じゃよく快楽かいらくとのじょうならへり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢおのれ奴隷どれいならざるくらいなんぢ肉体にくたいしたがわしめたり、けだしなんぢアヒトヘルてきうちて、そのはかりごとけり、しかれどもハリストスみづかこれやぶりてなんぢすくいやすからしむ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

奇異きいなるソロモン智慧ちえ恩寵おんちょうたさるれども、かつかみまえあくおこなひて、かれよりはなれたり、たましいよ、なんぢみづからをのろわるべき生命いのちもつこれたるものれり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

ああ智慧ちえあいするもの快楽かいらくよくかれて淫婦いんぷおぼれ、かみはなれてけがれたり、たましいよ、なんぢみづか心中しんちゅうづべき邪慾じゃよくいだきて、かれならへり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢちちさとしかざりしロヴォアムまたむかし反逆者はんぎゃくしゃたる極悪ごくあくぼくイエロヴォアムひとしきものとなれり、しかれども彼等かれらならふをけて、かみべ、われつみおかせり、われあわれみをたまへ。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

単一たんいつにしてわかれざる一体いつたい三者さんしゃ惟一ゆいいちせい三光さんこう一光いつこう三聖さんせい一聖いつせいなるかみ三者さんしゃうたもつうたわる、たましいよ、なんぢ三一さんいち生命いのち萬有ばんゆうかみうたげよ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

かみははよ、我等われらなんぢうたひ、なんぢあがめ、なんぢ伏拝ふくはいす、けだしなんぢわかれざる三者さんしゃいつなるハリストスかみみて、みづか我等われらものためてん住所すまいひらたまへり。


第八歌頌「イルモス」

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およ呼吸いきあるもの造物ぞうぶつは、天軍てんぐん讃揚さんようし、ヘルヴィムセラフィムおののものうたひ、あがめて、世世よよげよ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢオジヤならひてかればいする癩病らいびょうけたり、不当ふとうことおもひ、不法ふほうことおこなへばなり、なんぢところてて、痛悔つうかいはしけ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢあさはいこうむりて、かみまえ痛悔つうかいせしニネヴィアじんことけり、しかれどもなんぢ彼等かれらならわずして、かたくななること、およ律法りっぽうまえおよ律法りっぽうのち罪人ざいにんへたり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢ如何いかイエレミヤ不潔ふけつおとしあなりて、シオンじょうためかなしなげきて、なみだもとめしをけり、かれ悲歎ひたん生命いのちならへ、しからばすくいん。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

イオナニネヴィヤじん悔改かいかい預知よちして、ファルシスのがれたり、けだしかれ預言者よげんしゃとして、かみあわれみをりて、預言よげんいつわりにならざらんため熱中ねつちゅうせり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、なんぢ如何いかダニイルおとしあなりて猛獣もうじゅうくちふさぎしをけり、如何いかアザリヤともにありし少者しょうしゃしんもついろりゆるほのおししをれり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

たましいよ、われ旧約きゅうやくよりなんぢためことごとくのれいけり、義人ぎじんかみよろこばしむるおこないならひ、悪人あくにんつみこれよりけよ。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

無原むげんちちどう無原むげん仁慈じんじ撫恤者ぶじゅつしゃなる神゚しんことばちち無原むげんちちことば生活せいかつにして造成ぞうせいする神゚しん三者さんしゃ惟一者ゆいいちしゃよ、われあわれたまへ。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

じょうなるものよ、くれない組織くみたてもつにしきころもるがごとく、エムマヌイル肉体にくたいなんぢはらうちられたり、ゆえ我等われらじつなんぢ生神女しょうしんじょとしてたつとあがむ。


第九歌頌「イルモス」

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たねなきはらごもりさんがたし、おっとらざるははちず、かみさん天性てんせいあらたむればなり、ゆえ我等われら万世ばんせいなんぢかみよめなるははとしてただしくあがむ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

ハリストスこころみられ、悪魔あくまこころみ、いししめしてパンさんことをすすめ、やまのぼせて、一瞬またたき世界せかい万国ばんこくしめせり、鳴呼ああたましいよ、誘惑いざないおそれて、儆醒けいせいしてつねかみいのれ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

るをよろこ鴿はとものこえハリストスともしび痛悔つうかいつたへてべり、ときイロドイロディアダとも不法ふほうおこなへり、たましいよ、つつしみて不法ふほうしゃあみおちいなかれ、すなわち痛悔つうかいあいせよ。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

恩寵おんちょうぜんり、イウデヤおよサマリヤひとみなはしきてかれき、おのれつみげて、熱心ねつしんにしてせんけたり、ただなんぢたましいよ、彼等かれらならわざりき。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

婚姻こんいんたつとく、とこけがれなし、けがれハリストスカナ婚姻こんいんおいにてしょくくらひ、みづさけへんずるをもつこれ祝福しゅくふくせり、たましいよ、かれはじめ奇跡きせきあらわししは、なんぢ変易へんえきせんためなり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

ハリストス癰瘋なんぷうしゃかためて、これとこらしめ、やもめたる少者しょうしゃよりおこし、ひゃくちょうぼくいやし、サマリヤおんなおのれあらわして、たましいよ、なんぢため神゚しんもつかみつとむべきをかたどれり。

かみよ、我をあわれみ、我をあわれたまへ。

しゅ血漏けつろうおんなそのころもるるにりていやし、癩病らいびょうしゃいさぎよくし、瞽者めしいるをたまひ、跛者あしなえ聾者みみしい唖者おうしとをなおし、かがみたるおんなことばにていやせり、わざわいなるたましいよ、これなんぢすくいためなり。

光栄は父と子と聖神せいしんに帰す。
聖三者讃詞

我等われらちちげ、あがうたひ、しんもつ聖神せいしんたつとおがみ、わかれれざる三者さんしゃせいおい惟一ゆいいちなるもの一光いつこう三光さんこう三一さんいち生命いのちきょく生命いのちほどこしてこれてらものあがめん。

今も何時いつ世世よよに、「アミン」。
生神女讃詞

いたりていさぎよかみははよ、なんぢ城邑まちまもたまへ、けだしかれしんもつなんぢちからにてち、なんぢりて堅固けんごにせられ、なんぢもつおよそのいざないち、諸敵しょてきやぶりてこれしたがわしむ。

アンドレイ讃詞
克肖こくしょうなる神父しんぷアンドレイよ、我等われらためかみいのたまへ。

たつとアンドレイいたりてふくたる神父しんぷクリト牧者ぼくしゃよ、なんぢうたものためつねいのりて、我等われらおよなんぢ記憶きおく中心ちゅうしんよりたつとむものを忿怒いかりと、憂愁うれい傷害そこないと、かぞがた罪過ざいかよりのがれしめたまへ。

嗣ぎて復「イルモス」を歌ふ

たねなきはらごもりさんがたし、おっとらざるははちず、かみさん天性てんせいあらたむればなり、ゆえ我等われら万世ばんせいなんぢかみよめなるははとしてただしくあがむ。

嗣ぎて誦経聖詠を誦す。
第四聖詠

かみよ、ときわれたまへ 云云

以下「神よ我等罪人を浄めて我等を憐み給へ」の句を歌ひおわるに至るまで月曜日と同じ、第百七十一頁より第百七十九頁までを看よ。
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 
翻訳文:

この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。