口蹄疫対策特別措置法施行令

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制定文[編集]

内閣は、口蹄疫対策特別措置法(平成二十二年法律第四十四号)第六条第九項から第十一項まで及び第十三項並びに第二十一条並びに附則第四条第一項及び第五条の規定に基づき、この政令を制定する。

本則[編集]

(補てん又は補償の対象となる損失等)

第一条
  1. 口蹄疫対策特別措置法(以下「法」という。)第六条第九項及び第十項の政令で定める損失は、同条第一項又は第二項の規定により殺された家畜の評価額とする。
  2. 都道府県知事は、前項の評価額を決定するには、あらかじめ選定した三人以上の評価人の意見を聴かなければならない。
  3. 都道府県知事は、法第六条第九項の規定による補てん金を交付する場合には、同条第一項の勧告の日から当該家畜が殺された日までに要した飼料費その他の農林水産省令で定める費用の額に相当する金額を当該補てん金と併せて交付するものとする。
  4. 都道府県知事は、次に掲げる場合には、法第六条第九項又は第十項の規定による補てん金又は補償金を供託することができる。
    一 当該補てん金又は補償金の支払を受けるべき者が受領を拒み、又は受領することができない場合
    二 過失がなくて当該補てん金又は補償金の支払を受けるべき者を確知することができない場合

(交付の方法)

第二条
法第六条第十一項の政令で定める方法は、同条第一項又は第二項の規定により家畜が殺されたことを都道府県知事が確認することにより当該都道府県知事が決定した額を交付する方法とする。

(国による負担の額)

第三条
法第十九条の規定による国の負担は、次に掲げる額の合計額について行う。
一 法第四条第一項から第三項までの規定による消毒を実施するために要する費用及び法第五条第二項(法第六条第八項において準用する場合を含む。)又は法第六条第七項の規定による焼却又は埋却を実施するために要する費用のうち家畜防疫員の旅費の全額
二 法第四条第一項から第三項までの規定による消毒を実施するために要する費用のうち農林水産大臣が定める薬品の購入費の全額
三 法第四条第一項から第三項までの規定による消毒を実施するために要する費用のうち農林水産大臣が定める衛生資材の購入費又は賃借料の二分の一
四 法第五条第二項の規定による焼却又は埋却を実施するために要する費用(第一号に掲げる費用を除き、農林水産大臣が定める費用に限る。)の二分の一
五 法第六条第七項又は同条第八項において準用する法第五条第二項の規定による焼却又は埋却を実施するために要する費用(第一号に掲げる費用を除き、農林水産大臣が定める費用に限る。)及び法第六条第十二項の規定による焼却又は埋却を行った者に交付する費用(農林水産大臣が定める費用に限る。以下この号において「焼却等費用」という。)並びに同条第九項の規定による損失の補てん及び同条第十項の規定による損失の補償を実施するために要する費用(次号及び第七号に掲げる費用を除く。以下この号において「補てん等費用」という。)につき、次のイからハまでに掲げる場合に応じ、それぞれイからハまでに定める額
イ 焼却等費用の額、補てん等費用の額並びに当該都道府県において平成二十二年四月以降に発生が確認された口ていに係る患畜及び疑似患畜について家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)に基づきと殺及び焼却又は埋却を実施するために要する費用(農林水産大臣が定める費用に限る。以下この号において「患畜等と殺等費用」という。)の額の総額(ロにおいて「対策費総額」という。)が、当該口蹄疫の発生が確認された年の四月一日の属する会計年度(以下この号において「当該年度」という。)における当該都道府県の標準税収入(公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)第二条第四項に規定する標準税収入をいう。以下この号において同じ。)の二分の一に相当する額以下の場合 焼却等費用の額に二分の一を乗じて得た額及び補てん等費用の額に五分の四を乗じて得た額の合計額に、焼却等費用及び補てん等費用の合計額に応じ一定の割合で逓増するように農林水産大臣の定める算定方法により算定した額を加えて得た額
ロ 対策費総額が当該年度における当該都道府県の標準税収入の二分の一を超え、かつ、患畜等と殺等費用の額が当該標準税収入の二分の一に相当する額に満たない場合 (1)及び(2)に掲げる額の合計額
(1) 焼却等費用及び補てん等費用の合計額のうち当該年度における当該都道府県の標準税収入の二分の一に相当する額から患畜等と殺等費用の額を減じて得た額に相当する部分につきイの規定の例により算定した額
(2) 焼却等費用及び補てん等費用の合計額のうち対策費総額から当該年度における当該都道府県の標準税収入の二分の一に相当する額を減じて得た額に相当する部分の全額
ハ 患畜等と殺等費用の額が当該年度における当該都道府県の標準税収入の二分の一に相当する額を超える場合 焼却等費用及び補てん等費用の合計額の全額
六 法第六条第九項の規定による損失の補てん及び同条第十項の規定による損失の補償を実施するために要する費用(次号に掲げる費用を除く。)のうち第一条第二項の評価人の手当及び旅費の全額
七 農林水産大臣が法第八条第二項の規定に基づき法第六条第二項の規定による措置を自ら実施した場合における同条第十項の規定による損失の補償を実施するために要する費用の全額

(農業者年金の保険料の免除等の特例)

第四条
  1. 独立行政法人農業者年金基金は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延により重大な被害を受けた農業者年金の被保険者から申出があった場合において、当該被保険者が保険料を納付することが困難であると認めるときは、独立行政法人農業者年金基金法(平成十四年法律第百二十七号)第四十六条第一項の規定にかかわらず、当該被保険者が保険料を納付することが困難であると認めるに至った月から当該被保険者が保険料を納付することが困難であると認められなくなるに至った月の前月(その月が平成二十四年三月以後であるときは、同年二月)までの期間に係る保険料につき、既に納付されたもの及び同法第四十七条第一項の規定により前納されたものを除き、これを納付することを要しないものとすることができる。
  2. 農業者年金の被保険者又は被保険者であった者(農業者老齢年金及び特例付加年金に係る受給権者を除く。)は、前項の規定により納付することを要しないものとされた保険料の全部又は一部につき追納をすることができる。この場合において、その一部につき追納をするときは、追納は、先に経過した月の分から順次行うものとする。
  3. 前項の場合において追納すべき額は、当該追納に係る期間の各月の保険料の額とする。
  4. 第二項の規定により追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなす。
  5. 特例免除期間(第一項の規定により農業者年金の保険料を納付することを要しないものとされた期間(前項の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除く。)をいう。)は、独立行政法人農業者年金基金法第三十一条第一項各号及び第二項(同法附則第三条第四項において読み替えて準用する場合を含む。)並びに附則第三条第一項第一号の規定の保険料納付済期間等に算入する。この場合における同法第三十一条第一項第一号の規定の適用については、同号中「合算した期間」とあるのは、「合算した期間に特例免除期間(口蹄疫対策特別措置法施行令(平成二十二年政令第百四十六号)第四条第五項に規定する特例免除期間をいう。)を加えた期間」とする。

附則[編集]

附則

(施行期日)
第一条
この政令は、公布の日から施行する。

(補てんの対象となる損失等)

第二条
  1. 法附則第四条第一項の政令で定める損失は、同項の要請に従って殺された家畜の評価額とする。
  2. 第一条第二項の規定は前項の評価額について、同条第三項の規定は法附則第四条第一項の規定による補てん金について準用する。この場合において、第一条第三項中「法第六条第九項の規定による補てん金」とあるのは「法附則第四条第一項の規定による補てん金」と、「同条第一項の勧告」とあるのは「同項の要請」と読み替えるものとする。
  3. 法第十九条の規定は、前項において読み替えて準用する第一条第三項の規定により支払われる費用について準用する。
  4. 都道府県が法第十九条に規定する費用並びに法附則第四条第一項及び第二項において読み替えて準用する第一条第三項の規定により支払われる費用を支弁する場合における当該都道府県が支弁する費用についての第三条の規定の適用については、同条中「法第十九条」とあるのは「法第十九条(法附則第四条第二項及び附則第二条第三項において準用する場合を含む。)」と、同条第五号中「損失の補償を実施するために要する費用」とあるのは「損失の補償を実施するために要する費用並びに法附則第四条第一項及び附則第二条第二項において読み替えて準用する第一条第三項の規定により支払われる費用」とする。

(経過措置)

第三条
法附則第三条の規定によりなおその効力を有するものとされる法第六条第六項若しくは第七項又は同条第八項において準用する法第五条第二項の規定により家畜の死体を焼却し、又は埋却する場合については、法第七条の規定は、法附則第二条の規定にかかわらず、同条に規定する日後も、なおその効力を有する。
第四条
法附則第三条の規定によりなおその効力を有するものとされる法第六条及び第十九条の規定の適用については、第一条から第三条までの規定は、法附則第二条に規定する日後も、なおその効力を有する。
第五条
  1. 法の失効前に第四条第一項の規定により農業者年金の保険料を納付することを要しないものとされた者については、法第二十一条の規定は、法附則第二条の規定にかかわらず、同条に規定する日後も、なおその効力を有する。
  2. 前項の規定によりなおその効力を有するものとされる法第二十一条の規定の適用については、第四条第二項から第五項までの規定は、法附則第二条に規定する日後も、なおその効力を有する。


附則(平成二十二年六月十八日政令第一五〇号、口蹄疫対策特別措置法施行令の一部を改正する政令)

この政令は、公布の日から施行し、改正後の第三条及び附則第二条第四項の規定は、平成二十二年六月四日から適用する。

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