北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議 (2017年3月)

提供:Wikisource


 去る三月六日、北朝鮮は四発の弾道ミサイルをほぼ同時に発射し、そのうち三発は日本海上の我が国の排他的経済水域内に落下した。これは、昨年十一月に国連安全保障理事会で採択された安保理決議二三二一号を始めとする累次の安保理決議や日朝平壌宣言に違反するとともに、六者会合共同声明の趣旨にも反するものであり、断固として抗議する。また、航空機や船舶の安全確保の観点から極めて問題のある危険な行為であり、断じて容認できない。

 北朝鮮は、昨年、核実験を二度にわたり実施し、また、長距離弾道ミサイルや潜水艦から発射したものを含め、二十発を超える弾道ミサイルの発射を実施した。さらに、今年に入り、日米首脳会談直後の二月十二日の発射に続き、今般も四発の弾道ミサイルを発射するなど、こうした核実験及び度重なる弾道ミサイルの発射は、新たな段階の脅威であることを明確に示すものであるとともに、我が国及び地域、そして国際社会全体の安全保障に対する明らかな挑発行動であり、強く非難する。

 本院は、北朝鮮に対し、核及び弾道ミサイル計画を放棄し、更なる挑発行動を行わないよう強く求める。また、関連する安保理決議を即時かつ完全に履行することを改めて要求する。さらに、国際社会に対して、安保理決議に基づく制裁措置を完全に履行するよう強く求める。国際社会は、結束した外交努力を展開し、平和的な解決を模索すべきである。

 そして政府は、我が国が安保理非常任理事国であることを踏まえ、安保理決議の確実な履行を強く働きかけるべきである。加えて、日米韓の情報共有を含む連携を強化し、国民に対して的確な情報提供を行うとともに、我が国の平和と安全の確保、国民の安全・安心の確保に努め、万全の措置を講ずるべきである。併せて、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国と緊密に連携し、北朝鮮に挑発行動の自制を強く求めるべきである。同時に、我が国独自の制裁の徹底及び強化を図るべきである。

 北朝鮮の核・ミサイル問題のみならず、拉致問題も我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国際社会が結束して北朝鮮による核、ミサイル、そして、最重要課題である拉致問題の包括的かつ早急な解決を図るべく、政府の総力を挙げた努力を傾注し、もって国民の負託に応えるべきである。

 右決議する。

この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。