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マニラ地区慰安所規定

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マニラ地区通信隊大西中佐による1943年2月発行の題名「マニラ認可料理屋および慰安所規則」冊子による。

第1部 総則

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1. 本規定において、認可(訳者注:他の訳語は「公認」)料理店とは、陸軍総司令官の承認を得て、マニラ地区通信業務担当官により指定された軍人軍属用の食事場所をいう。慰安所とは、陸軍司令官の承認を得て、マニラ地区通信業務担当官により指定された軍人軍属用の慰安婦(芸妓または酌婦(訳者注:大日本帝国外では、国際的な廃娼運動を考慮し「娼妓」を「酌婦」と呼んだ)を雇用している場所をいう。
2. 営業者は、マニラ地区通信業務担当官の許可を得た場合に限り、その施設を閉鎖し、又はその営業を停止することができる。
3. 営業者が困難な状況に陥った場合、営業者はマニラ地区通信業務担当官の許可を得た場合に限り、施設の閉鎖または営業の一時停止を行うことができる。このような場合、営業者は、損失またはその他の不利益に対する弁償を求める陳述書を提出すること。
4.認可料理店および慰安所は、軍人軍属専用とする。

第2部 業務

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5. 認可料理店または慰安所を営業しようとする者は、以下の書類をマニラ地区通信業務担当官に提出しなければならない。営業者は、営業経験を持つ邦人(訳者注:内地人、朝鮮人および台湾人)であること。

  1. 営業許可申請書:3部(別紙A、様式第1号)。
  2. 事業計画書:3部(別紙A、様式第2号)。
  3. 宣誓書:3部(別紙A、様式第3号)。
  4. 履歴書:3部

6. 営業許可を受けた者は、その時点で必要な人員数を定め、従業員一覧表3部(付録A、様式第4号)、従業員経歴書1部、慰安婦(芸妓(訳者注:娼妓の認可を受けることにより認可料理屋での性サービス稼業が認められ、2枚鑑札者と呼ばれた)、酌婦)許可申請書3部(付録A、様式第5号)を提出すること。準備ができ次第マニラ地区通信業務担当官に連絡し、施設の検査および従業員の健康診断を行った後、営業を開始することができる。
7. 営業者が従業員の変更をしようとするときは、マニラ地区通信業務担当官の許可を得なければならない。慰安婦(芸妓、酌妓)が閉業を希望する場合は、申請書(付録A、様式第6号)を提出しなければならない。慰安婦(芸妓、酌妓)およびその他の従業員を交替する場合は、交替許可申請書を提出しなければならない(付録A、様式第7号)。
8. 営業者が慰安婦(芸妓、酌婦)、下女(訳者注:慰安所内での食事、洗濯、掃除等家事全般およびその他の雑用をする女性)その他の人数を増やそうとするときは、マニラ地区通信業務担当官にその旨連絡すること。医療当局による健康診断の日時は、その都度通知される。健康診断終了後、健康診断票と履歴書または身分証明書の写しをマニラ地区通信業務担当官に提出すること。施設に入所する場合は、事前に許可を得ること。
9. 認可料理店および慰安所として使用される場所と建物は、マニラ地区通信業務担当官の承認を得なければならない。 今後、規律を維持できない営業者は解任される可能性がある。軍管理下にある家屋の修繕が予定されている場合は、マニラ地区通信業務担当官に報告すること。
10.慰安婦(芸妓、酌婦)は、原則として契約期間満了時に再雇用することができる(ただし、海外に1年以上滞在していない者はこの限りではない)。 雇用の継続を希望する者は、マニラ地区通信業務担当官にその旨を通知し、承認を得ること。健康上の理由により、医療当局が稼業を打ち切ることが適当と判断した場合は、その旨をマニラ地区通信業務担当官に通知すること。担当官は、これらの者の帰国を促進する。
11. 慰安所営業者は、以下の手配を行うこと。

  1. 全寝室の寝具。
  2. 全寝室および待合室の痰壷。
  3. 便所およびその他指定された場所への滅菌器および医薬品。
  4. 待合室に規則と料金表。
  5. 待合室と個室に慰安婦(芸妓、芸妓)の名前を標示( 病気の慰安婦は赤印)。

上記とは別に、客のための娯楽施設や休憩施設の設置、その他の気分転換手段の設置を奨励する。

第3部 管理

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12. 営業者は、軍人軍属以外のすべての者の立ち入りを拒否すること。認可料理店および慰安所は、将校と上級軍属、下士官、兵、下級とその他の軍属、ならびにこれら以外の者用の施設を別に設ける。ただし、下士官、兵、下級とその他の軍属(特別な者を除く)用の施設は、2100時以降、将校と上級軍属用として使用される。
13. 営業者は、慰安所の客に、軍切符と引き換えに慰安券を渡し、慰安婦がこの慰安券をすべて受け取ったことを記録すること。
14. 認可料理屋および慰安所の営業時間は、以下の通り。

  1. 認可料理屋

  下士官、兵、下級およびその他の軍属は、1000時から2200時まで。
  将校および上級軍属は、2200時から2400時まで。

  1. 慰安所

  2400時まで。
15. 認可料理屋および慰安所の料金は、軍の許可を得て、マニラ地区通信業務担当官が定める。料金は、付録A 様式第8号に示す。営業者および従業員は、これ以外の料金は請求しないこと。
16. 慰安婦の収入の半分は、営業者の取り分とする。
17. 慰安所営業者は、日次総売上高(付録A、様式第9号)に従い、全収入について責任を負い、全収入の配分を記録すること。認可料理屋および慰安所営業者は、以下の報告書を作成する:認可料理屋日報(付録A、様式第10号)、慰安所日報(付録A、様式第11号)。
18. 営業者は、毎月月末、マニラ地区通信業務担当官に月次業務報告書(付録A 様式第12号および第13号)を提出すること。
19. 食費、光熱費、薪炭代、寝具代は営業者の負担。慰安婦たちの衣服、整髪料、化粧品などの費用は、慰安婦たちの負担。ただし、過労による病気の治療費は、70%を営業者、30%を慰安婦が負担。病気が過労によるか否かの判断は、軍医の診断による。
20. 営業者は、不正行為を犯した者の名前と所属部署をマニラ地区通信業務担当官に報告すること。
21. 営業者は、慰安婦(芸妓、酌妓)に、極力貯金するよう奨励すること。その金額は、月当たり30円を限度とし、特別な理由を示せる者以外には増額してはならない。

  1. 特別な理由の内容は、事前にマニラ地区通信業務担当官に提示し、承認を得ること。
  2. これらの理由は、月次報告書「メモ」に記録すること。
  3. 営業者は、収入明細書および増額の理由を示す証拠文書を作成し、月次報告書とともにマニラ地区通信業務担当官に提出。これら資料は、保管される。
  4. 給料を前払いしない者の貯蓄は、月次報告書に記録すること。
  5. 入院により多額の医療費を負担した者は、病気の種類、治療日数、それに伴う費用を所得明細書と共に申告すること。
  6. 軍医の診断は、特定の病気が過労によるものかどうかを判断する基準となる。

22. 従業員に、毎月1日の休暇を従業員に与えることができる。この休暇は全ての場合について、マニラ地区通信業務担当官に報告すること。

第4部 衛生

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23. 慰安婦は通常週1回指定された場所で軍医による健康診断を、芸妓以外の慰安婦(訳者注:酌婦も週1回受診。誰を指すのか意味不明)は月2回健康診断を、その他の従業員は月1回健康診断を受けること。これら健康診断の費用は営業者が負担する。また、下女など他の従業員の健康診断が必要な場合もある。
24. 軍医は、各健康診断後、所要の報告書を作成(付録A 様式第14号)し、捺印すること。
25. 健康診断が不合格となった者または健康を害しているとの診断を受けた者は、治療中の接客を禁ず。
26. 性病(梅毒、淋病、軟性下疳、四期梅毒)の通常の検査と診断のほかに細菌検査を、同時に結核、伝染病(トラコーマ)、伝染性皮膚病などの精密検査を行うこともある。
27. 営業者は性病予防薬を備え、慰安婦(芸妓、酌妓)および客に使用させること。
28. 営業者は、以下の性病予防対策を講じる責任を負う;

  1. 消毒剤(2000濃度の過マンガン酸カリウム溶液または0.500クレゾール石鹸溶液)を容器に入れ、便所その他所定の場所に置く。
  2. 家屋の内外を特に清潔に保ち、日用品を整える。
  3. 稼業婦は、毎週、家屋の必要な部分を洗浄し、消毒する。
  4. 慰安婦は、コンドームを使用しない者への接客を断ること。
  5. 慰安婦は、生理中の性交を禁ず。
  6. 風呂は毎日入ること。
  7. 稼業婦の部屋には、ワセリンを置いておくこと。
  8. 清潔な寝具のみを使用し、頻繁に換気すること。予備の寝具を用意し、白色の敷布と枕カバーを使用し、清潔に保つこと。その他、あらゆる衛生対策を講じることを推奨する。
  9. 部屋の採光と新鮮な換気に特に注意すること。

第5部 規律

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29.マニラ地区通信業務担当官は、秩序維持のため、担当者(軍医)に随時、施設の点検を行わせること。必要な場合には、 憲兵隊の協力を得る。
30. 慰安婦(芸者、酌妓)は、担当官の許可なく、指定された地区から出てはならない。また、慰安所外での接客も禁止。軍 人または軍属との晩餐会に出席する場合は、担当官の許可を得なければならない。
31. 営業者は、特別に指定された者を除き、客に飲食物を提供してはならない。
32. 慰安所の利用者は、酒類の持ち込みを禁ず。
33. 特別に指定された場合を除き、慰安所内での飲食物の販売は禁止。
34. 以下の者は、慰安所への立ち入りを禁ず。

  1. 飲酒酩酊者
  2. 酒持ち込み者
  3. その他悪影響を及ぼす可能性がある者

35. 料理屋に出入りする者は、以下の規則を遵守すること。

  1. ビールは 1 人あたり 2 杯 (グラス 4 杯) まで。
  2. 平穏維持のための効果的な手段を講じ、軍人にふさわしくない行為を行わないこと。
  3. 備品はすべて慎重に取り扱うこと。
  4. 軍事に関する議論は禁止。
  5. 請求書は軍切符で支払うこと。

36. 慰安所に出入りする者は、以下の規則を順守すること。

  1. 支払いは軍切符による前払い。>
  2. 騒いだり、大声で歌ったり、軍人または軍属にふさわしくない行為は禁止。
  3. 性交にはコンドームまたはその他の予防具を使用すること。疾病を予防するため、さらに適切な洗浄を行うこと。
  4. 慰安婦はキスをしないこを。
  5. 軍の安全対策を守ること。

37. これらの規則に違反した場合、事業継続許可は取り消す。

第6部 特殊倶楽部の規定

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1. 本規定は、マニラ地区内の特別倶楽部に関するものである。
2. 特別倶楽部とは、陸軍司令部の承認を得て、マニラ地区通信業務担当官の監督下で将校および上級軍属用に設立された食品店、料理屋および慰安所をいう。
3. 特別倶楽部は、以下の 3 分類とする:

  1. 料理屋と宿泊施設の両方を提供するもの。
  2. 料理屋と慰安所を提供するもの。
  3. 料理屋のみを提供するもの。

4.将校および上級軍属(および上級軍属とみなされる者)のみが、これらの特別倶楽部を利用することができる。上記(1)の倶楽部は、海軍の佐官以上の将校用、上記(3)の倶楽部は、海軍の将校および上級軍属用である。
5. 特別倶楽部は、上記以外の者は利用できない。
6. これら倶楽部を利用とする者は、将校、上級軍属または後者と同等の者であることを示す身分証が必要。
7. 営業者は、身分証を所持しない者の利用を拒否すること。
8. 地元住民による倶楽部使用の防止のため、マニラ方面通信業務担当官 は、指定された職員に、顧客確認の目的で憲兵隊の支援を求めさせることができる。利用客は、要求に応じて身元を証明する準備をしておくこと。
9. 特別倶楽部で晩餐会を開きたい者は、所属部隊代表者の氏名を事前に知らせ、予定されている日付と時間を通知する。
10. 晩餐会が指定された時間から1時間以内に開始されない場合、支配人は、予約済みであってもその晩餐会を取り消し、新たな客に時間を割り当てることができる。
11. マニラ地区通信業務担当官は、原則として未成年者を芸妓または娼妓として雇用することを禁じる。ただし、状況によっては、未成年者を下女として雇用することができる。未成年者を芸妓、娼妓、下女として雇用する場合は、マニラ地区通信業務担当官の許可を必要とする。
12. 営業者は、未成年者の雇用許可を申請する場合、この事項をマニラ地区通信業務担当官と連携して処理すること。 13. 営業時間は 24:00 まで(レストランは 23:00 まで)。
14. 特別倶楽部の料金表は別紙 1 記載の通り。
15. その他のすべての規定は、認可料理店および慰安所規定と同じ。

付録 A. マニラ地区慰安所の様式

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1. 様式第1号

営業許可申請書: 陸軍認可料理屋または慰安所
本 籍:
現住所:
氏 名 :
生年月日:
ここに認可料理屋(慰安所)営業許可申請書を事業計画説明書、宣誓書および履歴書添付の上提出する。
年月日:
申請者名および印:
宛 先: マニラ地区通信任務担当官御中

2. 様式第2号

事業計画書
 a. 資本金:           円
 b. 取引先:   有 /無
 c. 部屋数:
 d. 事業場所:
 e. 慰安婦名(芸妓および娼妓)(内地人、台湾人、フィリッピン人の区別):
 f. 従業員集合予定日:
氏名および印:
宛 先: マニラ地区通信任務担当官御中

3. 様式第3号

宣誓書
私は、認可料理屋(慰安所)の営業許可を得た場合、全ての規則および規制を遵守し、一切の騒動を起こさず、軍の都合での命令に従い営業を終了または停止することに同意することを、ここに誓約致します。
日 付:
氏名および印:
宛 先: マニラ地区通信業務担当官御中

4. 様式第4号

従業員一覧表
名  前 生年月日 性別 芸 名 本 籍 前渡金 職 名
山下 和義 管理人
山本 春子 慰安婦
山下 タツ 慰安婦
伊達 末一 事務従業員
永秀 瑛 案内係
日付
宛先: マニラ地区通信業務担当官御中

注:名前は翻訳者による当て字 5. 様式第5号

慰安婦(芸妓及び酌婦)許可申請書
本  籍:
名  前:
生年月日:
職業名:
フィリッピン到着日:
私は、契約書及び同意書の写しを添え、上記芸妓(酌婦)の許可申請を致します。
日  付:
申請者名前及び印:
営業者名前及び印:
 宛:     マニラ地区無線業務担当官御中

6. 様式第6号

慰安婦(芸妓及び酌婦)閉業許可申請書
本  籍:
名  前:
生年月日:
職業名:
私は、以下の資料を添え閉業許可申請を致します。
  (a) 理由:
  (b) 予定行き先:
  (c) 強制貯蓄金額:
  (d) その他貯蓄額
日  付:
申請者名前及び印:
慰安所営業者名前及び印:
 宛:     マニラ地区無線業務担当官御中

7. 様式第7号

慰安婦(芸妓及び酌婦)及びその他の交替許可申請書
私は、下記の芸妓、酌婦及びその他の交替許可を申請致します。
1. 人
名  前 生年月日 性別 職業名 本籍 現住所 職場



2. 理 由:
3. 交 替:
名前、現住所、本籍
日 付:
営業者名前及び印:
 宛:    マニラ地区無線業務担当官御中

8. 様式第8号

慰安所の料金表
慰安所区分 時間 料金(円)
フィリッピン人雇用慰安所 40分 1.50
下士官 40分 2.50
その他 1時間 4.00
宿泊 8.00
邦人 2.00
下士官 40分 3.00
その他 1時間 5.00
宿泊 10.00
備考:1.客欄のその他は、兵、下士官以外の軍人軍属。

   2.宿泊は、2300時以降。
   3.料金は最高額。営業者は、正当化できるときは値引きすることができる。

9. 様式第9号

日次総売上高
日 付 時 間 人 数 料 金 合 計 総合計 配 分
下士官
将校  
軍属

10. 様式第10号
省略(訳者注:表の内容が理解できないため)
11.様式第11号

慰安所日報
日 付 部屋数:
責任者名・印:
営業報告書 時間 人数 合計
-
下士官  
その他(将校・軍属)
合 計 -
割 当 (人数) 発病数 人員過剰又は不足
稼 業 (人数)
病 気 (人数)
休 暇 (人数)
その他 (人数)
備 考

12. 様式第12号

月次業務報告書(その1)
   日付: 部屋数:
責任者・印:
支出 収入 備考
科目 摘要 金額 科目 摘要 金額
前期繰越負債 今月売上
事業支出
合計  
純損益
事業支出内訳 収入内訳



月次慰安所報告書(その2)
  月: 部屋数:
責任者・印:
芸妓への支払 全稼高 芸者取り分 負 債 前払金 前払金残額 貯蓄 備考


13. 様式第13号
省略(訳者注:表の内容が理解できないため)
14. 様式第14号

 健康診断書 番 号:
 名 前: 年:
 慰安所名:
診断日 診 断




 通信隊所属軍医印:
 日 付:
 マニラ地区通信隊
備考: 1. 健康診断は毎週実施 。                                  

    2. 診断は、唯一月経の状態に関係する。

付録 B. マニラ地区慰安所の警察記録

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マニラ地区慰安所規定 付録Bーマニラ地区慰安所警察報告