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マトフェイ伝09

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かれふねのぼり、わたりておのれまちきたれり。

よ、ちゅうぶううれひてとこせるものかれきたれるものあり、イイススかれしんて、ちゅうぶうものへり、 よ、こころやすんぜよ、なんぢつみなんぢゆるさる。

ときある學士がくしおのれうちへり、かれけがことばふ。

イイススそのおもひへり、なんぢなんこころうちしきことをおもふ、

けだしなんぢつみゆるさるとひ、あるきて行けとふは、いづれやすき、

しかれどもなんぢひとりてつみゆるけんあることをらんため、(こゝおいちゅうぶうものふ)、きてなんぢとこりて、なんぢいへけ、

かれすなはちきて、とこりて、そのいへけり。

たみこれし、くのごとけんひとたまひしかみ讚榮さんえいせり。

イイススかしよりきて、稅關ぜいくわんする一人いちにん、マトフェイとづくるものて、これふ、われしたがへ、かれちてしたがへり。

一〇 イイススいへせきせしときおほくのぜいおよ罪人ざいにんきたりて、かれおよその門徒もんとともせきせり。

一一 ファリセイこれて、その門徒もんとへり、なんぢなんぜいおよ罪人ざいにんとも食飮しょくいんする。

一二 イイススこれきて、かれへり、康強すこやかなるもの医師いしもとめず、すなはちやまひものこれもとむ、

一三 なんぢきて、われ衿恤あはれみほつして祭祀まつりほつせずとこと如何いかんまなべ、けだしきたりしは、じんためあらず、すなはち罪人ざいにんして悔改くわいかいせしめんためなり。

一四 そのときイオアンの門徒もんとかれきていはく、われとファリセイとはおほものいみするに、なんぢ門徒もんとものいみせざるはなんぞや。

一五 イイススかれへり、婚筵こんえんかくは、新娶者はなむこなほこれともときあにかなしむをんや、しかれども新娶者はなむこかれよりらるるいたらん、そのときものいみせん。

一六 あたらしき布片ぬのぎれもつふるころもおぎなものあらず、けだしおぎなひしきれころもやぶりて、そのほころびさらはなはだしからん。

一七 またあたらしきさけふる革嚢かはぶくろらず、しからずばふくろやぶれてさけれ、ふくろほろびん、すなはちあたらしきさけあたらしきふくろる。しからばふたつものそんす。

一八 イイススかれこれかたれるときあるつかさきたりて、かれはいしていはく、むすめいませり、もとむ、なんぢきたりてこれせよ、かれかならずきん。

一九 イイススちてこれしたがへり。その門徒もんとともにせり。

二〇 よ、じふねん血漏けつろううれふるをんなうしろよりきて、かれころもすそさはれり、

二一 けだしおのれうちへり、われたゞそのころもにのみさはらば、ゆるをんと。

二二 イイススてんじて、かれへり、むすめよ、こゝろやすんぜよ、なんぢしんなんぢすくへり、ときよりをんなゆるをたり。

二三 イイススつかさいへきたり、ふえものさわげるたみとをて、

二四 かれへり、退しりぞけ、けだしむすめせしにあらず、すなはちぬるなり、人人ひとびとかれあざわらへり。

二五 たみいだされしうしろかれりて、そのりしに、むすめきたり。

二六 こと聲聞きこえあまねそのつたはれり。

二七 イイススのかしよりとき二人ふたり瞽者めしひかれしたがひてびてへり、ダワィドのイイススよ、われあわれめ。

二八 かれいへりしに、瞽者めしひかれけり、イイススこれふ、われこれすことをよくすとしんずるか、かれいはく、しゆしかり。

二九 こゝおいそのれてへり、なんぢしんごとなんぢるべし、

三〇 そのすなはちひらきたり。イイススきびしくかれいましめてへり、 つゝしみてひとらしむるなかれ。

三一 しかれどもかれでて、そのあまねそのげたり。

三二 かれいだずるときよ、おふしにして魔鬼まきらるゝひとをイイススにたづさきたれるあり、

三三 魔鬼まきいだされて、おふしもの言へり。たみとしてへり、イズライリのうちいまくのごとことあらざりき。

三四 しかれどもファリセイへり、かれ魔鬼まきかしらりて魔鬼まきいだす。

三五 イイススあまねまちむらとをめぐりて、そのしょ會堂くわいだうおいをしへつたへ、天國てんこく福音ふくいんべ、民間みんかんもろもろやまひもろもろわずらひいやせり。

三六 かれ群衆ぐんじゅうて、これあはれみたり、その牧者ぼくしやなきひつじごとく、つかかつりたるがゆゑなり。

三七 こゝおいその門徒もんとふ、かりいれおほく、はたらきびとすくなし。

三八 ゆゑかりいれぬしに、はたらきびとそのかりいれつかはわさんことをもとめよ。