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ニカイア教父とニカイア後教父: シリーズ II/第9巻/ダマスコのヨハネ/正教信仰の正確な解説/第2巻/第28章

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正教信仰の正確な解説。

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第2巻

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第28章

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<< 我々の手にないものについて >>


私たちの手に負えないものの中には、私たちの力の及ぶもの、すなわち、現世と来世における私たちの行為の報いにその起源や原因があるものもありますが、それ以外のものはすべて神の意志に委ねられています。万物の起源は神にありますが、その滅亡は私たちの悪によって、私たちの罰、あるいは利益のためにもたらされたのです。神は死を創造されたのではなく、また、生き物の滅亡を喜ばれることもないのです[1]。むしろ死は人間の業であり、つまり、他のすべての罰と同様に、アダムの罪に起源があるのです。しかし、他のすべてのものは神に帰属しなければなりません。私たちの誕生は神の創造力に、私たちの存続は神の保存力に、私たちの統治と安全は神の摂理力に帰属すべきです。そして、私たちが形作られている自然の法則を守る人々が善を永遠に享受できるのは、神の善良さによるものです。しかし、摂理の存在を否定する人もいるので、摂理についてもう少し詳しく論じてみましょう。


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脚注

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  1. ソロモンの知恵 1:13、「神は死を造られず、また生きている者の滅びを喜ばれないからである。」
この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:

この作品は1930年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 
翻訳文:

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