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オウム真理教事件・麻原彰晃に対する判決文/chapter twentythree

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[ⅩⅡ B22事件について]

〔弁護人の主張〕

 1 B22の死因は不明で特定することができず,少なくともチオペンタールナトリウムの 過剰投与が原因でないことは明らかであるから,逮捕監禁行為とB22の死亡との間に因 果関係は認められない。

 2 被告人は,出家を約束したD11が所在不明になっている件についてA22らから報 告を受け,A28に対しD11の探索を手伝うよう指示したにとどまり,A28らに対し,B22の らちや,その死体を焼却することを指示したことはない。B22のらちは,A6が提案し,A2 8が無理やり現場で指揮をして引き起こしたものであり,B22の死体の焼却は,A14が言い出し,A28及びA22との暗黙の了解により決まり実行されたものであって,被告人は, B22のらちについても,その死体焼却についても共謀した事実はない。

〔当裁判所の判断〕

第1 弁護人の主張1(因果関係の存否)に対する判断

 1 関係証拠によれば,次の事実が認められる。

 (1) A14は,平成7年2月28日午後4時30分ころ,B22がワゴン車内に押し込まれた 後,直ちに,その右足ふくらはぎに筋肉注射用のケタラール約3.5ミリリットルないし4ミリ リットル(塩酸ケタミン約150㎎ないし約200㎎含有)を注射し,間もなくB22は入眠した。

 (2) A14は,上記のとおり入眠し意識喪失状態にあるB22に対し,同日午後5時ころか ら,その静脈に点滴ラインを確保した上,チオペンタールナトリウム約0.5gを含有する水 溶液を三,四回に分けて静脈に注入した。その後,B22は,一時呼吸停止状態に陥った が,人工呼吸などにより呼吸を回復した。A14は,その後第2サティアンに到着する同日 午後10時ころまで断続的にチオペンタールナトリウム合計約2.0gないし2.5gを含有す る水溶液をB22の静脈に注入し,B22の意識喪失状態を継続させた。

 (3) A33は,A14から,上記(1)(2)の経緯について説明を受けた後,管理に必要な医療 器具等を用意し,第2サティアンの1階瞑想室で,B22を診察した。その結果,呼び掛け ても反応がなく,痛みに対してもほとんど反応がなく,睫毛反射はなく,対光反射は少し あり,眼球も少し動き,瞳孔は縮瞳気味であるなど,少し浅い麻酔状態で,懸念された心 臓や呼吸の状態には異常がなかったことから,A33は,とてもすぐには麻酔は覚めない が保温しておけば時間の経過とともに覚せいするであろうと考え,覚せいさせるための治 療を始め,点滴ラインを確保し,B22が狭心症の予防薬であるニトロールを持っていたこ とから狭心症の発作を予防するために血管を拡張させるフランドルテープに類するテー プを貼るなどした。また,当初5%グルコースの点滴を500㏄弱実施した後,同年3月1日 午前1時ころから同日午前9時半ころまでの間,ソリタT3Gの点滴を1時間当たり40ない し60㏄の割合で注入した。

 (4) A33は,ナルコを実施する前に,B22の身体を揺すぶって呼び掛けると,B22が 「オウムがやった。オウムがやった。」と言い,睫毛反射も対光反射も眼球の動きも普通に あることから,A14と共に,同日午前3時ころ,B22にナルコを実施するため,チオペンタ ールナトリウム合計約0.325gないし0.375gを含有する水溶液を静脈に注入し,いった ん深い麻酔を入れて覚ました後,ナルコを実施し,D11の居場所がどこかと聞いたが,い くら聞いても,B22からは「オウムがやった。オウムがやった。」という答えしか返ってこな かった。

 (5) A33は,同日午前6時半過ぎころ,B22の覚め具合をみるために揺するなどすると B22が体動して起き上がりそうになったことから,同人に対し,チオペンタールナトリウム 合計約0.01gないし0.02gを含有する水溶液を2回にわたり静脈に注入した。その後 も,A33は,同日午前9時半ころまで,B22の血圧を測ったり,脈を見たり,瞳孔の状況を 見たりしたが,B22の入眠状態は続いていた。

 (6) A14は,同日午前9時半ころ,A33から,入眠状態のB22の管理を引き継ぎ,以 後,同人に睫毛反射が出現したらチオペンタールナトリウムを投与するようにして同人の 入眠状態を継続させていた。A14は,同日午前10時ころ,A6から被告人の指示を聞 き,A28に電話で,A50を連れてくるように伝えるなどした後,1階瞑想室の隣の広間で 寝ているA45にも事情を説明しておく必要があると思い,過剰に投与したチオペンター ルナトリウムの麻酔作用による舌根沈下を防ぐためにエアウェイをB22の口にはめた上 で,15分足らずの間広間に出てA45を起こし,被告人の指示内容を説明するなどして 同日午前11時過ぎころ1階瞑想室に戻ってみると,B22は呼吸も心臓も停止し死亡して いた。このとき,B22の口にはめていたエアウェイは口の中にあったが,舌から外れた状 態であった。

 なお,A33は,当初医療道具をそろえた際にエアウェイも幾つか用意しており,救急医 療の常識としてあらかじめB22に合うものがあるかどうか確認したが,その中にはB22に 合うエアウェイがなかった。

 (7) チオペンタールナトリウムは静脈内に投与する全身麻酔薬であり,10分ないし15分 で終了するような短時間の小手術や,麻酔導入剤として用いられ,いずれの場合も,体 重50㎏程度の成人の場合,通常0.2gないし0.25gくらいを投与し,手術の時間が予 定よりも延びた場合には追加投与することがあるが,当初から投与されたものとも合わせ て1gを超えないように指導されている。

 チオペンタールナトリウムの副作用には呼吸抑制と循環抑制がある。呼吸抑制の場 合,呼吸中枢が抑制され,呼吸が弱くなり,呼吸の回数や換気量が減少し,完全に呼吸 が止まることもあり,また,舌根沈下による気道閉塞,喉頭けいれんによる声帯閉塞,気管支けいれんを引き起こす。循環抑制の場合,循環中枢が抑制されると同時に,心筋そ のものも抑制されてその収縮力が弱まるとともに末梢の血管が拡張され,心臓から送り出 される血液量も減り血圧が低下し,心停止に至ることがある。また,循環抑制により脳の 血流量が減ると,それが呼吸抑制を引き起こす。

 2 ところで,上記の認定事実を前提とした上で,E36大学医学部麻酔学教室のC27 助教授及びA33の各公判供述に係るその知見内容を総合すると,(1) 一般的に,全身 麻酔薬であるチオペンタールナトリウムを投与する場合には,被投与者がその副作用で ある呼吸抑制及び循環抑制による危険な状態に陥るのを予防するために,揺り動かせば 応答する程度の不完全な覚せい状態までのみならず,完全に覚せいするまで被投与者 の状態を管理し,完全に覚せいするまでのいつでも起こり得る呼吸抑制及び循環抑制の 副作用に対し適切な処置をとらないと被投与者を死亡させる可能性があること,(2) チオ ペンタールナトリウムの投与許容量は,一機会にせいぜい2gであるから,B22に対する チオペンタールナトリウムの投与(約2.8gないし約3.4g)は過剰投与であり,B22に対 し,その副作用である呼吸抑制及び循環抑制に対する適切な処置をしなければ,危険 な状態を招くおそれがあったこと,(3) B22は,平成7年3月1日午前11時ころの時点に おいて,意識喪失状態にあり,麻酔状態が遷延し,呼吸抑制及び循環抑制の状態にあ ったこと,(4) それゆえに,B22は,①呼吸中枢が抑制されて呼吸が停止した,②エアウ ェイの装着が不完全であり,舌根沈下により気道が閉塞した,③合わないエアウェイの装 着を契機として,呼吸抑制に起因する喉頭けいれんを誘発し,声帯が閉塞し呼吸ができ ない状態になった,④循環中枢が抑制され心停止に至った,⑤循環抑制により心筋その ものに抑制作用が働くなどして心停止に至った,⑥循環抑制が呼吸抑制を引き起こし呼 吸が停止した,以上の①ないし⑥の機序のいずれか又はその複合により心不全に陥り死 亡したことが認められる。

 したがって,B22が死に至った具体的な過程は必ずしも特定することはできないもの の,いずれにしても,B22は,大量の全身麻酔薬を投与され呼吸抑制及び循環抑制の 状態に陥り,それが原因で心不全により死亡したと認められるから,B22を監禁するため の手段である全身麻酔薬の投与とB22の死亡との間に因果関係があることは明らかであ る。

 3 なお,A14は,公判で,B22を第2サティアンに連れてくるまでにB22に投与したチ オペンタールナトリウムは約2.0ないし2.5gであり,また,B22が死亡する直前にB22に エアウェイを装着しなかった旨供述し,前記の認定に沿う検察官に対する供述と異なる 供述をしている。

 しかしながら,(1) A14は,捜査段階においては,自ら「B22さんに対する麻酔薬投与 の状況」と題する書面や,「B22さんに使用したエアウェイの形状」と題する図面を作成 し,それに基づき詳細に供述している上,前記のとおり,A14は,平成7年5月に捜査官 に対し陳述書を提出して以降,地下鉄サリン事件その他の事件について自白をし,その 一環として,B22事件についても上記のとおり供述したものであり,その供述の信用性は 公判供述に比し相対的に高いと認められること,(2) A14が,公判で,上記のとおり捜査 段階と異なる供述をした理由について述べるところは取り立てて合理性があるとは認めら れないこと,(3) A14は,公判で,「A33と一緒にいるときB22にエアウェイを装着しようと したことがあり,捜査段階ではその場面と混同して述べてしまった。」旨供述するが,A33 は,公判で,そのような場面はなかった旨明確に否定していること,(4) A14は,公判で, B22事件を含む一連の事件について,自己の刑事責任を軽減させるために不自然不合 理な供述をしている部分が少なくないことなどに照らし,A14の上記公判供述は信用す ることができない。

 4 ところで,弁護人は,B22は,低色素性貧血症の既往歴があり,また,狭心症の薬で あるニトロールを携帯していた事実を挙げて,このような状況の下ではB22の死因を特定 することができないとも主張する。

 しかしながら,関係証拠(C27,C28の公判供述等)によれば,貧血があるときは低たん ぱく血症を伴うことが多く,その場合,麻酔薬と結合するたんぱくが少ないことから,麻酔 薬の作用が強く働くものとされていること,B22の主治医は,平成5年7月以降,数回B22 の心電図をとったが,いずれも正常であり,心疾患の異常はなく,B22が心臓に不安を 抱いていたことから,その不安感を取り除くために,お守りの意味も兼ねてニトロールを処 方して持たせたものであることが認められるのであり,弁護人の指摘する上記事実は上記 の因果関係の判断を左右するものではない。

 5 以上のとおりであるから,判示の逮捕監禁行為とB22の死亡との間に因果関係はな い旨の弁護人の主張1は採用することができない。

第2 弁護人の主張2(被告人の指示ないし共謀の有無)に対する判断

 1 関係証拠によれば,A28,A14及びA22らが共謀の上,判示罪となるべき事実第 1,第2のとおり,B22を逮捕監禁して死亡させ,その死体を焼却した事実並びに判示第 1の犯行に至る経緯1ないし3,5ないし7及び判示第2の犯行に至る経緯1ないし3,5,7 の事実は優にこれを認めることができる。そこで,被告人が,A28やA22らに対し,これら の行為を指示したかどうかについて検討する。

 2 まず,A28は,公判で,判示第1の犯行に至る経緯4の事実及び第2の犯行に至る 経緯6の事実に沿う供述(以下「A28公判供述」という。)をしている。

 次に,A22は,B22のらちについて,捜査段階において検察官に対し,「第2サティア ン3階の第2瞑想室での会議が終わった後,詳しい場所は言えないが,第2サティアン内 で教団の『最高幹部』から,A16,私,A28が呼ばれ,この4名の話合いの中で,この『最 高幹部』の指示によりB22をらちすることが決まった。A6も後から話に参加したような気 がする。B22事件の実行の指示が被告人によるものであったかについて否定はしない が,現段階では私の口からは『最高幹部』としか言えない。」と述べた上,A22がB22のら ちを中心に行うこと,A28に手伝ってもらうこと,A50とA14を使うこと,A6の開発したレ ーザー銃を使うことなどが決まった旨供述し,さらに,「このような決定は,私はA16やA2 8などのレベルの判断ではなく,教団の『最高幹部』の指示によるものだったから,絶対に 従わなければならず,もちろん私たちが勝手に変更したり中止したりすることのできないも のだった。」と付け加えている。また,A22は,B22の死体の焼却について,捜査段階に おいて検察官に対し,「私は,A28,A14と一緒に,第6サティアンにいた『最高幹部』に B22が死亡したことなどを報告し,B22の遺体の焼却にだれが立ち会えばよいのかなど について相談した。その結果,『最高幹部』の指示により,B22のらちを実行した者で責 任を持って遺体の処理をするということに決まった。『最高幹部』が被告人であるかにつ いて否定はしないが,今のところは『最高幹部』とだけしか言えない。」旨供述している(以 下,これらの供述を「A22供述」という。)。A22がこれらの供述の中で言う「最高幹部」 は,その言葉の用いられた趣旨ないし文脈に照らし,被告人を指すものであることは明ら かである。

 さらに,A14は,公判で,判示第2の犯行に至る経緯6の事実に沿う供述をしている(以 下「A14公判供述」という。)。

 3 そこで,A28公判供述等の信用性について検討すると,A28公判供述は,被告人 がB22のらちやその死体の焼却に関して指示したことについて,A22供述やA14公判 供述とよく合致し,相互にその信用性を補強している上,そこで述べられている内容につ いてみても,これまで違法行為に関与したことのない教団信者のいるところで「ポア」とい う言葉を使ったことについて弟子から注意されて「らち」と言い換え,さらに「ほかしておこ うか。」とぼやくに至ったくだりは,被告人がD11を放っておこうという趣旨のことを言いな がらその直後別室でD11の実兄をらちしてD11の居場所を聞き出すよう指示した経緯を よく説明し得ているし,B22らちの現場を目撃され警察が動き出している旨の報告を既に 受けていた被告人が,レーザー銃の使用に関してA28と交わした一連の会話の内容も 相応の具体性と現実性を有するなど,その前後における事態の推移ともよく符合し自然 で合理的である。また,教団においては,平成7年1月1日以来,教団施設に対する強制 捜査は相当の関心事となっていたものであり,出家を約束した資産家の教団信者が教団 から布施を強要されるあまり所在不明となっていた状況で,その信者の実兄をらちした場 合,同人がその前日にはボディガードらしき人物を付けるなど教団の違法行為に対して 警戒をしていたふしがあることなどを併せ考慮すると,まずもって警察から疑われるのは 教団であり,ひいては,教団施設が強制捜査を受けることにもなりかねず,このような教団 の存続にも影響を及ぼしかねない行為を,弟子たちが教団の代表者であり弟子たちのグ ルでもある被告人に無断で計画し実行するとは到底考え難い。A14は,当時,被告人の 指示に基づき修行に入っていたにもかかわらず,B22らちの実行計画にかかわるよう指 示を受けているのであり,そのような指示をすることができるのは被告人をおいてほかに いないことも,A28公判供述の信用性を補強している。

 さらに,A28は,VX3事件における公判供述と同様に,かつてのグルである被告人に 対する気持ちの整理をした上で被告人の事件への関与を明らかにしようという思いで, 被告人の面前で供述し,しかも,被告人に対する信仰心に特に変化はないと公判で明 言するA22が,捜査段階において検察官に対し,被告人であることを明言するのを避け 最高幹部という言葉を用いながらではあるが被告人からB22のらちやその死体の焼却に 関して指示があったことについてA28公判供述と合致する供述をしていることに照らす と,A28が,自己の刑事責任を軽減するために無実の被告人を引き込もうとして被告人 に不利益なうその供述をしたとは認められない。

 これらの点に照らすと,A28公判供述,A22供述及びA14公判供述の信用性は高く,これらの供述をはじめ関係証拠を総合すれば,判示第1の犯行に至る経緯4の事実及び 第2の犯行に至る経緯6の事実が認められ,被告人がA28に対し,B22のらち等やその 死体焼却の指示をしたことは明らかである。

 4 そして,①判示第2の犯行に至る経緯3のとおり,平成7年3月1日午前4時ころ,A6 が,第2サティアンに来てA14に対し,塩化カリウムを注射してB22を殺害する趣旨のこと をほのめかした上,被告人は昼近くまで帰ってこないなどと言ったこと,②同経緯5のとお り,それから6時間くらい経過した同日午前10時ころになって,第2サティアンを訪れたA 6が,A14に対し,自分の言ったとおりB22を殺害することになったという趣旨の発言をし た上,塩化カリウムの注射ではなく,首を絞めることによってB22を殺害し,しかも,A50 を今後教団の違法行為に関与させるために,その実行役をA50にさせるという指示をし たこと,③さらには,前記認定のとおり,被告人がD11の所在を聞き出すためにB22をら ちすることをA28らに指示したこと,④B22を殺害する以上はその証拠を隠滅するためこ れまでのB18事件やB19事件と同様にその死体を焼却する必要があり,それは被告人 やA28らの間で当然の了解事項であったこと,⑤被告人がB22の死体の焼却はB22の らちを実行した者が責任を持ってするようにA14らに指示したことなどの事実関係を総合 すると,被告人は,同日午前10時ころまでに,A6と相談の上,A50にB22の首を絞めさ せてB22を殺害し,その死体はマイクロ波焼却装置で焼却することを決意し,その旨A6 を介してA14らに指示したものと認められる。

 なお,A14らは,A6を介して被告人の指示を受け,東京からA50を呼びその到着を待 ってA50にB22を殺害させようとしたが,その前にB22が死亡したため,被告人の指示 に従い,その死体をマイクロ波焼却装置で焼却したものである。

 5 これに対し,A22は,公判で,B22のらちについても,その死体の焼却についても 被告人から指示はなかった旨供述する(以下,この供述を「A22公判供述」という。)。

 しかしながら,A28公判供述の信用性を基礎づける前記の種々の理由のほか,A22 が,捜査段階で検察官にした供述と異なる供述を公判でするに至った理由について合 理的な説明をしていないこと(すなわち,A22は,公判で,「検察官調書に署名する際に は,尊師との会話を供述調書に残したくなかったので,尊師が何々言ったという表現があ ったらまずいので,それについてはチェックした。」旨供述するところ,そうであるならば, 調書上被告人を指すことが明らかである「最高幹部」が何を言ったかという点についても 当然に確認しているはずである。)や,A22が公判で被告人に対する信仰心に特に変化 がない旨明言しており,検察官調書中の教団の最高幹部とはA6を指すと供述するなど 被告人をかばい立てするために被告人に有利なうその供述をしていることがうかがわれ ることなどに照らすと,A22公判供述は信用することができないというべきである。

 6 以上のとおりであるから,被告人はB22のらち及びその死体の焼却についてA28ら に指示をしていない旨の弁護人の主張2は採用することができない。

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