エジプトのマカリオス50の霊的説教/説教50

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• 底本: A. J. Mason, Fifty spiritual homilies of St. Macarius the Egyptian/Homily 50
• ウィキソースによる日本語訳

エジプトのマカリオス50の霊的説教

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説教50

<< 神は聖徒たちを通して奇跡を起こす。>>

1. 天国の扉を閉めたのは誰だったのか？ エリヤか？ それとも雨を降らせた彼の中の神か？ 天国を支配する力を持つ神が彼の心の中に自ら座し、彼の舌によって神の言葉が地上に雨が降ることを禁じ、再び語ると、天国の門が開かれ雨が降ったと、私は信じている。同じように、モーセも杖を下に置くと、それは蛇になった。彼が再び語ると、それは杖になった。彼が炉の灰を取って振りかけると、それは腫れ物になった。彼が再び打つと、シラミとカエルが出てきた。人間の本性はこのようなことをできるだろうか？ 彼が海に語ると、それは分かれ、川に語ると、それは血に変わった。さて、天の力が彼の心に宿り、モーセを通してこれらのしるしを行ったことは明らかである。

2. ダビデは、武器も持たずに、どうしてそのような巨人と戦うことができたのでしょうか。彼がペリシテ人に石を投げたとき、ダビデの手によって神の手が石を導き、彼を殺して勝利を得たのは神の力そのものでした。ダビデには決してできなかったでしょう。彼は体が弱すぎたのです。ヌンの子ヨシュアはエリコに着いたとき、自分の性質では何もできずに7日間そこを包囲しました。しかし、神が命じると、城壁は自然に崩れ落ちました。そして彼が約束の地に入ったとき、主は彼に「戦いに進みなさい」と言われました。ヨシュアは答えました。「主は生きておられます。私はあなたなしでは行きません。」では、戦いの戦闘中に太陽にさらに2時間静止するよう命じたのは誰でしょうか。彼の性質だけでしょうか、それとも彼と共にあった力でしょうか。モーセがアマレクと戦うとき、もし彼が手を天の神に向かって伸ばしていたら、アマレクを打ち破ることができたが、もし彼が手を下げていたら、アマレクが勝利していた。

3. しかし、これらの出来事について聞いたとき、あなたの心を遠くへ行かせてはいけません。これらの出来事は現実の象徴であり影なのですから、あなた自身に当てはめてください。あなたが心と思いの手を天に伸ばし、主にすがりつく心を持つとき、サタンはあなたの思いで最もひどい目に遭うでしょう。

そしてエリコで城壁が神の力によって崩れたように、今やあなたの心を妨げる悪の城壁、サタンの町、そしてあなたの敵は神の力によって完全に破壊されるでしょう。このように、影の中で、神の力は義人たちと共に常に存在し、目に見える奇跡を行っていました。そして神の恵みは彼らの内にも宿っていました。同様に、預言者たちにもそれは働き、彼らの魂に霊を授け、預言をさせ、世に大いなることを告げる必要があったときに語らせました。なぜなら、彼らはいつも語っているのではなく、彼らの中にある霊が語るときだけ語っていたからです。しかし、その力は常に彼らと共にあった。

4. それで、もし聖霊が影にこれほど注がれたのなら、聖霊の注ぎと酩酊が効果を発揮した新契約、十字架、キリストの到来には、どれほどのことが起こったことでしょうか。そこには、「わたしはわたしの霊をすべての肉なる者に注ぐ」とあります。これは、主自身が「わたしは世の終わりまであなた方とともにいる。すべて求める者は見いだす」と言われた意味です。あなたがたは悪い者であっても、自分の子供たちには良い贈り物を与えることを知っている。まして、使徒が言うように、天の父は、力と確信をもって求める者たちに、どれほど聖霊を与えてくださることでしょう。

そのようなものは、聖書が言うように、善と悪を通して、つまり一方では悪の策略や陰謀、さまざまな妨害や待ち伏せを通して、他方では聖霊の働きと力のさまざまな賜物やさまざまな助けを通して、魂の感覚を鍛えることによって、計り知れ、時間と労力と忍耐と神への愛情によって見いだされるのです。悪の陰謀を知り、情欲によって内なる人を汚し、真理の聖霊の助けを知らず、自分の弱さを強め、心の喜びによって自分の魂を新たにしない者は、識別力のないままに歩み、神の恵みと平和の多様な計らいをまだ発見していない。一方、主に助けられ、霊的な喜びと天からの恵みの賜物の中にいる者は、自分はもはや罪によって傷つけられることはないと考えれば、知らず知らずのうちに欺かれ、悪の巧妙さを識別せず、キリストにおける幼子から成熟への漸進的な成長を理解しない。なぜなら、聖なる神の聖霊の助けによって、信仰は増し進み、同時に、邪悪な考えのあらゆる要塞は徐々に通り過ぎて完全に打ち倒されるからです。

それゆえ、私たち一人一人は、この土の器の中に宝を見つけたかどうか、霊の紫の衣を着けたかどうか、王を見てその近くに安息を見出したかどうか、あるいはまだ家の一番外側で奉仕しているかどうか、探究すべきです。魂には多くの肢体と深いところがあります。それに加えて、罪が入り込んで、魂の肢体と心の隅々すべてを占領しています。そこで、人が求めるとき、恵みが彼にやって来て、魂の二つの肢体を占領するかもしれません。このように、経験の浅い人は、恵みによって慰められ、恵みが自分の魂のすべての肢体を占領し、罪が根絶されたと想像します。しかし、大部分はまだ罪の力の下にあり、恵みの下にあるのはほんの一部だけです。そして、彼は騙されていて、それに気づきません。

あなた方の真摯な心のために、これらのことについてもっと長々と書くこともできたでしょうが、このように簡潔に出発点を与えたのは、あなた方が理解ある人のようにそれに取り組み、言葉の力を探り出し、主においてさらに理解を深め、主の恵みと真理の力において心の一途さを増し、自分の救いを確信をもって固く保ち、敵の邪悪と策略のあらゆる妨害から解放され、私たちの主イエス・キリストの審判の日に堕落せず、罪に定められない者として見出される特権を得るためです。主に永遠に栄光がありますように。アーメン。

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