エジプトのマカリオス50の霊的説教/説教31

Wikisource:宗教

• 底本: A. J. Mason, Fifty spiritual homilies of St. Macarius the Egyptian/Homily 31
• ウィキソースによる日本語訳

エジプトのマカリオス50の霊的説教

————————————

説教31

<< 信者は心を変え、すべての思いを神に集めるべきである。なぜなら、神への奉仕はすべてこれにかかっているからである。>>

1. 信者は、心を苦いものから甘いものに変えることで、神の目的が変えられるように神に願い求めるべきであり、盲人が癒されたこと、長血を患っていた女性も神の裾に触れることで癒されたこと、ライオンの性質が飼いならされたこと、火の性質が鈍ったことを思い出すべきである。なぜなら、神は最高の善であり、あなたは神に心と思いを集中し、他のことは何も考えず、ただ期待して神を待ち望むべきである。

2. ですから、魂は、迷える子らを集め、罪が散らした思いを戒め、それを自分の体に持ち帰り、断食と慈善で主が来て真理のうちに集めてくださるのをいつも待ち望む者のようになりなさい。将来が不確かなので、さらに大きな希望をもって舵取り主に望みを置き、ラハブが外国人の中に住んでいたとき、イスラエル人を信じ、彼らの特権にあずかることを許されたのに対し、イスラエル人は愛情のあまりエジプトに引き返したことを思い起こしなさい。ラハブは外国人の中に住んでいても何の害も受けず、彼女の信仰によってイスラエル人の領域に居心地よく住んだように、希望と信仰をもって救い主を待つ者には罪は害を与えません。救い主は来臨すると、魂の思いを変え、それを神に似た、天国的な、善いものにし、魂に祈りを教えます。真実で、惑わされず、さまようことのない祈りです。恐れるな、と彼は言います。「わたしはあなたの前に行き、山々を平らにする。」わたしは青銅の門を打ち砕き、鉄の貫の木を切り裂く。また、主はこう言われる。「あなたの心の中に邪悪な考えを秘めないように気をつけなさい。あなたの心の中で、『この国は強く、力強い』と言ってはならない。」

3. もし私たちが怠惰になって邪悪な思いにその場を明け渡さず、私たちの心を私たちの意志に従わせ、私たちの思いを主に向けさせるなら、確かに主はご意志をもって私たちのもとに来られ、私たちを真実に受け入れてくださいます。すべての善良なこととすべての奉仕は思いの中にあります。ですから、主を喜ばせるよう努め、常に内に主を求め、思いの中で主を求め、あなた自身の意志と目的を強制し、主に向かって絶えず上向きに伸ばしなさい。そうすれば、主がどのようにあなたのもとに来られ、あなたとともに住まわれるかがわかります。あなたが主を求めるために心を奮い立たせるほど、主はご自身の優しい同情と親切によって、あなたのもとに来られ、あなたに休息を与えてくださるよう、さらに強く促されます。主はあなたの心、あなたの考え、あなたの意図をじっと見つめ、あなたが全身全霊で主を求めているか、怠惰に求めていないか、不注意に求めていないかを観察しています。

4. そして、あなたが熱心に神を求めるのを見ると、神はご自身を現し、あなたに現れ、ご自身の助けをあなたに与え、勝利をあなたのものとし、あなたを敵から救い出します。まず、あなたが神を求めること、そしてあなたのすべての期待が絶えず神に向けられていることを熟考した上で、神はあなたに真の祈りと真の慈愛を教え、与え、それはあなたの中で神自身がすべてのものを作ったものである ― 楽園、生命の木、真珠、冠、建築者、農夫、苦しむ者、苦しむことのできない者、人間、神、ワイン、生ける水、子羊、花婿、戦士、武具、そしてすべてにおいてキリストを。

そして、赤ん坊が自分の世話をしたり、自分で何かをしたりすることを知らず、ただ母親に頼り、彼女が憐れんで抱き上げてくれるのを待つのと同じように、忠実な魂は常に主だけに希望を置き、すべての正義を主に帰します。ぶどうの木がなければ枝が枯れるように、キリストなしで義とされることを望む者も枯れてしまいます。入り口から入らずに別の道から登る強盗や泥棒のように、義と認める方なしで自分自身を義と認める者もそうです。

5. ですから、私たちのこの体を取って祭壇を作り、私たちのすべての意図をその上に置き、主に、主が天から目に見えない大きな火を送って、祭壇とその上のすべてのものを焼き尽くし、反対の活動であるバアルの祭司たちをすべて倒すようにと懇願しましょう。そうすれば、人の足跡のように魂の中に霊的な雨が降るのを見るでしょう。そして、預言者が言っているように、それは私たちの中の神の約束となります。「私は倒れたダビデの幕屋を起こして再建し、その廃墟を再建する。それは、夜と暗闇の中、無知の酔いの中にいる魂を主がご自身の慈愛をもって照らし、魂が目覚めて冷静になり、つまずくことなく歩き、昼と人生の仕事を成し遂げるためです。」 魂が養われるところは、世界から、または神の霊から養われるからです。そして神はそこで養われ、生き、休み、上がったり下がったりする。

6. 結論として、誰もが望むなら、自分がどこから養われ、どこに住み、どのような状態にあるかを自ら明らかにすべきです。そうすれば、そのように認識し、正確な評価を得た後、善に向かう動きに完全に身を捧げることができるでしょう。さて、祈るときには、祈りの中で自分自身に注意を払い、自分の考えや行動がどこから来ているのか、神からなのか敵対者からなのか、そして誰があなたの心に栄養を与えているのか、主なのか、それともこの世の支配者なのかを観察してください。そして、魂よ、あなたが試し、知ったとき、次の言葉に従って、天国での栄養と成長、キリストの行動を労苦と切望をもって主に求めなさい。「私たちの生活は天国にあり、ある人が想像しているような形や様式ではありません。」見よ、形だけの敬虔さしか持たない人々の心と性質は、この世のようなものです。彼らの動揺、彼らの目的の揺らぎ、彼らの不安定な判断、彼らの臆病さと恐れを見よ。それは、「地上であなたはうめき、震えるであろう」と言われているとおりである。彼らの不信仰と不安定な考えの混乱のせいで、彼らは他のすべての人々と同様に、毎時間翻弄されている。そのような人々は、外なる人の肉体的な遵守においてではなく、単にファッションにおいてのみ世と異なる。一方、心と精神においては、彼らは世に引きずられ、地上のつながりや無益な心配事に巻き込まれ、彼らの心には天からの平和が得られていない。使徒が言うとおりである。「神の平和があなたがたの心を支配するようにしなさい。それは、神とすべての兄弟愛を信じる者の心を支配し、新たにする平和である。」父と子と聖霊に、永遠に栄光と礼拝がありますように。アーメン。

トップに戻る

この文書は翻訳文であり、原文から独立した著作物としての地位を有します。翻訳文のためのライセンスは、この版のみに適用されます。
原文:
翻訳文: