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イソップ童話集/病気の鳶

提供:Wikisource
一羽の鳶が病気にかかって、だんだんわるくなるばかりでした。
鳶はたいへんかなしがって、あるひ母鳶にむかい、
「ねえ、おかあさん、こんなにいろいろ手をつくしても、なおらないんですから、この上は、かみさまにおねがいするほかありません。どうかこの近くのお宮を残らずおがんで来て下さい。」
と、申しますと、母鳶は、
「このへんのお宮で、私とおまえがおそなえものをくいちらさなかったお宮があるなら、その神さまはねがいをきいてくださるだろうがねえ。」
と、もうしました。