イソップ童話集/牛と山羊

提供: Wikisource
Jump to navigation Jump to search
獅子においかけられた牛が、ようやくのことで、とある洞穴をみつけて、とびこみました。そして、ほっと一息つく間もなく、その穴にさきに入っていた牡山羊が、いきなり二つの角でつきかかり、牛をおい出そうとしました。
すると、牛はしずかな声で、山羊に云いました。
「気のすむまで突くがいい。私のおそれるのは獅子であって、おまえではないからね。いまに、あのこわい奴が行ってしまいさえすれば、私はすぐおまえの相手になってあげるよ。そうしたら、おまえは、牛と山羊とでは、どっちがつよいかがわかるだろう。」