あめんぼの歌

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動


五十音ごじゆうおん[編集]

これは單に語呂を合せるつもりで試みたのではない、各行の音の本質そのものを子供におのづと歌ひ乍らにおぼえさしたいがためである。

水馬あめんぼあかいな。ア、イ、ウ、エ、オ。
浮藻うきも小蝦こえびもおよいでる。

かきくり。カ、キ、ク、ケ、コ。
啄木鳥きつつきこつこつ、れけやき。

大角豆ささげをかけ、サ、シ、ス、セ、ソ。
そのうを淺瀬あさせしました。

ちましよ、喇叭らつぱで、タ、チ、ツ、テ、ト。
トテトテタツタとつた。

蛞蝓なめくじのろのろ、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ。
納戸なんどにぬめつて、なにねばる。

はとぽつぽ、ほろほろ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ。
日向ひなたのお部屋へやにやふえく。

蝸牛まゐまゐ螺旋卷ねぢまき、マ、ミ、ム、メ、モ。
うめちてももしまい。

燒栗やきぐり、ゆでくり。ヤ、イ、ユ、エ、ヨ。
山田やまだのつくよひいへ

雷鳥らいてうさむかろ、ラ、リ、ル、レ、ロ。
蓮花れんげいたら、瑠璃るりとり

わい、わい、わつしよい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ。
植木屋うゑきや井戸換ゐどがへ、おまつりだ。

底本[編集]

  • 北原白秋 「五十音」『祭の笛』 アルス、1922年6月13日、190-193頁。NDLJP:969783/114

この著作物は、1942年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)70年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は1924年1月1日より前に発行された(もしくはアメリカ合衆国著作権局に登録された)ため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。