「大東亜戦争ノ呼称ヲ定メタルニ伴フ各法律中改正法律案」説明基準

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一、今回各法律ヲ改正スルコトニ依リ当該法律ノ今後ノ適用上別段ノ変更ヲ来スモノニ非ズ。(対米英戦ノ目的ハ大東亜新秩序ノ建設ニ在リ、其ノ目的ニ於テ又、其ノ本質ニ於テ従来遂行セラレ来レル支那事変ト何等異ル所ナク従テ大東亜戦争ナルモノハ支那事変ノ生成発展シタルモノト謂フヲ得ベシ。此ノ点昭和十二年ヨリ昨年迄ノ間ニ於ケル支那事変ノ過程ニ於テ幾多ノ発展段階アリタルト性質上撰ブ所ナシ。)

従テ

(イ) 臨時軍事費特別会計法ノ如キニ付前議会ニ於テ特ニ之ガ改正ノ措置ヲ執ラザリシ次第ナリ。
(ロ) 又、昭和十三年法律第八十四号(支那事変ニ際シ召集中ノ者ノ選挙権及被選挙権等ニ関スル法律)等ニ関シテモ「従前ノ支那事変ニ際シテノ召集ハ大東亜戦争ニ際シテノ召集ト看做ス」ト云フガ如キ規定ヲ設クルノ措置ヲ執ラザリシ次第ナリ。

二、「支那事変ヲモ含メ」云々ト謂ヘル閣議決定ノ趣旨ハ左ノ如シ。

(イ) 今次勃発ノ対米英戦ノミヲ支那事変ト区別シテ大東亜戦争ト称スルモノニ非ザルコトヲ示ス。
(ロ) 更ニ、右決定ハ、今後大東亜戦争ナル呼称ヲ用フル場合ニハ昭和十六年十二月八日前ノ支那事変ヲモ包含スルモノナルノ意ヲ含ム。

従テ臨時軍事費特別会計法ニ依ル会計年度ノ始期ニモ何等変更ヲ来スコトナシ。

(ハ) 尚「大東亜戦争」ノ「戦争」トハ包括的ノ呼称トシテ用ヒラレタルモノニシテ帝国憲法ニ謂フ「戦」、或ハ国際法上ニ於ケル「戦争」ト云フ如キ厳格ナル意味ノモノニ非ズ。従テ大東亜戦争ナル呼称ニ包括セラルル事態ニハ、国際法的ニ見テ厳格ナル意味ノ戦争ノ部面アリ又然ラザル部面アリ。

故ニ本呼称ノ決定ハ対重慶軍事行動ガ、法上ノ戦争ニ為リタルコトヲ示スモノニ非ズ。

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