○●

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動

Wikisource:文学 < 『死刑宣告

本文[編集]

○●
萩原恭次郎

○○を露出した恋人の顔——月経の日に
「便所」の中は百鬼夜中だ
   強 された時のやうに
●●憂欝な薔薇の
        ヂーンと開き放しになつてしまつた日だ!
俺ハ春ノ日ヲ墓場カラ出テ来タ

  ピストルと金貨のオモチヤ\ 太  銭!
金貨 金貨 金貨 金貨 金貨=|  ==ダ!
  軌道を外れさうなアブナイ/ 陽  ツ!


銭だ! みいんな銭だ!
  一杯ガマ口につめこんである銭ぢやないか!
太陽の光りだつて銭で買へる時代だ!
   ゼニヲ モツテヰナイモノハ
   ニンゲンデ ナインダ

  女も正義も――銭だ!
  赤い赤い赤い
        マツ赤ナ銭ナンダ!


——太陽形の銭が膏薬の代りにハリついてゐる局部から——
  腐敗した血が流れてゐる
  金よ 本よ 酒よ 歌よ 女よ
——世の中は重い荷物だ しよつて起てない荷物だ
  厄介な邪魔な荷物だネ

解題[編集]

作者:萩原恭次郎

底本:萩原恭次郎『死刑宣告』日本図書センター〈愛蔵版詩集シリーズ〉(2004年3月25日初版第1刷発行) ISBN 978-4-8205-9599-1

表記について:旧仮名遣いは初版本(1925年10月18日発行、長隆舎書店)のまま、漢字は常用漢字に改めてある。本文8行目から10行目にかけての

「 \ 
   |
  / 」