警察官の指揮権及び順位に関する規程

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⦿警察官の指揮権及び順位に関する規程 警察予備隊本部長官は、警察官の指揮権及び順位に関する規程を次のように定めた。

警察予備隊規程第十四号

警察官の指揮権及び順位に関する規程を次のように定める。
昭和二十六年九月二十日
警察予備隊本部長官 増原 惠吉

 

警察官の指揮権及び順位に関する規程
(指揮権)

第一条 この規程において、指揮権とは、警察官が、部隊統率のため、その階級と職務とにより、指揮系統内にある部隊及び部下に対し、行使する権限をいう。

2 階級、職種及び職務により指揮権を行使する権限を有する者を指揮官という。

(部隊の指揮官)

第二条 総隊、管理補給隊、管区隊、連隊、大隊、中隊、小隊、班及び分隊並びにこれらに準ずる部隊等警察予備隊の部隊は、それぞれその部隊の部隊長たる一人の指揮官の指揮権の下にあるものとする。

(駐屯地部隊長の指揮権)

第三条 駐屯地部隊長は、その地域の保安、秩序及び風紀の維持、財産及び施設の管理その他特に定められた事項に関し、駐屯地にある部隊に対し、指揮権を行使する。

(指揮権の代行)

第四条 指揮官が、死亡その他の事由で欠員となり、又は長期の不在、心身の故障、勤務停止、停職、休職、その他の事故で職務を執ることができない場合には、その部隊における次級者が指揮官代理となる。

2 指揮官代理に事故のある場合は、更に、その部隊における次級者が指揮官代理となり、以下この例による。

3 総隊総監は、特に必要と認めた場合は、前二項の規定にかかわらず、指揮官代理を命ずることができる。但し、その者は、その部隊における次級者と同階級以上の者でなければならない。

4 指揮官代理は、指揮官の指揮権を代行する。

5 前項による指揮権の代行は、指揮官が職務に復帰し、又は新たに指揮官が補職されるまで継続するものとする。

(指揮官の責任)

第五条 指揮官又は指揮官代理は、施行中のすべての命令、部隊及び部下の監督並びにその権限に属する財産及び施設の管理についてすべての責任を負う。

(指揮権を行使できない者)

第六条 左の各号の一に該当する者は、指揮権を行使し、又は指揮権を代行することができない。

一 学校の学生、生徒。但し、当該学校の学生隊又は生徒隊を指揮する場合は、この限りでない。
二 勤務停止、停職又は休職中の者
(指揮権の制限)

第七条 技術部の警察官は、左の各号の一に該当する場合を除き、他の部の部隊に対して指揮権を行使し、又は指揮権を代行することができない。

一 技術部の部隊の指揮下に他の部の下級部隊が特に配属された場合
二 技術部の部隊の指揮官が駐屯地部隊長又はその代理となつた場合

2 技術部(衛生科を除く。)の警察官は、技術部の他の科(衛生科を除く。)の部隊に対して指揮権を行使することができる。

3 技術部衛生科及び行政部各科の警察官は、左の各号の一に該当する場合を除き、当該科以外の部隊に対しては、指揮権を行使し、又は指揮権を代行することができない。

一 当該科の部隊の指揮下に他の部又は科の下級部隊が特に配属された場合
二 当該科の部隊の指揮官が駐屯地部隊長又はその代理となつた場合
(順位)

第八条 警察官の順位は、階級の上下による。

2 総隊総監たる警察監は、他の警察監の上位とする。

(同一階級にある者の順位)

第九条 同じ階級にある警察官の順位は、その階級に任命された任命の日附の前後による。

2 任命の日附が同じである場合の順位は、左の各号による。

一 幹部警察官については、幹部警察官名簿に登載された序列の先の者を上位とし、名簿に登載されるまでの間は、任命の序列の先の者を上位とする。
二 士補及び警査については、前階級の任命の日附、それが同じである場合は、前前階級の任命の日附、以下この例による任命の日附が前である者を上位とし、最初の任命の日附が同じである場合は、年令の多い者を上位とする。
(経過規定)

第十条 別に長官の定める時期までに任命された幹部警察官の順位は、任命の日附にかかわらず、幹部警察官名簿に登載された序列による。

2 第一回の幹部警察官名簿の作成に当つては、任命の日附の前後、勤務期間の長短、年令の上下、講習又は学校における成績順位、学識経験及び勤務実績等を考慮して序列を決定するものとする。

(幹部警察官名簿)

第十一条 幹部警察官名簿は、長官の決定に基いて、総隊総監が作成する。

2 幹部警察官名簿は、毎年一回作成するものとし、階級及び先任順位によつて登載し、各警察官の氏名、認識番号、職各及び職種等が記載されなければならない。

附 則
この規程は、昭和二十六年九月二十日から施行する。

改正規定[編集]

  • 警察予備隊の部隊の駐屯地管理に関する規程(昭和27年5月15日警察予備隊規程第10号): 第3条を次のように改める(昭和27年5月15日施行)。
第三条 削除

関連項目[編集]

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。