警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程

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公布時[編集]

⦿総理府第令五十二号

警察予備隊令(昭和二十五年政令第二百六十号)第十條の規定に基き、警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程を次のように定める。
昭和二十五年十二月二十九日
内閣総理大臣 吉田  茂
警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程

目次[1]

第一章 総則(第一條・第二條)
第二章 部隊の編成(第三條-第七條)
第三章 総隊総監部(第八條-第二十條)
第四章 管理補給総監部(第二十一條-第二十六條)
第五章 管区総監部(第二十七條-第三十二條)
第六章 連隊本部その他(第三十三條-第三十七條)
附則
第一章 総則

第一條 この規程は、警察予備隊の部隊(以下「部隊」という。)の編成及び部隊の本部組織を定めることを目的とする。

第二條 部隊の單位は、総隊、管理補給隊、管区隊、連隊、大隊、中隊、小隊及び分隊とする。

第二章 部隊の編成

第三條 総隊は、総隊総監部、総隊総監部直轄部隊、管理補給隊一及び管区隊四をもつて編成する。

第四條 管理補給隊は、管理補給総監部及び所要の管理補給部隊をもつて編成する。

第五條 管区隊は、管区総監部、管区総監部直轄部隊、普通科連隊三、特科連隊一及び特科大隊二をもつて編成する。

第六條 普通科連隊は、連隊本部、連隊本部附中隊及び大隊三をもつて編成する。

2 特科連隊は、連隊本部、連隊本部附中隊及び大隊四をもつて編成する。

第七條 総隊、管理補給隊及び管区隊の部隊及び部隊本部の名称は、別表による。

第三章 総隊総監部

第八條 総隊総監部に総隊総監を置く。

2 総隊総監は、警察監をもつて充てる。

第九條 総隊総監は、警察予備隊本部長官(以下「長官」という。)の統轄の下に、総隊の長として総隊総監部及び部下諸部隊を統率する。

第十條 総隊総監は、長官の指揮監督を受け、総隊総監部の行政的部務を掌理し、部下諸部隊の行政的隊務を統括する。

第十一條 総隊総監部に、一般幕僚機関として人事、調査、訓練及び管理の四部並びに書記室を置き、各部に所要の班を置く。

2 総隊総監部に、特別幕僚機関として次の課を置く。

総務課、保営課、法務課、検務課、監察課、衞生課、施設課、会計課、補給課、武器課、通信課、化学課、輸送課

3 総隊総監部に、経理官室を置く。

4 総隊総監部に、学校その他所要の機関を附置する。

第十二條 総隊総監部に、総隊副総監一人、部長四人、主任経理官一人、課長十三人及び所要の秘書官その他の警察官を置く。

2 総隊総監部に、必要により、衞生監一人を置くことができる。

第十三條 総隊副総監は、総隊総監を補佐し、且つ、総隊総監部内の事務の調整及び整理につき、総隊総監に対して責任を負う。

2 総隊副総監は、総隊総監の不在のとき及び総隊総監の特に定める事項につき、総隊総監に代り、その職務及び権限を行う。

3 総隊副総監は、警察監をもつて充てる。

第十四條 各部は、総隊総監に対して責任を負う部長の指揮の下にある。

2 経理官室は、総隊総監に対して責任を負う主任経理官の指揮の下にある。

3 部長及び主任経理官は、それぞれ第十五條から第十九條までに規定する職務を行う外、総隊総監又は総隊副総監の特に命ずる職務を担任する。

4 第十二條第二項の衞生監を置いたときは、衞生監は、医務衞生に関し、総隊総監又は総隊副総監の特に命ずる職務を行う。

第十五條 人事部長は、次に掲げる職務を行う。

一 人事の実施計画に関する事項
二 進退、身分及び賞罰に関する事項
三 法務、監察及び検務の実施の指導に関する事項
四 補充計画の実施指導に関する事項
五 厚生諸施設の実施指導に関する事項

第十六條 調査部長は、次に掲げる職務を行う。

一 警備に関する各種情報の收集整理に関する事項
二 情報連絡に関する事項
三 警備に関する調査及び統計に関する事項

第十七條 訓練部長は、次に掲げる職務を行う。

一 警備実施計画の策定に関する事項
二 警備の実施指導に関する事項
三 部隊の編成配置の実施及び改善意見に関する事項
四 教育訓練の実施計画の策定に関する事項
五 教育訓練の実施指導に関する事項

第十八條 管理部長は、次に掲げる職務を行う。

一 裝備実施計画の策定に関する事項
二 裝備品(通信資材、武器及び車両をいう。以下同じ。)の購入、配分及び保管の計画並びに補給計画の策定に関する事項
三 裝備品の規格の制定に関する事項
四 被服その他の需品の購入、配分及び保管の計画並びに補給計画の策定に関する事項
五 輸送業務の実施計画の策定に関する事項
六 後送業務の実施計画の策定に関する事項
七 施設の建設及び維持補修の指導監督に関する事項
八 医務衞生管理の実施指導に関する事項
九 医務衞生関係者の職務及び教養の実施指導に関する事項
十 医務衞生の調査及び研究に関する事項
十一 医務衞生資材の購入、配分及び保管の計画並びに補給計画の策定に関する事項

第十九條 主任経理官は、一般幕僚機関の各部と協力の下に、次に掲げる職務を行う。

一 次に掲げる事項に関し長官の定める大綱及び方針に基く突施計画及び手続の策定並びに監督に関する事項
イ 予算の編成及び執行
ロ 会計手続
ハ 会計監査
ニ 経過報告及び統計報告
二 前号イ、ロ、ハ、ニに掲げる事務の管理組織及び管理手続に関する事項
三 会計事務の監督に関する事項
四 管理事務についての継続的調査及び分析に関する事項

第二十條 各課は、総隊総監に対して責任を負う課長の指揮の下にある。

2 課長は、総隊総監、総隊副総監及び一般幕僚機関に対して、技術的又は実務的助言若くは具申を行い、及び一般幕僚機関を援助するため、その恒常的事務を行う。

3 部長は、総隊総監の命を受けて関係課長を統制し、その職務を調整する。

4 課長より総隊総監又は総隊副総監に具申すべき事項は、あらかじめ関係部長の承認を受けるものとする。

第四章 管理補給総監部

第二十一條 管理補給総監部に、[2]管理補給総監を置く。

2 管理補給総監は、警察監をもつて充てる。

第二十二條 管理補給総監は、総隊総監の指揮を受け、管理補給隊の長として管理補給総監部及び部下管理補給諸部隊を統率する。

第二十三條 管理補給総監は、総隊総監の指揮監督を受け、管理補給総監部の行政的部務を掌理し、部下管理補給諸部隊の行政的隊務を統括する。

第二十四條 管理補給総監部に、管理補給副総監、幕僚長、部長、課長その他所要の警察官を置く。

2 管理補給副総監は、管理補給総監を助け、管理補給総監の職務につき、管理補給総監の命によりその部下を統督する。

3 管理補給副総監は、管理補給総監の不在のとき及び管理補給総監の特に定める事項につき、管理補給総監に代り、その職務及び権限を行う。

4 管理補給副総監は、警察監補をもつて充てる。

5 幕僚長は、管理補給総監部内の事務の調整及び整理につき、管理補給総監に対し責任を負い、部長及び課長を指揮監督する。

第二十五條 管理補給総監部に、特別幕僚機関として、次の課を置く。

総務課、法務課、検務課、衞生課、施設課、会計課、補給課、調達課、武器課、通信課、化学課、輸送課

2 管理補給総監部に、学校その他所要の機関を附置する。

第二十六條 第十一條第一項、第十四條第一項及び第三項、第十五條から第十八條まで並びに第二十條の規程は、管理補給総監部に準用する。この場合において、第十四條第三項、第二十條第二項及び第四項中「総隊総監」とあるのは[3]「管理補給総監」と、第十四條第一項、第二十條第一項及び第三項中「総隊総監」並びに第十四條第三項、第二十條第二項及び第四項中「総隊副総監」とあるのは「幕僚長」と読み替えるものとする。

第五章 管区総監部

第二十七條 管区総監部に、管区総監を置く。

2 管区総監は、警察監又は警察監補をもつて充てる。

第二十八條 管区総監は、総隊総監の指揮を受け、管区総監部及び部下諸部隊を統率する。

第二十九條 管区総監は、総隊総監の指揮監督を受け、管区総監部の行政的部務を掌理し、部下諸部隊の行政的隊務を統括する。

第三十條 管区総監部に、管区副総監、幕僚長、部長、課長その他所要の警察官を置く。

2 管区副総監は、警察監補又は一等警察正をもつて充てる。

第三十一條 管区総監部に、特別幕僚機関として、次の課を置く。

総務課、法務課、検務課、監察課、特技課、衞生課、施設課、会計課、補給課、武器課、通信課

2 管区総監部に学校その他所要の機関を附置する。

第三十二條 第十一條第一項、第十四條第一項及び第三項、第十五條から第十八條まで、第二十條並びに第二十四條第二項、第三項及び第五項の規定は、管区総監部に準用する。この場合に於て、第十四條第三項、第二十條第二項及び第四項中「総隊総監」とあるのは「管区総監」と、第十四條第一項、第二十條第一項及び第三項中「総隊総監」並びに第十四條第三項、第二十條第二項及び第四項中「総隊副総監」とあるのは「幕僚長」と読み替えるものとする。

第六章 連隊本部その地

第三十三條 連隊本部に、連隊長[4]その他所要の警察官を置く。

2 連隊長は、一等警察正又は二等警察正をもつて充てる。

第三十四條 連隊長は、管区総監の指揮を受け、連隊の長として部下諸部隊を統率する。

第三十五條 連隊長は、管区総監の指揮監督を受け、連隊本部の行政的部務を掌理し、部下諸部隊の行政的隊務を統括する。

第三十六條 特科大隊の長は、管区総監の指揮を受け、部下部隊を統率し、行政的隊務を統括する。

2 前項の大隊の長は、二等警察正をもつて充てる。

第三十七條 この規程に定めるものを除くの外、部隊の編成及び組織に関する事項及び階級別定員は、長官が定める。

附 則
この政令は、公布の日から施行する。

別 表

部隊の單位 部隊の名称 部隊本部の名称
総隊 警察予備隊総隊 総隊総監部
管理補給隊 警察予備隊管理補給隊 管理補給総監部
管区隊 第一管区隊
第二管区隊
第三管区隊
第四管区隊
第一管区総監部
第二管区総監部
第三管区総監部
第四管区総監部

正誤訂正[編集]

  1. 昭和26年1月13日付け官報本紙第7201号にて空白ありの「目 次」から「目次」へ正誤訂正
  2. 昭和26年1月12日付け官報本紙第7200号にて「管理補給総監部に」から「管理補給総監部に、」へ正誤訂正
  3. 昭和26年1月12日付け官報本紙第7200号にて『「総隊総監とあるのは』から『「総隊総監」とあるのは』へ正誤訂正
  4. 昭和26年1月13日付け官報本紙第7201号にて「本部に連隊長」から「本部に、連隊長」へ正誤訂正

改廃経過[編集]

  • 警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程の一部を改正する総理府令(昭和27年総理府令第10号):
    目次中「第三章 総隊総監部(第八條-第二十條)」を「第三章 総隊総監部(第八條-第二十條の二)」に、「第四章 管理補給総監部(第二十一條-第二十六條)」を「第四章 削除」に改める。第2条中「管理補給隊、」を削り、「小隊」の下に「、班」を加える。第3条中「、管理補給隊一」を削る。第4条を次のように改める。
    第四條 削除
    第6条第2項中「大隊四」を「大隊五」に改める。第7条中「、管理補給隊」を削る。第11条第2項中「輸送課」の下に「、調達課」を加える。第11条第4項中「学校」の下に「、補給廠、病院」を加える。第12条中「課長十三人」を「課長十四人」に改める。第20条の次に次の一条を加える。
    第二十條の二 課長は、総隊総監の指揮を受け、総隊総監の定める総隊総監部直轄部隊を統率し、その行政的隊務を統括する。
    第四章を次のように改める。
    第四章 削除
    第二十一條から第二十六條まで 削除
    第30条第2項を次のように改める。
    2 管区副総監は、管区総監を助け、管区総監の職務につき、管区総監の命によりその部下を統督する。
    3 管区副総監は、管区総監不在のとき及び管区総監の特に定める事項につき、管区総監に代り、その職務及び権限を行う。
    4 管区副総監は、警察監補又は一等警察正をもつて充てる。
    5 幕僚長は、管区総監部内の事務の調整及び整理につき、管区総監に対し責任を負い、部長及び課長を指揮監督する。
    第32条中「第十八條まで、第二十條並びに第二十四條第二項、第三項及び第五項」を「第十八條まで並びに第二十條」に改める。別表中管理補給隊の項を削る(以上昭和27年4月9日施行)。
  • 警察予備隊の部隊の編成及び組織に関する規程の一部を改正する総理府令(昭和27年総理府令第50号):
    目次中「第二章 部隊の編成(第三條-第七條)」を「第二章 部隊、学校その他の機関(第三條-第七條の二)[1]」に、「第三章 総隊総監部(第八條-第二十條の二)」を「第三章 削除」に、「第五章 管区総監部(第二十七條-第三十二條)」を「第五章 区総監部及び管理補給その他の部隊(第二十七條-第三十一條の八)」に改める。第2条中「総隊、」を削る。「第二章 部隊の編成」を「第二章 部隊、学校その他の機関」に改める。第3条を次のように改める。
    第三條 警察予備隊に、管区隊四及び管理補給その他の部隊を置く。
    第7条中「総隊及び」を削る。第7条の次に次の一条を加える。
    第七條の二 警察予備隊に、保安庁第一幕僚長(以下「第一幕僚長」という。)の監督を受ける学校、補給しよう、病院その他所要の機関を置く。
    第3章を次のように改める。
    第三章 削除
    第八條から第二十條の二まで 削除
    「第五章 管区総監部」を「第五章 管区総監部及び管理補給その他の部隊」に改める。第28条中「総隊総監」を「第一幕僚長を通じて保安庁長官(以下「長官」という。)」に改める。第29条中「総隊総監」を「第一幕僚長を通じて長官」に改める。第30条の次に次の一条を加える。
    第三十條の二 管区総監部に、書記室の外、一般幕僚機関として人事、調査、訓練及び管理の四部を置き、各部に所要の班を置く。
    第31条の次に次の七条を加える。
    第三十一條の二 各部は、幕僚長に対して責任を負う部長の指揮の下にある。
    2 部長は、それぞれ第三十一條の三から第三十一條の六までに規定する職務を行う外、管区総監又は幕僚長の特に命ずる職務を担任する。
    第三十一條の三 人事部長は、次に掲げる職務を行う。
    一 人事の実施計画に関する事項
    二 規律、進退、身分及び賞罰に関する事項
    三 法務、監察及び検務の実施の指導に関する事項
    四 補充計画の実施指導に関する事項
    五 厚生諸施設の実施指導に関する事項
    第三十一條の四 調査部長[2]は、次に掲げる職務を行う。
    一 警備に関する各種情報の収集整理に関する事項
    二 情報連絡に関する事項
    三 警備に関する調査及び統計に関する事項
    第三十一條の五 訓練部長は、次に掲げる職務を行う。
    一 警備実施計画の作成に関する事項
    二 警備の実施指導に関する事項
    三 部隊の編成配置の実施及び改善意見に関する事項
    四 教育訓練の実施計画の作成に関する事項
    五 教育訓練の実施指導に関する事項
    第三十一條の六 管理部長は、次に掲げる職務を行う。
    一 装備実施計画の実施の指導監督に関する事項
    二 装備品(通信資材、武器及び車両をいう。以下同じ。)の購入配分及び保管の計画並びに補給計画の実施の指導監督に関する事項
    三 被服その他の需品の購入、配分及び保管の計画並びに補給計画の実施の指導監督に関する事項
    四 輸送業務の実施計画の作成に関する事項
    五 後送業務の実施計画の作成に関する事項
    六 施設の建設及び維持補修の指導監督に関する事項
    七 医務衛生管理の実施指導に関する事項
    八 医務衛生関係者の勤務及び教養の実施指導に関する事項
    九 医務衛生の調査及び研究に関する事項
    十 医療衛生資材の購入、配分及び保管の計画並びに補給計画の実施の指導監督に関する事項
    第三十一條の七 各課は、幕僚長に対して責任を負う課長の指揮の下にある。
    2 課長は、管区総監、幕僚長及び一般幕僚機関に対して、技術的又は実務的助言若しくは具申を行い、及び一般幕僚機関を援助するため、その恒常的事務を行う。
    3 部長は、幕僚長の命を受けて関係課長を統制し、その職務を調整する。
    4 課長から管区総監又は幕僚長に具申すべき事項は、あらかじめ関係部長の承認を受けるものとする。
    第三十一條の八 管理補給その他の部隊の長は、第一幕僚長を通じて長官の指揮監督を受け、部下諸部隊を統率し、その行政的隊務を統括する。
    第32条を次のように改める。
    第三十二條 削除
    別表中総隊の項を削る(以上昭和27年8月1日施行)。
  • 警察予備隊の警察官の給与等に関する総理府令等を廃止する総理府令(昭和27年総理府令第77号): 廃止(昭和27年10月15日施行)

改正布令の正誤訂正[編集]

  1. 昭和27年8月21日官報本紙第7687号にて「第七條の二」から「第七條の二)」へ正誤訂正
  2. 昭和27年8月21日官報本紙第7687号にて「課査部長」から「調査部長」へ正誤訂正

関連項目[編集]

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。