解析概論/附録I/実数の大小
提供:Wikisource
[編集] 2.実数の大小
[証]
とすれば,
に属して
に属しない有理数
があるか,あるいは
に属して
に属しない有理数
がある.
前の場合には
,故に
ならば
.然るに
,故に
.故に
.
同様に,後の場合には
.
[定義]
なるときは
.
なるときは
.
なるときは
.[系 1]
に従って
.[系 2]
ならば
.[注意 1]
が有理数なるとき,有理数に関しては既定なる大小の関係は,上記の定義と調和する(すなわち有理数
の下組を
とすれば,
,または
,に従って,既知のはずの意味で
または
).[注意 2]
が
の下組に属するならば,上記の定義に従って
.また
が
の上組に属するならば
.
前の場合には,
の下組
は全く
の下組
に含まれるが,規約によって
に最大数がないから,
の中には
よりも大きい有理数がある.故に
,従って定義によって,
.
後の場合(
)には,(1º)
が
の最小数,従って
であることも可能であるが,もしも,(2º)
に最小数がないならば(
は無理数で),
よりも小なる
が
に属し,従って
に属しないから
,従って
.
[系 3]
ならば
なる有理数
が(無数に)ある.[証]
仮定によって
.故に
と
とに共通の有理数
があるが,規約によって
に最大数がないから,
なる有理数
は無数にある.そうして
.[定理 2]
ならば
.- ↑ 狭義でいう.すなわち,
は,
は
に含まれ,かつ
を意味する.以下同様.



の下組を
とすれば
(上記
.故に