解析概論/第9章/加法的集合類(σ系)

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[編集] 106.加法的集合類(\sigma系)

\Omega の部分集合の一類 M が次の条件に適合するとき, それを \sigma(または加法的集合類)といい \sigma系 M に属する集合を M 集合系と略称する [* 1]

1°.M集合の列 \{e_n\} の合併はM集合である.すなわち
 e_n \in \text{M}\ (n=1,2,…) ならば  \cup e_n \in \text{M}
2°.M集合の差はM集合である.すなわち
 e_1 \in \text{M},\ e_2\in \text{M} ならば e_1-e_2 \in \text{M}

特に,空集合は e_1-e_1 として M に属する.

前節 (5)(6) によって, e_n\in \text{M} なるとき,\cap e_n,\ \overline{\lim}e_n,\ \underline{\lim}e_n も M 集合である.

M の中に最大の集合  \omega があるとき(すなわちe \in \text{M} ならば e \subset \omega ),M を 閉じた\sigma という.この場合には を次の条件で置き換えてよい.

2'.M は e と同時に,\omega に対する e の余集合 e' を含む.

実際, e_1 \in \text{M},\ e_2\in \text{M} ならば e' \in \text{M} で, e_1-e_2 =(e_1'\cup e_2)'\in \text{M}

\Omega の部分集合の任意の一組 S があたえらるとき,Sに属する集合から,列の合併および引算(差を作ること) によって,次から次へと週ずる集合の全体は,一つの\sigma系を成すであろう.それはSを含む最小の\sigma系(Sから生ずる\sigma系)である.

\Omegaのすべての集合は一つの\sigma系を成すが,それはSを含む.このようにSを含む\sigma系は確かに存在するから,Sを含むすべての\sigma系の共通部分は,すなわちSから生ずる\sigma系である.

Sに属する集合列の合併として生ずる集合を一般的にS_{\sigma},またその交わりとして生ずる集合をS_{\delta}というように書けば,S_{\sigma},S_{\sigma\delta},S_{\sigma\delta\sigma},\cdots,S_{\delta},S_{\delta\sigma},S_{\delta\sigma\delta},\cdots, またそのようにして,すでに生じた一組の T からさらに生ずるT_{\sigma},T_{\delta},\cdotsは,みなこの\sigma系に属する. (故にこの最小\sigma系でも,ほとんど無際涯というべきで,いささか心もとない.すでにできている\sigma系ならば安心である!)


  1. 類=class は論理学上の意味で言う.または通俗的に族(family),系(system) などとも言う.外延では,M は  \Omega の特殊の部分集合を元とする一つの集合(集合の集合)である. 故に e\in \text{M} は ‘e は一つの M 集合である’ことを意味する. \sigma は無限列に関して加法的になることを,また M は mesurable (後出) を示唆する.
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