解析概論/第9章/加法的集合函数の微分法
[編集] 124.加法的集合函数の微分法
準備として,B 集合に関する次の考察を挿入する.
を正なる加法的集合函数[* 1]とする.一般的に開集合を
,閉集合を
で表せば,

であるが,B 集合
に関しては

が成り立つ.それを見るために,(1) を成立せしめる L 集合
の一類を
とする.
任意の閉区間
は
に属する.実際,
なる列
があるから,定理 95によって,

さて,
は σ 系をなす.
から
だから,
と共に余集合
が
に属する.次に,
とすれば,
である.実際,
とすれば,(1) によって,
から

なる
がある.今,
とすれば,


然るに
は閉集合の増加列の極限だから,

なる
があって(定理 95),
である.すなわち

なる
がある.
は任意だから,(1) が成り立ち,
である.
任意の閉区間が
に属するから,
は少なくともすべての B 集合を含む.すなわち
が B 集合なら (1) が成り立つ.
を正なる加法的集合函数とし,任意の集合
の各点において
とすれば,
で,
を含む B 集合
関して,
.
を集合
を含む B 集合とする.然らば,任意の
に対応して,(1) によって,

なる開集合
がある.また任意に
なる
を取れば,仮定によって,
の各点
に収束する正則なる閉集合
の列があって,
.これらの集合の中から
に含まれる単純列
を取って,ほとんど
を覆うことができる(定理 113).故に (2) から

仮定により
だから
,また
は任意,
も任意だから,
.
において
ならば,
.実際,この場合,任意の
に関して
.
は有限だから
.
は前の定理の通りとする.任意の集合
において
,ならば,ほとんど
を覆う B 集合
が存在して

として証明すればよい.そのとき任意の
に対して,

とする.
とすれば,仮定によって,
の各点に収束する正則なる閉集合
の列があって,
だが,それらのうち,
に含まれる単純列
を取って,ほとんど
を覆うことができる(定理 113).そこで
とすれば

今,
に対応する
を
と書いて,改めて
とする.すなわち

従って
とすれば,

を加法的なる集合函数とする.今

なる点
の集合を
とする.もしも
とするならば,或る有理数
に関して

なる点
の集合を
とするとき,
.また,
(定理 114).
然らば,ほとんど
を覆う或る B 集合
に関して(定理 115)

一方,
から(定理 114)

従って

だから,これは不合理である.故に
,すなわち

の符号が一定でないならば,

で,
.故に定理は成り立つ.
が加法的集合函数の単調列で,

ならば

を増大列として,

と置けば(減少列の場合には
と置く),
で,
は減少列である.故に
も
に関して減少列である.そこで

を示せばよい.
もしも,これが真でないとするならば,或る
に関して

なる集合
が存在すべきである.然らば(定理 114),
なる任意の B 集合
に対して,

だからこれは不合理である.
は加法的で,L 集合
の内で常に 0 に等しいとする.すなわち
ならば
.然らば,
において
.
として十分である.或る B 集合
をとって,
とする(§117).
かつ
なる
の集合を
とすれば,
(定理 114).仮定により
だから,
.さて,
なる
の集合は
の合併であるから,それは零集合である.故に
において
.然るに
だから,
において
.
に関しては
.- ↑ L 集合に対して定義される,完全に加法的で,有限なる集合函数の意.以下同様.
はもちろん L 測度である.
はほとんど常に有限である(前頁,
とする.ただし
は
の余集合である.然らば,
だから,これは全空間で成り立つ.
はもちろん L 測度である.