解析概論/第8章/多変数の定積分によって表わされる函数
[編集] 95.多変数の定積分によって表わされる函数
二次元以上においても §48 のような考察ができる.最も簡単な一例として

において,
に関する積分区域
(閉区域)が変数
には無関係とする.もしも
が
に属し,
が区間
に属するとき,
が連続ならば,
は区間
において連続で,また
が上記区域において連続ならば,
を積分記号の下において微分することができる.すなわち

これは定理 41と同様である.また
の積分は,連続性の仮定の下において,
の三次元積分,すなわち積分記号の下における積分に帰する.すなわち

これはすでに §93 で述べた.
広義積分に関しても §48 のような考察法が適用される.
今古典的な一例としてポテンシャル

を取る.ここで
は体積確定なる
空間の閉区域で,

は
と
との距離,また
は
において連続とする.すなわち,ここでは
を点
の函数とみるのである. さて,もしも点
が区域
の外にあるならば,

から,(2) のように

を得る.もしも
が
の内にあるならば,
も
も広義積分で,それは収束して(§94,[例 1]参照),(4) はやはり成立する.しかし,ここでは不連続点
が
と同じく
の内で変動するのだから,(2) とは違って,(4) を得るためには特別の考察を要する. 今
を包む小区域
を
から除いた残りの区域を
として,
内の点
から点
への距離を
と書いて

と置けば,

さて

において,
だから,
における
の最大値を
とすれば

そこで
の径を
とすれば

は
または
を中心,
を半径とする球に関する積分
よりも小さいから

故に
に対応して
を十分小さく取れば,(5) から

また
は区域
の外にあるから,
に関しては (4) が適用されて

一方,

これは右辺の広義積分の収束に他ならない[* 1].(6),(7),(8) から

すなわち

同様に


- ↑ 積分の収束性は前頁で既に述べたが,極座標を用いて
としても明らかである(357 頁参照). - ↑
等を求める方法は,§102,[例 3](384 頁)参照.
等
としても明らかである(
等を求める方法は,