解析概論/第8章/二次元以上の定積分
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[編集] 90.二次元以上の定積分
二つ以上の独立変数の函数に関しても定積分を §30 と同様の立場において考察することができる.以下述べることは各次元に適用されるが,簡明のために二次元について説明する.
平面の閉矩形
![[K]](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/5/f/f/5ff406fb8f2c6bd8eee29c3988cf1967.png)

において
が有界であるとする.
区間
を分点


において
分,
分して,それらの分点を通る両軸への平行線によって矩形
を
個の小矩形に分割する.この矩形網
の一つの小矩形
![[\omega_{i,j}]](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/3/5/3/3533749e762388f908cd5e6a80bf7d8c.png)

における
の上限,下限を
として,すべての小矩形に関する和
![\begin{align}
S_\Delta &= \sum M_{ij}(x_i - x_{i - 1})(y_{j} - y_{j - 1}),\\[5pt]
s_\Delta &= \sum m_{ij}(x_i - x_{i - 1})(y_{j} - y_{j - 1})
\end{align}\quad\left({i = 1,2,\ldots,m\atop j = 1,2,\ldots,n}\right)](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/b/e/0/be0b3a0cded0191ea97be6166abf4ae3.png)
を考察する.あるいは小矩形
の面積をも
で表わせば

また小矩形
における
の摂動量を

と書けば
.これらの記号は §30 と同様である.
さてすべての矩形網
に関して
も
も有界である.よって前のように
の下限を
,また
の上限を
とする.こんどは矩形網
におけるすべての小矩形の最長辺を
とする.然らば Darboux の定理:
のとき 
が成り立つことは §30 と同様にして証明される.
今各小矩形
について任意に点
を取って,和

を作るとき

が存在するならば,
を矩形
における
の積分といい,それを次のように書く.

最後の記法の意味は §93 で述べる.
積分可能の条件も §30 と同様である.すなわち
(1º)
において
が積分可能であるために必要かつ十分なる条件は
すなわち 
(2º)
が
において連続ならば,積分可能である.(3º)
が連続でなくても,それが有界ならば,矩形網
において不連続点を含むすべての小矩形の面積の総和を
とするとき,
ならば,
は
において積分可能である(十分条件).
約言すれば,すべての不連続点を総面積がどのようにも小さい矩形群に入れてしまえるならば,よいのである.