解析概論/第6章/直交函数系

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[編集] 71. 直交函数系

区間 [a,b]において f(x), g(x) が積分可能で,

\int_a^b f(x)g(x)dx = 0

なるとき,f(x), g(x) を互に直交orthogonal)という.

直交というのは幾何学との類似による.直角座標に関して,ベクトル (a_1, a_2, a_3),(b_1, b_2, b_3)a_1b_1+a_2b_2+a_3b_3=0 なるとき互に直交する.上記直交の定義はそれの拡張である.

区間が指定されているとき,上記のような積分を (f,g) と略記する.すなわち

(f,g) = \int_a^b f(x)g(x)dx.

特に

さてf(x)を連続とすれば,(f,f)=0f(x)=0 なるときに限る.従って f(x) \neq 0 とすれば,(f,f) > 0.そのとき f(x) を定数 \sqrt{(f,f)} で割って

f_0(x) = \frac{f(x)}{\sqrt{(f,f)}}

と置けば

(f_0,f_0) = \frac{1}{(f,f)}\int_a^b f(x)^2 dx = 1.

このとき f_0(x)正規化(または標準化)されている(normalized)という. 区間 [a,b] において与えられた函数

\phi_1(x), \phi_2(x), \ldots, \phi_n(x), \ldots

が二つずつ互に直交で,かつ各 \phi_i(x) が正規化されているとき,その全体を正規直交函数系という.すなわち

(\phi_i, \phi_i)=1,\qquad(\phi_i, \phi_j)=0.\qquad(i \neq j)

例えば

1,\ \cos x,\ \sin x,\ \ldots,\ \cos nx,\ \sin nx,\ \ldots

は区間[-\pi,\pi]において直交系であるが,それは正規化されてはいない.正規系を得るためには

\frac{1}{\sqrt{2\pi}}, \ldots, \frac{\cos nx}{\sqrt{\pi}}, \frac{\sin nx}{\sqrt{\pi}}, \ldots

を取ればよい. 直交函数系の他の一例は,区間 [-1, +1] における Legendre の多項式

P_0(x), P_1(x), \cdots, P_n(x), \cdots

である.これも正規化されてはいない.正規系を得るためには \textstyle\sqrt{\frac{2n+1}{2}}P_n(x) を取ればよい(§36, (3º) 参照).

重要なのは直交性で,正規化は一般論において記述の簡約のためである.


  1. (f,f)Nf,また \sqrt{(f,f)}\|f\| と記略することもある(274頁,[附記]参照).
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