解析概論/第5章/整函数

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[編集] 61.整函数

z 平面の各点において正則なる解析函数を総称して整函数という.

z 平面の各点といっても,z=\infty は含まない.z=\infty は標語として使用するのである.z=\infty をも含めていうときには特にそれをことわらねばならない.

f(z) が整函数ならば,z=0 における Talor 展開 \textstyle f(z)=\sum_{n=0}^{\infty} がすべての z に関して収束する.この場合にも,前節と同様に三つの場合を区別することができる.

(1º)
f(z)=a_0(定数).
(2º)
f(z)=a_0+a_1z+\cdots+a_nz^n,\,(a_n\ne 0,\,n\geqq 1). この場合には \textstyle \lim_{z\to\infty}f(z)=\infty.
(3º)
\textstyle f(z)=\sum_{n=0}^{\infty}a_nz^n は無限級数,収束半径は \infty.今度は \textstyle \lim_{z\to\infty}f(z) は不確定.

上記 (1º)(2º) では f(z) は多項式である.(3º) の場合には f(z)超越整函数という.e^z(または \sin z,\,\cos z)がその一例である.超越整函数においては,z=\infty は真性特異点で,前節で述べた Weierstrass の定理が適用される.

定理 51.
整函数 f(z) が有界(すべての z に関して f(z)< M)ならば,f(z) は定数である[Liouville の定理].
[証]
この場合 f(z) は上記 (2º)(3º) ではありえない.
[注意] 
Liouville の定理は,次のようにいうことができる.すなわち,\infty をも込めて,f(z)z 平面の各点で正則ならば,f(z) は定数である.
定理 60.
一次以上の多項式 f(z) は根を有する(代数学の基本定理).
[証]
かりに f(z) が根を有しないとするならば,1/f(z) は整函数でなければならない.然るに (2º) によって z\to\infty のとき f(z)\to\infty,従って 1/f(z)\to 0.故に 1/f(z) は定数(定理 59).それは不合理である.
根の存在が確定する以上,n 次の多項式が n 個の一次因数に分解されること,および分解の一意性は周知であろう.
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