解析概論/第5章/定積分の計算(実変数)
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[編集] 62.定積分の計算(実変数)
定積分の計算に Cauchy の定理を応用することができる.実際 Cauchy(1825)が初めて虚数積分を考察したのは,当時知られていた多変数の定積分を統一的の方法によって計算することを目的としたのであった.そこから解析函数の理論が生まれて,それが近世数学史上の一つの転回点になったのである.次に一,二の例を掲げる.
[例 1]

に等しいが,まず
を考察する.これは
を除けば常に正則であるから,次の図のように
平面の上半において原点を中心とする半径
の半円周
および実軸上の線分
から成り立つ閉曲線
に関する積分

(1)



のとき
(2)

(3)


[例 2]
[Fresnel の積分].
,
(§35,[例 6])を用いて,[例 1] と同様の方法を試みる。
は
平面の全部で正則だから,次の図に示す円の扇形の周
に関するそれの積分は
に等しい.すなわち
(4)

の上では
,従って
.故に
(5)

の上では
.故に

は[例 1]と同様.故に
のとき
.故に (4),(5) から

を掛けて


留数
領域
において
だけが
の特異点であるとき.Laurent 展開

を中心とする
内の小円周
の上で一様収束するから,
に関して項別に積分して

のほかは
.また
.故に

を
における
の留数という.特に
が
次の極ならば,
は
において正則で

故に留数は

特に
ならば

定理 61.
内の閉曲線
の内部で,
が,有限個の孤立する特異点以外で,正則ならば

は
内の
の特異点における留数の和である.[例 4]
は図の半円内においてただ一つの特異点
を有する.それは
次の極で,留数は



のとき,
の上では
だから

[例 5]

積分記号の中で,分母は
に等しいことに注意して,単位円
に関する積分
を考察する.
とすれば単位円内で
のみが極であるから,これは留数
に等しい.
と置いて積分変数を
に換えれば
故に
の昇巾に展開して
の係数を比較して
実部を比較して標記の結果を得る.
に等しいことに注意して,単位円
に関する積分

とすれば単位円内で
のみが極であるから,これは留数

と置いて積分変数を
に換えれば

の昇巾に展開して

の係数を比較して

なるときは,
.故に

を掛けて


は
とすれば


で,


において
は連続でかつ常に正,したがってその最小値
,すなわち
.(実際は
) 故に

とすれば

とすれば


の実部だけを取って

ならば、
で
![\begin{align}
0 &= \int_0^\pi\log(1-2r'\cos\theta+r'^2)\,d\theta
= \int_0^\pi\log\left(1-\frac2r\cos\theta+\frac1{r^2}\right)d\theta
&= \int_0^\pi[\log(1-2r\cos\theta+r^2)-\log r^2]\,d\theta.
\end{align}](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/6/e/4/6e4a103f4176009edd7ae17619625f50.png)

ならば積分は
に関する連続性によって 
を得る(
で包んで,積分定理を適用すれば(