解析概論/第4章/連続的変数に関する一様収束 積分記号下での微分積分
[編集] 48.連続的変数に関する一様収束 積分記号下での微分積分
函数列
においては
は
と
とに関係し,
に対する収束において,収束の速度が
に関係しないことを,
に関する一様収束というのであった.しかし自然数なる変数
の代りに連続的なる媒介変数
が登場する場合にも,同様の立場から収束の一様性を考察することができる.
今
は
の或る区域
における各
に関して
(または
)のときに,或る極限値に収束するとする.その極限値は
の函数であるから,それを
と略記する.然らば例の通り
式でいえば
なるとき 
がまず任意に与えられて,それに応じて
が定められるのであるが,その
は一般には
にも関係するであろう.もしも
における
の位置に関係なく,ただ
のみに関係する
があって,その
に関して (1) が成り立つならば,
は
のとき,
における
に関して一様に収束するという. もしも
に収束する任意の点列
,を取るならば,(1) において条件
を
で置き換えて
なるとき 
を得る.
が
に無関係ならば,
も同様である[* 1].このように考えるならば,
に収束する連続的変数
を無限に増大する自然数
に変えることができる.ただしその場合 (2) が収束するすべての数列
,に関して成り立つことを要する(§9,22 頁参照).
なる場合には,(1) においては
を
に換え,また (2) においては
を
なるすべての数列とすべきである.
または
なるとき,一様収束の仮定の下において,前節とまったく同様に,定理(A),(B),(C)が成り立つ.
それは上記のように函数列
を考察すれば,定理 40 から導かれるが,あるいはまた定理 40 と全く同様の方法によって,直接に証明することも容易であろう.
点
が或る閉矩形
に属するとき,
が二変数
の函数として連続ならば,
なる
に関し

は
の函数である.
を分点
において
等分して

のとき,
は積分
に収束する.しかも一様に収束する.なぜなら: 仮定によって
は連続だから,連続の一様性によって,
を十分大きく取って

のすべての
に関して



すなわち
が
に関する一様収束である.さて (4) によって有限和
は
に関して連続である.その連続性が一様収束のために極限なる
にまで伝わるのである(定理 40).それがすなわち(A)である.
が一様収束だから,定理 40(B)によって





は
で連続,従って右辺は(積分の定義)


積分
の限界が
に関係する場合にも,上記の微分法が適用される.今

において,
が
の函数ならば

前のように,
は
において連続,また
は
に関して
において微分可能とすれば,
なるとき,

さて
(定理 35).故に

積分記号の下での微分積分は,一様収束の仮定の下において,無限積分にも拡張される.
今区域
,
,において,
は連続で

が一様に収束するとする.その意味は

が,
のとき,
に関して一様に
に収束することをいう.すなわち
に対して
に無関係なる
があって
なるとき, 
この場合にも,上記と同様に,次の定理が成り立つ.
は
において
の連続函数である.
が収束し,
は
において連続で,かつ
が一様収束するならば


の下での積分が許されて



![\begin{align}
\int_{\alpha_0}^\alpha G(\alpha)\,d\alpha
&= \int_c^\infty dx\int_{\alpha_0}^\alpha f_\alpha(x,\alpha)\,d\alpha\\
&= \int_c^\infty [f(x,\alpha)-f(x,\alpha_0]dx\\
&= F(\alpha)-F(\alpha_0).
\end{align}](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/7/9/5/7959677c301d775c016fed9fe95c2b00.png)
が収束するから,最後の行のように書かれるのである.さて
に関して微分すれば
.
有限区間の広義積分に関しても,一様収束を上記のように定義することができる.今
が区間
にあるとき,
は積分区間の下の限界
においてのみ不連続で,

は収束するとする.もしも
に無関係なる
に関して,
なるとき 
ならば,上記積分は(
に関して)一様に収束するのである.この場合にも,定理 42 と同様の(A),(B),(C)が成り立つ.
に関していえば,区間内で常に
で
が収束すれば,
は
に関して一様に収束する.実際任意の
に対して,
を十分大きく取れば,
,従って
,
は
に関係しないから,これは一様収束である.有限区間に関しても同様である.
において両分して,まず

において一様収束をする.――
で
は収束するからよい(上記注意).故に
のとき
は
に関して連続である.
は任意だから,
は
なるとき連続である. また

ならば広義積分であるが,

に関して一様に収束する.――今度は
から
で
が収束するからよい.故に
は
なる
に関して連続であるが,
は任意だから,
なるとき連続である. 故に

なるとき連続である. 次に
を積分記号下で(
に関して)微分して,かりに

に関しては,
とすれば
が十分大きいとき

に関しては,
とすれば,
が十分小なるとき


.また
であるから,
は凸函数である.
は任意として(§35,[例 3])

に関して一様に収束する(
,前頁[注意]参照).よって
に関して
から
まで二回積分して

として

なる仮定の下において証明されたのである.しかし
とすれば
は収束し(定理 36),また
のとき
だから,(8) の左辺は
において一様収束,従って連続である.よって
のとき,(8) から


を用いて

を
に変えるならば,
のとき

の符号を変えるならば,積分の符号が変わる.すなわち
ならば

ならば積分は,もちろん,
である.故に

の函数として,これは
において不連続である.この積分は積分記号の下で無頓着に微分することが危険な実例を提供する.‘乱暴に’微分すれば,結果は次の通り:
(不合理).
(§35,[例 6])において
を
に変換して

に関して
回微分すれば

に関して一様に収束するから(
が収束して
だから.167 頁,[注意]参照),このような微分法が許されるのである.
として

の指数が奇数ならば,不定積分ができるが,また上記の方法で

に関して微分してから,
として


は(
に関して一様に)収束するが,積分記号下で,
に関して微分して

で,これも一様に収束するから,この微分が許される.さて


従って 

を求めるために,
と置けば







は連続であったから,





において
は連続として

のときには

で,
に関しては
. すなわち上記
は次の性質を有する函数である:



は
次以下の任意の多項式である.
と区域
とに

(




のとき,右辺
.故に 
の略記.