解析概論/第3章/積分変数の変換
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[編集] 34.積分変数の変換
変数を適当に変換して,積分の計算を単純化しうる場合が,しばしば生ずる.すなわち被積分函数
において
と置いて,
に関する積分を新変数
に関する積分に変形するのである.今応用上重要な場合として次の仮定をする.
を含む区間
において
は連続.
および
は
で連続で,
が
から
まで変動するとき
,かつ
.
然らば
すなわち左辺における原変数
を新変数
で表わし,また微分
を
で,また積分の限界
を
で置き換えて右辺を得るのである.(1) を置換積分法という.
において
と置いて,
に関する積分を新変数
に関する積分に変形するのである.今応用上重要な場合として次の仮定をする.
(1º)
積分区間
を含む区間
において
は連続.(2º)
および
は
で連続で,
が
から
まで変動するとき
,かつ
.(1)
![\int_a^b f(x)dx=\int_{\alpha}^{\beta} f[\varphi(t)]\varphi'(t)\,dt.](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/7/a/9/7a928f0d58ffa16c8a8f083378b3049c.png)
を新変数
で表わし,また微分
を
で,また積分の限界
を
で置き換えて右辺を得るのである.(1) を置換積分法という.[証]
次に (1) の証明をする.今

![\frac{d}{dt}F(x)=\frac{d}{dx} F(x) \cdot \frac{dx}{dt}
=f(x)\cdot\frac{dx}{dt}=f[\varphi(t)]\varphi'(t).](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/3/9/2/392ae14466572bd980a1261a9e7c4f47.png)
に関して
は
の原始函数であるが,仮定によって
において
は連続,また
も 連続だから
![F[\varphi(\beta)] - F[\varphi(\alpha)]
=\int_{\alpha}^{\beta} f[\varphi(t)]\varphi'(t)\,dt.](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/b/4/9/b4984a9d0c51aafb14b20ffbd00e22de.png)
すなわち
に等しいから,(1) を得る.等式 (1) は
および
の連続性の代りに積分可能性と
の単調性を仮定しても証明できるけれども,それは応用上の興味に乏しいから,ここでは述べない.
それよりも実際の計算において重要なのは仮定 (2º) である.すなわち
が連続である
の区間と
に関する区間
における
と
との対応に注意することが大切である.
が不連続な場合,また特に広義積分にも,適当な注意をもって公式 (1) を適用することができる.
例えば 108 頁,[例 3]において,変換
を行えば

詳しくいえば


で,
または
ならば,右辺の
は広義積分であるが,
のときそれは収束する.よって
なる極限へ行って前掲の等式が得られる.
同様に 108 頁,[例 4]において,変換
を行えば

ここでは積分区間が左辺の無限区間から右辺の有限区間に変換されている.
また変換
によって

のとき

ここでは左辺または右辺の広義積分が収束するとき,他の一辺も収束して,この等式が成り立つのであるが,収束性を見るのに右辺の方が容易であろう.
次に掲げるのは変数変換法の例として,しばしば引用されるものである.

と分割して,変換
を最後の積分に行えば

![\int_0^\pi \frac{x\sin x\,dx}{1+\cos^2x}
=\pi\int_0^\frac\pi2 \frac{\sin t\,dt}{1+\cos^2t}
=\pi\Big[-\mathrm{Arc\,tan}(\cos t)\Big]_0^\frac\pi2=\frac{\pi}4.](http://upload.wikimedia.org/wikisource/ja/math/d/0/e/d0e3466178734e2178c74e8f2356a4cf.png)

と置けば
に
が対応する.さて


とすれば
を得て第三の積分と消しあう.よって標記の結果を得る.
(
のとき
になるが,
だから,積分は収束する(
とすれば
を
に,また
に変換して


とすれば

